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イギリス進出の5大メリットとは?成功のカギや進出事例も紹介

イギリス進出

ヨーロッパ最大級の経済規模を誇るイギリスは、国際的な金融都市として知られるロンドンをはじめ、経済活動が活発な多くの都市を有しており、日系企業にとって魅力的な進出先の一つです。

現に、2023年時点で900以上の日本企業がイギリスに拠点を有するなど、多くの企業がイギリスに進出しています(外務省「海外進出日系企業拠点数調査」)。

そんな中、「自社でもイギリス進出を検討しているけど具体的な方法がわからない」「イギリス進出のメリットや注意点を押さえておきたい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、イギリス進出を検討している方に向けて、イギリス進出のメリットや成功のポイント、市場調査の方法、日本企業の進出事例などをわかりやすくご紹介します。

本記事を読めば、イギリス進出を検討している方が押さえるべき情報を網羅的にキャッチアップできますので、ぜひ最後までお読みください。

イギリスの基本情報

イギリス進出

ヨーロッパ北西部に位置する島国であるイギリスは、ヨーロッパ最大級の経済規模を誇る大国で、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの国から構成されています。

首都のロンドンは、国際的な金融都市としても名高く、日本を含む世界中から多くの企業が進出しています。

概要

面積24.3万平方キロメートル(日本の約3分の2)
人口6,760万人(2022年時点)
首都ロンドン
言語英語
宗教英国国教会
通貨スターリング・ポンド
主要産業自動車、航空機、金融、電気機器、化学
在留邦人数64,970名(2023年時点)
英国基礎データー外務省

イギリスに進出する5つのメリット

イギリスに進出する5つのメリット

日本企業がイギリスに進出するメリットには様々なものが挙げられますが、特に大きなメリットとして、以下の5つが挙げられます。

【日本企業がイギリスに進出する5つのメリット】

  • 市場規模が大きく経済的に安定している
  • 英語圏であり言語面でのハードルが低い
  • 治安が良く政治的にも安定している
  • 多くの日本企業が進出している
  • 優秀な人材が集まっている

市場規模が大きく経済的に安定している

イギリスの経済・市場規模はヨーロッパはもちろん、世界的に見てもトップクラスの大きさを誇り、安定した消費市場を有しています。2024年の名目GDPは、約3兆5,000億円であり、世界第6位となっています。

人口は約6,800万人で、そのうち大部分が都市部に集中し、高い購買力を有しています。首都のロンドンは国際金融の中心地でもあり、豊かな富裕層と堅実な中間所得層が集まることから、特に高品質な製品やサービスを提供する企業にとって大きなチャンスがあるといえます。

また、EU離脱後もイギリス政府は積極的に自由貿易協定を締結しており、アジアや北米、オーストラリアといった主要市場との経済連携が進んでいます。そのため、イギリスに拠点を設けることで、国際貿易の展開が容易になります。例えば、日産自動車はイギリス北東部のサンダーランド工場を欧州全体への輸出拠点として活用しています。

このように、イギリスは、経済的安定性と国際貿易の利便性を兼ね備えており、多くの海外企業にとって魅力的な市場となっています。

英語圏であり言語面でのハードルが低い

イギリスは英語圏であるため、他国で発生しがちな言語対応のコストを抑えることができます。日本国民の多くが学ぶ英語はアメリカ英語であり、イギリス英語とは若干異なりますが、基本的な文法や単語は同じであるため、大きな支障とはならないでしょう。

これに対し、英語以外の言語が公用語である国の場合、現地語を扱える人材の採用に苦労したり、現地企業や現地人とのコミュニケーションに支障が生じるなど様々な課題に直面します。この点、国民の大半が英語を話すイギリスでは、このような課題に直面することもなく、比較的スムーズに事業展開を進めることができるでしょう。

治安が良く政治的にも安定している

イギリスは諸外国と比べても比較的治安が良好で、外国企業が安心して事業を展開できる環境が整っています。ただし、すりやひったくりなどの盗難件数は決して少なくなく、注意する必要があります。イギリスの治安情報については、外務省の公式サイトでもリアルタイムで公開されているため、定期的にチェックしておくことをおすすめします。

