金田大樹

記事の監修者

金田大樹

AXIA Marketing代表取締役

リサーチ会社を活用した経営判断を、日本企業の常識にしていくことがモットー。

鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅から大手調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。

国内市場の成熟や人手不足が進む中、新たな成長の機会として飲食店の海外進出に注目する企業が増えています。アジアを中心に外食需要は拡大しており、日本食ブランドへの評価も年々高まっています。

一方で、海外進出には現地ニーズへの対応や人材確保、法規制への対応など、国内出店とは異なる難しさがあるのも事実です。十分な準備や戦略設計を行わずに進出すると、期待した成果を得られないケースも少なくありません。

本記事では、飲食店の海外進出の基本的な考え方から、メリット・課題、開業までの流れ、成功事例、失敗を防ぐためのポイントを解説します。

飲食店の海外進出とは?

飲食店の海外進出とは、日本国内で培ったブランドやメニュー、運営ノウハウを活かし、海外市場で店舗展開や事業運営を行うことを指します。国内出店とは異なり、市場環境や文化、法規制が大きく異なるため、事前の理解と戦略設計が欠かせません。

ここでは、飲食店の海外進出の基本的な考え方を解説します。

  • 飲食店海外進出の定義と形態
  • 飲食業界で海外進出が注目される背景
  • 国内出店との違い

飲食店海外進出の定義と形態

飲食店の海外進出とは、日本を拠点とする飲食事業者が、海外の国や地域で店舗運営や飲食関連ビジネスを展開することです。代表的な形態としては、現地に自社で店舗を構える直営方式、現地企業に運営を委ねるフランチャイズ方式、パートナー企業と共同で事業を行う合弁方式などがあります。

近年では、実店舗に限らず、セントラルキッチンの設置や食品供給型モデルなど、進出形態も多様化しています。企業の資金力やリスク許容度、進出目的によって最適な形態は異なるため、自社に合った進出方法を選択することが重要です。

飲食業界で海外進出が注目される背景

飲食業界で海外進出が注目される背景には、国内市場の縮小と海外市場の成長があります。日本国内では人口減少や競争激化により、出店余地や売上成長に限界を感じる事業者が増えています。

一方、アジアや中東などでは中間層の拡大により外食需要が高まり、日本食への関心も強まっているのも要因の一つです。さらに、訪日観光客の増加を通じて、日本の飲食ブランドが海外で認知されやすくなった点も追い風です。こうした環境変化が、飲食店の海外進出を現実的な成長戦略として後押ししています。

国内出店との違い

飲食店の海外進出は、国内出店とは前提条件が大きく異なります。言語や文化の違いに加え、食習慣や宗教的配慮、法規制への対応が求められる点が特徴です。

また、人材採用や教育、仕入れルートの構築、為替リスクへの対応など、運営面の難易度も高くなります。国内では通用していた成功パターンがそのまま再現できるとは限らず、現地市場に合わせた柔軟な調整が不可欠です。そのため、海外進出では短期的な成果よりも、中長期的な視点での事業設計が重要になります。

飲食店が海外進出する3つのメリット

飲食店の海外進出は、単なる店舗数の拡大ではなく、事業成長の選択肢を広げる重要な戦略です。国内市場が成熟する中、海外に目を向けることで新たな売上機会やブランド価値の向上が期待できます。

ここでは、飲食店が海外進出によって得られる代表的な3つのメリットを整理します。

  • 成長市場へのアクセスと売上機会の拡大
  • ブランド価値・認知度の向上
  • 国内市場依存からの脱却

成長市場へのアクセスと売上機会の拡大

海外進出の最大のメリットは、成長市場へ直接アクセスできる点です。アジアや中東を中心に、外食市場は人口増加や所得向上を背景に拡大を続けています。こうした地域では、日本食に対する評価が高く、価格競争に陥りにくい傾向も見られます。

国内では出店余地が限られていても、海外では新規顧客の獲得余地が大きく、売上規模を一段階引き上げることが可能です。市場の成長スピードを取り込むことで、中長期的な収益基盤の強化につながります。

ブランド価値・認知度の向上

海外での店舗展開は、飲食ブランドそのものの価値を高める効果があります。海外に店舗を構えることで、グローバルブランドとしての認知が進み、国内外での評価向上につながるのです。特に日本食は品質や安全性への信頼が高く、海外進出そのものがブランドストーリーとして活用できます。

