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Column
2024.10.03
記事の監修者
金田大樹
AXIA Marketing代表取締役
リサーチ会社を活用した経営判断を、日本企業の常識にしていくことがモットー。
鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅から大手調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。
アジアの成長市場を見据えて、今、日本企業がこぞって注目しているのがASEAN(アセアン)。
10カ国からなるこの経済圏は、ビジネスチャンスが豊富ですが、国内とは違う文化や習慣、ニーズに対応するには、十分な準備と市場調査が必要です。
海外展開は国内よりも多くの課題が伴いますが、その分大きな成長を期待できます。
では、アジア進出を成功させるためにはどのような市場調査が必要なのでしょうか?
そこで本記事では、日本企業がASEANをはじめアジア市場で成功するための具体的な市場調査の方法を詳しく解説します。
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ASEANは、東南アジア10カ国で構成される地域協力機構で、近年、日本企業にとって大きな注目を集めています。
しかし、ASEAN市場での成功には、他の市場と同様、しっかりとした市場調査が欠かせません。
実は、進出する地域によって市場調査のアプローチは変わることをご存じでしょうか?
ここでは、ASEANをはじめとする新興市場で、効果的な市場調査を行うためのポイントと手法について詳しく解説します。
ASEAN(東南アジア諸国連合)は、東南アジアの10カ国で構成される地域共同体です。
1967年に設立され、現在の加盟国はブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナムの10カ国です。
ASEANの設立には、主に次の3つの目的があります
ASEAN加盟国は、経済状況や文化が国ごとに大きく異なります。そのため、それぞれの国の特徴を理解し、適切に対応することが重要です。
海外市場調査とは、自社ブランドが海外進出を検討する際に、進出先の地域における市場や顧客について調査することです。
成功するためには、進出先の文化的背景や消費者行動を正確に理解する必要があります。
海外調査で特に重要なポイントは以下の3つです。
これらに加えて、その国や地域の消費者に喜ばれる商品やサービスを提供するための準備も不可欠です。
日本国内での市場調査と比較して、海外の調査は言語や文化の違いなどから難易度が高くなります。
海外事業を成功させるためには、進出前に対象国について十分に理解を深めることが非常に重要です。
ASEAN地域における市場調査の主なポイントは以下の3つです。
市場規模の予測を行うことで、将来期待できる売上高を見積もることができます。また、売上の予測に基づいて、商品の開発から販売までのプロセスを最適化できます。
さらに、対象地域の顧客ニーズを詳細に分析することで、現地の消費者が何を求め、どのような製品やサービスに興味を持っているかを把握できます。
ASEAN地域での市場調査は、各国の経済状況や文化、消費者ニーズを正確に捉えることが、アジア進出の成功の カギとなるでしょう。
自社ブランドがアジア進出をする際には、
上記3つのポイントを意識しましょう。
ポイントを押さえておくことで、最適な市場調査をすることが可能になります。
国や地域によって、文化、習慣、価値観、食生活、宗教などは異なります。
日本で『当たり前』とされていることも、他の国では異なることが多くあります。
このため、価値観は人や国によって異なることを理解し、各分野において市場調査を行うことが重要です。
アジアは世界総人口の約60%を占めており、東アジア、東南アジア、南アジア、西アジア、中央アジアの5つに大きく分類されます。
この広大な大陸には、国や地域ごとに様々な違いがあります。
具体的な違いとしては、次の点が挙げられます。
日本での常識が、そのまま対象国で通用するわけではありません。
これらの違いをしっかり理解しないと、正確で効果的な市場調査を行うことが難しくなります。
各国の現状を把握する際に、次のような視点が重要です。
これらの様々な側面からデータを収集することで、各国が直面している課題や改善の余地をより正確に把握することができます。
各国の問題を把握したら、それらを整理し、優先順位をつけて順番に解決していくことが重要です。
現状を正確に把握することで、適切な市場調査を進めるための基礎を築くと同時に、その国の消費者ニーズや市場の特性も理解できるようになります。
