金田大樹

記事の監修者

金田大樹

AXIA Marketing代表取締役

リサーチ会社を活用した経営判断を、日本企業の常識にしていくことがモットー。

鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅から大手調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。

ベトナムは、急速に経済成長が進んでおり、アジアの新興経済国としての将来性の高さから、近年、諸外国の企業から大きな注目が集まっています。

大きな成長余地のある市場が多くの日系企業を惹きつけており、外務省が行った海外進出日系企業拠点数調査によれば、2024年時点で日系企業のベトナムにおける拠点数は2,543以上に達しています。

一方で、「ベトナムに進出したいと考えているけど、やり方がわからない」「ベトナム進出支援を依頼したいけど、どこに依頼すればよいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ベトナム進出を検討している方に向けて、おすすめのベトナム進出支援企業を7社、それぞれの特徴や選び方とともにわかりやすくご紹介します。実際にベトナムに進出した日本企業の事例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

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ベトナム進出支援企業選びで失敗しない6つのポイント

ベトナム市場参入を実現させるには、理想的な支援会社を選択することが極めて重要な要素となります。

数多くの会社がベトナムへの市場参入を支援する業務を展開していますが、自社の要求に適さない会社を選択してしまうと、予想を上回る経費が発生したり、参入計画が著しく遅延したりするリスクがあります。

ここでは、ベトナム進出を支援する会社選びで失敗を避けるための重要なポイントを詳細にご説明していきます。適正な判断基準を設けて比較検証することで、長期間のビジネスパートナーとして依頼できる会社を発見することが可能となるでしょう。

①ベトナム進出の目的を明確化する

ベトナム市場参入支援会社を選択する前に、まず自社の参入意図を明らかにすることが必須です。生産基地の建設なのか、販売エリアの拡大なのか、あるいは研究開発拠点の構築なのかにより、求められる支援内容は大幅に変わってくるためです。

製造業の場合は工場用地の取得や人事労務管理のフォローが重要となりますし、小売業であれば店舗開発や現地顧客のニーズ調査が必要となるでしょう。

意図が不明瞭な状態で支援会社を選択してしまうと、本当に求めるサービスを提供してもらえなかったり、反対に不必要なサービスに高額な料金を支払ったりすることになる可能性があります。

参入の意図と期待する結果を具体的に設定し、それに応じて支援会社の専門領域や実績を評価することがポイントです。また、短期間の目標だけでなく、中長期間の事業拡大も視野に入れて検討することで、より戦略的な支援を受けることが可能となります。

②ベトナム現地にネットワークを有しているか

ベトナムに限らず、海外進出において、ネットワークの幅広さは重要な要素です。現地の信頼できる販売代理店やパートナーを見つけられるか否かが海外進出の成功を左右すると言っても過言ではありません。

ベトナムの市場調査をする際にも、現地に調査ネットワークを有することで、通常の手法では手に入らない生の情報にアクセスでき、調査の質がかなり高くなると考えられます。

したがって、支援企業を選ぶ際には、その会社がベトナムにおいて幅広いネットワークを有しているかを確認するとよいでしょう。

③担当者のベトナム進出の支援実績が十分か

ベトナムに限らず、海外進出に当たっては、その国のルールや文化・慣習、市場の状況などに関する幅広い知見や、ビジネス戦略策定力など幅広い知識と経験が必要となります。

特に、市場調査には、リサーチの企画力・戦略策定力、情報収集能力、データ分析力など様々なスキルが求められます。そのため、海外進出支援を実施する担当者の質は、進出の成否にダイレクトに影響するといえます。

見積りを取得する際に、担当者のベトナム進出支援の実績やベトナムでのビジネス経験の有無などの経歴もあわせて確認するとよいでしょう。

また、ベトナムの生の情報を手に入れるためには、ベトナム語が読めることも重要です。現地のスタッフが担当チームに入っていれば、より質の高い調査結果が期待できます。

④費用対効果が見合っているか

ベトナム進出支援には、当然ながら費用が発生します。支援内容や範囲によって市場調査の費用は大きく変わるため、多くの進出支援サービスは固定価格を設けず、顧客ごとに見積りを発行しています。

