中小企業が海外進出で直面する課題と解決策とは?市場調査会社の選び方や成功事例も解説

近年、大企業だけでなく、中小企業の間でも海外進出の動きが目立っています。日本政策金融公庫の調査によると、中小企業の18%が海外展開を行っているとのことです(日本政策金融公庫資料)。
このように、グローバル化の進展や国内市場の縮小などを受け、中小企業においても事業拡大のために海外進出を検討する必要性が増してきているのです。
一方で、中小企業の担当者の中には、「海外に進出したいけどそのためのノウハウや人材が不足している」などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、海外進出を検討している中小企業の方に向けて、中小企業が海外進出で直面する7つの課題と解決策を分かりやすくご紹介します。
中小企業が海外進出するメリットや、海外進出に成功した具体的な企業の事例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
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中小企業が海外進出で直面する課題と具体的な解決策

中小企業が海外進出をする際には、様々な課題に直面し得ると考えられます。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
【中小企業が海外進出の際に直面する7つの課題】
- 市場調査のケイパビリティ不足
- 言語や文化の違いといった壁の存在
- 海外事業に対応できる人材確保の困難
- 必要な資金の不足
- 為替変動リスクの存在
- 信頼できる現地パートナーの不在
- 現地の法規制への対応の困難
もっとも、適切な対処法を採ることで、これらの課題は十分に克服することができます。以下では、それぞれの課題と具体的な解決策について解説していきます。
市場調査のケイパビリティ不足
海外進出に失敗しないためには、事前の入念な市場調査が欠かせません。市場調査をしっかりと行ったか否かが、海外進出の成功を左右するといっても過言ではないでしょう。
しかし、市場調査の内容は多岐にわたり、多くの時間やコストがかかることに加え、専門的な知識や経験も必要となります。
そのため、予算や人員が限られた中小企業にとって、十分な市場調査を実施するのは困難である場合も多いです。
市場調査のケイパビリティ不足を補う具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 商工会議所や公的機関(JETRO等)の市場調査レポートなどを収集する
- 市場調査を専門とするリサーチ会社やコンサルティング会社に依頼する
- 市場調査専用のツールやプラットフォームなどを活用する
言語や文化の違いといった壁の存在
言語や文化の違いという壁は、海外進出を進めるほぼ全ての企業が直面する課題といえるでしょう。特に中小企業の場合、社内に英語などの外国語が堪能な人材がいない場合も多く、海外情報の調査や現地の人とのコミュニケーションを困難にする要因となります。
また、現地の文化をしっかりと理解しておかないと、現地の人の慣習にそぐわない事業を立ち上げてしまったり、場合によっては現地の人から反感を持たれる可能性もあります。
言語や文化の違いを乗り越えるための具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 現地の文化に精通した現地スタッフを採用する
- 翻訳ツールを活用する
- 現地の文化について、書籍やインターネット、現地インタビューなどを通じて理解を深める
海外事業に対応できる人材確保の困難
海外で事業を行うための人材不足も、中小企業が抱えがちな問題の一つです。その国の言語が堪能な人、現地の文化・慣習に詳しい人、現地で事業を展開するための手続きや遵守すべき法規制に対応できる人など、海外進出に当たって必要な人材は様々です。
中小企業基盤整備機構が全国の中小企業経営者を対象に行った調査によると、海外展開における課題として、「海外事業に対応できる人材がいない」と回答した人の割合は32.9%に上っています(中小企業基盤整備機構「中小企業の海外展開に関する調査」)。
人材不足を補うための具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 人材紹介会社等を通じて必要な人材を採用する
- 海外進出を支援する専門のコンサルティング会社等に依頼する
- 現地の企業と提携関係を結び、リソース不足を補う
必要な資金の不足
海外進出に当たっては、市場調査費用、現地視察のための渡航費用、登録や許可申請等の手続き費用、諸々の設備投資など、様々な費用が発生します。
中小企業は、資金が潤沢でない場合も多く、資金不足により海外進出を断念せざるを得ないケースも珍しくありません。