暗黙の了解とは、口に出して明言しなくても、当事者同士で自然に理解されている事柄を指します。
アジア圏における暗黙の了解の例としては、次のようなものがあります。
これらは、特に誰かに教わることは少ないものの、その国の習慣や『常識』として広く受け入れられています。
こうした『当たり前』を理解することで、その国の文化や習慣をより深く知ることができ、それがビジネスを成功させるための重要なポイントになります。
日本企業がASEAN進出している理由には、
これら4つが挙げられます。
高い経済成長率を維持することで、自国を豊かにしていくことが可能となります。
ASEANに進出する際は、十分な市場調査を行うことが重要です。
経済成長率は、一定期間内で国の経済規模がどれだけ変化したかを示す指標です。
成長率が高いと景気が良くなり、物価が上昇しますが、低いと景気が悪化し、物価が下がります。
2022年のASEAN主要6カ国の実質GDP成長率は総じて高く、特にマレーシア(+8.7%)やベトナム(+8.0%)が目立ちます。
人口や労働人口の増加が見込まれることから、ASEAN諸国は日本企業の進出先として魅力的です。
【参考文献:経済産業省(令和5年版 通商白書)】
ベトナムの統計局は、2024年の第2四半期(4月から6月)の経済成長率が前年同時期と比べて6.93%増えたと発表しました。
これは、前の3ヶ月(1月から3月)の成長率5.87%よりも高くなっています。
この高い経済成長率により、ベトナムは世界的に注目されています。
その理由の一つは、他のASEAN諸国と比べて人件費が低く、豊富な労働力を確保できる点です。
さらに、政治的にも安定しており、近年15年間にわたって安定した成長を続けています。
これらの要因から、多くの国際企業がベトナムへ進出し、その結果、さらなる経済成長が促進されています。
投資とは、将来的に利益を得ることを期待して、資本を投入することです。投資を行う際には、自分の資本に見合った商品やサービスを選ぶことが重要です。
シンガポールは、政治と経済が安定したビジネス環境が整っている国です。観光地としての人気も高く、国際金融センターとしての地位も確立しています。
また、シンガポール政府は企業に対して支援を行い、ビジネスの発展を促進する政策を実施しているため、投資先としての魅力が高まっています。
安定した政治と経済、優れた労働力、そして競争力のある税制を備えているシンガポールは、投資を考える際に非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
外資規制緩和とは、外国人や外国企業への投資に対する規制を緩和することです。
外資規制が緩和されると、以下のようなメリットがあります。
最近のコロナ禍において外出規制が緩和されたことで、経済活動が再開し、外資規制緩和が進む中で、観光収入や物資の輸出入が活発になっています。
このセクションでは、ASEAN加盟国の中からベトナム、タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシアの5カ国における企業進出のメリットとデメリットを解説します。
海外進出を成功させるためには、それぞれの国の事情を理解しておくことが重要です。
文化や宗教、金銭に対する価値観が国ごとに異なることを念頭に置きながら、以下の解説をお読みください。
日本企業がベトナムに進出する理由には、『ASEAN加盟国の中で比較的安価な人件費で労働が可能』であることや、『優秀な人材が揃っている』ことが挙げられます。
ベトナムは、外資を積極的に呼び込むための環境が整備されており、進出のチャンスが多く存在しています。
一方で、ビジネスに関する政策や戦略が十分に実行されていないという問題も存在します。このため、具体的な計画や方針を持たないと、進出が難しくなる可能性があります。
ベトナムに進出する前には、現地の情勢や市場をしっかりと確認することが重要です。
企業のベトナム進出が気になる方は、以下をご覧ください。
日本企業がタイに進出する理由には、『タイがアジアにおける投資の中心地であること』や『税制の優遇措置があること』などがあります。
また、現地での調達が容易であることも重要な要因です。これらの要素により、コスト削減や商品の安定供給が可能になります。
一方で、タイでは人口減少や少子高齢化が問題視されています。
人口の変動が大きいと、ビジネスチャンスを失うリスクもあるため、タイ進出を計画する際には、現地の情勢を十分に確認することが重要です。
企業のタイ進出が気になる方は、以下をご覧ください。
日本企業がインドネシアに進出する理由には、『人口が多く市場規模が拡大していること』や『石油や天然資源が豊富であること』が挙げられます。
また、観光業やサービス業において今後も多くの企業が参入することが期待されています。