そのため、支援を依頼する際には、複数の企業から見積りを取得し、支援内容と費用を比較検討するのがおすすめです。

その上で、本当にそこまでの費用をかける必要があるのか、自分たちで実施できる部分もあるのではないか、他のより安価なサービスで代替できないかといった観点から、支援を依頼するか否かを慎重に判断していきましょう。

また、予算に応じてスコープを調整したり、複数の料金プランを提供するなど、柔軟に費用体系をカスタマイズしてくれる会社であればベストです。

⑤ベトナム進出支援企業の担当者との相性は合うか

ベトナムへの市場参入は長期間にわたるプロジェクトとなることが多く、支援会社の担当者との関係性は成功を決定づけると言っても過言ではありません。担当者との相性が悪いと、意思疎通がうまくいかず、プロジェクトが停滞してしまう危険性があるからです。

初回の会議では、担当者の専門的知識の深さだけでなく、自社の要望を理解しようとする姿勢や、課題に対する解決策の提案能力も評価しましょう。

また、担当者が頻繁に交代される会社は避けるべきです。市場参入には継続的なフォローが必要であり、担当者が変わるたびに情報の引き継ぎが必要になると、効率性が大幅に低下してしまいます。

長期的なパートナーシップを築けるかどうかを見極めるためにも、複数回の会議を通じて担当者の人格や対応能力を慎重に評価することが大切です。レスポンスの迅速さや提案内容の品質も重視すべき判断基準になるでしょう。

⑥進出後もアフターサポートを提供してくれるか

現地の市場調査や現地での会社設立が完了するまでサポートしてくれる支援企業は多いですが、中には、その後のアフターケアまでしっかりと施してくれる企業もあります。

ベトナムにおいては、現地での会社設立後の運営やトラブル対応に当たっても、専門的な知識や経験が必要となる場合が多いです。ベトナム語がわからないと対応に苦戦することも多いため、専門家の支援が重要となることも少なくありません。

そのため、ベトナム進出を果たした後も、継続的に相談に乗ってくれるような長期的な関係・サポート体制を提供してくれる支援企業を選択するのがおすすめです。

ベトナム進出支援にかかる予算や費用相場

ベトナムへの進出支援にかかる費用は、サービス内容や参入形態によって大幅に異なります。一般的なコンサルティングサービスでは、数十万円〜が相場とされており、プロジェクトの規模や期間によってはさらに高額となることもあるのです。

会社設立支援の場合は、基本的な手続き代行で数十万円〜百数十万円程度、より包括的なフォローを求める場合は二百万円近くかかることも珍しくありません。市場調査や事業計画作成といった初期段階のフォローは、数十万円~二百万円が一般的な価格帯とみておきましょう。

ただし、費用の安さのみで支援会社を選ぶのは危険です。安価なサービスの場合、必要なフォローが含まれていなかったり、品質が十分でなかったりする危険性があります。

逆に高額なサービスでも、自社のニーズに合わない内容であれば価値を感じることはできないでしょう。重要なのは、提供されるサービス内容と自社の要望を照らし合わせ、費用対効果を慎重に検討することです。複数の会社から見積もりを取得し、サービス内容を詳細に比較検討するのも手段です。

ベトナム進出支援企業のおすすめ7選

ここまでご説明してきた通り、ベトナム市場への参入支援会社は実績と専門性を兼ね備えた会社を選ぶことが成功への第一歩となります。

各会社にはそれぞれの強みと特色があり、自社の業界や参入目的に応じて最適な選択肢が変わります。法務や税務に強い会社、製造業の支援に特化した会社、マーケティングや販路開拓を得意とする会社など、様々な専門分野があります。

ここでは、特に評価の高い支援会社の中から代表的なものをご紹介し、それぞれの特徴と強みを詳しく解説していきます。

AXIA Marketing

AXIA Marketing株式会社は、ベトナムを含む海外調査や海外進出支援において豊富な実績を誇る専門企業です。同社のベトナム進出支援サービスは、客観的なデータ収集から競争分析、消費者行動の調査、市場のポテンシャル評価まで幅広い領域をカバーしています。