資金不足を解消するための具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 政府・自治体・その他の公的機関が提供する助成金や補助金制度を活用する
- 金融機関等から借入れを行う
為替変動リスクの存在
海外で事業を行う際には、為替変動リスクも考慮しなければなりません。現地企業との取引や現地での売上の回収などを行う場合に、為替レートによって最終的な利益が大きく変わり得ます。取引金額が大きくなるほど、その影響は大きくなるため、財務規模が小さい中小企業は特に注意が必要です。
前述の中小企業基盤整備機構の調査においても、為替変動リスクを課題として挙げる中小企業経営者は32.9%に上るなど、大きな課題として認識されています。
為替変動リスクに上手に対処するための具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 為替変動に備えて、多めに資金を見積もっておく
- 金融アドバイザーに助言を求める
- 為替予約などのリスクヘッジ手段を活用する
信頼できる現地パートナーの不在
海外進出を成功させるうえで、信頼できる現地パートナーの存在は極めて重要です。現地でのコネクション構築や販路開拓をする上でも、現地パートナーの援助は欠かせません。
評判や実績が豊富で、世界中に拠点やパートナーを有している大企業であれば、現地パートナーを見つけることも比較的容易でしょう。しかし、評判・実績やネットワークに乏しい中小企業の場合、適切な現地パートナーをなかなか見つけられないことも珍しくありません。
前述の中小企業基盤整備機構の調査によれば、海外展開を実現できた要因として、信頼できる現地パートナーの存在を挙げる経営者は54.9%にもおよんでいます。それくらい現地パートナーの存在は重要なのです。
信頼できる現地パートナーを見つけるための具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 商工会議所やJETROなどの支援機関からパートナーを紹介してもらう
- 現地の見本市や展示会に参加してコネクションを構築する
- 海外進出支援を手掛けるコンサル会社に相談する
現地の法規制への対応の困難
現地の法規制は、海外に進出する際に考慮すべき重要な要素の一つです。日本では当たり前に認められていることが、海外では規制されているなど、思わぬ法規制の罠にはまってしまうことも少なくありません。
法規制を遵守するために、許認可やライセンスの取得や特定の設備の導入が必要となる場合もあります。特に中小企業の場合、資金不足やノウハウの不足により必要な許認可が取れなかったり、法が定める基準を満たず事業を行うことができなかったりするケースも想定されます。
現地の法規制に対応するための具体的な解決策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 弁護士・会計士・税理士などの専門家に相談する
- JETROなどの公的機関が発行しているガイドラインなどを参考にする
- 現地企業のサポートを得て、必要な許認可等を取得する
中小企業が海外進出する5つのメリット

上述したように、中小企業が海外進出を目指す際には、多くの課題・困難が待ち受けています。しかし、海外進出には、上記の課題を補って余りあるほどの多くのメリットがあります。主なメリットは以下の通りです。
【中小企業が海外に進出する5つのメリット】
- 新たな販路・顧客を獲得できる
- 新しい技術・知見を獲得できる
- コストの削減につながる
- 税制優遇措置を受けられる場合がある
- 評判や知名度の向上につながる
新たな販路・顧客を獲得できる
海外で事業展開することで、新たな販路を開拓し、自社の顧客を増やすことが可能となります。日本国内の人口が減少し、市場も縮小している中、海外に目を向けて事業拡大を目指すことは、全ての企業が検討すべき重要な取り組みといえるでしょう。
日本企業では当たり前のように浸透している製品/サービスが海外では未開拓であったり、日本の高品質で安価な製品が海外で高い評価を受けるケースも珍しくありません。
中小企業であっても、その高い技術力が評価され、世界で大きなシェアを獲得することに成功した事例が数多く存在します。
新しい技術・知見を獲得できる
新たな市場で事業を展開することで、その経験でしか得られない新しい技術や知見を獲得できる可能性があります。現地企業と提携することでその企業独自のノウハウを吸収することもできるでしょう。
また、このような海外進出で獲得した技術や知見を国内の事業にも活かすことで、自社のビジネスを何段階もパワーアップさせることが可能となります。例えば、先進国市場で最新の製造技術を導入して国内での生産性を高めたり、海外で成功している販売戦略やプロモーション手法を取り入れて自社の販売力を強化したりすることが考えられます。