海外での実績は、国内での集客やフランチャイズ展開、商品化などにも好影響を与え、事業全体の価値向上に寄与します。

国内市場依存からの脱却

海外進出は、国内市場への依存度を下げるリスク分散策としても有効です。国内の飲食市場は人口減少や競争激化の影響を受けやすく、景気変動や消費動向に左右されがちです。複数の国や地域に事業拠点をもつことで、特定市場の不調を他市場で補える体制を構築できます。

結果として、安定した収益構造を実現しやすくなり、長期的な事業継続性の向上につながります。

飲食店の海外進出で直面しやすい4つの課題

飲食店の海外進出は大きな成長機会がある一方で、国内展開とは異なる多くの課題に直面します。市場環境や制度、消費者意識の違いを正しく理解しないまま進出すると、想定外のコスト増や運営トラブルにつながりかねません。

ここでは、海外進出時に特に注意すべき4つの代表的な課題を解説します。

  • 現地ニーズ・嗜好への対応
  • 人材確保と人件費管理
  • 食材調達と品質管理
  • 各国の法規制・許認可対応

現地ニーズ・嗜好への対応

海外では、日本で評価されている味や価格設定がそのまま通用するとは限りません。食文化や宗教、生活習慣の違いにより、味付けやメニュー構成、提供スタイルの調整が必要になります。辛味や甘味の好み、量の感覚、外食に対する価格許容度などは国ごとに大きく異なります。

現地ニーズを十分に調査せずに出店すると、集客が伸び悩む原因になります。市場調査やテスト販売を通じて、柔軟にローカライズする姿勢が欠かせません。

人材確保と人件費管理

海外進出では、現地スタッフの採用と定着が大きな課題になります。国や地域によって人材の流動性や労働慣行が異なり、日本と同じ感覚での採用や教育は通用しません。

また、最低賃金や残業規制などの労働法制も国ごとに違うため、人件費が想定以上に膨らむケースもあります。採用計画と教育体制を事前に整え、オペレーションを標準化することで、安定した店舗運営につなげることが重要です。

食材調達と品質管理

安定した食材調達と品質維持は、海外店舗運営の根幹となる課題です。日本と同じ食材が現地で手に入らない、輸入コストが高い、通関や検疫に時間がかかるといった問題が発生しやすくなります。

代替食材を活用する場合も、味や品質のばらつきが顧客満足度に影響します。現地サプライヤーの選定や複数調達ルートの確保、品質基準の明確化など、事前の体制構築が不可欠です。

各国の法規制・許認可対応

海外では、飲食店営業に関する法規制や許認可制度が国ごとに異なります。食品衛生基準、アルコール提供の規制、看板表示や広告ルールなど、対応範囲は多岐にわたります。これらを軽視すると、開業遅延や営業停止といった重大なリスクにつながる可能性が高いです。

現地の制度に精通した専門家や支援会社と連携し、進出前に必要な手続きと条件を整理しておくことが重要です。

飲食店の海外進出前に行うべき4つの準備

飲食店の海外進出を成功させるためには、出店準備の段階でどれだけ精度の高い検討ができているかが結果を大きく左右します。勢いや流行だけで進出を決めると、現地での想定外トラブルや早期撤退につながりかねません。

ここでは、海外進出前に必ず整理しておきたい4つの重要な準備ポイントを解説します。

  • 進出目的とビジネスモデルの整理
  • 市場調査と競合分析
  • 進出国・エリアの選定
  • 収支計画とリスク整理

進出目的とビジネスモデルの整理

まず重要なのは、なぜ海外進出を行うのかという目的を明確にすることです。売上拡大を狙うのか、ブランド価値向上を重視するのかによって、取るべき戦略や投資規模は大きく変わります。

あわせて、直営店舗、フランチャイズ、現地企業との合弁など、どのビジネスモデルを採用するかを整理する必要があります。目的とモデルが曖昧なままでは、判断基準がぶれ、現地での意思決定が難しくなるでしょう。

市場調査と競合分析

海外進出前には、対象市場の需要や消費者特性を把握するための市場調査が欠かせません。外食頻度、価格帯、人気ジャンルなどを調べることで、自社業態が受け入れられる可能性を判断できます。

また、現地競合店の立地やメニュー、価格、集客方法を分析することで、自社の差別化ポイントも見えてきます。感覚ではなくデータに基づいた分析を行うことで、進出後の失敗リスクを抑えられるでしょう。

進出国・エリアの選定

国全体の成長性だけでなく、具体的な都市やエリア単位での検討も重要です。同じ国でも都市ごとに所得水準や外食文化、競争環境は大きく異なります。

日本食への関心度、観光客の多さ、商業施設の集積状況などを踏まえて、最適な進出先を選定することが必要です。エリア選定を誤ると、立地条件だけで集客が難しくなるため、慎重な判断が求められます。