特に注目すべき点は、ベトナムにおけるパートナーとのコネクションを活かした調査体制です。有識者へのインタビュー調査や競合調査、アライアンス調査などを駆使し、現地の生きた情報を効率的に収集することが可能となります。

さらに、各社の進出目的やニーズ、予算に応じたカスタマイズ対応も大きな特徴です。こうした幅広い調査手法と柔軟な支援体制により、クライアントはベトナム進出成功に必要な情報を効率よく入手できます。

AXIA Marketingの広範な現地ネットワークと豊富な調査経験が、ベトナムでの事業展開を検討する企業の強力なパートナーとなるでしょう。

B&Company

B&Companyは、市場調査や事業コンサルティングを手掛けている企業であり、これまで数々の顧客の戦略策定や実行を支援してきました。

ベトナムの主要都市であるハノイとホーチミンの両方に事業所を有し、ベトナムの各政府機関やメディアとパートナーシップを構築するなど、ベトナムにおける市場調査や進出支援を得意としています。

主な進出支援の内容としては、市場調査・分析、規制調査、拠点設立に当たっての登録・許可申請支援などが挙げられます。

また、外注先や卸など様々なパートナーの探索を支援するためのビジネスマッチングサービスや、進出後の規制対応や会計税務・人事労務等の手続き支援も行っています。

プロネクサスベトナム

プロネクサスベトナムは、ホーチミンに本社を構え、ベトナム進出の検討から現地での事業展開までワンストップで支援しています。

主な支援内容としては、市場調査、現地法人設立のための登記、総務代行、人事労務・会計手続き支援、労働許可証の申請手続き代行、オフィスや翻訳・通訳の手配、商標登録等の支援などが挙げられます。

ベトナムに本社があるため現地ネットワークを豊富に有していることが大きな強みです。バイリンガルの現地スタッフと日本人スタッフが完全に日本語で対応するため、ベトナム進出が初めての企業でも安心してサポートしてもらえるでしょう。

Lai Vien

Lai Vienは、ホーチミンに拠点を構え、ベトナム進出支援を専門とする総合コンサルティング企業です。市場調査や現地法人設立支援、翻訳・通訳対応などのサポートを提供しています。

Lai Vienの強みは、ベトナム進出を検討する日本企業を500社以上もサポートしてきた実績があることです。顧客の約半数は製造業界の企業で、その他、IT、教育、物流、金融など様々な業界の企業や、自治体・政府機関を支援してきました。

また、Lai Vienは、「ACCESS」というベトナムで働く日本人のビジネスパーソン向けの月刊誌を発行しています。現地でビジネスを行う日本人の貴重な情報源として役立っています。

海外進出アドバイザーズ

海外進出アドバイザーズは、ベトナムを含むASEANの5か国に拠点を構え、進出計画支援や進出後のコンサルティングを提供しています。

ベトナム計画投資省外国投資局(FIA)やベトナム商工会議所などの重要な機関とパートナー関係を構築しており、現地のリアルタイムの情報に基づいた市場調査や進出計画策定を強みとしています。

また、製造業の企業に対して、レンタル工場の提供も行っています。現地に自社工場を建設するよりも低コストで事業を行うことができ、特に中小企業にとって魅力的なサポートとなっています。

ベトナム進出サポーターズ

ベトナム進出サポーターズは、ベトナム進出を検討する日系企業に向けて、進出検討に役立つ情報を発信する専用ポータルサイトの運営や実際の支援を行っています。

同社のサイトでは、ベトナム進出のメリット・デメリット、注意点、現地法人設立手順、税務リスクなどベトナム進出に当たって必要となる様々な情報を得ることができます。

また、コンサルタントによる無料相談や進出案の提案などのサポートも提供しています。単なる会社設立にとどまらず、現地法人の黒字化や事業拡大など、将来を見据えた経営支援を目指しています。

ソトチカ

ソトチカは、ベトナムの現地スタッフや日本人の人材紹介を展開するG.A.コンサルタンツグループの企業です。

進出コンサルティングだけでなく、レンタルオフィスの提供や労務代行・給与計算といった人事労務アウトソーシングなどの各種サポートも提供しています。

2023年からは、ベトナムの工業団地への進出を検討している企業に向けて、工業団地の選定サービスや視察動向といったサポートの提供を開始しました。これまで、日本の中小企業100社以上の支援を手掛けてきた実績があります。

