建設機械のニーズ調査をする4つの方法を解説!市場の特徴や今後の動向は?

建設機械のニーズを深掘りするには、アンケート調査だけでは不十分です。インタビューや行動観察を通じて現場の課題を把握し、SNS分析で最新の市場トレンドを捉えることが重要になります。
市場全体は成長傾向にありますが、地域によっては停滞しているところもあります。省エネ・自動化技術の進化、SDGsやカーボンニュートラルへの対応、人手不足対策が今後の課題となるため、ICT建機の活用も視野に入れる必要があります。
本記事では、これらの市場動向を踏まえ、建設機械のニーズを的確に把握するための調査手法を詳しく解説します。
- ニーズ調査とは?
- ニーズとウォンツの違い
- 建設機械のニーズ調査をする4つの方法
- 【建設機械のニーズ調査】市場の特徴と今後の動向
- 建設機械の市場規模【地域別】
- 建設機械の海外市場進出に成功した事例3選
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ニーズ調査とは?

ニーズ調査とは、顧客が抱える問題や欲求を明らかにし、商品やサービスの開発・改善に役立てるマーケティングリサーチ手法です。顧客のニーズには、顕在化しているものと潜在的なものがあり、これらを的確に把握することで、企業は市場での競争力を高めることができます。
ニーズ調査の方法としては、アンケートやインタビューなどの定量調査と定性調査があり、これらを組み合わせて顧客の真のニーズを探るのです。特に、建設機械の分野では、ユーザーの作業効率向上や安全性への要求など、専門的かつ多様なニーズがあります。
これらのニーズを正確に捉えることで、製品の改良や新製品の開発に繋げることが可能となり、市場で優位に立てます。
ニーズとウォンツの違い

ニーズ(needs)とは、顧客が抱える根本的な問題や必要性を指し、生活や業務を遂行する上で欠かせない要素です。一方、ウォンツ(wants)とは、ニーズを満たすために顧客が具体的に求める手段や製品、サービスを指します。例えば、建設現場における「作業効率の向上」はニーズであり、そのニーズを満たすための「最新の高性能建設機械の導入」はウォンツといえます。
顧客のウォンツは多様であり、個々のニーズに応じて異なるため、企業はまず顧客のニーズを正確に把握し、その上で適切なウォンツを提供することが求められます。特に建設機械の分野では、現場の課題や要求を深く理解し、それに応じた製品やサービスを提供することが重要となります。
建設機械のニーズ調査をする4つの方法

建設機械の需要を調査するには、いくつかの方法を組み合わせることが重要です。アンケート調査は手軽ですが、それだけでは不十分な場合が多くなります。4つの方法を組み合わせて行うのが重要です。
①アンケート調査で顧客全体の傾向を把握する
アンケート調査は、定量的なデータ収集と統計的な分析により、顧客のニーズと要望を明らかにします。具体的には、建設現場での機械の使用状況・求められる機能・現在の製品に対する満足度や改善点などを質問項目として設定します。アンケートはオンラインや紙媒体で配布しましょう。広範な顧客からの回答を集めることで、全体的な傾向やパターンを把握できます。
得られたデータを分析することで、例えば、特定の機能に対する高い需要や、共通する不満点などを特定できます。データ分析により、製品開発やサービス改善の方向性をデータに基づいて検討することが可能となります。
②インタビュー調査でニーズを掘り下げて聞き出す
インタビュー調査では、顧客や現場の作業員、管理者などに直接インタビューを行い、彼らの具体的な経験や意見と要望を収集します。インタビューを通じて、アンケート調査では得られない詳細な情報や、潜在的な課題、改善のヒントを得ることが可能です。
例えば、現場での機械操作の際に感じる不便さ・安全性に関する懸念・新しい機能への期待など、具体的なフィードバックを収集できます。具体的なフィードバックは、製品の改良や新製品の開発に直接活かせるため、顧客満足度の向上や市場競争力の強化につながります。
インタビュー調査を効果的に行うためには、事前に質問項目を綿密に準備し、インタビュー対象者が率直に意見を述べやすい環境を整えることが重要です。また、得られた情報を体系的に分析し、具体的なアクションプランに反映させることで、調査の成果を最大限に活用できます。
③行動観察調査で言葉では表現しにくいニーズを見つける
建設機械のニーズ調査では、実際の建設現場で作業員の機械操作や作業フローを直接観察し、日常の業務における行動や習慣、無意識の動作などを詳細に記録します。
例えば、作業員が特定の操作に時間を要している、あるいは特定の機能を頻繁に使用しているといった行動パターンを観察することで、現行の機械設計や機能における改善点や新たなニーズを特定できるのです。
改善点やニーズの特定により、ユーザーが自覚していない不便さや潜在的な要求を明らかにし、製品の改良や新機能の開発に活かせます。
④SNS調査でリアルな顧客の声を収集する
SNS上では、ユーザーが日常的に製品やサービスに関する感想や意見を投稿しています。これらの投稿を分析することで、顧客の生の声やトレンドを把握できます。具体的には、TwitterやFacebook、Instagramなどのプラットフォームで、建設機械に関連するキーワードやハッシュタグをモニタリングし、ユーザーの投稿内容を収集・分析します。
投稿の収集・分析により、製品の利便性や性能に関する評価・現場での活用事例・改善要望・不満点など、多岐にわたる情報を得ることが可能です。また、SNS上での情報はリアルタイム性が高く、最新の市場動向や顧客の関心事を迅速にキャッチできます。
リアルタイムの声を活用することで、製品開発やサービス改善の方向性を的確に定め、顧客満足度の向上や市場競争力の強化につなげられます。
【建設機械のニーズ調査】市場の特徴と今後の動向