収支計画とリスク整理

海外進出では、初期投資や運転資金に加え、為替変動や人件費上昇など特有のリスクが伴います。そのため、売上予測だけでなく、最悪ケースも想定した収支計画を立てることが重要です。撤退ラインや投資回収期間を事前に設定しておくことで、冷静な経営判断が可能になります。

リスクを可視化したうえで進出判断を行うことが、長期的な成功につながります。

飲食店の海外進出における開業の流れ7ステップ

飲食店の海外進出では、国内出店とは異なる検討事項や手続きが多く、段取りを誤ると開業遅延や想定外のコスト増につながります。そのため、開業までの流れをステップごとに整理し、計画的に進めることが重要です。

ここでは、海外で飲食店を開業するまでに必要となる基本的な7つのステップを解説します。

  • 1.事前調査・現地視察
  • 2.進出形態の決定
  • 3.物件選定・契約
  • 4.許認可取得・会社設立
  • 5.内装工事・設備導入
  • 6.人材採用・研修
  • 7.開業・運営開始

1.事前調査・現地視察

海外進出の第一歩は、机上調査と現地視察を通じた情報収集です。市場規模や外食文化、価格帯といったマクロ情報に加え、実際の店舗立地や人の流れ、競合店の雰囲気を自分の目で確認することが欠かせません。

現地視察を行うことで、データだけでは把握できない消費者の行動や嗜好、店舗運営の実態を理解できます。この段階での認識不足は、後工程での手戻りを招くため、時間をかけて取り組む必要があります。

2.進出形態の決定

事前調査の結果を踏まえ、自社に適した進出形態を選択します。進出形態によって、初期投資額、リスク、経営への関与度が大きく異なるため、目的や経営資源に合った判断が重要です。

主な選択肢としては、直営店舗、フランチャイズ、現地パートナーとの合弁が挙げられます。

直営店舗

直営店舗は、本部が経営と運営を直接管理する形態です。ブランドイメージやサービス品質を統一しやすい反面、初期投資や人材管理の負担が大きくなります。海外展開のノウハウを自社に蓄積したい企業や、長期的な展開を見据える場合に向いています。

フランチャイズ

フランチャイズは、現地事業者に店舗運営を委ねる形態です。本部は比較的少ない投資で出店を進められる一方、運営品質の管理が課題となります。マニュアル整備や教育体制を構築し、ブランド統制をどう行うかが成功の鍵となります。

現地パートナーとの合弁

合弁は、現地企業と資本や経営を分担する形態です。現地の商習慣やネットワークを活用できる点が強みですが、意思決定のスピードや役割分担の明確化が求められます。信頼できるパートナー選定が不可欠です。

3.物件選定・契約

進出形態を決定した後は、出店する物件の選定に進みます。海外では、商業慣習や契約条件が日本と異なる場合が多く、賃料以外に保証金や管理費が高額になることも少なくありません。

立地条件だけでなく、契約期間や解約条件、用途制限なども慎重に確認する必要があります。専門家や現地パートナーのサポートを受けながら進めることで、トラブルを回避しやすくなります。

4.許認可取得・会社設立

物件が決まった後は、各国の法制度に沿って必要な許認可の取得や会社設立を進めます。飲食店の場合、営業許可、食品衛生関連の認証、アルコール提供許可など、国や地域ごとに求められる手続きが異なります。

手続きの不備は開業延期や営業停止のリスクにつながるため、現地の法律事務所やコンサルタントと連携しながら進めることが重要です。あわせて、税務・会計体制や銀行口座の開設など、運営に必要な基盤整備もこの段階で行います。

5.内装工事・設備導入

許認可取得と並行して、店舗の内装工事や厨房設備の導入を進めます。海外では建築基準や消防規制が日本と異なるケースが多く、設計段階から現地基準を踏まえた調整が必要です。

また、厨房機器や備品についても、現地調達と日本からの輸出のどちらが適しているかを検討する必要もあります。工期の遅延やコスト超過を防ぐためにも、工程管理と現地業者との綿密なコミュニケーションが欠かせません。

6.人材採用・研修

開業に向けて、現地スタッフの採用と教育を進めます。調理スタッフやホールスタッフだけでなく、店長や管理職の配置も重要な検討事項です。言語や文化の違いを考慮し、業務マニュアルや接客基準を分かりやすく整備することが求められます。

事前研修では、オペレーションだけでなく、ブランドの理念やサービス品質の考え方を共有することで、開業後の運営を安定させやすくなります。

7.開業・運営開始

すべての準備が整ったら、いよいよ開業です。開業初期はオペレーションが不安定になりやすいため、本部や責任者が現地でフォローを行い、課題を早期に把握することが重要です。