また、政治的にも安定しており、急な政策変更による事業停止等のリスクは低いといえます。法制度も整備されており、契約上の権利や知的財産権がしっかりと保護されるため、法的リスクが低いのも魅力です。

多くの日本企業が進出している

イギリスには既に900社以上の日本企業が進出しており、豊かなビジネスネットワークが形成されています。このネットワークは、新規参入企業にとって大きな支援となるでしょう。

例えば、現地での法務・会計・税務などに関する情報が共有されやすく、進出時の初期コストやリスクを抑えることが可能です。多くの日本企業が進出している分、競争が激しいという側面もありますが、日本企業同士で現地の人材採用や研修において協力し合うことができるというメリットがあるのも確かです。

また、イギリスには日本人コミュニティが形成されており、日本食レストランや日本人向けの教育機関も充実しているなど、駐在員やその家族が快適に生活できる環境が整っています。

優秀な人材が集まっている

イギリスは、世界中から優秀な人材が集まる国として知られています。その理由の一つは、高い教育水準と世界トップクラスの大学群にあります。オックスフォード大学やケンブリッジ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなど、世界トップレベルの一流大学が数多く存在しています。これらの大学は、毎年多くの優秀な人材を輩出しています。

イギリスに進出した企業は、このような優秀な人材と交流することで、新たな知見や技術を獲得することができるでしょう。また、このような人材を採用することができれば、自社の組織を大幅に強化することもできます。

ただし、優秀な人材の獲得競争も激しいため、高度人材の採用のためには、多額の報酬提示が必要となることも少なくありません。

イギリス進出を成功させるための5つの注意点

イギリス進出を成功させるための5つの注意点

イギリス進出を成功させるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。その中でも、特に以下の5つを意識することで、現地での事業の成功確率を格段に高めることができるでしょう。

【イギリス進出で失敗しないための5つの注意点】

  • しっかりと市場調査を行う
  • ブレグジットの影響を考慮する
  • 自社にあった現地パートナーを見つける
  • 高い人件費や物価に注意する
  • 現地特有の法規制・商慣習に注意する

しっかりと市場調査を行う

イギリスに進出するにあたっては、事前にしっかりと市場調査を行っておくことが重要です。主な調査項目としては、人口・市場規模・主要産業などの基本情報に加え、競合の存在、法規制・税制、現地の人々の生活・文化などが挙げられます。特に、イギリスの場合、ロンドン、マンチェスター、リヴァプールなど都市ごとに産業構造や市場環境が異なるため、ターゲットとする都市にフォーカスした調査を行うことが重要です。

企業が海外進出に失敗するよくあるパターンとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 投入した製品がその国の人々の生活や文化に合わず、ほとんど売れなかった
  • 思わぬ法規制や制度の罠に直面して思い通りのビジネスを展開できなかった

これらの失敗は、事前に入念な市場調査を行うことで回避することができ、その意味でも市場調査は非常に重要です。

市場調査の初期段階では、外務省やJETROなどの公的機関が発行する資料や、書籍・インターネット等などの公開情報の収集から開始することから始めましょう。イギリスは日本との関係も深いため、日本にいながらでも豊富な情報にアクセスすることができます。イギリスに進出している企業は多いため、これらの企業の人から話を聞くことも有効です。

その後、本格的に進出検討を進める場合には、非公開情報も含めた調査や客観的な視点からの分析が必要となるため、専門の調査会社・コンサルティング会社に委託することをおすすめします

ブレグジットの影響を考慮する

イギリスへの進出に当たり、ブレグジット(EU離脱)の影響が気になるという方も多いでしょう。ブレグジットは、イギリス市場に進出する日本企業にも少なからず影響を与えることとなりました。ある調査によると、ブレグジットによってイギリスの現地法人の売上高が約11%減少したとのデータもあります(経済産業研究所「英国のEU離脱(ブレグジット)が日本の多国籍企業に与える影響」)。

従来のEU単一市場からの脱退により、イギリスとEU諸国間の貿易には関税や通関手続きが発生し、供給チェーンが複雑化しています。また、自動車や食品、医薬品などの業界では、イギリス独自の規制に対応する必要が生じたため、そのためのコストと手間が増加しました。

さらに、物流面では、港湾や国境での検査が強化され、輸送の遅延リスクが高まっています。これにより、製品のタイムリーな供給が難しくなるケースも増えています。特に生鮮食品の出荷の大幅な遅延が問題となっています。