資金やノウハウの乏しい中小企業だからこそ、まだ誰も開拓していない海外市場に乗り出し、そこでしか手に入らない技術を手に入れ、それを日本に持ち帰ることで、自社のビジネスを大きく飛躍させるチャンスとなるのです。
コストの削減につながる
海外に拠点を設けてビジネスを行うことでコストを削減できる場合があります。例えば、原材料の現地調達や物流コストの削減により、製品を製造するための原価を下げることが可能となります。
また、人件費が安い東南アジアなどの地域に工場を建設することで、人件費を抑えながら効率よく生産を実施することもできます。
海外進出に当たっては、現地法人の設立費用や各種調査費用など、一時的な初期費用がかかります。しかし、海外進出により人件費や原材料費などの固定費の削減につながるのであれば、中長期的に見れば、コストの削減につながる可能性もあるのです。資金力に乏しい中小企業だからこそ、コスト削減のために海外進出をするという方法も一度は検討して見ることが重要です。
税制優遇措置を受けられる場合がある
特定の国や地域では、外国企業を誘致するために積極的な税制優遇措置が設けられていることがあります。
一定の期間法人税を免除する制度、特定の業種について低い税率を設定するルール、現地政府の補助金を受けられる制度など、国・地域ごとに様々な優遇措置が設けられています。
海外進出に当たっては、事前にその国の税制を調査し、どのような優遇措置が設けられているか、それが自社にも適用されるかを確認しておくと良いでしょう。資金が乏しい中小企業にとって、このような優遇措置をフル活用することは極めて重要です。
評判や知名度の向上につながる
海外に進出することで、国際的な評価を得られ、企業の知名度やブランド価値を高めることができます。評判や実績の乏しい中小企業にとって、このメリットは看過できません。中小企業の中には、日本よりも海外において高い知名度を獲得した企業もあります。
また、海外での成功が国内での評判にもつながり、知名度のさらなる向上や新たな顧客獲得につながる場合もあります。海外でも受け入れられたことが品質保証になり、顧客やパートナーからの信頼を得やすくなることも考えられます。
中小企業が海外進出する際に重要な市場調査会社の選び方
中小企業が海外進出する際、海外市場調査は欠かせません。また、この海外市場調査の結果を有効なものにするため、自社の調査ニーズに対応できる市場調査会社を選ぶことが重要です。
ここでは、市場調査会社の選び方として、4つのポイントを解説します。
品質管理は徹底されているか
選び方のポイントの1つ目として、「調査結果の品質」です。調査結果の品質は、その結果を受けて海外進出する中小企業へダイレクトに影響します。
品質のチェックポイントには、調査の設計内容、連携する現地パートナー、現地での調査、翻訳の品質があります。特に、翻訳は単に現地の言葉に翻訳できれば良いというわけではありません。
現地には日本とは異なる価値観や文化、商慣習があります。日本語をそのまま翻訳してしまうと現地人のそれらと合わず通用しない場合もあります。インタビュー調査する時は、現地人に「質問の意図がきちんと伝わる」翻訳力が必要です。
そのため、現地事情に詳しかったり、現地の言葉が堪能だったりするスタッフがいるか、バックトランスレーション(逆翻訳)して、意図した内容になるか、などを確認すると良いでしょう。
海外市場調査の実績は豊富か
選び方のポイントの2つ目として、「海外市場調査の実績」です。調査会社によっては海外市場調査よりも国内市場調査の方に強みがある会社もあります。そのため、まずは海外市場調査の実績がどのくらいあるか確認しましょう。
次の確認ポイントとしては、自社が海外進出を考えている国の調査実績の有無です。海外市場調査の実績があっても、海外進出を考えている先の国の実績が乏しい場合もあります。
現地における競合や消費者ニーズ、現地の法手続きや商慣習、文化について、事情を熟知したスタッフがいれば、調査対象国に合った調査設計やオペレーションを期待できます。
調査ができる地域は多いか
選び方のポイントの3つ目として、「調査可能地域の多さ」です。海外進出を考えているが、自社の製品・サービスをどの国へ展開するか決めていない場合、海外市場調査依頼時に多くの国や地域を調査できる調査会社を選びましょう。
調査可能な国や地域の対象が少ない場合、自社の製品やサービスが現地人に受け入れられるかもしれないところが対象外になってしまうこともあるでしょう。
自社の製品・サービスがよりマッチした国や地域へ展開できるよう、調査可能な対象範囲について事前に確認しておくと良いでしょう。
パネル数は豊富か
選び方のポイントの4つ目として、「パネル数」です。パネルとは調査対象者を固定(パネル化)するという意味があり、同じ対象者に一定期間にわたり同じ質問を実施するネットリサーチ手法です。
