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ベンチマーク調査とは?代表的な調査手法や業界別の活用事例などをわかりやすく解説します

ベンチマーク調査とは、目まぐるしく移り変わる市場環境の中、自社の立ち位置と進むべき方向を見極めるために重要な調査方法です。業界の基準や競合のパフォーマンスを分析し、自社の運営や戦略を客観的に評価することができます。

この記事を読まれる方には、「なんで競合が成功/失敗したか、言語化できてない」、「自社事業の方向性にイマイチ自信がない」といった悩みを抱える、マーケティング担当者や事業開発部署者の方が多いかと思います。
そういった方のお役に立てるよう、ベンチマーク調査の概要から、その目的とビジネスにおける重要性に焦点を当てて解説します。さらに、実際に調査する評価項目や、効果的な調査手法、業界別の活用事例についても解説します。

本記事を通して、ベンチマーク調査の重要性、実際の活用方法を学び、自社事業の戦略的な意思決定に活かしていただければ幸いです。

ベンチマーク調査とは?

AIやブロックチェーンといった新規技術・サービスの開発・拡大スピードが飛躍的に上がっている令和の時代において、自社の置かれている状況・市場価値を正確に評価することはとても大切です。
この重要な評価を行う方法の一つが「ベンチマーク調査」です。
ベンチマーク調査とは、業界の基準や競合他社の成功事例や失敗事例と自社の成果を比較し、それに基づいて自社の運営、製品、サービス、プロセスを評価する手法です。

この調査の核となるのは、「比較」です。つまり、自社の特定の側面を、競合他社や業界の標準と比較することにより、自社の立ち位置を客観的に把握することができます。
ベンチマーク調査は、業務プロセス、財務パフォーマンス、顧客サービス、製品の品質など、多岐にわたる分野に適用されます。

また、自社が業界内でどのような位置にいるのかを把握するだけでなく、自社が取れるベストプラクティスや新たなトレンドを発見するのにも役立ちます。

ベンチマーク調査の目的とその重要性

ベンチマーク調査は単なる比較以上の意味を持ちます。調査の主な目的を以下に記しました。

自社の強みと弱みの特定
ベンチマーク調査を通じて、自社の製品やサービスが業界内でどのような位置にあるかを理解することができます。
自社の強みを活かし、弱みに対処する具体的な戦略を立てることが可能になります。

競合分析
競合他社との比較を通じて、自社の相対的なパフォーマンスを把握し、競合の優位点、劣っている点を発見することができます。
強大と思っていた他社でも、意外と弱い側面も見つけられることでしょう。

業務プロセスの最適化
ある競合他社をベンチマークとして、自社の業務プロセスを見直すことで、効率性や生産性の向上が期待できます。

戦略的意思決定の支援
ベンチマーク調査により、データに基づく客観的な洞察が得られます。
これにより、市場における自社の位置を正確に把握し、効果的なマーケティング施策を打つことができます。

ベンチマーク調査がいかに重要かわかっていただけたかと思います。
競争が激しい現代のビジネス環境において、限られたリソースの中、組織が常に最適化された戦略を取り、市場での優位性を確保するために、ベンチマーク調査の実施は必要不可欠なのです。

ベンチマーク調査の代表的な手法

ベンチマーク調査の代表的な手法には、以下のようなものがあります。

NPS (Net Promoter Score)

顧客ロイヤルティと満足度を測定するための指標です。 顧客が自社の製品やサービスを他人に推奨する可能性を数値化できます。

ヒアリング調査

顧客や取引先、有識者などにヒアリングを行います。また、他社のサービス利用者や共催セミナーをきっかけに、競合に対してヒアリングを行える機会もあります。 ※守秘義務を破らない範囲で行うことが重要です。 調査項目は、各ステークホルダーやサービスによって変わりますが、満足度調査、動機などが一般的です。

パネル調査

定期的に同じ対象者グループから情報を収集する調査です。 長期間にわたるトレンドや変化を把握するために用いられます。

ベンチマーク調査の項目を事例を交えて紹介

ベンチマーク調査では、様々な調査項目が対象となります。ここでは、具体的な事例を交えて、主要な項目を紹介します。

財務パフォーマンス
例:競合他社との比較で、自社の製造コストが高いことを発見した。コスト削減のための材料選定や作成方法を調査・分析し、利益率の向上に成功した。

顧客満足度
例:小売業界の企業が、競合他社よりも顧客満足度の低い項目を把握し、原因を特定した。サービスの改善を図り、リピート率の向上につなげた。

市場シェア(売上高)
例:飲料会社が、市場シェアのデータを分析し、特定地域でのシェアが低いことを特定した。その地域に特化したマーケティング戦略を展開し、シェアの拡大に成功した。

