AlphaTheta株式会社は、AlphaThetaブランド製品やPioneer DJブランド製品などを中心としたDJ機器・音響機器を取り扱う企業。業界内での高いブランド認知と製品の信頼性を背景に、国内外問わず多くのユーザーの皆様に選ばれ続け、その業界市場シェアはNo.1を誇ります。

海外では、販売子会社や販売代理店網を通じてグローバル展開を進めている同社ですが、地域によっては十分な市場データが得られないまま事業戦略を立てざるを得ない状況でした。
今回、アジア・オセアニア地域の更なる事業拡大を進める中で、特に韓国市場のポテンシャルに注目し、現地の販売代理店からの情報だけでは捉えきれない “市場の全体像”を把握したいと考え、アクシアマーケティングへの市場調査を依頼しました。

高いポテンシャルを感じていたが、実態を掴みきれていなかった韓国のDJ機器市場規模。

なぜ、韓国の市場調査を実施することになったのでしょうか?

木村

現在、我々が所属している部署では、アジア・オセアニア地域のそれぞれの国で販売代理店網を広げながら商品展開を進めています。その中で私が担当しているのが韓国市場なのですが、今後さらに販売を加速させていく上で、現地の市場規模やどの程度の売上が“適正”なのかを客観的に把握したいと考えるようになりました。

ここ数年、韓国での売上はある程度満足のいく結果を得ることはできていました。しかし、韓国の人口規模や、K-POPをはじめとする近年の音楽カルチャーの盛り上がりを考えると、市場としてもっと成長の余地があるのではないかという意見が社内でも出ていたんです。

AlphaTheta株式会社 木村様
AlphaTheta株式会社 木村様

たとえば、同じアジア地域の他国と売上を比較してみると「韓国ってもっと数字が出てもいいのでは?」という意見は出ていました。自分たちでもある程度の分析はしていたのですが、その仮説を裏付けるためのデータが不足していました。

他国の売上や音楽文化と比較しても「韓国市場も本来はこれくらい結果が出ていいはず」と社内で話すことは多かったのですが、あくまで“感覚”での話になってしまっていて、実態を掴みきれていませんでした。

新田

国内や欧米市場のようにデータが豊富にあるわけではなく、韓国については公開情報も限られている。自分たちでやれる範囲にも限界を感じていました。そこで、構造的な視点で市場を捉え、定量・定性の両面からしっかり分析してくれるパートナーが必要だと感じ、調査会社を探し始めたんです。

AlphaTheta株式会社 新田様
AlphaTheta株式会社 新田様

期待していたのは、海外調査の経験と確かな調査力に加え、細かく臨機応変な対応ができるか。

アクシアマーケティングを調査パートナーとして選んだ決め手を教えてください。

木村

もともと我々の部門では、外部に調査を委託するという経験自体があまりなく、今回が初めてに近い取り組みでした。なので「どんな調査会社とこのプロジェクトを共にするべきなのか?」というところからのスタートだったんです。

そんな中でウェブ検索を通じてアクシアマーケティングさんを知りました。アジア地域の市場調査に強いことがページの内容や事例に記載されていたことで目にとまり、今回の韓国市場調査にもマッチするのではと感じました。

新田

他にも大手調査会社さんなどいくつか候補を挙げて検討しました。ただ、他社さんは総合的には強そうな一方で、細かいニーズに応じた柔軟な対応が出来ないのではという印象がありました。その点、アクシアさんは、調査に入る前から何度も打ち合わせの場を設けてくださり、丁寧にヒアリングしてくれたのが好印象でした。

調査項目や手法、納期と費用面も含めて、合理的でバランスが良かったことが一番の決め手ですね。調査の目的に対して、しっかりコミュニケーションをとりながら提案してくれたので、「このパートナーなら初めてでも一緒に進めていける」と感じました。

調査内容のすり合わせなどはどのように進められましたか?

木村

韓国の楽器市場・DJ機器市場の規模を軸に、チャネル別の特徴や消費者動向、トレンドなど幅広い項目での調査をお願いしました。アクシアマーケティングさんとはキックオフ前に複数回の打ち合わせをして、「こういうデータがほしい」という要望を細かくすり合わせしました。

特に印象的だったのは、有識者ヒアリングに関しても、候補者リストをもとに対象者を一緒に精査できたことです。「この方へのヒアリングは少し方向性が違うかもしれない」といった話も率直に伝えられて、その都度、丁寧に対応いただけました。

新田

当初は有識者ヒアリングを1件のみでお願いしていたのですが、中間報告の段階で「もう1件実施した方がより精度が上がるのではないか」というご提案をいただきました。実際に2件目を追加したことで、数字の信頼性や説得力がぐっと高まりました。

また、ヒアリングで使用する質問項目についても、事前に詳細な内容をご共有いただいたことで、我々としても調査のイメージを持ちやすく、安心してお任せすることができました。

初めてだからこそ、偏りなく幅広く見たいという希望があったのですが、アクシアマーケティングさんはその期待にきちんと応えてくれました。都度のすり合わせや柔軟な対応も含めて、調査期間も安心して過ごすことができました。