このようなブレグジットへの影響に対しては、以下のような対策を採ることが考えられます。

  • イギリスからEU市場向けに製品を輸出する場合、イギリスに加えてEU内に生産拠点や物流拠点を設置することで、関税コストや遅延リスクを低減する
  • イギリスとEU双方の許認可規制・認証基準等に対応するため、現地の規制専門家や認証機関と連携し、効率的に認証やライセンス等を取得する体制を整える
  • イギリスが新たに締結した自由貿易協定(日本との日英包括的経済連携協定など)の条件を活用し、関税を削減する

自社にあった現地パートナーを見つける

イギリスに限らず、海外進出を成功させるためには、信頼できる適切な現地パートナーを見つけることが重要となります。イギリスにおける現地パートナーとしては、民間企業だけでなく、在日英国商業会議所(BCCJ)、日本大使館、JICA、JETROなどの公的機関も有力なサポーターとなります。

現地パートナーは、現地で事業を展開するにあたり、適切な人につないでくれたり、必要な手続きの履行やコミュニケーションをサポートしてくれるなど、現地で事業をスムーズに展開するために欠かせない存在です。

いくら事前のリサーチをしっかりしていたとしても、現地に数十年住んでいる方には到底及びません。そういった現地人にしか分からない感覚をサポートしてくれるのが現地パートナーの存在です。

信頼できる現地パートナーと良好な信頼関係が築ければ、イギリス進出の成功率は格段に上がるでしょう。

高い人件費や物価に注意する

イギリスは高い生活コストと人件費で知られ、特にロンドンでは、オフィス賃料や住宅費が世界最高水準にあります。また、最低賃金は毎年引き上げられる傾向があり、人件費の上昇が事業運営に少なからず影響を与えます。このような物価・人件費の高さは、企業の利益率を圧迫する要因となっています。

このような高い物価や人件費を回避したい場合には、ロンドン以外の地方都市を進出先として選択することをおすすめします。マンチェスターやバーミンガム、リヴァプールなどの地方都市は、ロンドンと比べると比較的賃金水準が低く、不動産コストも抑えられるため、コスト削減が可能です。

また、イギリス政府や自治体は、外資企業も利用できる様々な優遇税制や助成制度を設けています。画期的な新技術の開発に対するイノベーション助成金や産業振興地域での優遇税制、都市銀行による融資や助成制度などを活用することで、物価高騰によるコスト負担を軽減することが可能となります。イギリス政府等による助成制度を活用する際には、ジェトロなどの公的機関の支援を受けるのが良いでしょう。

現地特有の法規制・商慣習に注意する

イギリスは法制度が整備されており、ビジネスにおける法的遵守が非常に重要視されています。特に注意すべき法律として、現地スタッフを採用した際に適用される労働法規、個人情報を取り扱う際に適用されるデータ保護規制(イギリス版GDPR)などが挙げられます。

イギリスで事業を展開するにあたっては、現地の法律事務所やコンサルタントを活用し、法規制や商慣習に基づいた事業運営を行うよう心がけましょう。また、契約書作成時にはリーガルチェックを徹底し、リスクを最小化することが重要です。

また、法律だけでなく、各業界において定められている独自の規則やガイドライン、安全基準などにも注意する必要があります。現地のパートナーからもアドバイスをもらいながら、適切なコンプライアンス体制を構築していきましょう。

【エリア別】イギリスの主要な産業

イギリスは、イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランドの4つの国から成り立つ連合王国であり、それぞれ異なる産業が発達しています。そのため、自社がイギリスで展開したい事業の内容や業種に応じて適切な地域を選択することが重要です。

以下では、それぞれの地域における特徴や主要産業をご紹介します。

イングランド

イングランドの中でも、首都のロンドンは、世界最大規模の金融都市であり、銀行業、保険業、フィンテックなど様々な金融サービスが発達しています。

近年では、AI、IoT、サイバーセキュリティなどの最先端テクノロジーの研究開発も進んでおり、ヨーロッパ一のイノベーションの集積地として知られています。スタートアップへの投資額も世界トップクラスであり、画像生成AIで注目されているStability AIや送金サービスで有名なWiseなど、世界的にも有名なスタートアップが数多く誕生しています。