日本の建設機械市場は成長を続けていますが、人手不足やSDGs対応といった課題にも直面しています。さらに、中国や欧州の市場低迷、環境規制の強化など、外部要因も影響を与えています。
こうした状況の中、ICT建機の導入やカーボンニュートラル対応が進み、省エネ性能や自動化技術を備えた製品へのニーズが高まっています。今後の市場動向を見据え、どのような対策が求められるのでしょうか。
今の市場の特徴と今後の動向について、詳しく説明していきます。
建設機械出荷金額は成長している
建設機械業界は、近年、国内外の需要増加に伴い、出荷金額が成長傾向にあります。特に、インフラ整備や都市開発の活発化、さらには老朽化したインフラの更新需要が市場を牽引しています。また、新興国における経済成長や都市化の進展も、建設機械の需要を押し上げる要因です。
他にも、環境意識の高まりや労働力不足への対応として、省エネルギー性能や自動化技術を備えた最新の建設機械へのニーズが高まっています。市場動向を踏まえ、建設機械メーカーは、技術革新や製品ラインナップの強化を進めることで、さらなる成長を目指しています。
中国や欧州の低迷が目立っている
建設機械市場では中国や欧州の低迷が顕著です。中国は、経済成長の鈍化や不動産市場の調整により、建設投資が減少し、建設機械の需要が縮小しています。一方、欧州は、地政学的リスクやエネルギー価格の高騰、さらには環境規制の強化などが影響し、建設プロジェクトの遅延や中止が相次ぎ、市場の停滞を招いています。
これらの地域における需要の低下は、建設機械メーカーにとって大きな課題です。各社は新興市場の開拓や製品の多様化、さらにはコスト削減策の推進など、戦略の見直しを迫られています。今後、これらの市場が回復基調に転じるかは不透明であり、引き続き慎重な市場分析と柔軟な対応が求められます。
人手不足に対応する「ICT建機」の実用化
建設業界では深刻な人手不足が課題となっており、その解決策としてICT(情報通信技術)を活用した建設機械、いわゆる「ICT建機」の実用化が進んでいます。ICT建機は、GPSやセンサー、3D設計データなどを組み合わせることで、作業の自動化や効率化を実現するものです。
ICT建機により、熟練工の減少や高齢化に伴う労働力不足に対応し、作業精度の向上や工期短縮、安全性の向上が期待されています。さらに、ICT建機の導入は、施工データの蓄積や分析を可能にし、今後のプロジェクト計画や管理の高度化にも寄与します。
ICT建機による技術革新は、建設業界の生産性向上と持続可能な発展に大きく貢献すると考えられています。
建設機械の板金サプライヤーは好調を維持
建設機械の板金サプライヤーは、近年の建設機械市場の成長に伴い、好調を維持しています。インフラ整備や都市開発の活発化により、建設機械の需要が増加し、それに伴って板金部品の供給も増加傾向にあるためです。
また、建設機械の高機能化や多様化に対応するため、板金サプライヤーは高度な加工技術や品質管理体制の強化を進めています。他にも、環境規制の強化や軽量化ニーズの高まりにより、アルミニウムや高張力鋼板などの新素材の採用が増えており、これに対応した加工技術の開発も求められています。
SDGsと2050年カーボンニュートラルへの対応が今後の課題になる
建設機械業界では、SDGs(持続可能な開発目標)と2050年カーボンニュートラルへの対応が今後の重要な課題です。特に、建設機械の電動化や燃料効率の向上、排出ガスの削減など、環境負荷を低減する技術の開発が求められています。
また、再生可能エネルギーの活用や資源循環型の製品設計など、持続可能性を考慮した取り組みも重要です。これらの課題に対応することで、企業は環境規制への適合だけでなく、社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献できます。さらに、環境意識の高まりに伴い、エコフレンドリーな製品への需要が増加しており、これらの取り組みは市場競争力の強化にもつながります。
したがって、建設機械業界は、SDGsとカーボンニュートラルを視野に入れた製品開発や事業戦略の策定が不可欠です。
建設機械の市場規模【地域別】

