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Column
2025.10.18
記事の監修者
金田大樹
AXIA Marketing代表取締役
リサーチ会社を活用した経営判断を、日本企業の常識にしていくことがモットー。
鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅から大手調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。
カンボジアは近年、東南アジアの中でも特に注目を集める新興市場として日本企業の進出が加速しています。若年層人口が多く豊富な労働力を背景に、消費市場としての成長が期待されるだけでなく、ASEAN内での地理的優位性や外資誘致政策による投資環境の改善も追い風となっています。
製造業から小売・サービス業まで多様な業種が進出しており、その動きは国内市場縮小を見据えた企業の新たな成長戦略の一環と言えるでしょう。本記事では、カンボジア進出の背景や動向を整理するとともに、実際に進出している日本企業を業界別に紹介し、進出時の課題や成功のポイントについても解説します。

カンボジアが日本企業の進出先として注目される背景には、経済発展と人口動態、政府の積極的な投資誘致政策があります。東南アジア全体の経済成長に支えられつつ、カンボジアは安定した労働力の供給と新興市場としての需要拡大が期待されています。
さらに、ASEANの中心に位置する地理的優位性や、経済特区を活用した優遇措置が整備されていることも企業にとって大きな魅力です。以下では、カンボジア進出の背景と注目される3つの理由を解説します。
東南アジアは近年、世界でも有数の経済成長地域として注目されています。ASEAN加盟国全体のGDPは年々拡大しており、特に消費市場の伸びが著しいのが特徴です。カンボジアも例外ではなく、若年層人口の多さと都市化の進展により、今後の消費需要の拡大が強く見込まれています。
また、中間層が増加していることから、食品、日用品、化粧品、家電製品など幅広い分野で市場の成長が期待されています。これにより、日本企業にとっては単なる製造拠点としてだけでなく、商品販売の新たなマーケットとしての魅力が高まっており、長期的な成長戦略の一環として進出が進んでいるのです。
カンボジアはASEANの中心に位置し、タイやベトナムといった主要市場に隣接しています。この地理的条件は、製造拠点としてだけでなく、周辺国への輸出拠点としても高いポテンシャルを持つ要因となっています。
例えば、ベトナムの港湾やタイの物流インフラを活用することで、カンボジアで生産した製品を効率的に海外市場へ供給することが可能です。また、メコン地域の経済回廊の一端を担っており、中国やインドといった巨大市場へのアクセス拠点としての役割も期待されています。
こうした物流・輸送面での優位性は、製造業を中心とした日本企業の投資を後押ししており、他のASEAN諸国との差別化ポイントになっています。
カンボジア政府は外資誘致を国家戦略の一つとして掲げ、税制優遇や経済特区(SEZ)の整備を積極的に進めています。経済特区では法人税の免除や輸出入関税の軽減、土地利用に関する特典などが設けられ、海外企業にとって投資しやすい環境が整っています。
また、外資規制が比較的緩やかであり、100%外資による事業運営も可能である点は他国と比べて優位性のある特徴です。その他、政府機関や関連団体が投資手続きの簡素化に取り組んでおり、参入障壁を下げる施策も進んでいます。
これらの制度は製造業だけでなく、小売業やサービス業の進出にも有効に機能しており、日本企業にとって魅力的な進出環境を提供しています。

日本企業のカンボジア進出は近年、着実に拡大傾向にあります。みずほ銀行が公表している投資環境レポートなどによれば、製造業やインフラ関連、流通・小売、サービス業と多様な業種が関心を寄せています。
2017年までは味の素(調味料)やミネベア(小型モーター)、王子製紙(段ボール製造)、矢崎総業(ワイヤーハーネス)等の製造業の進出が目立っていましたが、2018年以降、建設、不動産セクターなど非製造業の進出もみられました。
カンボジア日本人商工会資料における登録企業数は2025年3月時点で254社です。2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業撤退の傾向があったものの、直近では回復の兆しがみられています。

また、建設・不動産業では都市開発や商業施設需要の高まりを背景に、インフラ整備プロジェクトに参画する形での進出も見られます。金融業や保険業では、三井住友銀行をはじめ一部の日本大手が支店展開を行っており、決済や融資など金融インフラ支援にも関心が出始めています。
カンボジアでは製造業を中心に多くの日本企業が進出し、インフラ整備や小売、IT分野などにも参入が広がっています。ここでは、業界ごとにカンボジアで活躍する主な日本企業を紹介し、それぞれの取り組みや特徴を解説します。
カンボジアにおける日本企業の進出で、特に存在感を示しているのが製造業です。低コストで豊富な労働力を背景に、同国は繊維・縫製業から電子部品や自動車関連部品へと製造分野を広げています。
日本企業にとっては、生産拠点の分散化やASEAN市場への輸出拠点としての活用が魅力であり、現地の経済発展や雇用創出にも大きく貢献している業界です。ここでは、豊田通商、住友電装、味の素の大手企業の取り組みを紹介します。

