おすすめのベトナム進出支援企業7選|特徴~選び方まで
ベトナムは、急速に経済成長が進んでおり、アジアの新興経済国としての将来性の高さから、近年、諸外国の企業から大きな注目が集まっています。
大きな成長余地のある市場が多くの日系企業を惹きつけており、外務省が行った海外進出日系企業拠点数調査によれば、2023年時点で日系企業のベトナムにおける拠点数は2,300以上に達しています。
一方で、「ベトナムに進出したいと考えているけど、やり方がわからない」「ベトナム進出支援を依頼したいけど、どこに依頼すればよいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ベトナム進出を検討している方に向けて、おすすめのベトナム進出支援企業を7社、それぞれの特徴や選び方とともにわかりやすくご紹介します。
実際にベトナムに進出した日本企業の事例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
ベトナム進出支援企業選びで失敗しない5つのポイント
ベトナム進出支援企業を紹介する前に、数ある支援企業の中から自社に合った適切な企業を選ぶために注意すべきポイントについてご紹介します。これらのポイントを意識することで、自社に合ったサービスを提供してくれる企業に出会うことができるでしょう。
- 支援スコープや進め方を柔軟に指定できるか
- ベトナム現地にネットワークを有しているか
- 担当者のベトナム進出の支援実績が十分か
- 費用対効果が見合っているか
- 進出後もアフターサポートを提供してくれるか
支援スコープや進め方を柔軟に指定できるか
支援スコープや進め方を柔軟に指定することができるかどうかは、自社にとって必要十分な支援を受けるために非常に重要です。
ベトナム進出支援企業の中には、すでに支援内容や進め方・手法が固まっていて、顧客の目的に応じた柔軟な方針変更やカスタマイズに対応できないものも存在します。そのような支援企業を選んでしまうと、目的達成や課題解決に資さないサポートが行われ、時間とコストを無駄に費やしてしまうことになりかねません。
ベトナムのような開発途上国の場合、短期間で政情や経済状況が大きく変わる可能性もあるため、支援内容や進め方を柔軟に変更できることが重要な要件となります。
したがって、依頼前にニーズや課題を丁寧にヒアリングしてくれるか、進め方やその手法を選んだ理由をわかりやすく説明してくれるか、ベトナム現地の状況に応じて支援の内容や範囲を柔軟に変更してくれるか、といった点に着目して支援企業を選択するようにしましょう。
ベトナム現地にネットワークを有しているか
ベトナムに限らず、海外進出において、ネットワークの幅広さは重要な要素となります。現地の信頼できる販売代理店やパートナーを見つけられるか否かが海外進出の成功を左右すると言っても過言ではありません。
ベトナムの市場調査をする際にも、現地に調査ネットワークを有することで、通常の手法では手に入らない生の情報にアクセスでき、調査の質がかなり高くなると考えられます。
したがって、支援企業を選ぶ際には、その会社がベトナムにおいて幅広いネットワークを有しているかを確認するとよいでしょう。
担当者のベトナム進出の支援実績が十分か
ベトナムに限らず、海外進出に当たっては、その国のルールや文化・慣習、市場の状況などに関する幅広い知見や、ビジネス戦略策定力など幅広い知識と経験が必要となります。
特に、市場調査には、リサーチの企画力・戦略策定力、情報収集能力、データ分析力など様々なスキルが求められます。
そのため、海外進出支援を実施する担当者の質は、進出の成否にダイレクトに影響するといえます。見積りを取得する際に、担当者のベトナム進出支援の実績やベトナムでのビジネス経験の有無などの経歴もあわせて確認するとよいでしょう。
また、ベトナムの生の情報を手に入れるためには、ベトナム語が読めることも重要です。現地のスタッフが担当チームに入っていれば、より質の高い調査結果が期待できます。
費用対効果が見合っているか
ベトナム進出支援には、当然ながら費用が発生します。支援内容や範囲によって市場調査の費用は大きく変わるため、多くの進出支援サービスは固定価格を設けず、顧客ごとに見積りを発行しています。
そのため、支援を依頼する際には、複数の企業から見積りを取得し、支援内容と費用を比較検討するのがおすすめです。
