グローバル戦略とは？組織マネジメント手法や成功させる4つのポイント・成功事例を解説！

日本国内だけでなく世界各国への進出を成功させるためには、グローバル戦略は欠かせません。しかし、「グローバル戦略って具体的にどういう戦略のこと？」「グローバル戦略を成功させるポイントは？」「グローバル戦略に成功した事例は？」など、さまざまな悩みが出てくることでしょう。

そこで本記事では、グローバル戦略とは何かや組織マネジメント手法、成功させるポイントなどを解説します。本記事で得られる内容は、以下の通りです。

• グローバル戦略とは何か
• グローバル戦略とマルチドメスティック戦略の違い
• グローバル戦略を行うメリット、デメリット
• グローバル展開する方法
• グローバル戦略に応じた組織マネジメント手法
• グローバル戦略が失敗する理由
• 成功させる4つのポイント
• グローバル戦略の成功事例

最後に、グローバル戦略を行う上でおすすめの支援会社を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

グローバル戦略とは

グローバル戦略とは、グローバルに展開する会社の事業を成功に導くための戦略のことで、全世界をひとつの大きな市場として捉えます。「グローバル」には地球規模や包括的という意味が含まれており、「戦略」には目的を達成するために長期的な視野で資産や資源を運用するという意味が含まれています。つまり、グローバル戦略は、明確な目的に向かって海外事業を成功させるために、自社の資産や資源を適切に割り振る計画であると言えるでしょう。海外進出することで自社の商品やサービスの売り上げが大きく見込める場合は、積極的にグローバル戦略を行うことがおすすめです。

一方で、グローバル戦略に基づいた海外市場やグローバル展開は、大手の製造業を中心とした多くの日本企業が実践してきました。1980年代には、アメリカとの摩擦要因によって貿易黒字となったこともありました。しかし、当時のグローバル戦略と現代のグローバル戦略は、意味合いが変化してきています。

グローバル戦略とマルチドメスティック戦略の違い

グローバル戦略に対して、マルチドメスティック戦略というものも存在しています。グローバル戦略は全世界をひとつの市場と捉えますが、マルチドメスティック戦略はそれぞれの国を個別の市場と捉えます。

そのため、マルチドメスティック戦略の場合は、国ごとにどのような好みがあり、どのような環境があるのかなどを細かく調査しなければいけません。調査した結果に合わせて、最適な形でビジネスを展開する必要もあります。海外進出する場合は、企業が提供している商品やサービスによって、戦略を使い分けることがおすすめです。

グローバル戦略を行う4つのメリット

ここからは、グローバル戦略を行う4つのメリットを紹介します。グローバル戦略を実践することで、企業にとってさまざまなメリットが存在しています。本記事で紹介するメリットは、以下の通りです。

• 大きな市場へのアプローチ
• 一極集中によるリスクの分散管理
• ビジネスのコスト効率の向上
• 自社の技術力や競争力の強化

①大きな市場へのアプローチ

グローバル戦略を行うことで、世界市場というより大きな市場に対して容易にアプローチすることが可能です。事業のターゲットを国内から世界に広げるため、必然的に顧客が増加するでしょう。さらに、無形のサービスであれば、有形のモノのように流通網を構築する必要はありません。さらに、インターネットが急成長している現代では、有形の商品や製品の流通を簡略化できる環境も整っています。

こうした状況であれば、世界中の企業がグローバルにビジネスを展開し、グローバル戦略に注力することは必然であると言えるでしょう。特に、日本では少子高齢化によって国内市場が縮小すると予想されています。そのため、ビジネスを成長させていくためには、グローバル戦略を行うことが必要です。

②一極集中によるリスクの分散管理

グローバル戦略を行うことで、一極集中によるリスクの分散管理が可能です。

グローバル展開が当たり前になっている現代では、世界中の企業から見ると日本市場も、グローバル戦略で狙うべきターゲットのひとつです。日本市場へ海外企業が簡単に参入できる状況になった場合、日本市場で商品やサービスを確固たる物にすることは困難でしょう。

そのため、事業を国内のみに一極集中すると、競争が激しくなったときに収益が悪化してしまいます。日本だけを視野に入れた商品やサービスは、海外市場では勝てない場合があるでしょう。こういった一極集中によるリスクを分散管理することが、グローバル戦略を行うことのメリットです。

