代表的なインド進出コンサルティング会社7選|特徴~選び方まで
インドは、世界最大の人口を抱え、急速に経済成長が進んでいる国であり、近年、多くの日本企業がインドでビジネスを開始しています。
大きな成長余地のある市場が多くの日系企業を惹きつけており、外務省が行った海外進出日系企業拠点数調査によれば、2023年時点で日系企業のインドにおける拠点数は5,000社近くに達しています。
一方で、「インドに進出したいと考えているけど、やり方がわからない」「インド進出支援を依頼したいけど、どこに依頼すればよいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、インド進出を検討している方に向けて、インド進出を支援するおすすめのコンサルティング会社を7社、それぞれの特徴や選び方とともにわかりやすくご紹介します。
実際にインドに進出した日本企業の事例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
インド進出コンサルティング会社選びで失敗しない6つのポイント
インド進出を支援するコンサルティング会社を紹介する前に、数あるコンサルティング会社の中から自社に合った適切な企業を選ぶために注意すべきポイントについてご紹介します。
【インド進出コンサルティング会社選びで失敗しないために重要なポイント】
- インド市場の専門知識と実績
- 法規制や税制への対応力
- 現地ネットワークの有無
- 文化理解とコミュニケーション能力
- サービス内容の柔軟性
- 費用対効果のバランス
インド市場の専門知識と実績
インドは州ごとに文化、言語、規制が異なります。そのため、現地の市場特性やビジネス環境に精通したコンサルティング会社を選ぶことが重要です。
具体的には、それぞれのコンサルティング会社について、以下の点を確認することをおすすめします。
- 過去のインド進出支援実績(業界、規模、地域)
- 現地のパートナーの有無
法規制や税制への対応力
インドの税制や法規制は頻繁に変更され、複雑です。進出する際の許認可、納税、コンプライアンスなどを適切にサポートできる会社を選ぶ必要があります。
支援企業によっては、法律事務所や会計事務所と提携し、専門性を有する手続きの代行サービスもパッケージで提供しているコンサルティング会社もあります。費用としては割高になりますが、インド進出に係る手続きを一括して依頼することで、効率的に進出のための準備を進めることができるでしょう。
現地ネットワークの有無
インドでのビジネスは信頼関係が重視されるため、現地でのネットワークを持つコンサルティング会社は大きな支えとなります。
政府機関や業界団体との関係性があるか、進出後にパートナーやサプライヤーを紹介できるネットワークがあるかといった点を事前に確認しておくと良いでしょう。
文化理解とコミュニケーション能力
インド市場では文化や商慣習の違いを理解し、現地のビジネスパートナーやスタッフと円滑にコミュニケーションを取ることが求められます。支援先が、このようなコミュニケーション能力を有しているかも重要な判断基準となります。
担当者の語学能力や現地出身のスタッフの有無などに注目して支援先を選びましょう。担当者がインドでのビジネスの経験を有するかも重要な指標となります。
サービス内容の柔軟性
インド市場の変化に対応できる柔軟なサポート体制を持つコンサルティング会社を選ぶ必要があります。
特に、インド進出を果たした後のアフターフォローが充実しているか、必要に応じて新たなサポートを追加できる柔軟性があるかといった点は重要です。
費用対効果のバランス
サービス内容と費用が適切にバランスしているかを確認することも重要です。高額なコンサルティング会社が必ずしも質の高いサービスを提供するとは限りません。
提供される具体的なサービスと費用との関係が明確となっているか、費用感について納得のいく説明をしてもらえたかなどといった点を考慮するようにしましょう。
また、単に費用が安いからという理由だけで選ぶのも危険です。サービスの質が低いと、調査のやり直しが必要となり、かえってコストがかかってしまう事態にもなりかねません。支援先選定に当たっては、複数の候補から見積りを取得して、比較検討することも重要となります。
これらの要素を踏まえてコンサルティング会社を選ぶことで、インド進出の成功確率を大きく高めることができるでしょう・
インド進出のコンサルティング会社7選
インド進出支援を手掛けるコンサルティング会社は数多くありますが、中でも特におすすめのコンサルティング会社を7つ紹介します。
- AXIA Marketing
- インフォブリッジ
- サンウェル
- 東京コンサルティングファーム
- インド・ビジネス・センター
- インド総合会計事務所
- GJC INDIA
AXIA Marketing
AXIA Marketing株式会社は、インドを含む海外調査や海外進出支援において豊富な実績を持っています。