一方で、インドネシアでは法規制やコンプライアンスの意識が低いという問題があります。
これらの文化的な違いは、海外進出において重要な課題となります。
インドネシア進出を計画する際には、こうした文化の違いにも十分に注意を払うことが重要です。
企業のインドネシア進出が気になる方は、以下をご覧ください。
日本企業がシンガポールに進出する理由は、『ビジネス環境が整備されている』『富裕層向けの生活拠点・消費市場が整っている』という点が挙げられます。
高い経済力を誇り、税制優遇も用意されていることも大きな魅力です。
ただし、豊かな国であるために就労ビザの取得が難しい点や、生活にかかるコストが高くなることが課題となります。
その結果、人件費も高くなることが問題です。
シンガポール進出の際には、金銭面での課題や事業成功の可能性をしっかりと把握することが重要です。
企業のシンガポール進出が気になる方は、以下をご覧ください。
日本企業がマレーシアに進出する理由として、『世界有数の親日国家であること』と『若年層の人口が増加していることにより外資企業の誘致が期待できる』点が挙げられます。
また、日本と比べて安価なコストで企業活動ができたり、法人税の優遇措置が多いことも大きなメリットです。
しかし、日本とマレーシアでは宗教や文化の違いが大きいことに留意する必要があります。
さらに、政策による移民の影響もあり、その理解を深めることが重要です。
マレーシア進出の際には、宗教や政策への理解に加えて、イスラム教の重要な文化行事である『ラマダン』を学ぶことで、よりスムーズに進められるでしょう。
企業のマレーシア進出が気になる方は、以下をご覧ください。
海外調査で大切なのは、その国の特性に合わせた適切なマーケティングや文化、必要な情報を調べることです。
企業が海外で事業を展開する際は、日本国内でのビジネスよりも多くの障壁があります。
対象国の文化や常識を『日本と同じ』と考えてしまうと、成功するための最適な戦略を見つけることは難しくなります。
giftee(ギフティ)はオンラインで手軽にギフトを贈れるサービスです。
これまでマレーシア、ベトナム、インドネシアのASEAN3カ国で展開してきましたが、システム開発を日本国内から海外に広げるため、ベトナムに新しい会社を設立しました。
ベトナムは、2020年にデジタル国家になる計画を立て、2030年までに多くのデジタル企業と人材を育てる目標があります。
このため、優秀な人材が増え、コストも安いことから、海外開発に適した国とされています。また、ベトナムは日本との時差が2時間なので、コミュニケーションが取りやすいです。
これらの理由から、ギフティはベトナムに新しい開発拠点を設けることにしました。
テレビCMでもお馴染みな虫ケア用品を取り扱っているアース製薬。
アース製薬の海外展開は、大きく分けて2つあります。
対象国の消費者が何を求めているかをリサーチし、必要としている商品を届けています。
どちらも最適なマーケティングをし、その国の必要な商品を届けるようにしています。
アジアをはじめとするASEAN進出においては、
上記3つの点を理解していきましょう。
日本国内で事業展開するより、海外展開には壁が存在します。
自社が最適な海外展開をしていけるように、ASEAN諸国の調査は怠らないようにしましょう。
AXIA Marketingでは、海外展開における市場調査をはじめとした最適な市場調査を実現しています。
AXIA Marketingには、市場調査のプロが在籍しております。
予算や市場調査の内容に合わせ、御社が望む市場調査内容になるようにサポートしております。
サービスの詳細については、こちらをご覧ください。
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参考文献
・東南アジア(ASEAN)における日本企業の進出ーその実態と理由とは-FUKAGAWA
・アジア進出を成功させるために市場調査が重要なわけとは-株式会社 未来トレンド研究機構
・東南アジア進出のメリット・デメリットは?ASEAN各国の特徴をまとめてご紹介-HELP YOU
・第2四半期のGDP成長率は前年同期比6.93%、製造業が牽引(ベトナム)- ジェトロ
・ASEAN進出への道はシンガポールから!?投資先としてのシンガポールの魅力とは-日本M&Aマガジン
・ギフティ 初の海外開発拠点となるgiftee Tech Vietnamをホーチミンに設立し2023年9月より本格稼働開始 グローバルな開発体制を構築し拡大するASEAN事業のシステム開発を加速-giftee
・「東南アジアは、虫ケアメーカーに更なる商機あり」虫ケア用品最大手のアース製薬、川端克宜社長 独占インタビュー(後編)-株式会社東京商工リサーチ
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