パネル調査と呼ばれ、対象者を固定して一定期間実施することで、消費者ニーズの変化を捉えることができます。企業はその結果を、消費者ニーズの把握や事業計画の立案に向けた市場調査、販売・広報戦略の策定などに活用できます。
さまざまな消費者動向を捉えるには調査可能な多くのパネル数が必要です。そのため、パネル調査がある場合は、パネル数を確認すると良いでしょう。
海外進出に成功した中小企業の成功事例9選
様々な困難に直面しながらも、海外進出に成功した中小企業も数多くあります。ここでは、海外進出に成功した日本の中小企業の事例を9つご紹介します。
- NIPPRA
- カネカ
- 竹中製作所
- アグベル
- アイオニック株式会社
- エーエスジェイ株式会社
- 株式会社べアレン醸造所
- 株式会社マブイストーン
- 株式会社花善
ぜひ、海外進出を検討する上で参考にしてみてください。
【NIPPRA】アクアウォールで世界シェア7割を達成

NIPPRAは、水族館の水槽などに使われるアクリルパネルの製造を手掛けている香川県の会社です。「アクアウォール」と呼ばれる高品質の水槽用大型アクリルパネルは、水槽用大型パネルの分野で7割の世界シェアを誇っています。世界60ヵ国以上の水族館、テーマパーク、商業施設などに納入してきた実績があります。
耐久性と透明度の両立を実現した品質の高さで他の企業を圧倒し、世界トップシェアにまで上り詰めました。2014年に中国の水族館に納入した水槽は、1枚のアクリルパネルとして世界最大のサイズとして、ギネス世界記録にも登録されました。
無名の中小企業だったNIPPURAが海外で広く受け入れられるようになったのは、アクリル層を何層も積み重ねながら透明度を維持するという他者も真似できない技術を、根気強く説明し、理解を得たからでしょう。このように、無名の中小企業であっても、その高い技術力をしっかりと伝えることができれば、海外で成功するチャンスは十分にあるのです。
【カネカ】海外に研究所を設置し、現地の知識を取り入れた開発を実施

大手総合化学メーカーであるカネカは、北米・欧州・アジア・アフリカなど世界中に現地法人やネットワークを有し、事業を展開しています。海外の20カ国において、約50の子会社や事業所を設置し、3000名の従業員が海外で働いています。
地域にあった化学製品やソリューションを提供しているだけでなく、研究開発拠点を開設して現地企業の技術も取り入れた新製品の開発を行ったり、グローバル人材を育成したり、海外企業のM&Aやアライアンス強化を行ったりなど、様々な取り組みを推進しています。
また、地域ごとに統括会社を有し、それぞれの地域に合ったビジネスを展開しています。例えば欧州では、バイオ医薬事業や環境関連製品の展開に取り組んでいます。一方、アメリカではM&Aやアライアンスを活用してヘルスケアやエレクトロニクス領域での大型ビジネスに挑戦しています。
【竹中製作所】サビないボルトがUAEで高評価を得る

ボルト/ナットや電子機器の製造を手掛け、大阪に本社を構えている竹中製作所は、2016年にアラブ首長国連邦において現地法人を設立し、事業展開しています。
現地の政府機関のサポートも受けつつ、現地企業と共同で現地法人を設立し、石油プラント向けに金属コーティングサービスなどを提供しています。現地製造が可能になったことで即納が可能となり、納期遅れにより競合他社に先越されるという問題を解消することができました。竹中製作所によるサビないボルト/ナットは、現地企業からも高く評価されています。
竹中製作所は、国際的な競争市場でも通用する高い技術力を証明したことが評価され、海外事業に取り組む中小企業を表彰するグローバル大賞2024において、「ニッポン新事業創出大賞 グローバル部門」の最優秀賞を受賞しました。
【アグベル】自社独自のルートでぶどうを海外に輸出

アグベルは、ぶどうの生産・販売などを通じて、農業の活性化を目指す山梨県の中小企業です。ぶどう生産量日本一を誇る山梨県において60年以上もぶどう農家を続けています。
アグベルは、自社独自の輸出ルートを活用して、2019年から、タイ・香港・台湾などのアジア諸国を中心に、ぶどうの海外輸出も行っています。2020年度には、山梨県から台湾へのぶどう輸出量のうち7割をアグベルのぶどうが占めるなど、高い存在感を示しています。
アグベルは、近隣の農家をまとめ上げて出荷組合を形成し、梱包や発送まで一括で行う仕組みを構築しています。これにより、生産者の負担を軽減しつつ、産地直送によるリードタイムの最小化を実現しました。
今後は、ぶどうを食べたことがない国・地域の人々にもぶどうを輸出し、アグベルのぶどうの価値を世界中に広めることを目指しているとのことです。
【アイオニック株式会社】柔軟に海外市場のニーズに合わせ歯ブラシを販売
アイオニック株式会社は千葉県に本社を置く、イオン歯ブラシの製造会社です。主力商品は1994年の発売以来、累計販売本数3億本を超える「KISS YOU」です。