その上で、本当にそこまでの費用をかける必要があるのか、自分たちで実施できる部分もあるのではないか、他のより安価なサービスで代替できないかといった観点から、支援を依頼するか否かを慎重に判断していきましょう。
また、予算に応じてスコープを調整したり、複数の料金プランを提供するなど、柔軟に費用体系をカスタマイズしてくれる会社であればベストです。
進出後もアフターサポートを提供してくれるか
現地の市場調査や現地での会社設立が完了するまでサポートしてくれる支援企業は多いですが、中には、その後のアフターケアまでしっかりと施してくれる企業もあります。
ベトナムにおいては、現地での会社設立後の運営やトラブル対応に当たっても、専門的な知識や経験が必要となる場合が多いです。ベトナム語がわからないと対応に苦戦することも多いため、専門家の支援が重要となることも少なくありません。
そのため、ベトナム進出を果たした後も、継続的に相談に乗ってくれるような長期的な関係・サポート体制を提供してくれる支援企業を選択するのがおすすめです。
おすすめのベトナム進出支援企業7選
上記で紹介した選び方のポイントを踏まえ、ベトナム進出支援を手掛けるおすすめの企業をご紹介します。それぞれの企業の特徴も説明しているため、自社に合った支援企業を探すのに役立ててみてください。
- AXIA Marketing
- B&Company
- プロネクサスベトナム
- Lai Vien
- 海外進出アドバイザーズ
- ベトナム進出サポーターズ
- ソトチカ
AXIA Marketing
AXIA Marketing株式会社は、ベトナムを含む海外調査や海外進出支援において豊富な実績を持っています。
AXIA Marketingのベトナム進出支援サービスの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- 客観的なデータ収集から競争分析、消費者行動の調査、さらには市場のポテンシャル評価までをカバー
- ベトナムにおけるパートナーとのコネクションを活かした有識者へのインタビュー調査や競合調査、アライアンス調査などを駆使
- 各社の進出の目的やニーズ、ご予算に応じたカスタマイズが可能
こうした幅広い調査方法と柔軟なカスタマイズ支援により、クライアントはベトナム進出を成功させるために必要な情報を効率よく手にすることができます。AXIA Marketingは、その広範な現地ネットワークと豊富な調査経験により、ベトナムでの事業展開を考える企業を支援します。
1時間の無料オンライン相談も承っております
お見積りなどもお気軽にお問い合わせください
B&Company
B&Companyは、市場調査や事業コンサルティングを手掛けている企業であり、これまで数々の顧客の戦略策定や実行を支援してきました。
ベトナムの主要都市であるハノイとホーチミンの両方に事業所を有し、ベトナムの各政府機関やメディアとパートナーシップを構築するなど、ベトナムにおける市場調査や進出支援を得意としています。
主な進出支援の内容としては、市場調査・分析、規制調査、拠点設立に当たっての登録・許可申請支援などが挙げられます。
また、外注先や卸など様々なパートナーの探索を支援するためのビジネスマッチングサービスや、進出後の規制対応や会計税務・人事労務等の手続き支援も行っています。
プロネクサスベトナム
プロネクサスベトナムは、ホーチミンに本社を構え、ベトナム進出の検討から現地での事業展開までワンストップで支援しています。
主な支援内容としては、市場調査、現地法人設立のための登記、総務代行、人事労務・会計手続き支援、労働許可証の申請手続き代行、オフィスや翻訳・通訳の手配、商標登録等の支援などが挙げられます。
ベトナムに本社があるため現地ネットワークを豊富に有していることが大きな強みです。バイリンガルの現地スタッフと日本人スタッフが完全に日本語で対応するため、ベトナム進出が初めての企業でも安心してサポートしてもらえるでしょう。
Lai Vien
Lai Vienは、ホーチミンに拠点を構え、ベトナム進出支援を専門とする総合コンサルティング企業です。市場調査や現地法人設立支援、翻訳・通訳対応などのサポートを提供しています。
Lai Vienの強みは、ベトナム進出を検討する日本企業を500社以上もサポートしてきた実績があることです。顧客の約半数は製造業界の企業で、その他、IT,教育、物流、金融など様々な業界の企業や、自治体・政府機関を支援してきました。