③ビジネスのコスト効率の向上

グローバル戦略によって、ビジネスのコスト効率の向上ができる点もメリットです。たとえば、製造業の場合、人件費や原材料の費用を抑えられる国やエリアに製造拠点を移転することで、製造コストを削減できます。さらに現地で販売も行うことで、輸出や配送の費用も削減可能です。

一方で、進出先の経済状況によっては費用が急上昇する可能性があります。そのため、進出先だけではなく世界全体を客観的に見て、コスト効率を最適化しなければいけません。

④自社の技術力や競争力の強化

グローバル戦略を行うことで、海外の知見や技術を取り入れることが可能です。日本では得られない経験の積み重ねや、現地にいる優秀な人材を獲得することで、自社の技術力や競争力が強化するでしょう。製品開発だけでなく、マーケティングにおけるノウハウの技術なども吸収することが大切です。

たとえば、アフリカ諸国では新しい技術に対する壁が少ない地域があるため、先進技術の利用が可能なビジネス市場として注目を集めています。また、日本ではドローンによる輸送ビジネスが積極的に行われるなど、現地のビジネスを通して日本企業が技術力を強化を促進しているケースもあります。

グローバル戦略を行うデメリット

続いて、グローバル戦略を行うデメリットを紹介します。グローバル戦略を行うことで得られるメリットが多い反面、デメリットもいくつか存在しています。デメリットを理解しておくことで、リスクを踏まえた企業の戦略を立てられるでしょう。今回紹介するデメリットは、以下の3つです。

• 進出先のカントリーリスクの多さ
• 現地人材の育成の困難さ
• 進出先の文化や法令への対応の困難さ

進出先のカントリーリスクの多さ

進出先の国やエリアにおけるさまざまなリスクにより、思っていたとおりにビジネスを進められないケースがあります。進出先の政治や経済、社会動向によってビジネス環境が大きく変わってしまう恐れがあり、場合によっては海外から撤退しなければいけません。

考慮するべき進出先のカントリーリスクは、政治的な状況や周辺の国との関係による「地政学リスク」、通貨の価格変動や債務の返済能力が低下したことによる「経済リスク」、独自の文化や宗教、文化、習慣に起因する「社会リスク」です。ビジネスにおいてリスクはつきものであるため、海外特有のリスクを洗い出し、対策を実行を欠かさないようにしましょう。

現地人材の育成の困難さ

グローバル戦略の悩みのひとつが、現地人材の育成が困難であることです。海外は、日本と比較すると職場への定着率が低く、雇用した従業員が短期間で退職や転職してしまう場合があります。人材が不足している企業は、海外事業を長続きさせることは難しいでしょう。

そのため、将来的に現地でのビジネスを担えるような人材の確保と、育成を行うことが重要です。現地に合わせた人材管理の手法を取り入れるようにしましょう。

進出先の文化や法令への対応の困難さ

グローバル戦略を行う上で、進出先の文化や法令への対応は欠かせません。場合によっては非常に手間がかかるため、注意が必要です。たとえば、国ごとに働き方や仕事に対する姿勢は異なるため、なるべく同じ意識で働けるように考え方を共有しなければいけません。また、顧客の性質も国ごとに異なるため、分析をして対応することが必要です。

進出先の文化を無視してしまうと顧客から相手にされなかったり、法令への対応を怠ってしまうと事業を止める必要があったりします。海外でトラブルが発生すると、時間やコスト、人員を割かなければならず、ビジネスを続けられない場合もあります。そのため、進出先を検討する際は、自社のビジネスに対して阻害される可能性がある文化や法令がないか、入念に調査を行いましょう。

グローバル展開の方法

ここからは、実際に企業をグローバルに展開していくためには、どのような戦略を練って実行にうつしていくのかの方法を紹介します。資金力や資源に余裕がある大企業であれば、さまざまな選択肢がありますが、中小企業はそういかないのが現実です。一般的には、いくつかの段階を踏みながら少しずつグローバル戦略の変更をしていくことが必要でしょう。今回紹介する方法は、以下の3つです。

• ライセンシングやフランチャイズ形式で行う
• 商品・サービスを輸出する
• 海外直接投資を行う

ライセンシングやフランチャイズ形式で行う

現地にある企業やメーカーなどと提携して、自社の商品やブランドのライセンスを与える「ライセンシング」や、自社のビジネスモデルに加盟する人を集める「フランチャイズ」形式でグローバル展開を行う方法があります。

ライセンシングの例は、日本のヤマザキナビスコが販売していた「オレオ」という商品です。現在は契約を解消していますが、人気を集めた商品で成功事例であると言えるでしょう。フランチャイズ形式の例は、アメリカに本社を構えている「日本マクドナルド」です。