AXIA Marketingのインド進出支援コンサルティングサービスの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- 客観的なデータ収集から競争分析、消費者行動の調査、さらには市場のポテンシャル評価までをカバー
- インドにおけるパートナーとのコネクションを活かした有識者へインタビュー調査や競合調査、アライアンス調査などを駆使
- 各社の進出の目的やニーズ、ご予算に応じたカスタマイズが可能
こうした幅広い調査方法と柔軟なカスタマイズ支援により、クライアントはインド進出を成功させるために必要な情報を効率よく手にすることができます。AXIA Marketingは、その広範な現地ネットワークと豊富な調査経験により、インドでの事業展開を考える企業を支援します。
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お見積りなどもお気軽にお問い合わせください
インフォブリッジ
インフォブリッジは、インド市場の調査やインド進出コンサルティング業務など、インド進出をワンストップで支援するインド専門のプロフェッショナル集団です。
インフォブリッジの特徴として、主に以下のようなものが挙げられます。
- マーケティングリサーチ、事業開発コンサルティング、ディストリビューション事業、海外人材開発サポートなど多角的なサポートを提供
- インド調査を手掛けるグループ会社と連携し、インド市場の状況やビジネス環境などをまとめた調査レポートの発行も行う
インフォブリッジは、公式サイトにおいて、インド現地メンバーが仕入れた最新の情報を掲載したコラム記事の配信も行っています。
サンウェル
サンウェルは、インド進出のコンサルティングサービスのほか、インドでのオフショア開発やエンジニア人材の紹介・派遣などを手掛けています。
サンウェルのインド進出支援コンサルティングサービスの特徴として、主に以下のようなものが挙げられます。
- 経験豊富な日本人とインド人のコンサルタントがタッグを組んで支援
- 初期的な検討から、設立、管理まであらゆるフェーズにおいて必要な支援を提供
- 通年業務として、通訳の手配やビザ申請、アポスティーユ取得などもサポート
サンウェルは、インド進出を検討している企業に向けてセミナーを実施したり、インド駐在員向けに研修サービスを提供するなど、インドでの事業展開に役立つ情報を様々な形で発信しています。
東京コンサルティングファーム
東京コンサルティングファームは、海外法人設立から現地での事業展開まで一気通貫でサポートするコンサルティンググループです。インドを含む世界中の国への進出支援/サポートを提供しています。
東京コンサルティングファームのインド進出支援コンサルティングサービスの特徴として、主に以下のようなものが挙げられます。
- インドの市場調査・視察ツアー、会社設立・登記、人事労務・会計税務、M&Aなどあらゆる側面からインド進出を支援
- 自社独自の月次経営戦略書を毎月提供
- デリー、ムンバイ、チェンナイ、バンガロールなどの主要都市に現地オフィスを保有
東京コンサルティングファームは、税理士法人や会計事務所、保険労務士法人などとグループ会社の関係にあることから、人事労務や会計に関する諸々の手続きも合わせて提供することができます。
インド・ビジネス・センター
インド・ビジネス・センターは、日本企業のインドでのビジネスをハンズオンでサポートするトータル支援企業です。
インド・ビジネス・センターの特徴として、主に以下のようなものが挙げられます。
- 調査・リサーチ、現地法人・駐在事務所設立支援、現地サポートなど基本的な支援を提供
- JICAやJETROなど公的機関による海外進出支援を活用するためのサポートも提供
- インドでの事業展開に必要な日本人エンジニアの紹介・あっせんをサポート
インド・ビジネス・センターは、公式サイトにおいて、インドの最新情報を配信する記事もリリースしています。
インド総合会計事務所
インド総合会計事務所は、インド専門の総合会計事務所として、経験豊富な専門家・コンサルタントによるワンストップでのインド進出支援を提供しています。
インド総合会計事務所の特徴として、主に以下のようなものが挙げられます。
- 会計業務だけでなくビジネスアドバイザリー業務も提供
- インド実務の経験豊富な日本人と、インド人の専門家が一丸となってサポート
- 東京、グルガオン、バンガロール、アーメダバードの合計4拠点を保有
特に会計業務や税務に強みを有していますが、それに限らず、インド進出全般を支援しています。
GJC INDIA
GJC INDIAは、インドを専門に、進出支援、会計・税務・監査、人事労務・法務などを手掛ける総合コンサルティング会社です。
GJC INDIAのコンサルティングサービスの特徴として、主に以下のようなものが挙げられます。
- 日本人8名がインドに常駐。インドのリアルタイムの状況を把握した日本人による高品質なサポートを提供
- 公認会計士、弁護士、勅許会計士などの専門家を内部に抱えており、専門的な手続きのサポートも可能
