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ラオス市場調査の方法は?ラオス市場の適切な調査も紹介

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「ラオスに進出を考えているけれどどうやって市場調査をすればいい?」

「ラオスに進出するメリット、デメリットが気になる」

近年日本の企業進出が増加しているラオスに興味を寄せる方も多いのではないでしょうか?

ラオス市場調査の方法やメリット、デメリットが気になりますよね。

まずはラオスに進出する上で知っておきたい基本情報や市場調査で押さえたいポイントについて知ることから始めましょう。

この記事では
・ラオスの基本情報
・ラオスの市場調査で押さえておきたいポイント
・適切なラオス市場の調査方法
について解説していきます。

ラオスへ進出を考えているあなたは必見です!ぜひ最後までご覧ください。

ラオスの基本情報

ラオスへ進出するにあたって、ラオスの基本情報を知っておくことは重要です。

事前にラオスの基本情報を知っておきましょう。

ラオスの基本情報について表に示します。

面積24万平方キロメートル
人口744.3万人(2022年、ラオス統計局)
首都ビエンチャン
民族計50民族:ラオ族が全人口の半数以上
言語ラオス語
宗教仏教
主要産業農林業(GDP約52%が占める)
【参考文献:ラオス基礎データ|外務省 (mofa.go.jp)

概要

正式名称はラオス人民共和国

東南アジア大陸に位置しています。

国土の約80%が山岳地帯といった特異な地形を持ち、東南アジアでは唯一海に面していない内陸国です。

ラオスの歴史としては第二次世界大戦後、フランス連合内のラオス王国として独立。

1953年にフランスから独立後、内戦を繰り返しましたが1975年にラオス人民共和国として成立しました。
ラオスは長期に渡り政治的・軍事的に不安定であったため、人材の国外流出が起き、経済発達が遅れている国でもあります。

経済

ラオスのGDPは約169億米ドルであり、1人当たりのGDPは1400米ドルとASEAN加盟国中では最も低いと言われています。

GDPに関してはタイの5%以下でしかありません。

また、そのGDPの中でも約52%が農林業で占められています。

ラオスはASEAN加盟国中で出生率が最も高く、全人口の42.9%が18歳以下となっています。

このことからASEAN諸国の中でも貧しい国の1つと言われています。

しかし、近年のラオスの経済成長は著しく、中国に匹敵する高い伸びであると言われていることも事実です。

ただ、経済成長の大部分は自然資源に頼っているため、経済成長の恩恵が均等に行き渡っていません。
このことから経済格差が激しいことも特徴と言えるでしょう。

ラオスと日本の関係は?

日本とラオスは日寮関係とも呼ばれており、日本はラオスの世界最大援助国とされています。

1955年に日本はラオスと国交を樹立していることからも、日本とラオスの歴史が長いことがわかりますね。

2012年までに日本はラオスへ約2200億円の経済協力を行なっています。
ODAによる資金・技術協力の例を以下に示します。

  • 2006年:ヴィエンチャン1号線整備
  • 2011年:ヴィエンチャン国際空港(ワットタイ国際空港)のターミナル拡張
  • 2013年:ターケーク郡上水道整備計画
    他にも小学校建設、医療体制改善計画等

経済面においてラオスは日本から援助を多く受けていることから、ラオスには親日家が多いと言われています。

ラオスの経済成長率


【引用:世界経済のネタ帳

前述した通り、近年ラオスは経済成長が著しい国といわれています。

過去10年間でGDPは平均7%以上の成長を維持しており、これは中国と並ぶほど

2020年にはコロナにより一時的に低下しましたが、以降は徐々に回復しており、今後も緩やかに上昇していくことが予想されています。

【2020年~2029年ラオスの経済成長率】


【引用:世界経済のネタ帳

ラオス進出が注目される理由

日本企業の進出が加速している国の中でも挙げられるラオス。

ラオスの市場調査を行う上でラオス進出が注目される理由は気になりますよね。

なぜ、これほどラオスへの進出が注目される理由は何でしょうか?

主に2つの理由があると考えられています。

・人材確保がしやすい
・街が整っていない

それでは1つずつ見ていきましょう。

人材確保がしやすい

ラオス進出が注目される理由の1つとして人材確保がしやすいことが挙げられます。

理由としてはラオスには大きな工場がないこと。

求人の情報を出すと、働く場所ができたと現地の方は喜び、すぐに人が集まることから人材確保には苦労しないと言われています。

街が整っていない

街が整っていないこともラオス進出が注目される理由の1つです。

ラオスの田舎の地域は、街として盛んであるとは言えません。

そのため投資を安く抑えられることが魅力の1つです。

また、ラオスは特別特恵国とされており、特恵関税制度が設けられています。

特恵関税制度とは先進国が開発途上国から輸入を行う際に関税を引き上げるもののこと。

このことから日本の企業がラオスへ進出することが注目されているのです。

ラオス進出において市場調査が必要な理由

ラオスへ進出するにあたって事前準備は必須です。

特にラオスの市場調査は必ず行ってから進出しましょう。

なぜラオスの市場調査を行わなければならないのか?