中国や欧州の需要が低迷する一方、都市化やインフラ投資の拡大により、他地域では市場が成長しています。ヨーロッパでは2029年までに713億米ドル規模に達すると予測され、北米では政府のインフラ政策や自動化技術の導入が進行。中東・アフリカでは経済多様化が市場拡大を後押しし、ラテンアメリカでは公共投資や鉱業の発展が成長を支えています。
さらに、環境規制の強化により、電動化やハイブリッド技術の採用が進むなど、持続可能性も大きなテーマとなっています。ここでは、地域別に詳しく解説していきます。
ヨーロッパ
ヨーロッパの建設機械市場は、近年、堅調な成長を遂げています。2024年には約509億2,000万米ドルの市場規模が予測され、2029年までに年平均成長率(CAGR)6.96%で713億米ドルに達すると見込まれています。成長の背景は、急速な都市化や工業化、インフラ整備への政府投資の拡大、そして地域全体での不動産・建設会社の拡大・成長です。
特に、交通渋滞や人口増加、交通インフラの老朽化に対処するため、新興国がインフラ整備に多額の投資を行っていることが市場の需要を押し上げています。それだけでなく、環境規制の強化や持続可能性への関心の高まりにより、電動化やハイブリッド技術を採用した建設機械の需要も増加中です。
デジタル化、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの先進技術の導入が、建設現場の効率性と安全性を高め、市場の成長を後押ししています。
北米
アメリカの建設機械市場は、インフラ投資の増加や住宅建設の活発化により、確実に成長中です。特に、政府のインフラ整備計画や都市部での再開発プロジェクトの推進が、建設機械の需要を押し上げています。また、環境規制の強化や労働力不足への対応として、省エネルギー性能や自動化技術を備えた建設機械の需要が増加中です。
それだけでなく、持続可能性への関心の高まりから、電動化やハイブリッド技術を採用した建設機械の導入も進んでいます。
中東・アフリカ
中東・アフリカ地域の建設機械市場は、近年、堅実に成長中です。特に、都市化の進行や人口増加に伴い、インフラ整備や住宅建設の需要が高まっています。また、石油・ガス産業の投資や観光業の発展も、建設プロジェクトの増加に寄与しています。
さらに、各国政府の経済多様化戦略や大型プロジェクトの推進により、建設機械の需要は今後も増加が見込まれる状態です。ただし、政治的・経済的な不安定要因や規制の変動など、市場にはリスクも存在します。これらの要因を考慮しつつ、企業は市場動向を注視し、適切な戦略を策定することが重要です。
ラテンアメリカ
ラテンアメリカの建設機械市場は、経済成長や都市化の進展に伴い、確実に成長中です。特に、ブラジルやメキシコなどの主要国では、インフラ整備や住宅建設プロジェクトが活発化しており、建設機械の需要が高まっています。
また、鉱業やエネルギーセクターの発展も、建設機械市場の拡大要因です。他にも、各国政府の公共投資の増加や民間セクターの投資意欲の高まりが、市場の成長を後押ししています。ただし、政治的・経済的な不安定要因や為替変動など、リスク要因も存在します。
アジア太平洋
アジア太平洋地域の建設機械市場は、急速な経済成長と都市化の進展に伴い、世界的に見ても重要な市場となっています。特に、中国やインド、東南アジア諸国では、インフラ整備や住宅建設の需要が高まり、建設機械の需要が増加しています。
また、各国政府の積極的な公共投資や民間セクターの投資意欲の高まりが、市場の成長を後押ししています。さらに、環境規制の強化や労働力不足への対応として、省エネルギー性能や自動化技術を備えた建設機械の需要も増加しています。これらの要因により、アジア太平洋地域の建設機械市場は今後も安定した成長が期待されています。
建設機械の海外市場進出に成功した事例3選