ベトナム進出の成功のためのポイント

ベトナムへの進出支援を成功させるためには、事前の準備と戦略が不可欠です。多くの日本企業がベトナム市場に参入していますが、十分な準備なしに参入した企業の中には、想定通りの成果を上げられずに撤退を余儀なくされるケースも少なくありません。

成功企業に共通するのは、現地市場の特性を深く理解し、長期的な視点で事業展開を行っていることです。また、現地パートナーとの良好な関係構築や、現地の慣習に合わせた事業運営も重要な要素となります。

文化的な違いを理解し、それを事業戦略に反映させることで、持続可能な成長を実現することができるのです。ベトナム進出を成功させるために注意すべきポイントとして、主に以下の3つが挙げられます。

しっかりと市場調査を行う

ベトナムへの事業展開を成功に導くためには、入念な市場調査が不可欠となります。人口動態や市場規模、主要産業といった基礎的な経済指標に加え、競合企業の分析、法規制・税制の確認、現地の生活様式や文化背景の理解が重要です。

ベトナムは地域によって産業構造や文化特性が異なるため、進出予定地域に焦点を絞った調査が成功の鍵となります。

ベトナム進出を試みる企業が失敗するパターンが、思わぬ法規制や制度の罠に直面して思い通りのビジネスを展開できなかった事例です。他にも、急な政策転換により予定した通りの事業遂行が困難となってしまった事例などがあります。

これらの課題は事前の徹底した調査で回避可能です。初期段階では外務省やJETROの公的資料、書籍・インターネット情報の収集から始めましょう。本格検討時は専門調査会社への委託を推奨します。

信頼できる現地パートナーを見つける

ベトナムに限らず、海外進出を成功させるためには、信頼できる適切な現地パートナーを見つけることが重要となります。

現地パートナーは、現地で事業を展開するにあたり、適切な人につないでくれたり、必要な手続きの履行やコミュニケーションをサポートしてくれるなど、現地で事業をスムーズに展開するために欠かせない存在です。

いくら事前のリサーチをしっかりしていたとしても、現地に数十年住んでいる方には到底及びません。そういった現地人にしか分からない感覚をサポートしてくれるのが現地パートナーの存在です。

また、ベトナム人の中には英語を話せる人もいますが、多くの人はベトナム語しか話すことができません。そのため、ベトナム語を話せる現地の人と協力して事業を行うことが不可欠となります。

信頼できる現地パートナーと良好な信頼関係が築ければ、海外進出の成功率は格段に上がるでしょう。

現地特有の文化・商慣習に配慮する

ベトナム進出のよくある失敗例として、現地特有の文化や慣習に合わない製品・サービスを提供した結果、全く売れずに終わってしまうということが挙げられます。

そうならないためにも、現地特有の文化や慣習をあらかじめ調査し、それに合わせて製品・サービスをローカライズすることが必要となります。また、現地の人が大切にしている習慣や慣例を理解し、それらに配慮してビジネスを行うことも重要です。

ベトナムにおいて特に注意すべき文化・慣習として、毎年2月頃に予定されているテト(旧正月)と呼ばれる重要な祝祭が挙げられます。

その期間は基本的にビジネス活動はストップし、多くの人が休暇に入ります。ベトナムで事業を行うにあたっては、このような現地の人の事情にも配慮することが重要です。

進出時にはフィージビリティスタディが重要

ベトナム市場参入の成功確率を高めるためには、事前のフィージビリティスタディ(実現可能性調査)が極めて重要になります。この調査では、市場規模や競合状況、法規制、必要な投資額、予想される収益性など、事業展開に関わる様々な要素を総合的に分析します。

特にベトナムでは、地域によって顧客の嗜好や購買力に大きな差があるため、ターゲット市場の詳細な分析が不可欠です。フィージビリティスタディを実施することで、参入のリスクと機会を事前に把握し、より現実的な事業計画を策定することが可能になります。また、投資家や金融機関からの資金調達を行う際にも、詳細な調査結果は重要な判断材料となるでしょう。