また、Lai Vienは、「ACCESS」というベトナムで働く日本人のビジネスパーソン向けの月刊誌を発行しています。現地でビジネスを行う日本人の貴重な情報源として役立っています。
海外進出アドバイザーズ
海外進出アドバイザーズは、ベトナムを含むASEANの5か国に拠点を構え、進出計画支援や進出後のコンサルティングを提供しています。
ベトナム計画投資省外国投資局(FIA)やベトナム商工会議所などの重要な機関とパートナー関係を構築しており、現地のリアルタイムの情報に基づいた市場調査や進出計画策定を強みとしています。
また、製造業の企業に対して、レンタル工場の提供も行っています。現地に自社工場を建設するよりも低コストで事業を行うことができ、特に中小企業にとって魅力的なサポートとなっています。
ベトナム進出サポーターズ
ベトナム進出サポーターズは、ベトナム進出を検討する日系企業に向けて、進出検討に役立つ情報を発信する専用ポータルサイトの運営や実際の支援を行っています。
同社のサイトでは、ベトナム進出のメリット・デメリット、注意点、現地法人設立手順、税務リスクなどベトナム進出に当たって必要となる様々な情報を得ることができます。
また、コンサルタントによる無料相談や進出案の提案などのサポートも提供しています。単なる会社設立にとどまらず、現地法人の黒字化や事業拡大など、将来を見据えた経営支援を目指しています。
ソトチカ
ソトチカは、ベトナムの現地スタッフや日本人の人材紹介を展開するG.A.コンサルタンツグループの企業です。
進出コンサルティングだけでなく、レンタルオフィスの提供や労務代行・給与計算といった人事労務アウトソーシングなどの各種サポートも提供しています。
2023年からは、ベトナムの工業団地への進出を検討している企業に向けて、工業団地の選定サービスや視察動向といったサポートの提供を開始しました。これまで、日本の中小企業100社以上の支援を手掛けてきた実績があります。
ベトナム進出の成功に欠かせない3つのポイント
ベトナム進出を成功させるために注意すべきポイントとして、主に以下の3つが挙げられます。
- しっかりと市場調査を行う
- 信頼できる現地パートナーを見つける
- 現地特有の文化・商慣習に配慮する
しっかりと市場調査を行う
ベトナムに進出するにあたっては、事前にしっかりと市場調査を行っておくことが重要です。主な調査項目としては、人口・市場規模・主要産業などの基本情報に加え、競合の存在、法規制・税制、現地の人々の生活・文化などが挙げられます。また、一口にベトナムといっても地域によって産業構造や文化・慣習が異なるため、自分たちが進出したい地域にフォーカスした調査が重要となります。
ベトナム進出を試みる企業が失敗するよくあるパターンとして、以下のようなものが挙げられます。
- 投入した製品がベトナムの人々の生活や文化に合わず、ほとんど売れなかった
- 思わぬ法規制や制度の罠に直面して思い通りのビジネスを展開できなかった
- 急な政策転換により、予定した通りの事業遂行が困難となってしまった
特に、ベトナムは近年経済成長が続いているものの、国民の多くは所得が高くないため、そのような国民の生活水準に合わせた製品設計や価格設定に注意する必要があります。
上記のような失敗は、事前に入念な市場調査を行うことで回避することができ、その意味でも市場調査は非常に重要です。
市場調査の初期段階では、外務省やJETROなどの公的機関が発行する資料や、書籍・インターネット等などの公開情報の収集から開始することから始めましょう。
その後、本格的に進出検討を進める場合には、非公開情報も含めた調査や客観的な視点からの分析が必要となるため、専門の調査会社・コンサルティング会社に委託することをおすすめします。ベトナムの生の情報を手に入れるためにも、ベトナム語に堪能な現地のスタッフに調査を依頼するのがおすすめです。
信頼できる現地パートナーを見つける
ベトナムに限らず、海外進出を成功させるためには、信頼できる適切な現地パートナーを見つけることが重要となります。
現地パートナーは、現地で事業を展開するにあたり、適切な人につないでくれたり、必要な手続きの履行やコミュニケーションをサポートしてくれるなど、現地で事業をスムーズに展開するために欠かせない存在です。