集客施策やプロモーションを実施しながら、売上や顧客反応、スタッフの動きを確認し、改善を重ねていきます。開業後の運営状況を継続的に検証することで、次の出店や事業拡大につなげられます。

飲食店の海外進出を成功させる5つのポイント

飲食店の海外進出を成功させるには、勢いやブランド力だけに頼らず、現地市場に即した戦略設計と運営体制の構築が欠かせません。文化や消費行動が異なる海外では、日本国内と同じやり方が通用しない場面も多く見られます。

ここでは、海外展開を安定した成長につなげるために押さえておきたい5つの重要なポイントを解説します。

  • 現地市場に合わせたメニュー・価格設計
  • 立地選定と集客戦略
  • オペレーションと品質の標準化
  • 現地パートナーとの関係構築
  • 段階的な出店と検証

現地市場に合わせたメニュー・価格設計

海外進出では、日本で人気のメニューをそのまま展開するだけでは成果につながりにくい場合があります。現地の味覚や食習慣、宗教的制約、購買力を踏まえた調整が不可欠です。

辛味や甘味の調整、食材の置き換え、ポーションサイズの見直しなどを通じて、現地ユーザーに受け入れられる形へ最適化する必要があります。また、価格設定についても、競合店や現地の外食相場を踏まえ、無理のない価格帯を設定することが重要です。

立地選定と集客戦略

立地は海外進出の成否を大きく左右する要素です。人通りの多さだけでなく、ターゲット顧客の動線や周辺店舗の業態、商業施設の集客力などを総合的に判断する必要があります。あわせて、SNSや口コミサイト、現地メディアを活用した集客戦略も重要です。

開業初期から話題性をつくり、認知を広げることで、安定した来店につなげやすくなります。

オペレーションと品質の標準化

海外では人材の入れ替わりが激しいケースも多く、属人的な運営はリスクになります。そのため、調理工程や接客フロー、衛生管理などをマニュアル化し、誰が担当しても一定の品質を保てる体制を整えることが重要です。

標準化されたオペレーションは、品質維持だけでなく、複数店舗展開やフランチャイズ展開を見据えた基盤づくりにもつながります。

現地パートナーとの関係構築

海外進出では、現地事情に精通したパートナーの存在が成功を左右します。不動産、法規制、人材、物流など、自社だけでは把握しきれない領域を補完してもらうことで、リスクを抑えた展開が可能です。

単なる委託関係にとどまらず、目的や役割を明確にしたうえで、長期的な信頼関係を築くことが重要です。

段階的な出店と検証

最初から大規模展開を目指すのではなく、小規模出店やテスト店舗から始め、データをもとに改善を重ねる姿勢が重要です。売上や来店客層、オペレーションの課題を検証しながら、次の出店戦略へ反映させることで、失敗リスクを抑えられます。

段階的な展開は、長期的に安定した海外事業を構築するための有効な方法です。

飲食店の海外進出成功事例3選

日本発の飲食ブランドが海外市場で成功を収める例は年々増えています。文化や嗜好の違いを克服しつつ、ブランド力やオペレーション力を活かして顧客を獲得している事例は、海外展開を目指す企業にとって貴重な参考になるでしょう。

ここでは、海外進出に成功した代表的な外食ブランドを3社紹介し、成功要因と実践ポイントを紹介します。

  • 丸亀製麺
  • 吉野家
  • ココイチ

丸亀製麺

引用:丸亀製麺

丸亀製麺は、日本発の讃岐うどんチェーンとして国内外で積極的に出店を進めています。海外では、米国、英国、フィリピン、ベトナム、台湾など多様な国・地域に展開しており、現地での受け入れにも成功。丸亀製麺の成功要因は、日本の「本格うどん」を手頃な価格帯で提供するだけでなく、セルフオペレーションによる効率的な店舗運営を実現している点にあります。

セルフサービス方式は、スタッフの習熟度にかかわらず一定の品質を提供できる仕組みとして機能し、コスト管理にも寄与しています。さらに、現地消費者の味覚や食習慣をリサーチし、だしやトッピングのバリエーションを適宜調整することで、各国の顧客ニーズに対応しています。こうした柔軟なメニュー設計と標準化されたオペレーションは、海外展開の成功を支える重要な要素です。

吉野家

引用:吉野家

吉野家は、1899年に日本で創業した牛丼チェーンであり、国内外で多くの店舗を展開しています。香港や台湾をはじめ、東南アジアや米国などグローバルに進出を進め、そのブランド力を世界市場に広げてきました。