また、映画や音楽などのエンタメ産業も盛んであり、多くの劇場や映画スタジオ、ギャラリーが集まっています。

ウェールズ

イギリス本島の南西に位置するウェールズは、石炭などの地下資源が豊富にあり、かつての産業革命を支えた歴史を持っています。

現在では、製造業、金融業、フィンテックなどが盛んであり、日本からも、トヨタや日立製作所などの大手企業を中心に多数の企業が進出しています。

また、映画、テレビ、ゲームなどのクリエイティブ産業も活発であり、大きな経済効果をもたらしています。

スコットランド

スコットランドは、イギリスの最北端に位置し、独自の文化や制度を築き上げています。グラスゴーやエディンバラなどの大都市を中心に様々な産業が発達しています。

特に、医療や教育などのサービス業、観光業が有名です。教育については、エディンバラ大学やグラスゴー大学など、世界的にも評判のある大学が存在し、高い教育レベルを維持しています。観光については、特に首都のエディンバラは、多くの伝統的な建築物や博物館•美術館などが存在しており、毎年多くの観光客が訪れています。

また、近年では、再生可能エネルギー分野でも注目が集まっており、2045年までにネットゼロを達成するという独自の脱炭素目標を掲げています。特に、北海に面した気候を活かした洋上風力発電が盛んであり、海外からも多くの企業が参画しています。

このような再生可能エネルギーブームの中、電力ケーブルへの需要が高まっていることを受け、2023年には、住友電工がスコットランドに電力ケーブルの製造販売会社を設立することを発表しました。

北アイルランド

北アイルランドは、アイルランド島の北東部に位置し、アイルランド共和国と隣接しています。経済規模としては他の3つの国と比べると小さく、主にサービス業が発達しています。

他の国と比べると、北アイルランドに進出している企業は少ないという印象を持つかもしれませんが、実は、すでに1000を超えるグローバル企業が世界中から同国に集まっています。北アイルランド開発庁は、積極的な外資誘致政策を展開しており、海外の投資家に対して優遇措置を提供したり、事業展開支援を行っています。

近年では、デジタル技術の急速な発達も目立っており、サイバーセキュリティ、AI、フィンテックなど幅広いテクノロジー分野において才能あるエンジニアが集まっています。すでに、富士通、楽天、Microsoft、NVIDIAなど、世界中の大手テック企業が拠点を置いています。

日本企業のイギリス進出事情

2022年10月1日時点で、イギリスに進出している日本企業は955社であり、ヨーロッパではドイツに次ぐ数となっています。さらに、イギリスで常時働いている日系企業の従業員は約17万人であり、ヨーロッパで最も多くなっています。

また、日本からイギリスへの直接投資額は、2023年末時点で20兆円を超えており、日本の対外直接投資残高の7%を占めています。

このように、大企業、中小企業を問わず様々な業界の日本企業がイギリスに進出しています。代表例として、トヨタやホンダなどの自動車メーカー、楽天やソフトバンクなどのIT企業、吉野家や丸亀製麺などの飲食店などが挙げられます。

参考:外務省「英国 基礎データ

日本企業のイギリス進出事例4選

イギリスに進出している日本企業は数多く存在しますが、その中でも特に参考になる事例として、以下の4つをご紹介します。

  • 【ユニクロ】コベントガーデンにセオリーとの複合店をオープン
  • 【丸亀製麺】リーズナブルな価格の打ち立てうどんがロンドンで大人気に
  • 【一風堂】一杯2300円のラーメンを販売
  • 【楽天】北アイルランドでブロックチェーンの研究を実施

【ユニクロ】コベントガーデンにセオリーとの複合店をオープン

【ユニクロ】コベントガーデンにセオリーとの複合店をオープン
引用:ユニクロ公式サイト

ユニクロは、2023年4月、アメリカ発のブランド「セオリー」と共同で、ロンドンの中心部に複合店をオープンしました。

店舗は、街の雰囲気に合わせた歴史的建築物を改装して作られました。イギリスの店舗では初めて、カフェスペースを設けるなど、現地のコーヒー文化に寄り添った体験を提供しています。

