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海外調査の事例多数

オーストラリア進出を成功させる5つのカギ|メリットや進出事例も紹介

オーストラリア進出

オーストラリアは、広大な国土に豊富な資源を抱える大陸国家であり、日本との時差が少なく、英語圏であることから、日本企業が進出しやすい先として注目されている国の一つです。

現に、2023年時点で800以上の日本企業がオーストラリアに拠点を有するなど、多くの企業がオーストラリアに進出しています(外務省「海外進出日系企業拠点数調査」)。

そんな中、「自社でもオーストラリア進出を検討しているけど具体的な方法がわからない」「オーストラリア進出のメリットや注意点を押さえておきたい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、オーストラリア進出を検討している方に向けて、オーストラリア進出のメリットや成功のポイント、市場調査の方法、日本企業の進出事例などをわかりやすくご紹介します。

本記事を読めば、オーストラリア進出を検討している方が押さえるべき情報を網羅的にキャッチアップできますので、ぜひ最後までお読みください。

オーストラリアの基本情報

オーストラリアの基本情報

オーストラリアは、広大な国土と豊富な資源を有し、インド洋と太平洋に囲まれた自然豊かなオセアニアの大国です。鉱業や製造業が発展しているほか、シドニー・メルボルン・ブリスベンなど複数の大都市を有する観光大国としても有名です。

概要

面積769万2,024平方キロメートル(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)
人口約2,626万人(2022年12月時点)
首都キャンベラ
民族アングロサクソン系等欧州系が中心。その他に中東系、アジア系、先住民など
言語英語
宗教キリスト教43%、無宗教38%
主要産業鉱業、製造業、金融・保険業
在留邦人数94,942名
オーストラリア基礎データー外務省

日本とオーストラリアの関係

日本とオーストラリアは、ともにアジア太平洋における重要なパートナーとして、長年にわたり良好な関係を築いてきました。経済取引も活発で、日本からオーストラリアへは主に自動車・土木機械・精製油、オーストラリアから日本へは石炭・天然ガス・鉄鉱石などの資源が輸出されています

2022年10月時点における在留邦人数は90,000人以上に上り、毎年多くの日本人が観光に訪れているなど、人的な交流も活発です。

オーストラリア進出の5つのメリット

オーストラリア進出の5つのメリット

日本企業がオーストラリアに進出するメリットには様々なものが挙げられますが、特に大きなメリットとして、以下の5つが挙げられます。

【オーストラリア進出の5つのメリット】

  • 所得水準が高く国内消費が活発
  • 資源が豊富にある
  • 言語の障壁が低い
  • テストマーケティングに向いている
  • 外資に対する様々な奨励策を掲げている

所得水準が高く国内消費が活発

オーストラリアの一人当たりGDPは、堅調に上昇を続けており、2023年には6万豪ドル(約600万円)以上に達し、世界第12位となっています。このように、オーストラリア国民の生活水準は比較的高く、国内消費が活発となっています。

特にシドニー、メルボルン、ブリスベンなどの都市部では、購買力が高い中間所得層や富裕層が多く、プレミアム商品や付加価値の高いサービスが受け入れられやすい環境にあります。

また、イギリスのコンサルティング会社であるヘンリー&パートナーズが2024年に発表した富裕層が多い世界の都市ランキングでは、シドニーが8位にランクインするなど、富裕層に人気のある国としても有名です。そのため、オーストラリアは、富裕層向けの高級ブランドやぜいたく品の販売先としても有力な市場といえるでしょう。

さらに、オーストラリアは日本と季節が真逆であるため、衣料品など季節性の製品を販売する企業は、冬服が売れない日本の夏の時期にはオーストラリアで販売するなど、一年を通して季節ものの製品を販売することが可能となります。

資源が豊富にある

オーストラリアは、鉄鉱石、石炭、天然ガス、リチウムなど、エネルギー資源や鉱物資源が豊富に存在する世界有数の資源大国です。この資源の豊富さは、海外企業にも大きなビジネスチャンスをもたらしています。

例えば、住友金属鉱山と三菱商事は、2024年からオーストラリアのニッケル鉱山の事業化に向けた調査を開始しました。生産したニッケルは、電気自動車などの材料として活用する予定です。