吉野家の海外成功の背景には、日本発のファストカジュアルとしての「早い・安い・おいしい」という価値提供が、現地消費者にも強く支持された点が挙げられます。現地の消費者習慣に合わせて味付けや提供方法を調整する一方で、基本コンセプトを大切にすることが、ブランド力の維持につながりました。

また、現地フランチャイズパートナーと信頼関係を構築し、経営資源やノウハウを共有することで、各地域に根付いた運営体制を築いています。吉野家は、海外でも根強い認知とロイヤルティを獲得しており、飲食業界のグローバル展開の一例として高く評価されています。

ココイチ

引用:ココイチ

ココイチ(カレーハウスCoCo壱番屋)は、国内で圧倒的な知名度を持つカレーチェーンとして、海外進出にも力を入れています。アジアを中心に展開しており、台湾や香港、シンガポールなどでの出店が進んでいます。ココイチの海外進出成功の要因は、日本発のカレー文化を「自由にカスタマイズできる外食」として現地消費者に訴求した点です。

豊富なトッピングや辛さ・量の調整ができる点は、顧客の多様な嗜好に対応する設計となっています。また、現地市場に適したメニュー開発や現地スタッフへの教育体制の整備、そして現地パートナーとの協働による出店戦略が、ブランドの浸透を後押ししています。文化や味覚が大きく異なる地域でも、ココイチは日本らしさを維持しながら柔軟に対応することで高い支持を得ている良い事例です。

飲食店の海外進出で失敗を防ぐための3つの注意点

飲食店の海外進出は大きな成長機会をもたらす一方、準備不足や判断ミスによって撤退を余儀なくされるケースも少なくありません。特に海外市場では、国内と同じ感覚での意思決定が通用しない場面が多く見られます。

ここでは、海外進出で失敗を避けるために、事前に押さえておくべき重要な注意点を紹介します。

  • 短期的なブームに依存しすぎない
  • 文化・宗教・食習慣への配慮
  • 本部と現地運営の役割分担を曖昧にしない

短期的なブームに依存しすぎない

海外で日本食が注目されているからといって、短期的な流行だけを頼りに出店を進めると失敗のリスクが高まります。ブームは一時的なものであり、数年後には競合の増加や消費者の嗜好変化によって需要が急減する可能性があります。

重要なのは、現地で中長期的に支持されるビジネスモデルを構築できるかどうかです。そのためには、価格帯や立地、オペレーションが持続可能かを冷静に検証する必要があります。流行に乗ること自体は悪くありませんが、ブームが落ち着いた後も選ばれ続ける価値を提供できるかを軸に、戦略を設計することが求められます。

文化・宗教・食習慣への配慮

海外では、宗教や文化、食習慣が日本と大きく異なるケースが多く見られます。例えば、豚肉やアルコールの扱い、ハラールやベジタリアン対応の有無などは、国や地域によって重要度が大きく変わります。これらへの配慮が不足すると、現地消費者から敬遠されるだけでなく、炎上や営業停止などのリスクにもつながります。

そのため、メニュー設計や食材選定の段階から、現地の価値観やルールを十分に理解することが不可欠です。日本の味やスタイルを守ることと、現地に適応することのバランスを意識した判断が、海外展開の成否を分けます。

本部と現地運営の役割分担を曖昧にしない

海外進出では、本部と現地拠点の役割分担を明確にしないまま事業を進めてしまい、運営が混乱するケースが多く見られます。本部がどこまで意思決定を担い、現地側にどの権限を委ねるのかを事前に整理しておかないと、スピード感の欠如や責任の所在不明といった問題が発生します。

特にフランチャイズや合弁形態では、契約内容や運営ルールを明文化することが重要です。戦略設計やブランド管理は本部、日々の運営やローカル対応は現地といった形で役割を分けることで、安定した海外店舗運営につながります。

飲食店の海外進出支援ならAXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社

飲食店の海外進出は、成長市場への参入やブランド価値向上といった大きな可能性を秘めている一方、現地ニーズの把握不足や法規制対応の遅れによって失敗するリスクも伴います。成功の鍵は、進出目的とビジネスモデルを明確にし、市場調査や競合分析を通じて現地に合った戦略を設計することです。

さらに、開業までの流れを段階的に整理し、メニュー設計や人材育成、オペレーションの標準化を行うことで、再現性の高い展開が可能になります。AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社では、調査設計から進出戦略の立案、現地パートナー連携、開業後の改善運用まで一貫して支援します。海外展開を検討する飲食店は、リスクを抑えながら成果につなげるために、専門的な支援を活用することが重要です。

参考文献

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