ライセンスを与える側にとって、ロイヤリティ収入の見込みが予想されるグローバル戦略と言えます。しかし、ブランドやビジネスモデルのイメージや価値を維持するために、現地の企業をコントロールしなければいけないという難しい面もあります。高い商品力やブランド力が必要とされるため、リスクは高いでしょう。

商品・サービスを輸出する

グローバル展開をしていく上で最もリスクを抑えられる手法が、商品・サービスを輸出することです。日本で商品の開発や製造、輸出をするケースはもちろんですが、サービスを日本で開発したり販売したりするケースも含まれています。

輸出する場合に重要になるのが、ターゲットとする国やエリア、利用者をしっかりと定めることと、流通経路を慎重に考えることです。会社独自の販売網を構築したり、現地の企業との連携を模索したりするなど、いくつかの流通経路が考えられます。デジタルのサービスであっても、幅広い利用者に届ける方法を確立していくことが大切です。

海外直接投資を行う

海外に直接投資を行う方法もあります。具体的には、現地にある企業が株式を取得したことによる子会社化や、現地法人の設立、工場の建設などです。現地で収入や権益を得るために実施する企業が、ほとんどでしょう。

ただし、今回紹介した方法の中ではもっともリスクが高く、投資しなければいけない資源が大きくなります。投資額が大きくなってしまいますが、現地で展開するビジネスを操作しやすいことも特徴のひとつです。

グローバル戦略に応じた組織マネジメント手法

グローバル展開する企業を成長させていくには、現地との繋がりを強化することが必要です。そのため、海外へ直接投資を行うことは欠かせないでしょう。海外へ直接投資を行うといっても、企業の目的や目標によって、練らなければいけないグローバル戦略は異なります。企業の戦略によって、応じる組織マネジメント手法も変化するのです。今回紹介する手法は、以下の通りです。

• グローバル戦略
• マルチナショナル戦略
• インターナショナル戦略
• トランスナショナル戦略

グローバル戦略

グローバル戦略とは、グローバル展開を行うすべての国において「標準化された商品やサービス」の提供をする準備のことです。国ごとに最適化はされていますが、標準化することが基本となるため、スケールメリットを活用しやすいことが特徴です。国によって好みが大きく変わらないデジタルサービスが代表的で、具体的にはWindowsやMacOS、Facebook、X（Twitter）などが挙げられます。

グローバル戦略における組織マネジメント手法は、本社に経営資源や権限を集中させる「グローバル組織」です。グローバルとしての統合度は高いですが、海外拠点の権限は制限されてしまうため、現地で適応する力は低くなりがちです。

マルチナショナル戦略

マルチナショナル戦略とは、グローバル展開を行うすべての国やエリアに対して、それぞれが現地に最適化された事業を展開していく戦略のことです。特殊な事情を持っている国やエリアに向けて、商品やサービスを展開していく場合に有効的な戦略でしょう。国ごとに嗜好が異なる食品メーカーで採用されることが多くあります。

マルチナショナル戦略における組織マネジメント手法は、それぞれの国やエリアが独立して事業を展開していく「マルチナショナル組織」です。海外拠点の権限が強く、現地で適応する力も高いでしょう。ただし、グローバルとしての統合度は低くなってしまいます。

インターナショナル戦略

インターナショナル戦略とは、商品やサービスの開発やマーケティング戦略などの意思決定をすべて本社で行う戦略のことです。その一方で、それぞれの国やエリアで現地のニーズを収集して、そのニーズを反映させた戦略を展開していきます。競合が少ない市場で、自社の優位性を高めていく場合に採用される戦略です。

インターナショナル戦略における組織マネジメント手法は、「インターナショナル組織」です。グローバルとしての統合度と現地で適応する力は、グローバル組織とマルチナショナル組織の中間に位置しています。

トランスナショナル戦略

トランスナショナル戦略とは、市場の規模をグローバル化させると同時に、マルチナショナル戦略の要素を含めた戦略のことです。グローバル戦略の良いところであるスケールメリットと、グローバルとしての統合度の高さ、マルチナショナル戦略の良いところである海外拠点の権限の強さと、現地で適応する力の高さをすべて追求していきます。それぞれの国の規格に合わせた製造が必要な自動車産業などが、トランスナショナル戦略に移行していくケースが増加しています。