また、近年では、カーボンニュートラルや再生可能エネルギーが世界的に注目されていることを背景に、オーストラリアでも再エネ事業が活発になっています。例えば、トヨタは、オーストラリアにおいて燃料電池自動車向けの水素工場を建設し、水素事業に参入しています。

言語の障壁が低い

オーストラリアは英語圏であるため、他国で発生しがちな言語対応のコストを抑えることができます。日本国民の多くが学ぶ英語はアメリカ英語であり、オーストラリア英語とは若干異なりますが、基本的な文法や単語は同じであるため、大きな支障とはならないでしょう。

これに対し、英語以外の言語が公用語である国の場合、現地語を扱える人材の採用に苦労したり、現地企業や現地人とのコミュニケーションに支障が生じるなど様々な課題に直面します。この点、国民の大半が英語を話すオーストラリアでは、このような課題に直面することもなく、比較的スムーズに事業展開を進めることができるでしょう。

テストマーケティングに向いている

オーストラリアは人口約2,600万人と比較的小規模な市場でありながら、アングロサクソン系、中東系、アジア系、先住民など異なる背景を持つ人種が集まる多民族国家であるため、多種多様な消費者で市場が構成されています。

そのため、多種多様な人々に対して、同時に新商品のテストマーケティングをすることができる最適な市場環境が整っているといえます。そこで得られた知見は、次に進出する国・地域を選択するヒントにもなるでしょう。例えば、テスト販売した商品が、ヨーロッパ系の人々の間で広まった場合には、次の進出先としてヨーロッパが候補に上がると考えられます。

また、オーストラリアでも近年EC市場が拡大しているため、ECプラットフォーム上で商品を販売し、リアルタイムでマーケティングデータを取得することで、より詳細な消費者ニーズを把握することができるでしょう。

外資に対する様々な奨励策を掲げている

オーストラリア政府は、国内の経済を活性化させるために、様々な助成金や補助金、税制上の優遇措置を提供しており、外国企業が参入しやすい制度環境を整えています。特に、エネルギーやインフラ、イノベーション関連での支援プログラムが多数取り揃えられています。

例えば、オーストラリアで売上を上げている海外法人にも適用される法人税の優遇措置、特定の原料の輸入関税減免プログラム、その他特定の分野に対する助成金・補助金など、複数の支援制度を用意しています。

オーストラリアに進出する際には、これらの優遇措置を活用することができないかを検討してみるのがおすすめです。優遇制度の活用方法については、オーストラリア支援を手掛けるコンサルティング会社・調査会社やJETROなどの公的機関に相談するとよいでしょう

オーストラリア進出を成功させるための5つの注意点

オーストラリア進出を成功させるための5つの注意点

オーストラリア進出を成功させるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。その中でも、特に以下の5つを意識することで、現地での事業の成功確率を格段に高めることができるでしょう。

【オーストラリア進出を成功させるための5つの注意点】

  • しっかりと市場調査を行う
  • 自社にあった現地パートナーを見つける
  • コスト管理に気を付ける
  • 現地先住民の文化・慣習に配慮する
  • 環境保護への意識が高いことを意識する

しっかりと市場調査を行う

オーストラリアに進出するにあたっては、事前にしっかりと市場調査を行っておくことが重要です。主な調査項目としては、人口・市場規模・主要産業などの基本情報に加え、競合の存在、法規制・税制、現地の人々の生活・文化などが挙げられます。特に、オーストラリアの場合、地域ごとに主要な産業や気候環境が異なるため、自社が進出したい地域にフォーカスした調査を行うことが重要となります。

企業が海外進出に失敗するよくあるパターンとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 投入した製品がその国の人々の生活や文化に合わず、ほとんど売れなかった
  • 思わぬ法規制や制度の罠に直面して思い通りのビジネスを展開できなかった
  • 販売した製品が現地人や先住民の反感を買ってしまった