同社は企業理念にあるとおり、オーラルケア商品を通して、世界中の人々に愛される会社になることを目指し、海外展開にも力を入れています。1991年にオーストラリアへ進出して以降、アメリカ、ブラジル、中国、台湾、タイなどにも進出しました。
2018年にはセルビアの企業とパートナーシップ契約を締結し、セルビアを拠点としたヨーロッパ21か国への展開も進んでいます。なお、間接販売を含め50か国近くの国へ輸出しています。
同社の海外展開の特徴は、海外市場のニーズに柔軟に対応し、それぞれの地域で販売パートナーを作り代理店契約を結び展開していることです。
【エーエスジェイ株式会社】専門家の支援でCSRから融資を得て成功
エーエスジェイ株式会社は宮城県に本社を置き、水処理機器販売などを主力事業とする会社です。
日本国内ではキレイな飲み水や豊富な水源がありますが、世界では飲み水の確保が難しい国や地域も存在します。インドネシアもそのような国の1つです。インドネシアは急速な経済成長が進む一方で、河川の汚染が深刻な問題となっています。
同社はキレイな水へのアクセスを可能にするためにクラウドファンディングを活用して、インドネシアにある寄宿学校への水処理機器の設置に成功しました。この取り組みは企業のCSR活動の意味合いも強く、現地の材料や人材を活用して継続的に利用できるような仕組みを構築しました。
同社の成功要因の1つには、外部の支援機関などの専門家から支援やサポートを得ながら、現地との信頼関係を慎重に構築したことなどがあります。
【株式会ベアレン醸造所】専門家からの情報や市場調査で販路拡大
株式会社ベアレン醸造所は岩手県に本社を置く、手造りの本格ビールを製造しているビールメーカーです。
同社は地元に根差したビールメーカーでしたが、日本外国特派員協会主催の第1回世界に伝えたいクラフトビールでグランプリを受賞したことがターニングポイントとなりました。
ここから同社は社内に海外進出担当者を新たに決め、外部の支援機関から支援を受けたり提供された情報の活用を始めたりしました。これにより、オーストラリアからの受注に繋げられ、徐々に販路を拡大しています。
現在の海外売上割合は全体の1%程度ですが、同社では10年近くかけてこの割合を10%まで上げるというのが今後の展望です。これを実現するために、クラフトビールの本場であるアメリカへの輸出に注力し認知度の向上を図っています。
【株式会社マブイストーン】現地向けにカスタマイズしたストーリー制作

株式会社マブイストーンは沖縄県に本社を置き、ローカルキャラクター「琉神マブヤー」を中心とした番組制作やイベントの企画・運営を手がけています。
同社の海外進出のきっかけは上海フィルムマートへの出展です。上海フィルムマートとは、上海国際映画祭と併せて開催される映像マーケットです。マブイストーンは同イベントへの出展から、琉神マブヤーを、進出先の各国の風土・文化に対応したヒーローに改訂し、現地でのテレビ放送やグッズなどの販売に繋げ成功しました。
始めは自社単独で現地での契約などしていたため、スキーム作成には苦労していますが、国際弁護士など各専門の支援を受け海外進出を軌道に乗せました。
また、同社の成功要因の1つには、事前の現地調査を綿密に実施したことがあります。現地の文化や価値観に合わせカスタマイズしたストーリーを制作することが現地の人に受け入れられたポイントです。
【株式会社花善】現地調達による地産地消で成功
株式会社花善は秋田県に本社を置く、お弁当製造販売の会社です。明治32年に創業し、主力商品は誕生から70年経つ「鶏めし」です。
同社の海外進出のきっかけは地元の子どもたちへの希望になることです。地元にいても成功体験を経験できることを伝えたいという想いがあり、同社の海外進出への挑戦が始まりました。
進出先候補はフランス・パリです。花善は駅弁を主力とするため鉄道網がしっかりしており、なおかつ「BENTO」という日本語が浸透しているパリにターゲットを絞り、現地の弁当ニーズなどを調査しています。
材料を取り揃える上では輸入制限があり、主力の鶏めしの味を再現するのに苦労がありました。しかし、現地の材料を使った鶏めしを完成させ、2018年にパリを中心に開催された「ジャポニスム2018」で現地の人に受け入れられ、同社の海外進出は成功しました。
同社の成功要因の1つには、調査会社や支援機関から現地の規制や労務で気を付けるべき点についてのノウハウと指導を受け、海外進出を進めたことが挙げられます。
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世界中に計50万名規模の有識者ネットワークを有しており、公開情報では知ることのできない現地の深い情報まで徹底的にリサーチ・分析し、海外進出の検討をサポートします。
中小企業ならではの課題や目的に寄り添った丁寧なサポートを行っていきますので、海外進出が初めての方でも安心です。
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