調査には一定のコストと時間がかかりますが、参入後の失敗リスクを大幅に軽減できることを考えると、必要不可欠な投資といえます。専門性の高い調査会社や支援会社と協力して、包括的かつ客観的な分析を行うことが重要です。

ベトナム進出をするうえで知っておきたい二大都市の市場動向

ベトナムの経済活動は主にホーチミン市とハノイ市の二大都市圏に集中しており、それぞれ異なる特徴と市場動向を持っています。

ホーチミン市は経済の中心地として位置づけられ、商業やサービス業が発達している一方、ハノイ市は政治の中心地であり、重工業や製造業の拠点となっているのです。

両都市の市場特性を理解することは、効果的な参入戦略を立てるうえで欠かせません。顧客の行動パターンや所得水準、インフラの整備状況なども都市によって大きく異なるため、事前の詳細な分析が必要になります。

両都市ともインフラの整備が進んでいますが、交通渋滞や物流の課題もあり、これらの要因も事業展開に影響を与える可能性があります。最近では、両都市間を結ぶ高速道路の整備も進んでおり、物流効率の向上が期待されています。

ハノイ

ハノイはベトナム北部に位置する首都で、約871万人が暮らす政治・文化の中心地です。ちなみにベトナム全体の人口は約1億134万人に達しています。伝統を重んじる落ち着いた雰囲気の街で、人々は関係性を大切にする傾向があります。

経済面では政府主導の政策により、全国平均を上回る成長率を実現しています。商業面では従来の個人商店から大型ショッピングモールへの転換が進み、外資系小売企業にとって新たなビジネスチャンスが生まれています。

また最近ではスマートシティ建設やハイテク農業、IT分野への投資も活発化しており、伝統と近代性が共存する魅力的な都市として発展を続けています。

ホーチミン

ホーチミンは人口約1,400万人を抱えるベトナム最大の経済都市です。平均年齢31歳という若い世代が中心で、西洋文化の影響を受けた国際色豊かな雰囲気があります。

合理性を好む人々が多く、多国籍企業の拠点として重要な役割を担っています。教育面では日本語教育機関やインターナショナルスクールが充実し、外国人も暮らしやすい環境です。

産業としてはサービス業、製造業、IT、観光業が主力で、外国直接投資も盛んです。また農水産資源も豊富で、若い人口構成による持続的な発展が期待される活気あふれる都市といえるでしょう。​​​​​​​​​​​​​​​​

ベトナム進出をする3つのメリット

ベトナム市場参入を検討する企業にとって、現地が持つ競争優位性を正確に理解することは極めて重要です。多くの日本企業がベトナムを選ぶ理由は、単なる製造コストの削減だけではありません。

むしろ、持続可能な事業成長を実現するための複合的な要因が揃っていることにあります。人的資源の充実度、事業運営に関わるコスト構造、そして政府による戦略的な経済政策という3つの核心的な要素が、ベトナムを魅力的な投資先として位置づけているのです。

これらの要素は相互に作用し合い、外国企業にとって理想的なビジネス環境を創出しています。特に長期的な視点で事業展開を考える企業にとって、これらの優位性は競合他国との差別化要因となり、長期的な利益を確保するための重要な要素となるでしょう。

①質が高く若い人材が豊富

ベトナムはASEAN圏内で約1億134万人という3番目の人口規模を持ち、平均年齢31歳という若い労働力が特徴です。儒教の影響による教育熱心な国民性があり、新しい知識への吸収意欲が高いとされています。

手先の器用さやITリテラシーの高さも評価され、製造業からIT分野まで幅広い活躍が期待できます。また親日的な国民性も日本企業にとって大きな利点です。

②物価が安い

ベトナムの物価は日本の約3分の1程度です。近年は上昇傾向にありますが、他のアジア諸国と比較しても依然として低水準を維持しています。

特に人件費は大きな魅力で、ASEAN調査によると平均月給は約339ドル(約50,000円)程度です。そのため、ITオフショア開発や製造業など人件費の比重が大きい事業での進出が増えています。

③経済の競争力を高める国の政策

ベトナム政府は経済成長促進のため積極的な政策を展開しています。近年のGDP成長率は7%前後と高水準で、2007年のWTO加盟後は貿易の自由化も進展しています。外資誘致にも積極的で、一部の分野を除き外資100%での進出が可能です。