店舗には、ユニクロのグラフィックTシャツブランドであるUTのために設けられた特設スペースがあり、最新のUT商品を含む過去の人気商品が数多く揃っています。また、オリジナルデザインを作ることができるUTme!というサービスも導入され、ロンドンの地下鉄をイメージしたオリジナルデザインが展開されています。

また、同店舗では、多くのローカルビジネスとのコラボレーションも行われています。例えば、地元のフラワーショップとコラボして、店舗内のポップアップストアにフラワーアレンジメントを展示するなど、ユニークな取り組みを実施しました。

【丸亀製麺】リーズナブルな価格の打ち立てうどんがロンドンで大人気に

【丸亀製麺】リーズナブルな価格の打ち立てうどんがロンドンで大人気に
引用:トリドールホールディングス公式サイト

トリドールホールディングスが展開するうどん専門店「丸亀製麺」は、ロンドンでも大人気です。2021年に一号店をオープンした後、すぐに店舗数を増やし、現在はロンドンを中心に全部で9店舗を展開しています。

物価が高いことで有名なロンドンにおいて比較的リーズナブルな値段で打ちたてのうどんを提供しており、ピークの時間帯は席が全て埋まるほどの人気ぶりとなっています。

トリドールは、海外進出に力を入れており、丸亀製麺の海外店舗数は、2024年6月時点で271店舗に及んでいます。その中でも、イギリスは、人件費が高く、競合も多いレッドオーシャンであり、ここでの挑戦は、同社にとって重要なマイルストーンと位置付けられています。

【一風堂】一杯2300円のラーメンを販売

【一風堂】一杯2300円のラーメンを販売
引用:力の源ホールディングス公式サイト

力の源ホールディングスが運営する、日本でも人気のラーメン店「一風堂」は、近年、海外でも存在感を増しています。イギリスを含む世界各国に店舗を展開しており、店舗数は2023年12月時点で274店舗に達しています。

中でもロンドンにある店舗は、一杯2,300円という高額な値段を設定しています。物価の高いロンドンにおいては、このような価格でも十分に勝負できるのです。月によっては営業利益率15%を達成したこともあるなど、高利益率を維持することに成功しています。

また、一風堂は、現地での店舗展開前にしっかりと市場調査を行い、現地の食文化や好みに合わせたメニュー設計を心がけています。2023年に行われたG7の広島サミットでは、ビーガンやベジタリアンに配慮した植物由来のラーメンを提供して話題になりました。

【楽天】北アイルランドでブロックチェーンの研究を実施

【楽天】北アイルランドでブロックチェーンの研究を実施
引用:楽天公式サイト

楽天グループは、北アイルランドの首都ベルファストに楽天ブロックチェーンラボという研究機関を設立しました。ブロックチェーンの活用を促進するために設立された機関で、現地のパートナー企業とともにユースケース創出やソリューション開発に取り組んでいます。

楽天社内のビジネスユニットによるブロックチェーン利用を促進するという役割を担っており、ブロックチェーンのプラットフォーム開発や勉強会などを実施しています。

楽天は、本取り組みを通じて、フィンテックなどの金融サービスでトップレベルを誇るイギリスにおいて、現地企業が持つ最先端のノウハウや知識を取り入れ、イノベーションを生み出すことを狙っています。このラボで開発したソリューションは、楽天ポイントの運用や新たな金融サービスの開発など、楽天本体の事業にも活用されており、本体事業の強化に繋がっています。

イギリス市場の3つの調査方法

イギリス市場の3つの調査方法

イギリスで円滑にビジネスを展開するためには、事前の市場調査が欠かせません。市場調査の方法としては、以下の3つが挙げられます。

【市場調査の3つの方法】

  • 自社で調査する
  • 支援機関を活用する
  • 民間の調査会社を活用する

自社で調査する

自社で市場調査を行う場合、自社のリソースを活用するためコストの削減が可能です。調査を通じてノウハウが蓄積されるため、長期的なメリットもあります。しかし、専門的な知識やリサーチのノウハウが十分でない中、すべて自社で行うとなると多大な時間と労力がかかってしまいます。

自社で調査するメリット

自社で調査すれば、コストを安く抑えることができるうえに、自社のニーズに合わせた細かな調査が可能です。内部での情報共有がスムーズで、社内にノウハウが蓄積されるため、将来的な事業拡大に役立ちます。