その理由は主に4つあり、以下の通りです。

・都市部・農村部・民族間で格差が大きいから
・医療機関が整っていないから
・行政の動きが激しいから
・人権問題があるから

それでは1つずつ解説していきます。

都市部・農村部・民族間で格差が大きいから

前述した通り、ラオスは経済成長が著しい国ですが、その分格差も顕著です。

特に社会サービス(教育や医療)の質に大きな差があり、更なる格差を生んでいます。

都市部の所得水準は農村部に比べ約2.7倍にも上ります。

また、民族間においても格差は大きいです。

特に識学率はラオ族において93.3%ですが、カタン族(少数民族)では51%に留まっています。

均等に社会サービスが行き渡っていないことが分かりますね。

医療機関が整っていないから

医療機関が整っていないこともラオスの特徴の1つではないでしょうか。

ラオスの平均寿命は66歳と、近隣諸国と比較しても低い値にあります。

医療者数も医師が0.491/1000人、看護師・助産師数が0.959/1000人と年々増加傾向ではありますが、まだまだ少ないといえるでしょう。

公的医療施設においても、高い医療サービスが提供できる施設は特別市(ビエンチャン)にあります。

農村部からのアクセスは悪く均等な医療サービスが提供できているとは言い難いです。

行政の動きが激しいから

ラオスの行政は近年動きが激しいといわれています。

というのも、2024年にASEANの議長国を務め、国際社会からも注目度が高まっているラオスは今後の課題として法の支配、維持・発展を挙げています。

このことから、ラオスは法律家のレベルアップを進めていかなければならないと考えており、行政の強化を図っているのです。
そのため、ラオスに進出するには日々情報を取り入れていく必要があります。

人権問題があるから

ラオスでは人権に関する問題が大きく取り上げられています。

特に基本的な自由の制約について大きく抑圧されており、すべてのテレビ局・ラジオ局、活字媒体は政府の厳しい支配下におかれていることが事実です。

また、労働権が充分に保証されていないことも問題視されています。

ラオスの労働者たちは、労働組合の設立を禁じられており自由意志での参加も出来ません。

薬物使用の疑いがある個人は、適正手続き上の保護もなく拘禁されることも。

このことからラオス政府に対して、人権問題の改善を行うべきだという声が挙がることも多いのが現状です。

ラオスの市場調査で押さえておきたいポイント

「ラオスの市場調査をするにあたってポイントはないの?」と気になっているあなた。

そんなあなたに、ラオス市場調査をする上で押さえておきたい重要なポイントを紹介します。

主に4つのポイントがあります。

・ラオスの市場規模と成長率
・販売チャネルが適切か
・消費者動向
・ラオスの法規制や政策

それでは1つずつ見ていきましょう。

ラオスの市場規模と成長率

元々ラオスは農林業が盛んと言われていますが近年注目されているのは鉱工業分野です。

2023年のラオスの産業別市場規模について以下にまとめました。

増加鉱業
・銅
・鉄鉱石
・カリウム
観光業
減少電力縫製業製造業
・パルプ
・電子部品

今後のGDP成長率については、数年間平均4.2%程度の緩やかな回復が見込まれています。

【参考文献:ラオスへ進出 – 海外ビジネス情報 – ジェトロ (jetro.go.jp)

販売チャネルが適切か

販売チャネルとはマーケティング業界でいう集客するための経路、媒体のことを指します。

つまり製品が生産者から消費者まで届くプロセスや、企業と顧客との接点のこと。

ラオスにおける販売チャネルは以下のものがあります。

  • 伝統的な市場:地元の製品や食品が販売される場所のこと。
  • 小売店:都市部にある日用品や食品が販売されている場所のこと。スーパーやコンビニエンスストアも小売店に含まれます。
  • オンライン販売:インターネット普及に伴い増加しています。
  • 観光地の土産物店:観光客向けに特化した土産店のこと。手工芸品や特産物が販売されています。

特にラオスでは伝統的な市場が主要な販売チャネルです。

消費者動向

ラオスにおける消費者動向を把握することも重要です。

消費者動向をチェックするポイントは3つあります。

  • インフレ率の上昇
  • 主要な消費者物価指数の変動
  • 経済成長と消費者行動:ラオスの経済成長率は3.7%(2023年)であり、消費者物価指数も上昇傾向にあります。

以下、インフレ率と消費者物価指数を示した表です。

【目的別家庭消費分類】


【消費者物価指数とインフレ率】



【引用:ラオスの消費者物価指数とインフレ率 (2024年2月) | ラオスリーガルサポート 法律事務所ASCOPE(アスコープ) – ASCOPE Law Office