本プロジェクトも担当したアクシアマーケティング株式会社 代表取締役 金田大樹
本プロジェクトも担当したアクシアマーケティング株式会社 代表取締役 金田大樹

「調べて終わり」ではなく、調査を進める中で現れた新たな気づきに応える柔軟な調査プロセス。

具体的なスケジュール感とプロジェクト内容を教えてください。

木村

2025年の年明けからプロジェクトをスタートして、1ヶ月ほどで中間報告がありました。そのタイミングでいただいた内容をもとに「もう少しデータの精度を上げたい」と思い、有識者ヒアリングをもう1件追加でお願いすることになりました。

その後、3月〜4月にかけて最終の調査報告書を納品いただきました。報告書には満足していたのですが、社内で精読を進めたところ、いくつか追加で深掘りしたいポイントや確認したい点が出てきて。調査報告書まで出来上がったタイミングでの相談だったのですが、それにも丁寧かつ柔軟にご対応いただけたのはとてもありがたかったです。

実際にどのようなデータを取得できたのでしょうか?

新田

もともとお願いしていた韓国のDJ機器市場の全体規模に加えて、「トレンド/チャネル別の流通構造の特徴」「消費者動向(オンライン/オフライン)」「人気のある音楽ジャンル」など、非常に多様なデータをいただきました。

中でもオンライン需要の実態は、我々が持っていた肌感覚とは少し違っていました。たとえば「オンライン販売は今後伸びるはず」と思っていた部分が、実際のデータではそれほどでもなかったんです。そのギャップをきちんと確認できたのは大きかったですね。

また、日本市場や他国と比較した音楽嗜好の傾向や消費パターンの違いもあって、非常に参考になりました。韓国単体で見るだけでなく、他地域との対比の中で理解できる構成になっていたのでわかりやすかったです。

「実績ベース」ではなく、根拠を持って「本来あるべき成長目標」を共に目指せるように。

調査の結果を、社内ではどのように活用されたのでしょうか?

木村

いただいた調査データを社内で自社データと照らし合わせて2次分析を行い、そのうえで韓国の販売代理店が目指すべき成長規模を見極めて、中長期的な成長目標を設定しました。現在はその目標を韓国の販売代理店とも共有して日々の事業活動に活かしています。

「もう少し成長できるはず」という韓国市場のポテンシャルに対する感覚はあったのですが、それを客観的なデータで裏付けできたことがとても大きかったです。

販売代理店も、感覚的な提案より、根拠があるほうが納得しやすい。おかげで、高い目標でも一緒に目指していこうという雰囲気を作ることができました。

新田

部内でも「外部調査を元に成長目標を設計する」という事例がなかったので、新鮮な事例として紹介できました。マーケティング部からも「それなら一緒にやりましょう」と支援が得られやすくなったりと、他部門との連携にもポジティブな影響が出ています。

販売代理店に対しては前述したように、調査結果を根拠にした説明ができたことで、単に「もっと売ってください」ではなく、戦略的な会話ができるようになったのも大きいです。

代理店との関係にも変化があったのですね。

新田

最初は「この売上が市場全体では?」という感覚を代理店側も持っていたと思います。しかし、我々が提示したデータをきっかけに「実はこの市場、もっと広がりがあるのでは?」と再認識してくれるようになりました。

また、韓国市場では代理店がダイレクトでユーザーに販売している比率が高いという事実も、調査を通じてわかりました。当初はそのやり方に懐疑的だったのですが、韓国市場ではそれがある種スタンダードであるという商習慣があることもわかったりなど、我々の方も学びが多かったですね。

見えてきた市場構造と、社内に与えた影響。

あらためて今回の調査を振り返って印象に残ったことは?

新田

元々お願いしたのは市場規模の把握だったんですが、その数字の裏側にある要因やトレンド、チャネル別・カテゴリー別の構成などもご提案いただくことで、“単なる数値”ではなく、その意味や背景まで立体的に理解することができました。

最初に、市場規模の金額を見たときには「これは大きすぎるのでは」と正直思ったのですが、細かく調査・分析を進めていくと対象として含まれる機器カテゴリーの定義が広すぎることなどが原因だと分かったりしました。

そういった点も、アクシアマーケティングさんと一緒にすり合わせながら見直して、納得できる規模感に落とし込めたのは大きなポイントでした。

木村

一番大きかったのは、こまめにコミュニケーションが取れたことです。
他社さんだと、最初に依頼して、あとは成果物を受け取るだけ‥‥というケースもあるかと思いますが、途中でのすり合わせがしっかりできたことで、こちらの意図とのズレもなく進められました。

オンラインでの打ち合わせや横浜本社への訪問、メールや電話でも柔軟に連絡をいただけたので、とても安心できました。

韓国以外にも伸ばせる余地がある国は複数ありますし、例えばインドについては、すでに業界サマリー資料を共有いただいて、社内でも活用させていただいています。今回の調査を通して、「この市場はまだ広げられる」ことが実感できたので、今後も地域や市場ごとの分析でご相談できたら心強いです。

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