トランスナショナル戦略における組織マネジメント手法は、海外拠点の専門性を向上しつつ、本社との連携も強化した「トランスナショナル組織」です。実現させるためには、経営資源を適切に配分しなければいけません。さらに、海外拠点と本社の間で連携を強化しながら権限のバランスを取る必要もあります。難しいマネジメント手法ですが、理想的でグローバル展開を支えていくと言われています。

グローバル戦略が失敗する理由

企業がグローバル戦略を行っていくことは決して簡単なことではないため、時には失敗してしまうケースもあるでしょう。しかし、失敗する理由を理解しておくことで、自社を失敗から防ぐことが可能です。ここからは、グローバル戦略が失敗する理由を3つ紹介します。

• 現地のニーズに合わせられない
• 目的やルールが曖昧になっている
• 現地人材の育成が不十分

現地のニーズに合わせられない

グローバル戦略は、先ほど説明した通り大きく4つに分類されますが、どのような商品やサービスでも、スタンダードな戦略が通用しない可能性があります。スタンダードな戦略に加えて、現地の環境や文化、習慣を踏まえたニーズに対応しなければいけません。

しかし、日本で成果を上げてきた企業であればあるほど、現地への適応を軽く捉えてしまいます。その結果、グローバル展開が失敗してしまうことがあるのです。

目的やルールが曖昧になっている

グローバル展開を行う目的やルールが曖昧なままで挑戦してしまう企業は、失敗する可能性があります。原因は、自社のビジネスモデルが、日本以外のどこの国でも通用すると信じすぎてしまうことであると考えられます。

市場が拡大することに合わせて、自社の事業も拡大して成長していくという考え方がありますが、単純に大きい市場を狙うことは失敗の要因になるでしょう。そのため、グローバル展開した先の国や拠点で、「自社の商品やサービスをどのように浸透させていくのか？」「現地の方にどのような価値を与えるのか？」といった目的やルールを明確にする必要があります。現地の環境や文化、ニーズをしっかりと調査した上で、目的やルールを立てましょう。

現地人材の育成が不十分

現地人材の育成が不十分の場合、現地でビジネスを任せられる要員が育ちません。進出先のビジネスを安定して運営できるような体制が、組みにくくなってしまいます。先ほども伝えた通り、海外は日本と比較すると職場への定着率が低く、時間をかけて育成しても退職や転職されてしまう可能性が高いでしょう。

現地人材への育成を無駄だと考えてやめてしまった場合、現地ビジネスを理解して現地の人材を管理できる要員がいなくなってしまいます。その場合、一時的にビジネスが上手くいっても、継続的な成長は見込めません。進出先に対してどのような管理方法を行うにしても、海外ビジネスを持続させるためには現地人材が欠かせないことを頭に入れておきましょう。

グローバル戦略を成功させる4つのポイント

それでは、失敗することもあるグローバル戦略を成功に導くためには、どうしたら良いのでしょうか。ここからは、グローバル戦略を成功させるための4つのポイントを紹介します。

• 自社についての分析を行う
• 現地の市場調査を入念に行う
• マネジメントチームに優秀な海外人材を積極的に登用する
• 実績豊富な海外進出コンサルタントに依頼する

①自社についての分析を行う

グローバル戦略を取り入れる前に、自社についての分析を行いましょう。自社の強みは何か、海外進出するにあたってどのような対策が必要かを分析することが必要です。

特に、海外で事業を行うために必要な人材の確保や、人材の育成が課題となるケースが多い傾向があります。そのため、社内に海外での業務をスムーズにこなせる従業員はどのくらいいるのか、そのような人材をどうやって育成していくのかを考えておきましょう。

②現地の市場調査を入念に行う

グローバル戦略を展開していく現地の市場調査を入念に行うことも必要です。海外へ進出する場合、なるべく多くの予算が必要になります。現地の市場調査を怠って海外へ進出してしまうと、その予算が無駄になってしまうでしょう。

具体的には、現地に競合となる商品やサービスが存在しているか、顧客のニーズと自社の商品やサービスがマッチしているかなどが重要なポイントとなります。他にもさまざまな視点で調査を行って分析することが必要です。

③マネジメントチームに優秀な海外人材を積極的に登用する

海外進出を成功させるためには、変化に柔軟に対応できるような多様性のある組織が必要です。そのような組織を作るためには、マネジメントチームに優秀な海外人材を積極的に登用すると良いでしょう。