金利引き下げや税制優遇など企業支援策も充実しており、こうした政府の支援体制が企業進出の促進要因となっています。​​​​​​​​​​​​​​​​

ベトナム進出をするうえで知っておきたい経済や産業

ベトナム経済は製造業を軸とした急激な成長を続けており、電子機器や繊維、履物分野で世界有数の地位を築いています。

サムスンやインテルが大型生産施設を建設した影響で、部品供給業者や輸送関連企業の参入も加速化しているのです。自動車分野も着実に発展し、日系メーカーが現地製造を拡充中となります。

ベトナムの経済構造を詳細に理解するためには、全体的な経済動向と各産業分野の貢献度、そして国際貿易における位置づけを把握することが重要です。

近年のベトナムは年平均7%前後の高い経済成長率を維持しており、ASEAN諸国の中でも特に注目される存在となっています。

製造業が牽引する経済発展の背景には、豊富な労働力と政府の積極的な外資誘致政策があり、これらの要因が複合的に作用して持続的な成長を実現しているのです。

経済の全体像から産業別の詳細な動向、さらには輸出入構造まで、多角的な視点でベトナム経済の実態を分析することで、市場参入における戦略立案に役立つ貴重な情報を得ることができるでしょう。

ベトナムの経済

ベトナムは1986年に始まった「ドイモイ(刷新)政策」以降、計画経済から市場経済へと移行し、安定した経済成長を続けています

この政策は「資本主義経済の導入」「国際社会との協調」「国民生活に必要な産業への投資」「社会主義政策の緩和」を柱としています。

近年のGDP成長率は7%前後と高水準で推移しており、コロナ禍からの回復も順調です。2024年第3四半期には前年同月比7.4%の成長が見込まれています。

また、純資産3,000万ドル(約45億円)を超える超富裕層も急増しており、2017年の538人から2023年には752人へと急増しました。

特筆すべきは政府の外資誘致に対する積極的な姿勢です。税制優遇措置などのインセンティブを提供し、安定した政治環境も相まって、外国企業にとって投資しやすい環境が整っています

ベトナムの産業別実質GDP

ベトナムの産業構造は急速に変化しており、2024年の実質GDPにおける産業構成比は、第1次産業(農林水産業)が11.9%、第2次産業(製造業など)が37.6%、第3次産業(サービス業)が42.4%、生産税・補助金が8.14%となっています。

10年前と比較すると、「製造業」の割合が17.1%から22.7%へと大きく上昇しました。一方で「第1次産業」は15.4%から11.3%へと低下しており、産業構造が第1次産業から第2次・第3次産業へとシフトしていることが明確に見て取れます。

このような変化は、若い労働力を背景とした製造業の発展や、近年のIT産業、サービス業への投資拡大によってもたらされています。特にIT分野では人工知能やビッグデータ関連の人材育成にも力が入れられており、今後さらなる成長が期待されています。

ベトナムの輸出入

ベトナムの貿易は年々拡大しており、2024年の輸出額は4,059億3,500万ドル(前年比14.4%増)、輸入額は3,809億9,100ドル(同16.7%増)と順調に推移しています。貿易収支も249億4,500万ドルの黒字を記録し、9年連続の黒字となりました。

輸出品目としては、携帯電話・部品が首位を占め、次いでコンピューター・部品、縫製品と続いています。特徴的なのは、中国・韓国から素材・部品を輸入し、国内で組み立てた後、米国やEUへ完成品を輸出するという貿易構造が確立していることです。

地理的にも有利な位置にあり、周辺国へのアクセスが良好です。カンボジアまでは約1時間、タイまでは約2時間、シンガポールまでも約2時間のフライトで到達できるため、ASEAN市場への進出拠点としての役割も果たしています​​​​​​​​​​​​​​​​。​​​​​​​​​​​​​​​​