これらの失敗は、事前に入念な市場調査を行うことで回避することができ、その意味でも市場調査は非常に重要です。

市場調査の初期段階では、外務省やJETROなどの公的機関が発行する資料や、書籍・インターネット等などの公開情報の収集から開始することから始めましょう。

その後、本格的に進出検討を進める場合には、非公開情報も含めた調査や客観的な視点からの分析が必要となるため、専門の調査会社・コンサルティング会社に委託することをおすすめします

自社にあった現地パートナーを見つける

オーストラリアに限らず、海外進出を成功させるためには、信頼できる適切な現地パートナーを見つけることが重要となります。オーストラリアにおける現地パートナーとしては、民間企業だけでなく、オーストラリア貿易投資促進庁(オーストレード)、日本大使館、JICA、JETROなどの公的機関も有力なサポーターとなります。

現地パートナーは、現地で事業を展開するにあたり、適切な人につないでくれたり、必要な手続きの履行やコミュニケーションをサポートしてくれるなど、現地で事業をスムーズに展開するために欠かせない存在です。

いくら事前のリサーチをしっかりしていたとしても、現地に数十年住んでいる方には到底及びません。そういった現地人にしか分からない感覚をサポートしてくれるのが現地パートナーの存在です。

信頼できる現地パートナーと良好な信頼関係が築ければ、オーストラリア進出の成功率は格段に上がるでしょう。

コスト管理に気を付ける

オーストラリアで事業を展開するにあたっては、コスト管理の意識を持つことも重要です。例えば、オーストラリアの最低賃金は世界でもトップクラスで高く、2024年7月時点で時給24.10豪ドル(日本円で約2,500円)に達しています。

都市部の不動産賃料や生活費も高額であり、現地法人で働く従業員や駐在員とその家族に対しては生活費に見合った手当を支給することが必要となるでしょう。また、広大な国土により、物流コストも高くなる傾向にあるため、ロボットやAIを活用した物流の効率化の取り組みが重要となります。

人件費や生活費を抑えるために、アデレード、タスマニア、パースなど、賃金や生活費が比較的低い地方都市に拠点を置くことも検討しましょう。また、地元企業からの調達を増やすことで、輸入にかかるコストやリードタイムを短縮するなど、サプライチェーン全体の見直しも重要です。

現地先住民の文化・慣習に配慮する

オーストラリアには、アボリジニと呼ばれる現地先住民が、独自の文化を築き上げ、伝統的な暮らしを続けています。オーストラリアで事業を展開する際には、このような先住民の生活や文化への配慮も必要です。特に、土地開発や資源利用に関するプロジェクトでは、先住民の文化的遺産や権利を尊重しなければ、大きな法的・社会的トラブルに発展するリスクがあります。

このような先住民に対して適切に配慮するためには、現地の企業や専門家の助言に従うのが良いでしょう。日本では当たり前に行われていることが、知らないうちに先住民の文化や伝統を傷つけてしまったり、大きな反感を買ってしまう可能性も否定できません。

また、教育や医療支援、インフラ整備など、先住民コミュニティの生活向上に寄与する活動を行い、地域社会との信頼関係を構築することも有効でしょう。

環境保護への意識が高いことを意識する

珍しい動物が数多く存在する自然豊かなオーストラリアでは、政府や消費者の環境保護への意識が比較的高く、企業活動におけるサステナビリティが重視される傾向にあります。

製造過程や物流における二酸化炭素排出量の削減やプラスチック廃棄物の削減など、自然環境を保護するための取り組みが求められ、環境に配慮した製品を展開する企業はオーストラリア政府や国民から高い評価を受けます。例えば、凸版印刷は、環境への配慮と高機能性を両立したパッケージ製品を販売し、オーストラリア包装協会主催の権威ある賞で最高賞を受賞しました。

このように、オーストラリアに参入する際には、環境保護への気配りが欠かせません。森林管理協会(FSC)が実施する、森林の生物多様性に配慮した製品に与えられる森林認証制度といった、各種認証制度も注目されています。また、近年発達している、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー事業への参入も、政府から歓迎される取り組みの一つです。