現地法人を立ち上げることが難しい場合は、信頼できる現地のパートナー企業を探す方法もあります。グローバル戦略において大切な、現地の環境や文化、ニーズの調査と適合を進めていくことも可能でしょう。

④実績豊富な海外進出コンサルタントに依頼する

自社の事業や業界がグローバルに適合するか判断するためには、ターゲットにする国やエリアの調査が必須です。優秀な海外人材の確保や、現地のパートナー企業の選定を成功させるためにも、より正確な情報を収集する必要があります。しかし、自社の資源だけで賄うことは非常に難しく、収集した情報が正しいものかどうか不安が残ってしまうでしょう。

このような場合は、実績豊富な海外進出コンサルタントに依頼することがおすすめです。過去の成功例や失敗例に基づいたアドバイスを得られるほか、正確な現地の情報を収集することも可能です。AXIA Marketingでは、企業のニーズに合わせた市場調査を実施しています。

グローバル戦略の成功事例3選

ここからは、実際にグローバル戦略を成功させた事例を紹介します。成功事例を知っておくことで、自社がグローバル戦略を立てていく上で役に立てることが可能でしょう。また、学術的な情報だけでは把握できない戦略のポイントを得られます。今回紹介する成功事例は、以下の通りです。

• ユニクロ
• ダイキン工業
• キッコーマン

ユニクロ

ユニクロは、日本では知らない人がいないくらい有名ですが、海外でも大変人気がある企業です。ユニクロは、海外へ進出するにあたってそれぞれの国の気候や文化に合わせた商品を提供しています。日本で販売している商品を、そのまま海外へ販売していません。

たとえば、冬でも気温が高い地域では、ショートパンツを販売するような工夫をしています。他にも、インドでは、人気デザイナーが現地の女性の日常着かつ伝統服であるクルタをデザインした「KURTAコレクション」を販売し、人気を集めました。したがって、ユニクロはマルチナショナル戦略に近い戦略をとっていると言えるでしょう。

ダイキン工業

ダイキン工業は、世界トップの売り上げを誇る空調メーカーで、業務用空調においては世界シェアの約50％を占めています。ダイキン工業も、それぞれの国の気候や家の形に合わせた製品を提供することで、海外での事業を成功をおさめました。たとえば、電力の供給量が少ない国では、少ない消費電力で稼働するエアコンを製造しています。

また、世界各国で広告や宣伝活動を積極的に行うなど、空調メーカーとしてのブランドイメージ構築に力を注いでいます。海外市場における将来性を見据えながらそれぞれの国のニーズに合わせた製品を提供し続けることで、新規で参入することが難しい業界の中で成功しているのでしょう。

キッコーマン

キッコーマンは、日本独自の調味料である醤油のメーカーで、売り上げ比率の80%以上を海外ビジネスが占めています。海外売り上げの75%を占めている北アメリカでは、1957年に販売会社を設立して輸出から事業を始めた後、現地に製造の拠点を設立しました。

現地での食事の際に醤油を利用してもらえるように、肉料理での使い方を提案するなど、認知度を向上させるための行動を繰り返し行いました。その結果、年6%の成長を実現できています。グローバル戦略とはいえ、すぐに大きなビジネスを立ち上げるのではなく、スモールスタートからビジネスを成功させた企業です。

グローバル展開を考えるなら市場調査は必須

グローバル展開を成功させるためには、海外の市場調査は必須です。いくらグローバル戦略の方法やメリットを理解していたとしても、海外での市場調査を怠ってしまうと、さまざまなトラブルが発生します。

現地の環境や文化、ニーズなどをしっかりと調査した上で、グローバル展開をする目的やルールを立てましょう。そして、その目的やルールに合わせたグローバル戦略を策定し実行にうつすことで、グローバル展開を実現することが可能です。

グローバル戦略のための市場調査ならAXIA Marketing

海外の市場調査は自社で行うことも可能ですが、海外進出コンサルタントに依頼することもおすすめです。AXIA Marketingでは、企業の戦略やニーズに合わせた市場調査を行っています。さまざまな業界での経験と、専門的な知識を活用した調査を実施していることが特徴です。

サービスの詳細については、こちらをご覧ください。

参考文献

・グローバル戦略とは？必然性・具体的な手法や成功のポイント4つを解説－比較ビズ

・グローバル戦略を成功させるためには【4つの種類と具体的な事例を紹介します】－グローバル採用ナビ

・グローバル戦略の成功事例とは？メリットや進め方、防ぎたい失敗要素も解説－PRESIDENT ACADEMY