豊田通商は2024年、カンボジアで自動車リサイクル事業を展開する合弁会社(豊田通商マニュファクチャリング)を設立しました。豊田通商マニュファクチャリングは廃車の適正処理や再資源化を通じて、持続可能なモビリティ社会の構築を目指しています。
これにより、現地での環境問題の改善や資源循環型社会の実現に寄与するだけでなく、ASEAN域内の自動車関連産業における新たなビジネスモデルを確立しようとしています。さらに、カンボジアの自動車需要は今後拡大が見込まれるため、リサイクルを軸とした事業展開は長期的な競争優位性を確保する上で重要な意味を持っているのです。
豊田通商マニュファクチャリング豊田通商グループは、車両組立生産事業の推進により、同国のモビリティバリューチェーンや雇用創出・人財育成にさらに深く関わり、モビリティ産業の発展を通して同国の経済、社会の発展に貢献しています。

住友電装は、ワイヤーハーネス業界で世界25%のシェアを有し、世界109拠点で製造を行っています。住友電装は2022年に新工場を設立し、現地で数千人規模の雇用を創出しました。ワイヤーハーネスは自動車の神経系と呼ばれる重要部品であり、世界的に需要が高まっているのです。
多くの苦労はありましたが、2018年には想定生産量の150%を達成し、当時の指導者の粘り強さと、従業員の頑張りと底力を感じ、住友電装の世界各地の拠点が作業効率と正確性を競う社内の競技会において、スミ・カンボジアは4位という生産効率という面で他国と引けをとらないレベルまで成長しています。
住友電装は現地従業員への技術教育や研修制度も整備し、人材育成に積極的に取り組んでおり、日本品質の製品を提供しながら地域経済の成長にも寄与しています。

味の素株式会社は、食品分野におけるカンボジア進出企業の代表例です。現地ではうま味調味料をはじめとする食品事業を展開し、カンボジアの食文化や生活習慣に根ざした商品を提供しています。味の素株式会社は東南アジア全域でのシェア拡大を進めており、カンボジア市場もその戦略の一環と位置づけられています。
味の素カンボジア社ではお馴染みの「味の素」を製造しており、made inカンボジアの商品です。RosDee(ロッディ)というコンソメのような調味料で、元々タイ市場向けに現地のニーズに合わせて開発されています。
他にも、Birdyというインスタントコーヒーの粉末やYumYumというインスタントラーメンなど東南アジア市場に向けた独自の製品が展開しています。
カンボジアでは都市化やインフラ開発が急速に進んでおり、建設・不動産業界にも多くの日本企業が参入しています。商業施設、港湾整備、道路・橋梁、住宅開発など、公共投資と民間需要の両方から需要が見込まれている市場です。
日本企業は技術力や品質管理、信頼性を武器にコントラクト受注型や開発事業型で進出しており、今後も注目度の高い業界の一つです。以下では、建設・不動産分野で進出している代表的な日本企業を紹介します。

前田建設工業は、カンボジアで港湾ターミナルや幹線道路の橋梁改修プロジェクトなどを手掛けています。例えば、シハヌーク州の多目的港湾整備事業や国道6号、国道7号沿いの橋梁・道路改修案件などに参画。こうしたインフラ案件は国際協力機構(JICA)やアジア開発銀行(ADB)などの国際機関と連携するケースも多く、信頼性や実績が強く問われます。
前田建設は技術力と豊富な経験を背景に、道路・橋梁分野で着実な成果を残しつつ、現地企業や自治体との協調を図りながら進出を拡大しています。