海外市場進出に成功した建設機械の企業例を見ていきましょう。建設機械市場は地域ごとに異なる成長要因を持ち、世界的に拡大を続けています。性能の高さだけでなく、現地ニーズに答えることが成功の秘訣です。
【海外進出に成功した建設機械企業3選】
- 竹内製作所
- コベルコ建機
- 住友重機械工業株式会社
竹内製作所
竹内製作所は、建設機械の海外市場進出において成功を収めた企業の一つです。同社は、1979年に日本企業として初めてミニショベルを北米市場に投入し、高い評価を得ました。その後、欧州市場にも進出し、品質と性能の高さから多くのユーザーの支持を獲得しました。
さらに、現地ニーズに合わせた製品開発やサービス体制の構築を行い、各地域での信頼性を高めました。これらの取り組みにより、竹内製作所は海外市場での地位を確立し、現在では売上の大部分を海外市場から得るまでに成長しています。
コベルコ建機
コベルコ建機は、神戸製鋼グループに属し、主に油圧ショベルとクレーンを生産している企業です。海外市場での売上比率は60%を超え、低燃費・低騒音の優れた環境性能が強みとなっています。特にアジアや中東などの新興市場での需要拡大を背景に、コベルコは競争力を高めています。
コベルコ建機は、1960年代から欧州市場への進出を開始し、現在では欧州5カ国に10の拠点を構築しています。また、2012年にはCNH Global N.V.との提携を解消し、独自のブランドで欧州市場に再参入しました。
さらに、2013年にはオランダに拠点を設立し、欧州での事業基盤を強化しました。これらの取り組みにより、コベルコ建機は欧州市場でのプレゼンスを高め、海外市場での成功を収めています。
住友重機械工業株式会社
住友重機械工業株式会社は、インドのベンガルールに新たな法人を設立し、現地市場に向けた事業展開を強化しています。この新法人は、建設機械分野での技術革新や製品供給を加速させることを目指しています。
特にインフラの需要が急増しているインド市場において、現地ニーズに適した製品提供を行い、業績向上を目指しています。これにより、同社の海外市場での競争力がさらに強化される見込みです。
建設機械の海外進出を考えるならニーズ調査は必須

建設機械の海外市場進出を考える際、ニーズ調査は不可欠です。地域ごとの需要や市場の特性を理解することで、適切な製品開発とマーケティング戦略を立てられます。
特に、新興市場では現地ニーズに合った製品やサービスの提供が重要です。事前に十分な調査を行うことでリスクを減らし、競争優位性を確保しましょう。実際に成功した事例を参考にすることで、効果的な進出戦略を築くことが可能です。
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参考文献
・ニーズ調査とは?アンケート例や注意点を解説【2025年最新版】-PRONIアイミツ
・顧客ニーズを見える化しよう│基本と具体的な手法を解説-見える化エンジン
・ウォンツとニーズの違いを簡単に理解しよう!-違いを知ろう!○○と○○の違いは!?
・ニーズとウォンツの違いとは?具体例をもとに解説-統計マーケティング研究所
・日本の建設装置市場規模(~2029年)-(株)マーケットリサーチセンター
・好調な建機業界ではサプライヤーの「選択と集中」が進展-建設機械業界-AMADA
・脱炭素化で変わりゆく鉄道車両製造~国内市場は堅調、輸出向けも大きく伸びる可能性~-鉄道車輌業界-AMADA
・2025年は下振れリスクを伴いつつも、主要業種はゆるやかに回復-2025年 業種別トレンド分析 1-AMADA
・グリーン成長戦略で産業が変わる-グリーン成長戦略で産業が変わる-AMADA
・欧州建設機械市場:成長、動向、予測(2020~2025年)-SDKI(渋谷データカウント)
・欧州建設機械市場規模・シェア分析:成長動向と予測(2024年~2029年)- Morder Intelligence
・欧州地域におけるグループ統括会社「Kobelco Europe GmbH」の設立について-KOBELCO