いくら事前のリサーチをしっかりしていたとしても、現地に数十年住んでいる方には到底及びません。そういった現地人にしか分からない感覚をサポートしてくれるのが現地パートナーの存在です。
また、ベトナム人の中には英語を話せる人もいますが、多くの人はベトナム語しか話すことができません。そのため、ベトナム語を話せる現地の人と協力して事業を行うことが不可欠となります。
信頼できる現地パートナーと良好な信頼関係が築ければ、海外進出の成功率は格段に上がるでしょう。
現地特有の文化・商慣習に配慮する
ベトナム進出のよくある失敗例として、現地特有の文化や慣習に合わない製品・サービスを提供した結果、全く売れずに終わってしまうということが挙げられます。そうならないためにも、現地特有の文化や慣習をあらかじめ調査し、それに合わせて製品・サービスをローカライズすることが必要となります。
また、現地の人が大切にしている習慣や慣例を理解し、それらに配慮してビジネスを行うことも重要です。
ベトナムにおいて特に注意すべき文化・慣習として、毎年2月頃に予定されているテト(旧正月)と呼ばれる重要な祝祭が挙げられます。その期間は基本的にビジネス活動はストップし、多くの人が休暇に入ります。ベトナムで事業を行うにあたっては、このような現地の人の事情にも配慮することが重要です。
日本企業によるベトナム進出の事例3選
日本企業の多くがベトナムに進出しています。その中でも、参考になる事例を3つご紹介します。
- 【UCC上島珈琲】ベトナムコーヒーの品質向上に貢献
- 【タカラスタンダード】高品質システムキッチンを販売
- 【王子ホールディングス】ベトナム全土に5つのダンボール工場を保有
【UCC上島珈琲】ベトナムコーヒーの品質向上に貢献
UCC上島珈琲は、世界第2位のコーヒー大国であるベトナムにおいて、コーヒーに関する取り組み/事業を展開しています。
2017年に、ホーチミンにコンセプトショップ「UCC COFFEE ROASTERY」をオープンし、ベトナムにおけるコーヒー市場に本格参入を果たしました。
さらに、2018年には現地法人を設立し、独自の品質基準をクリアしたコーヒー豆を日本へと輸出する体制を構築しています。
また、2015年から毎年、ベトナム産アラビカ種の品質コンテストを開催し、ベトナムコーヒーの品質向上に貢献しています。
【タカラスタンダード】高品質システムキッチンを販売
タカラスタンダードは、2016年から、ベトナムにおいて現地の販売代理店を経由したキッチン製品の取り扱いを開始しました。一年を通して高温多湿なベトナムにおいて、湿気や汚れに強い高品位ホーローという独自の素材が高評価を受け、着実に販売数を拡大しています。
2019年には、現地販売店とコラボして、ベトナムの建築展示会に出展するなど、認知拡大と売上向上のための取り組みを積極的に行っています。
日本の高品質な製品が海外市場で評価され、受け入れられた好例といえます。
【王子ホールディングス】ベトナム全土に5つのダンボール工場を保有
王子ホールディングスは、ベトナムにおいてダンボールの製造を行っています。ベトナムの北部から南部にかけて全部で5つのダンボール工場を保有しており、東南アジア全体では、工場の数は30以上に及んでいます。
国内での需要が低迷している中、王子ホールディングスは、売上の更なる拡大のために海外市場に目を向けており、現地の食品・飲料メーカーなどに向けてダンボールを販売することを狙っています。
ベトナム進出支援ならAXIA Marketing
AXIA Marketingでは、ベトナム進出を検討している企業様に向けて、ベトナムの市場調査や進出準備をお手伝いしております。
世界中に計50万名規模の有識者ネットワークを有しており、公開情報では知ることのできない現地の深い情報まで徹底的にリサーチ・分析し、ベトナム進出の検討をサポートします。
AXIA Marketingの市場調査サービスの詳細はこちらをご覧ください。
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参考文献
・世界第2位の生産量を誇るコーヒー大国「ベトナム」その高い品質を支えるコーヒーづくり – UCC上島珈琲
・タカラスタンダード株式会社プレスリリース(2019年6月24日)
・タカラスタンダード株式会社プレスリリース(2020年6月29日)