URリンケージは、日本式住宅開発プロジェクトでカンボジア進出を進めています。2024年5月、同社はカンボジアのプノンペン都内において、日本的な住宅品質を提供する「和風モダン住宅」プロジェクトを含む住宅開発に関して、日本企業・地元企業と連携してMOUを締結しました。
このプロジェクトは土地提供や行政調整を担う現地企業「ING Holdings Co., Ltd.」と連携し、企画・設計・建設・施工管理までを担当する構成になります。モダンなデザイン、省エネ技術、建材仕様の品質確保など、日本企業ならではの付加価値を武器に、現地の富裕層向け住宅市場に挑む戦略です。今後のプロジェクト進展が注目されます。
金融・保険業も、カンボジア進出において重要な役割を担っています。インフラや企業投資の拡大とともに決済・融資・保険商品に対する需要が増加しており、信金・銀行・保険会社が現地でサービス展開を図る動きが出始めているのが現状です。
日本企業はグローバルネットワークやノウハウを活かして、信用構築や決済基盤強化、現地企業支援といった分野で貢献を目指しています。ここでは、カンボジアに進出している金融・保険業の企業を紹介します。

三井住友銀行は、アジアを含む新興国への事業拡大を中期経営計画の柱の一つとして位置づけており、カンボジア市場にも実質的に関与しています。三井住友銀行はカンボジア最大手の民間銀行ACLEDA Bank(アクレダ銀行)に対し、2014年に12.25%の出資を行い、後に追加取得して持分法適用会社化しました。
この出資は単なる資本参加ではなく、日系企業取引支援や銀行業務のノウハウ提供を通じた現地金融基盤構築を意図したものです。出資を通じてSMBCは、アクレダ銀行を通じた決済システム、為替業務、融資スキームなどを含む金融サービスの強化を狙っており、日系企業が進出する際の金融窓口としての役割も期待されます。
また、アジアを中心とした他地域での法人金融ネットワークと連動させ、現地企業向けソリューションと国際業務を掛け合わせた戦略を展開する構えです。こうした関与により、三井住友銀行はカンボジア金融市場の構造変化に深く関与することで、地域におけるプレゼンスを高めています。
カンボジアの経済成長と中間層の拡大に伴い、飲食・小売・サービス業への日系企業の進出が加速しています。特にプノンペンを中心に都市化が進む中、購買力の向上とともに日本ブランドへの信頼が高まり、商業施設や家電小売、飲食チェーンなどが相次いで参入しています。
現地企業との協業やASEAN市場全体を見据えた展開も進み、サービス業は日本企業のプレゼンスを広げる重要なセクターとなっているのです。

イオンモールは、カンボジアにおける日本企業の商業進出を象徴する存在です。2022年12月15日にはイオンモールのカンボジア3号店が正式オープンし、、最初の1週間で現地の家族連れや若者を中心に、約35万人が来場したようです。
敷地面積は17万4,000平方メートルで、ファッション・生活雑貨・化粧品・スポーツ・飲食店など、約250店舗が出店。日本からは、「ダイソージャパン」、「リンガーハット」、ホームセンターの「コーナンジャパン」、家電量販店の「ノジマ」などが出店しています。
プノンペン市内のイオンモールへの来場者数は、2023年1月から3月までの3カ月間で1号店・2号店・3号店合わせて約300万人が来客したようです。

株式会社ノジマは、2014年3月13日にカンボジア王国に設立した子会社「Nojima (Cambodia) Co., Ltd.」を開所しました。
ノジマ・カンボジアは、2014年6月にカンボジア王国のイオンモール・プノンペンに1号店をオープンしました。海外2号店のイオンモール・カンボジア2号店は、プノンペン中心部の北部にあり周辺のエリアは現在も開発を進めていることから、今後さらに発展が期待できる地域となっています。
1号店ではカンボジア国内でのノジマブランの向上や浸透を目指し、2号店では日本の店舗の雰囲気と現地のお客様が来店しやすい店舗づくりと、良いサービスと信頼できる品質を提供できるよう、競合他社には真似できない店舗運営を行っています。
IT業界においても、日本企業がカンボジアへ進出する事例が見られます。デジタルインフラ整備や通信サービス、ITアウトソーシングなどが主な領域です。特に、日本企業が持つ通信技術や品質、信頼性を武器に、現地政府機関や法人向け通信サービスの提供を通じて市場参入を図る動きがあります。
これにより、インターネット普及率向上やDX促進に貢献しつつ、新たなビジネス機会を創出しているのです。以下にて、代表的な進出企業の事例を紹介します。