日本企業によるオーストラリア進出事例7選

オーストラリアに進出している日本企業は数多く存在しますが、その中でも特に参考になる事例として、以下の7つをご紹介します。

  • 【双日】エネルギー消費大国で省エネ事業に参入
  • 【積水ハウス】マンションや商業施設を開発
  • 【セコム】高品質セキュリティソリューションを提供
  • 【ブリヂストン】鉱山ソリューションの拠点を開設
  • 【凸版印刷】高機能とサステイナブルなパッケージ販売で賞を獲得
  • 【郵船ロジスティクス】広大な国土での配送日数の短縮に成功
  • 【あいおいニッセイ同和損保】日系初、豪州に保険会社を開業

【双日】エネルギー消費大国で省エネ事業に参入

大手商社の双日は、現地で空調の施工や省エネ事業を手掛けるエリスエア社を子会社化し、オーストラリアで再生可能エネルギー事業を開始しました。

オーストラリアは、世界最大規模のエネルギー消費大国であり、一人当たり人口排出量はG20参加国中第2位となっています。特に、冷暖房の消費は激しく、エアコンの省エネ化は重要な課題となっています。このような背景から、オーストラリアは省エネへの意識が高く、連邦政府や各州も省エネ政策に力を入れています。そのため、省エネ事業は、オーストラリアにおいて大きな成長が見込まれる分野の一つです。

双日は、オーストラリア国内においてトップクラスの空調設計技術を有するエリスエア社を買収することで、双日の資金力を活かした省エネ事業への積極展開を図っています。これによりエアコンによるエネルギー消費の効率化による二酸化炭素排出量の削減に貢献していくとのことです。

【積水ハウス】マンションや商業施設を開発

【積水ハウス】マンションや商業施設を開発
引用:積水ハウス公式サイト

積水ハウスは、オーストラリアでマンション開発事業や戸建住宅事業を展開しています。マンション開発事業については、シドニーとブリズベンでマンションや商業施設などの開発案件を手掛けています。戸建住宅事業については、シャーウッドという木造住宅ブランドを展開し、現地の風土や気候に合わせた快適な住宅環境を提供しています。

積水ハウスは、2009年に初めてオーストラリアに進出して以降、これまで13000戸以上の住宅を供給してきました。同社が手がけたプロジェクトは、現地政府から高い格付けを得るなど、高い評価を獲得しています。

2024年9月には、阪神阪急不動産が、積水ハウスがシドニー近郊で実施しているマンション分譲事業への参画を表明しました。両社それぞれの現地法人が共同して、本事業を推進するとのことです。

両社は、人口が安定して増加すると見込まれるオーストラリアにおける住宅需要をチャンスと見て事業を拡大していく方針とのことです。

【セコム】高品質セキュリティソリューションを提供

セコムは、シドニーを中心に、オーストラリアの各主要都市においてセキュリティ事業を展開しています。商業施設、オフィスビル、政府機関、軍事機関など様々な施設に対してセキュリティソリューションを提供しています。

1990年にシドニーにオフィスを構えて以降、高品質なソリューションが、現地の多くの企業や政府機関からも信頼され、実績を重ねてきました。2006年には、オーストラリア国内最大級の資産運用会社が保有するビルのセキュリティサービスを受注し、これをきっかけに大口顧客から次々と契約を締結することに成功しました。

空港や社会保険庁、労働省などの政府機関や軍事施設からも依頼を受けており、セコムの質の高いサービスが大きな信頼を得ていることがうかがえます。

【ブリヂストン】鉱山ソリューションの拠点を開設

【ブリヂストン】鉱山ソリューションの拠点を開設
引用:ブリヂストン公式サイト

ブリヂストンは、オーストラリアにおいて、鉱山用の車両に使われるタイヤやコンベアベルトなどの販売を手がける子会社を有しています。同子会社は、2019年に、鉱山ソリューションの新拠点を開設しました。

新たな拠点では、鉱山車両用のタイヤ販売や保守/修理、タイヤのフィッティングなどを組み合わせ、現場での作業を助けるソリューションを提供しています。

また、オーストラリアでトラック・バス用タイヤを販売するブリヂストンのグループ会社とも協働して、鉱山内だけでなく鉱山から港まで鉱物を輸送するワンストップの支援体制を構築しています。