日本企業によるベトナム進出の事例3選

日本企業のベトナム市場参入において、各業界のリーディングカンパニーが独自のアプローチで成功を収めている実例が数多く存在します。

これらの企業は単なる海外展開ではなく、ベトナムの地域特性や市場ニーズを深く理解した戦略的な取り組みを実施しているのが特徴です。

食品・飲料業界から住宅設備業界、製紙・包装業界まで、幅広い分野で日本企業がベトナム市場に根ざした事業展開を行い、現地経済の発展にも大きく貢献しています。

【UCC上島珈琲】ベトナムコーヒーの品質向上に貢献

UCC上島珈琲は、世界第2位のコーヒー大国であるベトナムにおいて、コーヒーに関する取り組み/事業を展開しています。

2017年に、ホーチミンにコンセプトショップ「UCC COFFEE ROASTERY」をオープンし、ベトナムにおけるコーヒー市場に本格参入しました。

さらに、2018年には現地法人を設立し、独自の品質基準をクリアしたコーヒー豆を日本へと輸出する体制を構築します。

また、2015年から毎年、ベトナム産アラビカ種の品質コンテストを開催し、ベトナムコーヒーの品質向上に貢献している企業です。

【タカラスタンダード】高品質システムキッチンを販売

タカラスタンダードは、2016年から、ベトナムにおいて現地の販売代理店を経由したキッチン製品の取り扱いを開始しました。

一年を通して高温多湿なベトナムにおいて、湿気や汚れに強い高品位ホーローという独自の素材が高評価を受け、着実に販売数を拡大しています。

2019年には、現地販売店とコラボして、ベトナムの建築展示会に出展するなど、認知拡大と売上向上のための取り組みを積極的に行っています。日本の高品質な製品が海外市場で評価され、受け入れられた好例となりました。

【王子ホールディングス】ベトナム全土に5つのダンボール工場を保有

王子ホールディングスは、ベトナムにおいてダンボールの製造を行っています。北部から南部にかけて複数の工場を展開しており、現在では6拠点を運営しています。

国内での需要が低迷している中、王子ホールディングスは、売上の更なる拡大のために海外市場に目を向けており、現地の食品・飲料メーカーなどに向けてダンボールを販売することを狙っています。

ベトナム進出支援ならAXIA Marketing

ベトナム市場参入を検討している企業にとって、信頼できる支援会社選びは成功への重要なステップです。適切な準備と戦略的なアプローチにより、ベトナム市場での成功は十分に実現可能といえるでしょう。

特に、フィージビリティスタディの実施や現地市場の特性理解は、リスク軽減と成功確率向上において極めて重要です。

AXIA Marketingは、ベトナム市場参入支援における豊富な実績と専門知識を持つリーディングカンパニーです。市場調査から事業計画策定、現地パートナー選定、マーケティング戦略の構築まで、参入に必要な全てのプロセスを一貫してフォローしています。

特にデジタルマーケティング分野での専門性が高く、ベトナムの急成長するオンライン販売市場やソーシャルメディア活用による効果的な集客手法の提案を得意としているのです。

現地スタッフとの連携により、日本企業特有のニーズに応じたカスタマイズされたソリューションを提供し、多くの企業のベトナム市場参入成功を支援してきた実績があります。

専門チームによる継続的なフォロー体制も整っており、参入後の事業拡大においても長期的なパートナーとして信頼できる会社といえるでしょう。

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参考文献

B&Company公式サイト

プロネクサスベトナム公式サイト

Lai Vien公式サイト

海外進出アドバイザーズ公式サイト

ベトナム進出サポーターズ公式サイト

ソトチカ公式サイト

世界第2位の生産量を誇るコーヒー大国「ベトナム」その高い品質を支えるコーヒーづくり – UCC上島珈琲

タカラスタンダード株式会社プレスリリース(2019年6月24日)

タカラスタンダード株式会社プレスリリース(2020年6月29日)

王子HD、ベトナムの紙包装企業を買収 イムラと共同で – 日本経済新聞

王子ホールディングス株式会社プレスリリース(2020年11月5日)

ベトナム進出のメリット・デメリット|日本企業の拠点数・最新進出動向-Dijima~出島~

ベトナムの市場調査の調査方法や押さえるべきポイントを徹底解説–AXIA Marketing

急拡大するベトナム市場!世界が注目するベトナムの経済成長ポイント–Locobee

【比較】​​ハノイ・ダナン・ホーチミンの違いをベトナム在住者が解説–ベトスカウト

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