イギリスに関する情報は、日本にいながらでも比較的豊富にアクセスすることができると考えられます。また、母国語が英語であるため現地の資料を直接確認することも容易です。

自社で調査するデメリット

時間と労力がかかるため、スピード感を持った対応が難しいという問題点があります。また専門的な知識が不足していると、重要な事項を見落としたり、間違った情報をインプットしてしまったりなど、調査結果の精度が低くなるリスクがあります。

支援機関を活用する

日本には海外進出を支援する様々な公的機関があります。公的な支援機関を活用することで、信頼性の高いデータや情報を入手しやすくなります。手続きが煩雑な場合もありますが、専門的なサポートを受けられる点が魅力です。

【公的機関の一例】

  • ジェトロ(日本貿易振興機構)
  • 中小企業基盤整備機構
  • 商工会議所
  • 政府系金融機関
  • 地方自治体

支援機関を活用するメリット

信頼性の高いデータ・情報が得られること、専門的なアドバイスが受けられることが主なメリットです。政府の補助金や助成金の活用により、コストを抑えることも可能です。

支援機関を活用するデメリット

手続きが煩雑な場合があり、結果が得られるまでに時間がかかることがあります。また公的機関の情報は一般的すぎる内容である場合があり、特定のビジネスに合わせた詳細な情報が入手しにくいこともあります。

民間の調査会社を活用する

民間の市場調査会社を利用することで、迅速かつ専門的な調査を実施することができます。コストがかかる一方で、高度なデータ分析が可能です。

民間の調査会社へ委託を検討する際はこちらの記事も参考にしてください。

民間の調査会社を活用するメリット

現地の専門知識を持つ調査会社がデータを提供するため、精度の高い情報が得られます。また、その会社独自のネットワークを活用することで、通常の調査方法では得られない深い情報を得られることも期待できます。

公的機関よりも迅速にデータを収集できるほか、収集したデータを踏まえた適切な助言を提供してくれるため、海外進出を検討する上で強力なサポーターになるでしょう。

民間の調査会社を活用するデメリット

コストが高額になることがあり、調査の内容に満足できない場合のリスクもあります。契約内容や調査前の取り決めでは、慎重な判断が必要です。

調査会社を選ぶ際には、顧客のニーズをしっかりとヒアリングしてくれるか、ニーズに合わせて柔軟に調査スコープや調査方法を変えてくれるか、成果物のイメージを事前に共有してくれるか、といった点に着目するとよいでしょう。

イギリスの市場調査・進出支援ならAXIA Marketing

AXIA Marketingでは、イギリス進出を検討している企業様に向けて、イギリスの市場調査・進出準備をお手伝いしております。

世界中に計50万名規模の有識者ネットワークを有しており、公開情報では知ることのできない現地の深い情報まで徹底的にリサーチ・分析し、イギリスの市場調査から進出準備まで一気通貫でサポートします。

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参考文献

海外進出日系企業拠点数調査 2023年調査結果 – 外務省

英国基礎データ – 外務省

海外安全ホームページ – 外務省

【2024年】世界の名目GDPランキング (IMF) – セカイハブ

日産、サンダーランド工場で累計生産1,100万台を達成 – 日産自動車

【2024年最新】イギリスの物価は高い?費用や予算、日本との比較も – NEWT

英国 外資に関する奨励 – JETRO

英国のEU離脱(ブレグジット)が日本の多国籍企業に与える影響 – 経済産業研究所

ブレグジット移行期間終了から1カ月、物流の混乱が顕著に – JETRO

日本企業との長年に渡る関係そして技術立国への舵取り – Welsh Government

英国、スコットランドに電力ケーブル工場を設立 – 住友電工

英国とEU市場を目的とする企業にとってなぜ北アイルランドが最適な投資先なのでしょうか? – 日本経済新聞

ロンドンのコベントガーデンにユニクロ・セオリーの複合店が4月27日(木)オープン – ユニクロ

丸亀製麺、ロンドンは世界への登竜門 脱「日本のうどん」目指す – 日経ビジネス

ラーメン一風堂、ロンドンで“一杯2300円”も大成長のワケ。麺は伸ばさず、売上伸ばす – 日刊SPA!

楽天のブロックチェーンビジネスを加速させる「楽天ブロックチェーン・ラボ」 – 楽天

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