季節や社会動向において値が変化するため、日々の情報把握が必要となるでしょう。

ラオスの法規制や政策

ラオスにおける法規制や政策を理解しておくことも重要です。

ラオスの法規制には4つの主要分野があります。

1つ目は輸出入規制です。

ラオスでは特定の品目(医薬品、化粧品、食品、農業資材等)の輸出入は事前に許可が必要となります。

2つ目は食品規制です。

食品の輸出入は保健省食品薬品局が管轄しており、詳細な規定が設けられています。

3つ目は医薬品・医療機器規制です。

保健省が管轄する医薬品や医療機器の生産、輸出入、販売、流通は事前に登録が必要となります。

4つ目は貿易と投資です。

輸出代金はラオス国内の銀行に振り込むことが義務付けられており、これは外貨管理法に定められています。

前述した通り、近年ラオスは行政が強化されています。

そのため、日々動向をチェックしておくことが必要となるでしょう。

ラオス市場の適切な調査方法

「ラオスの市場調査のポイントはわかったけれどどうしたらいい?」と悩んでいるあなた。

適切な調査方法は主に3つあります。

・フォーカスグループインタビュー
・現地でのアンケート調査
・デプスインタビュー(有識者インタビュー)

どれも1度は聞いたことがある言葉なのではないでしょうか。

それでは1つずつ見ていきましょう。

フォーカスグループインタビュー

フォーカスグループインタビューとはある特定のテーマにおいて複数の参加者から意見や感想を集める座談会式のインタビューのこと。

参加者は異なる属性を持つ個人が好ましいとされています。

ラオスは多くの民族が住む国であるため、異なる民族から意見を貰うと広い視野で物事をとらえることができるでしょう。
複数人で対話をしながらインタビューを進めるため、1対1では得られない意見を得ることが出来ます。

現地でのアンケート調査

ラオス現地でアンケート調査を実施することも調査方法として挙げられます。

現地で行うアンケートは地元民の生の声を聞くことができます。

そのため、ラオスに進出するために必要な情報が含まれる意見が集まるでしょう。

デプスインタビュー(有識者インタビュー)

デプスインタビューは1対1で行うインタビューのことであり、消費者の心理や行動を深く理解するために役立ちます。

なぜなら、1対1で行うインタビューは個人の深い洞察や詳細な情報が得られるから。

しかし、個人を深掘りするため市場全体の意見は得られないことに注意しましょう。

ラオスに進出した日本企業の最新情報と成功事例

現在ラオス事業展開をしている企業が続々と出てきており、進出した日系企業は150を超えます。

さらに、2022年以前はラオスに進出した日系企業の多くが経営状態が悪かったのですが、2022年を機に回復傾向が見られています。

ここからはラオスに進出し、成功している日系企業をご紹介します。

LAODI

当該会社は、無農薬ラム酒の製造を行っており、原料からこだわり抜いたブランドを強みに世界的な品評会で多数表彰を受けてている企業です。

ラム酒製造で要と言われている蒸留の工程を、女性に託しており、男性だけに頼らない会社作りを行っています。

ラオスの自然の豊かさで育てられたサトウキビと、労働力の豊富さで、世界に誇るラム酒製造会社へと発展しました。

三幸ラオ

コンクリート製品の製造販売を行っている会社で、ラオスの地方都市のパクセーにおいて活動しています。

日本よりも安価な労働力を活かして、ラオスのインフラ整備において存在感を発揮しています。

また、ラオスで採用した方に日本語を教え、人材育成にも力を入れているというのも特徴の一つです。 

ラオスの市場調査をして効率的に進出しましょう

ラオスに進出するにあたって必要な基本情報や、ラオス市場調査について解説しました。

ラオスへの進出はメリットもありますが、注意しなければデメリットや法を犯してしまうこともあります。

法を犯さないためにもラオス市場調査の必要性やポイントを解説しました。

ラオスの市場調査のポイントを押さえ、適切に調査を行うことで効率的なラオス進出を目指しましょう。

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「市場調査といっても自分でするには限界があるのでは?」と悩むこともあるかもしれません。

そんな時には市場調査のプロに任せてみるのも良いでしょう。

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参考文献
ラオス 保健活動 | 医療支援 | 活動について | ジャパンハート JAPAN HEART
ラオス:人権状況 改善なし | Human Rights Watch (hrw.org)
調査レポート (murc.jp)
ラオス、法の支配へ大きな貢献 | 海外での取り組み – JICA
世界銀行、2023年のラオスの経済成長率を3.7%と予測(ラオス) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)
輸出入手続 | ラオス – アジア – 国・地域別に見る – ジェトロ (jetro.go.jp)

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