GJC INDIAは、コンサルティングのほかにも、YouTubeや自社メディアを通じて様々なお役立ち情報の発信も行っています。
インド進出の成功に欠かせない3つのポイント
インド進出を成功させるためには、主に以下の3つのポイントに注意する必要があります。
- しっかりと市場調査を行う
- 自社にあった現地パートナーを見つける
- 現地特有の文化・商慣習に配慮する
しっかりと市場調査を行う
インドに進出するにあたっては、事前にしっかりと市場調査を行っておくことが重要です。主な調査項目としては、人口・市場規模・主要産業などの基本情報に加え、競合の存在、法規制・税制、現地の人々の生活・文化、宗教上のルールなどが挙げられます。特に、インドで一般的な宗教であるヒンドゥー教は、戒律やタブーが色々と決められており、事業にも影響を与える可能性があるため注意が必要です。
企業が海外進出に失敗するよくあるパターンとして、以下のようなものが挙げられます。
- 投入した製品がその国の人々の生活や文化に合わず、ほとんど売れなかった
- 思わぬ法規制や制度の罠に直面して思い通りのビジネスを展開できなかった
- 広告のコピーやパッケージのデザインが宗教上のタブーに反し、現地人の反感を買ってしまった
これらの失敗は、事前に入念な市場調査を行うことで回避することができ、その意味でも市場調査は非常に重要です。
市場調査の初期段階では、外務省やJETROなどの公的機関が発行する資料や、書籍・インターネット等などの公開情報の収集から開始することから始めましょう。
その後、本格的に進出検討を進める場合には、非公開情報も含めた調査や客観的な視点からの分析が必要となるため、専門の調査会社・コンサルティング会社に委託することをおすすめします。インドの生の情報を手に入れるためにも、ネイティブのスタッフに調査を依頼するのがおすすめです。
自社にあった現地パートナーを見つける
インドに限らず、海外進出を成功させるためには、信頼できる適切な現地パートナーを見つけることが重要となります。
現地パートナーは、現地で事業を展開するにあたり、適切な人につないでくれたり、必要な手続きの履行やコミュニケーションをサポートしてくれるなど、現地で事業をスムーズに展開するために欠かせない存在です。
いくら事前のリサーチをしっかりしていたとしても、現地に数十年住んでいる方には到底及びません。そういった現地人にしか分からない感覚をサポートしてくれるのが現地パートナーの存在です。
また、インドでも英語は通じるものの、一般的にインド人の英語は聞き取りづらいと言われており、コミュニケーションが困難となることが多いです。その意味でも、現地パートナーの存在は極めて重要です。
信頼できる現地パートナーと良好な信頼関係が築ければ、海外進出の成功率は格段に上がるでしょう。
現地特有の文化・商慣習に配慮する
海外進出のよくある失敗例として、現地特有の文化や慣習に合わない製品・サービスを提供した結果、全く売れずに終わってしまうということが挙げられます。そうならないためにも、現地特有の文化や慣習をあらかじめ調査し、それに合わせて製品・サービスをローカライズすることが必要となります。
また、現地の人が大切にしている習慣や慣例を理解し、それらに配慮してビジネスを行うことも重要です。
インドの場合に特に注意すべき点として、宗教上のルールが挙げられます。インドで一般的な宗教であるヒンドゥー教は、牛や豚などの肉の摂取が禁止されています。そのため、特に食品メーカーやレストラン業界の企業は注意が必要です。
日本企業によるインド進出事例6選
近年、多くの日本企業がインドに進出しています。その中でも特に成功している代表的な事例を6つご紹介します。
- 【ダイセル】自動車エアバッグ用インフレータの生産拠点設置
- 【クボタ】ローカライズしたトラクタの販売に成功
- 【スズキ】インドでの自動車販売シェア50%を達成
- 【壱番屋】カレーの本場にCoCo壱カレーを出店
- 【日立造船】3つのごみ焼却プラント建設を受注
- 【三菱電機】高品質なエアコン製品の工場建設
【ダイセル】自動車エアバッグ用インフレータの生産拠点設置
ダイセルは、インドにおいて自動車エアバッグ用インフレータの生産拠点を設置しました。インフレータとは、エアバッグを膨らませるためのガスを発生させる器具のことです。
ダイセルは、インドの自動車市場の拡大や安全規制強化の動きを受けて、2018年に販売拠点を設立し、現地調査やマーケティングを行ってきました。
今まではタイなどの他国の拠点で生産した製品をインドに供給していましたが、人口が急激に増えるインド市場の成長可能性を受けて、インド国内に新たに拠点を設置したとのことです。
経済成長が続くインドでは、自動車の需要も増加しており、2023年度の販売台数は前年度と比べ12.5%も増加したとのことです(JETRO)。これにより、自動車に関連する製品であるエアバッグ用インフレータの需要も拡大し、大きな市場シェアを得られると考えられます。