品質:
例:電子機器メーカーが、競合製品に比べて不具合率が高いことを発見した。品質管理プロセスを見直し、製品の信頼性向上に繋げ、利益率も向上した。

プロセスの効率性:
例:IT企業が、内部のソフトウェア開発プロセスを他社と比較し、開発スパンが長いことを確認した。アジャイル開発方法の導入で開発速度を向上した。

ベンチマーク調査のやり方やコツ

ベンチマーク調査の効果的な実践方法に関して、以下に具体的な手順をご紹介します。

  1. 01

    目的の明確化

    調査の目的を明確に設定します。何を達成したいか、何を測定したいかを具体的に定義することが重要です。 チームで取り組む場合は、全員が同じ共通認識を持つことが大切です。

  2. 02

    分析対象の選定

    目的に応じ、調査する項目を選定します。財務指標、顧客満足度、売上高などが一般的です。

  3. 03

    データ収集

    競合他社や業界のデータを収集します。財務報告、市場調査レポート、顧客フィードバックなどが参考になります。 多角的な情報源からデータを収集し、偏りのなく収集することが大切です。また、一次情報か、二次情報かの判断も大切です。

  4. 04

    データ分析

    収集したデータを分析し、自社の強みと弱み、改善点を特定します。 定量分析、定性分析のどちらも行うことがコツです。

  5. 05

    戦略策定

    分析結果を基に、改善策や新たな戦略を策定します。 実行可能な戦略・施策を立案することが重要です。

  6. 06

    施策実行とモニタリング

    策定した戦略を実施し、進行状況を定期的にモニタリングします。 関係者が結果・進捗を見える化できることが効率化にも繋がります。

  7. 07

    結果分析とフィードバック

    実施後の結果を評価し、得られたフィードバックを次の施策に活かします。 すぐに結果を求めるのではなく、長期的な視点を持ち、継続的な改善を目指しましょう。

業界ごとの活用事例

ベンチマーク調査は業界ごと、サービスごとで調査項目が大きく変わります。
以下は、自動車業界における新規電池技術のベンチマーク調査の一例です。各ステップに沿って解説いたします。

STEP1:目的の明確化
目的:新規電池技術の開発にあたって、業界内の立ち位置と性能を調査・分析し、競合優位性をもった状態で参入すること。

STEP2:分析対象の選定
選定:電池のエネルギー密度、充電時間、寿命、コスト、安全性といった指標。

STEP3:データ収集
収集:競合他社の電池技術に関するデータ、業界報告、学会発表、研究論文など。

STEP4:データ分析
分析:収集したデータに基づき、自社の電池技術の狙うべき訴求・参入ポイントを明確にし、強みと弱みを特定する。

STEP5:戦略策定
策定:強みを強化し、弱点を改善するための技術開発戦略。

STEP6:施策実行とモニタリング
実施:改善策を適用し、技術開発を進め、実装・走行テストを行う。安全性に問題なければ、大手メーカーと提携し、車用搭載を開始・拡大する。

STEP7:結果分析とフィードバック
評価:メーカー・顧客の声を継続的に取り入れ、今後の開発方針に反映させる。

ベンチマーク調査の注意点

ベンチマーク調査を実施する際には、以下のような注意点を考慮することが重要です。

目的の明確性:
調査の目的を明確にし、その目的に合わせて適切な指標を選定することが重要です。

データの質と信頼性:
収集するデータの質と信頼性を確保することが重要です。不正確な情報、偏ったデータは誤った施策・結論を導きかねません。

要因の特定:
競合他社の成功が内部要因(効率的なプロセス、革新的な製品)によるものか、外部要因(市場環境の変化、規制の変更)によるものかを理解することが重要です。

プライバシーと法的制約:
ベンチマーク調査を行う際には、プライバシーの保護や知的財産権、守秘義務などの法的制約を尊重する必要があります。

まとめ

ベンチマーク調査は、業界内での自社の立ち位置やパフォーマンスを評価し、競争力を高めるための重要なアプローチです。
代表的な手法にはNPSやアンケート調査などがありますますが、適切な評価項目を、適切な手順を行うことが重要です。
本記事が、ベンチマーク調査の理解を深め、戦略の策定において有効な指針となれば幸いです。

アクシアマーケティングのベンチマーク調査

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