ブリヂストンは、鉱山資源が豊富なオーストラリアに目をつけ、2017年に西オーストラリア州にマイニングソリューションセンターを開設しました。今後も、オーストラリアに限らず、世界各地域にマイニングセンターを開設していくとのことです。

【凸版印刷】高機能とサステイナブルなパッケージ販売で賞を獲得

【凸版印刷】高機能とサステイナブルなパッケージ販売で賞を獲得
引用:凸版印刷公式サイト

凸版印刷は、オーストラリアの現地企業とタッグを組んで、同国においてパッケージ製品を販売しています。

2023年、凸版印刷が現地企業と共同で販売するスタンディングパウチが、オーストラリア包装協会主催の権威ある賞で最高賞を受賞しました。包装技術やデザイン性に優れたパッケージを表彰するコンテストであり、凸版印刷の技術力が認められた証となるものです。今回受賞したパウチは、単一の素材で構成されておりリサイクル性に優れたものでありながら、レトルト処理後も高いバリア性を維持するパッケージで、環境への配慮と高い機能性の両面を兼ね備えた製品として評価されました。

凸版印刷は過去にも、メルボルンで開催された食品展示会においてサスティナブルな包材を展示するなど、環境に配慮した高品質製品をアピールする取り組みを実施しています。

【郵船ロジスティクス】広大な国土での配送日数の短縮に成功

【郵船ロジスティクス】広大な国土での配送日数の短縮に成功
引用:郵船ロジスティクス公式サイト

海上貨物輸送などを手掛ける大手海運会社の郵船ロジスティクスは、オーストラリアでも物流事業を展開しています。シドニーなどの主要都市に物流倉庫を建設し、保管や仕分け、国内配送などの物流サービスを提供しています。

オーストラリアでの郵船ロジスティクスの物流サービスは、IT技術を活用した分散在庫管理が特徴で、効率的な配送オペレーションの構築により、配送日数の短縮とコスト削減を実現しています。オーストラリアは土地が広大なため、特に地方への配送に日数がかかってしまうことが大きな課題となっています。郵船ロジスティクスの物流ソリューションはこのような課題の解決に貢献しています。

2021年には、医薬品の物流に関する品質基準であるGDPの認証を受けたことで、医薬品の管理や配送サービスの提供にも力を入れています。

【あいおいニッセイ同和損保】日系初、豪州に保険会社を開業

あいおいニッセイ同和損保は、2014年に、日系保険会社としては初めて、オーストラリアで保険会社を開業しました。100%株式を保有する完全子会社を設立し、保険事業を展開しています。

同社は、1972年にシドニーに駐在員事務所を開設して以降、メルボルンに拠点を新設したり、支店を開設するなどして、オーストラリアでの事業を拡大してきました。その後、現地の保険業法に基づく許認可等の手続きを経て、現地法人の開設を完了しました。

自動車の販売が拡大しているオーストラリアでは、自動車事故等に起因する損害保険の需要も拡大していくと考えられます。国内での需要に天井が見える中、海外に目を向けることで、新たな顧客基盤を確保し収益を拡大していく狙いがあります。

保険業などの規制対象となりやすい業務は、現地の複雑な法規制を遵守しなければならず、開業には多大なコストや労力がかかります。しかしその分、参入に成功すれば、競合による参入ハードルが高いため、大きなシェアを獲得できる可能性があります。

オーストラリア市場の3つの調査方法

オーストラリア市場の3つの調査方法

オーストラリアで円滑にビジネスを展開するためには、事前の市場調査が欠かせません。市場調査の方法としては、以下の3つが挙げられます。

【市場調査の3つの方法】

  • 自社で調査する
  • 支援機関を活用する
  • 民間の調査会社を活用する 

自社で調査する

自社で市場調査を行う場合、自社のリソースを活用するためコストの削減が可能です。調査を通じてノウハウが蓄積されるため、長期的なメリットもあります。しかし、専門的な知識やリサーチのノウハウが十分でない中、すべて自社で行うとなると多大な時間と労力がかかってしまいます。