【クボタ】ローカライズしたトラクタの販売に成功
クボタは、2015年に初めて、インド市場向けに農業用トラクタを発売しました。世界有数の農業大国であるインドは、14億人もの人口を支えるために大量の食糧生産が必要であり、農業の機械化が求められていました。
これを受けて、クボタの担当チームは、現地の各州において試作機のテストを繰り返し、徹底的にインド向けにカスタマイズしたトラクタを開発しました。
クボタのインドにおけるトラクタ及びその他の農業機械のシェアは、2023年時点で約13%に達しています。クボタがインドでのトラクタ販売に成功したのは、徹底的な現地市場調査を行ったからでしょう。インド各地の農業の状況を実際に現場に訪れて確認し、研究やテストを繰り返したことで、インド人が求めるトラクタを提供することに成功したのです。
【スズキ】インドでの自動車販売シェア50%を達成
スズキは、自動車の需要が高まっているインドにおいて四輪車の販売に参入しています。現地企業と合弁で「マルチ・スズキ・インディア」を立ち上げ、2017年度にはインドにおける市場シェアが50%に達しました。
スズキは、2025年にハリヤナ州、2028年度にグジャラート州でそれぞれ新工場を建設することを計画しています。今後ますます拡大する自動車市場に備えて、2030年度までに年間400万台の生産能力を確保することを目指しているとのことです。
スズキがインドにおいてここまでのシェア拡大を図ることに成功した理由は、現地企業と合弁を組んだこと、整備が不十分なインドの道路事情を踏まえた設計を施すなど徹底したローカライズを行ったこと、などが考えられます。
【壱番屋】カレーの本場にCoCo壱カレーを出店
「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する株式会社壱番屋は、2020年にインドに出店しました。カレーの本場で、あえてカレー店の展開に挑戦するという大胆な試みが話題となりました。
インドでの出店に当たっては、豚肉や牛肉を使わないなど現地の宗教にも配慮してメニューが考案されました。また、今後所得水準が上がることも見据えて、価格はやや割高に設定されたとのことです。
2022年には2号店もオープンし、多くのインド人に日本のカレーを届けています。
【日立造船】3つのごみ焼却プラント建設を受注
日立造船は、現地子会社を通じて、インドでごみ焼却発電プラントを運営しています。1日700tのごみを一つの炉で処理することができ、これはインド国内で稼働しているプラントとしては最大規模であるとのことです。
日立造船は、2011年に現地法人を設立し、2012年には支店を設立して本格的なインド進出を果たしました。これまで3件のごみ焼却発電プラントの建設を受注しています。
インド政府は2015年に、国内100箇所にスマートシティを開設することを目指す「スマートシティ・ミッション」を掲げており、ごみ処理発電プラントも計画の一つに含まれています。このような政府の方針を踏まえて、自社が持つ提供価値を届けることに成功した事例といえます。
【三菱電機】高品質なエアコン製品の工場建設
三菱電機は、2010年にインドの販売拠点ミツビシ・エレクトリック・インディアを設立し、エアコン冷熱機器の輸入販売を開始しました。
2023年には、インド市場への供給安定化を目指すべく、インド南部にエアコンと空調機器用圧縮機の生産工場を建設することを発表しました。
三菱電機のエアコン関連製品は、高品質なプレミアムブランドとして評価されており、現地で高いプレゼンスを獲得しています。現地に生産拠点を設けることで、現地の顧客ニーズをより詳細に把握し、インド市場での販売拡大とさらなる事業の強化を狙っています。
インド進出支援ならAXIA Marketing
AXIA Marketingでは、インド進出を検討している企業様に向けて、インドの市場調査をお手伝いしております。
世界中に計50万名規模の有識者ネットワークを有しており、公開情報では知ることのできない現地の深い情報まで徹底的にリサーチ・分析し、インド進出の検討をサポートします。
AXIA Marketingの市場調査サービスの詳細はこちらをご覧ください。
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参考文献
・自動車エアバッグ用インフレータの新たな生産拠点をインドに設置 – ダイセル
・徹底的にインド農業に寄り添うことで生まれた新型トラクタ – クボタ
・スズキ、インドで四輪車累計生産3,000万台を達成 – スズキ
・スズキがインドでシェア50%超を維持する理由 – 東洋経済ONLINE
・カレーの本場に日本の味で挑戦 インドのココイチの一番人気は? – 日経ビジネス
・インドに「逆上陸」したココイチ 一番人気はガッツリ系 – 朝日新聞DIGITAL
・日立造船、インド3件目のごみ焼却発電プラント建設へ – JETRO
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