NTTコミュニケーションズは、カンボジアにおいて企業向けインターネット接続サービスを提供することで進出しています。ジェトロの記事によれば、2011年にはプノンペンを中心に日系企業・現地政府・金融機関向けに高品質な通信回線サービスを提供開始しました。カンボジア進出は、日本の通信インフラ技術とノウハウを現地に持ち込む取り組みであり、信頼性の高い回線やサービス品質を武器としています。
カンボジア国内の通信インフラは発展途上段階であり、品質やセキュリティ面での課題を抱える企業が多いため、こうした高品質な通信サービスに対するニーズは高いです。また、NTTコミュニケーションズの参入により、他の日系企業も現地で安定した通信環境を利用できるようになるため、通信インフラの改善にも寄与します。将来的には、クラウドサービスやデータセンター運営、システム統合サービスなど、より上流・付加価値型のITビジネスへ展開する可能性も期待できるでしょう。

カンボジアにおける日本企業の進出形態は、大きく「現地法人設立」「合弁事業」「駐在員事務所設置」「代理店・販売提携」の4つに分けられます。最も一般的なのは現地法人設立で、独自に市場開拓を行いたい企業が採用します。
一方、現地パートナーと協力して市場参入する合弁事業は、法規制や商習慣の違いに柔軟に対応できる点が強みです。また、市場調査や情報収集を主目的とする場合は駐在員事務所を設ける方法が適しています。販売拠点を持たず、現地企業を代理店として活用する販売提携もコストを抑えて事業を始められる手法です。
カンボジアは外国企業に対して比較的開放的な投資環境を整備しており、進出形態の自由度も高いのが特徴です。企業の目的・リスク許容度・投資規模に応じて最適な形態を選択することが、成功の鍵となります。

カンボジアは成長著しい新興国として注目を集めていますが、ビジネス環境は日本や先進国と大きく異なります。ここでは、カンボジアに進出する際に特に注意すべき5つのポイントについて解説します。
カンボジアでは、経済発展に伴い都市部を中心にインフラ整備が進む一方、地方では道路・電力・上下水道などの基盤が依然として不十分な地域も多く残っています。特に工場や物流拠点を設立する製造業では、安定した電力供給の確保や輸送コストの上昇が課題となりやすいです。
停電が頻発する地域もあり、自家発電設備を導入する企業も少なくありません。また、輸送インフラの未整備により、原材料の調達や製品輸送に時間とコストがかかるケースもあります。日本企業が進出する際は、現地の経済特区(SEZ)や主要港湾・幹線道路沿いを選ぶなど、立地選定が非常に重要です。
現地政府もインフラ整備を国家戦略として進めていますが、短期間での改善は見込みにくいため、中長期的な視点で対応策を講じることが求められます。
カンボジアは若年層の人口比率が高く、労働力の確保がしやすい国として注目されています。しかし、労働者の教育水準や専門スキルにはばらつきがあり、特にマネジメント層や専門技術者の不足が企業の課題です。
現地スタッフの多くは、実務経験よりも現場でのOJT(On-the-Job Training)によってスキルを身につけるケースが多く、教育・研修体制の整備が成功の鍵を握ります。また、カンボジアの労働法は労働者保護の観点から厳格な部分があり、解雇手続きや労働時間管理、最低賃金の改定などに細心の注意が必要です。
さらに、文化的背景として「対面での報告・相談を重視する」「上下関係を意識する」といった特徴もあるため、日本的なマネジメント手法をそのまま導入すると摩擦が生じることがあります。現地文化を理解した柔軟な組織運営が求められます。
カンボジアは政治的な安定を保ちながらも、制度運用において不透明な部分が残る国です。特に行政手続きや許認可取得において、担当官の裁量が大きく、地域や担当者によって解釈が異なるケースも見られます。
そのため、外資企業が独自に手続きを進めると、予期せぬ遅延や追加コストが発生することがあります。税制面でも頻繁な改正や運用の変更が行われており、最新情報を常に把握することが重要です。現地の法律事務所やコンサルティング会社と連携し、リスクを最小限に抑える体制を整えることが不可欠です。
また、知的財産保護や契約履行の法的基盤がまだ整備段階にあるため、契約書の作成・翻訳・法的効力の確認にも注意を払う必要があります。制度上のリスクを理解したうえで、リスク分散型の事業戦略を立てることが望まれます。
カンボジアにおける進出形態には、現地法人設立、合弁会社、駐在員事務所の設置、代理店契約など複数の選択肢があります。進出目的や事業規模によって最適な形は異なりますが、いずれの形態も法的・税務的なリスクを考慮することが重要です。
例えば、現地法人を設立する場合は、登記や資本金の要件、労働許可などの行政手続きが必要です。一方、現地企業と提携する合弁事業では、相手企業の信頼性や出資比率、経営権の所在などを慎重に検討する必要があります。また、初期リスクを抑えるために、まずは駐在員事務所として情報収集を行い、その後に法人化する段階的な進出も有効です。自社の戦略目的に沿って、柔軟かつ段階的に進出形態を検討することが成功の鍵となります。
カンボジアでは、輸出入に関する制度や手続きが頻繁に改定される傾向があります。特に関税率、輸出入許可、検疫・品質基準などが業種ごとに異なるため、最新の規制を把握しておくことが不可欠です。日本企業が製造や販売を行う際には、製品の種類に応じて複数の省庁の許可が必要となるケースも。
また、ASEAN自由貿易協定(AFTA)や日・カンボジア経済連携協定(JCEPA)を活用することで、関税優遇措置を受けられる場合もありますが、適用条件を正確に理解していないと想定外のコストが発生します。物流面でも、通関手続きの遅延や港湾の混雑などがリスクとして挙げられます。現地の通関業者や専門コンサルタントと連携し、スムーズな貿易体制を構築することが、安定したサプライチェーンの維持につながるでしょう。