自社で調査するメリット

自社で調査すれば、コストを安く抑えることができるうえに、自社のニーズに合わせた細かな調査が可能です。内部での情報共有がスムーズで、社内にノウハウが蓄積されるため、将来的な事業拡大に役立ちます。

また、すでにオーストラリアに進出している日本企業の人にインタビューをすることも有効でしょう。

自社で調査するデメリット

時間と労力がかかるため、スピード感を持った対応が難しいという問題点があります。また専門的な知識が不足していると、重要な事項を見落としたり、間違った情報をインプットしてしまったりなど、調査結果の精度が低くなるリスクがあります。

支援機関を活用する

日本には海外進出を支援する様々な公的機関があります。公的な支援機関を活用することで、信頼性の高いデータや情報を入手しやすくなります。手続きが煩雑な場合もありますが、専門的なサポートを受けられる点が魅力です。

【公的機関の一例】

  • ジェトロ(日本貿易振興機構)
  • 中小企業基盤整備機構
  • 商工会議所
  • 政府系金融機関
  • 地方自治体

支援機関を活用するメリット

信頼性の高いデータ・情報が得られること、専門的なアドバイスが受けられることが主なメリットです。政府の補助金や助成金の活用により、コストを抑えることも可能です。

支援機関を活用するデメリット

手続きが煩雑な場合があり、結果が得られるまでに時間がかかることがあります。また公的機関の情報は一般的すぎる内容である場合があり、特定のビジネスに合わせた詳細な情報が入手しにくいこともあります。

民間の調査会社を活用する

民間の市場調査会社を利用することで、迅速かつ専門的な調査を実施することができます。コストがかかる一方で、高度なデータ分析が可能です。

民間の調査会社へ委託を検討する際はこちらの記事も参考にしてください。

民間の調査会社を活用するメリット

現地の専門知識を持つ調査会社がデータを提供するため、精度の高い情報が得られます。また、その会社独自のネットワークを活用することで、通常の調査方法では得られない深い情報を得られることも期待できます。

公的機関よりも迅速にデータを収集できるほか、収集したデータを踏まえた適切な助言を提供してくれるため、海外進出を検討する上で強力なサポーターになるでしょう。

民間の調査会社を活用するデメリット

コストが高額になることがあり、調査の内容に満足できない場合のリスクもあります。契約内容や調査前の取り決めでは、慎重な判断が必要です。

調査会社を選ぶ際には、顧客のニーズをしっかりとヒアリングしてくれるか、ニーズに合わせて柔軟に調査スコープや調査方法を変えてくれるか、成果物のイメージを事前に共有してくれるか、といった点に着目するとよいでしょう。

オーストラリアの市場調査・進出支援ならAXIA Marketing

AXIA Marketingでは、オーストラリア進出を検討している企業様に向けて、オーストラリアの市場調査・進出準備をお手伝いしております。

世界中に計50万名規模の有識者ネットワークを有しており、公開情報では知ることのできない現地の深い情報まで徹底的にリサーチ・分析し、オーストラリアの市場調査から進出準備まで一気通貫でサポートします。

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参考文献

海外進出日系企業拠点数調査 2023年調査結果 – 外務省

オーストラリア基礎データ – 外務省

世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) – GLOBAL NOTE

World’s Wealthiest Cities Report 2024 – Henley & Partners

最低賃金を7月から3.75%引き上げ – JETRO

【オーストラリア】トヨタ自動車、水素工場建設開始。総工費8.2億円。豪政府も資金助成 – Sustainable Japan

住友金属鉱山と三菱商事、豪でニッケル鉱山の事業化調査 – 日本経済新聞

オーストラリア 外資に関する奨励 – JETRO

双日、豪州で省エネルギー事業に参入 – 双日

積水ハウス公式サイト

積水ハウスプレスリリース(2011年7月7日)

セコム公式サイト

オーストラリアに鉱山ソリューションの新拠点を開設 – ブリヂストン

凸版印刷、オーストラリアのPIDAパッケージアワードでゴールド賞を受賞 – 凸版印刷

オーストラリアに新倉庫 日系最大規模の倉庫展開へ – 郵船ロジスティクス

日系損保初 豪州における保険会社の開業について – あいおいニッセイ同和損保

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