カンボジアはASEAN諸国の中でも高い経済成長率を維持しており、製造業や小売業を中心に日本企業の進出が増えています。しかし、同国のビジネス環境は独自の制度や文化的背景を持つため、成功には入念な準備とリスクマネジメントが欠かせません。
闇雲に進出しても想定外の課題に直面する可能性があるため、事前の調査・分析から現地パートナーの活用、そして段階的な投資戦略までを一貫して計画することが重要です。ここでは、カンボジア進出を成功させるための3つのステップを解説します。
カンボジア進出の第一歩は、正確な市場調査とリスク分析です。進出を検討する業界や地域によって市場の成熟度、消費者の購買力、競合環境は大きく異なります。まずはJETRO(日本貿易振興機構)や現地商工会議所などが提供する統計データを活用し、需要動向や規制状況を把握しましょう。
また、政治・経済の安定性や為替リスク、法制度の整備状況といったマクロリスクにも注意が必要です。現地のパートナー企業や弁護士事務所との連携により、実務的なリスク(労務問題、税制、通関など)を事前に洗い出すことが有効です。
これらの情報をもとに、進出可能性やリターンを定量的に評価し、撤退リスクを最小限に抑える戦略を立てることが、成功への第一歩となります。
カンボジアでは行政手続きや法令解釈が複雑で、独自の商習慣も存在します。そのため、現地でのビジネス展開を円滑に進めるには、信頼できるコンサルティング企業や支援機関を活用することが重要です。
特に会社設立手続き、許認可取得、税務・労務対応などは現地に精通した専門家の支援が不可欠です。また、進出後の人材採用・教育、オフィスや工場の選定、現地政府との交渉なども、ローカルパートナーの力を借りることでスムーズに進みます。
JETROやDigima Japanのような公的・民間の支援機関に加え、AXIA Marketingのような海外進出支援に強いコンサルティング企業を活用することで、戦略立案から現地交渉、実務まで一貫したサポートを受けられます。
専門家のネットワークを利用することで、手続きの不備やトラブルを防ぎつつ、進出までの時間・コスト・リスクを大幅に削減できます。自社単独での展開よりも、確実性とスピードを両立できるのが大きなメリットです。
カンボジア市場は成長ポテンシャルが高い一方で、政策変更や為替変動、物流の課題など、外的リスクも少なくありません。そのため、初期段階から大規模投資を行うのではなく、テストマーケティングや限定展開を経て段階的に事業を拡大するのが現実的です。
例えば、まずは現地代理店や販売パートナーを通じて市場の反応を確認し、需要や収益性が見込める段階で自社拠点を設立する方法があります。また、進出後も市場変化に柔軟に対応できるよう、複数のサプライヤーや販路を確保し、リスク分散を図ることが重要です。
さらに、カンボジアはASEAN各国との連携が進む地域でもあるため、将来的にはタイやベトナムといった近隣国への展開を視野に入れた広域戦略を設計することが、持続的な成長につながります。
カンボジア市場は今後も高い経済成長が見込まれ、日本企業にとって新たなチャンスが広がるエリアです。しかし、制度の複雑さやインフラ整備の遅れ、人材育成の課題など、慎重な対応が求められるのも事実です。
AXIA Marketingでは、現地市場調査から戦略立案、パートナー選定、進出後のマーケティング支援までを一貫してサポートしています。ASEAN諸国での豊富な実績と現地ネットワークを活かし、リスクを抑えながら持続的な海外展開を実現します。カンボジア進出を検討する企業は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
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