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海外調査の事例多数

日本企業のグローバルマーケティング成功事例15選|成功の共通点も紹介

グローバルマーケティング 日本企業

グローバルマーケティングとは、海外において製品やサービスを販売するためのマーケティング戦略のことです。

海外において製品やサービスを販売する場合には、その国・地域の特性を考慮したマーケティングを実施することが重要となります。日本でうまくいった方法が海外でうまくいくとは限らず、国や地域に応じて適切に戦略を立案することが重要となるのです。

一方で、「海外でモノを売りたいけど、どのようなマーケティング戦略を採ればよいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、製品やサービスの海外展開を検討している方に向けて、日本企業によるグローバルマーケティングの成功事例を全部で15事例ご紹介します。他社の事例を幅広く検討することで、自社製品の海外展開に当たってのヒントが得られるでしょう。

グローバルマーケティングを成功させるためのポイントも解説しておりますので、ぜひ最後までお読みください。

そもそもグローバルマーケティングとは?

そもそもグローバルマーケティングとは?

グローバルマーケティングとは、より広い世界市場でビジネスを展開するためのマーケティング戦略のことです。

海外において自社の製品やサービスを提供する際には、その国・地域特有の文化や風習を考慮し、現地の人のニーズに応えた製品・サービスへとカスタマイズすることが重要となります。

グローバルマーケティングで成果を上げるためには、事前の市場調査やニーズ調査が不可欠です。海外展開に成功した企業はいずれも、本格的な事業展開前に入念な市場調査・現地調査を行い、現地の人々のニーズを正確に把握することで、現地で受け入れられる製品・サービスの開発に成功しています。

日本企業のグローバルマーケティング成功事例15選

グローバル化の流れを受けて、大企業だけでなく中小企業も含む多くの日本企業が海外に進出しています。その中でも、巧みなグローバルマーケティング戦略により成功を収めた日本企業の事例を15事例ご紹介します。

  • 【ファミリーマート】世界中にコンビニ店舗を展開
  • 【日清食品】カップヌードルを世界に広めることに成功
  • 【アサヒビール】地域ごとに異なる戦略を推進
  • 【資生堂】各国の地域本社が独自の責任・権限のもと事業を展開
  • 【キッコーマン】日本の醤油の魅力を世界中に浸透させることに成功
  • 【メルカリ】フリマアプリでいち早く海外展開し市場をハック
  • 【ニコン】半導体関連製品で海外売上高比率8割を達成
  • 【ヤマハ】グローバル楽器市場でシェアNo.1を獲得
  • 【シマノ】スポーツ自転車用部品で世界シェア獲得
  • 【オプテックス】自動ドアセンサーで世界シェアNo.1
  • 【レーザーテック】半導体欠陥検査装置でシェア100%達成
  • 【ケーエムエフ】ジェトロの支援のもと、インドネシアで成功
  • 【太陽刷子】ベトナム中心にオーラルケア製品を生産・販売
  • 【サイバール】ニーズ調査を踏まえて米国Amazon販売で成功
  • 【Brave group】VTuberを世界に広める

【ファミリーマート】世界中にコンビニ店舗を展開

【ファミリーマート】世界中にコンビニ店舗を展開
引用:ファミリーマート公式サイト

大手コンビニエンスストアのファミリーマートは、世界中に店舗を展開しています。1988年に台湾に海外初の店舗を開店したことをきっかけに海外進出を拡大してきました。韓国、タイ、中国、アメリカ、ベトナムなど多くの国と地域に店舗を開設し、2012年には国内外合計で店舗数20,000店を突破しました。

ファミリーマートは、原則として、現地の企業と合弁で事業会社を設立し、店舗展開を行なっています。これにより、現地の食文化や生活様式に合った製品ラインナップを取り揃えることが可能となり、販売数の確保につながっています。また、「ファミリーマートグローバルワークショップ」というブランディング活動を定期的に行うなど、世界的な知名度向上のための取り組みにも力を入れてきました。

また、2024年11月には、ファミリーマートのオリジナルアパレルブランドである「コンビニエンスウェア」の台湾進出を発表するなど、コンビニ店舗だけでなく周辺事業の海外拡充も企図しています。

【日清食品】カップヌードルを世界に広めることに成功

【日清食品】カップヌードルを世界に広めることに成功
引用:日清食品公式サイト

日清食品は、カップヌードルを世界中で販売しています。発売50年を迎えた2021年には、世界累計販売が500億を達成するなど、インスタントラーメンとしてNo.1の地位を築き上げています。北米、中南米、アジア、ヨーロッパの各地域ごとに、市場や消費者ニーズに合わせてブランドを多様化したことで、世界100カ国以上で販売されるに至りました。

日清食品は、カップヌードルを海外に広める上で様々な工夫を行ってきました。現地の味を再現した地域最適な商品設計を行ったり、M&Aやアライアンスを活用して効率的に販路を拡大したのは、その例です。

また、日清食品は、2030年に海外利益構成比45%達成を目指しており、カップヌードルをグローバルブランドとして全世界に浸透させるための戦略案を策定しています。

【アサヒビール】地域ごとに異なる戦略を推進

【アサヒビール】地域ごとに異なる戦略を推進
引用:アサヒビール公式サイト

アサヒビールは、ヨーロッパ、オセアニア、東南アジアにおいて事業基盤を構築しており、ビールを中心とする飲料を販売しています。

アサヒビールは、地域の特色に合わせて、以下の通り、様々な戦略を掲げています。

【ヨーロッパ】

ノンアルコールビールやクラフトビールなどの付加価値の高い商品の展開や、再生可能エネルギーを活用したリサイクル可能な容器の利用促進などに取り組む

【オセアニア】

健康をアピールした低アルコール飲料やノンアルコールビールの販売強化、サプライチェーンの改革などに力を入れる

【東南アジア】

特に成長著しいマレーシアでのブランド強化、植物由来食品などの新たな領域への拡充、地元での原材料調達による地域との共創などに力を入れる

 

地域の特色をとらえた柔軟な販売戦略により海外での売り上げを順調に伸ばし、2023年度には、海外での売上が国内での売上を上回るに至りました。

【資生堂】各国の地域本社が独自の責任・権限のもと事業を展開

【資生堂】各国の地域本社が独自の責任・権限のもと事業を展開
引用:資生堂公式サイト

資生堂は、中国、アジア太平洋、アメリカ、ヨーロッパの各地域に地域本社を有しており、グローバルな経営体制を構築しています。地域本社それぞれが独自の権限と責任を持ち、地域に根ざした戦略により、自社ブランドの拡充に努めています。

例えば、アメリカでは、現地のブランドとライセンス契約を締結したり、現地ブランドを買収したりして、ブランドポートフォリオの強化に努めています。中国では、デジタルマーケティングやEコマースを強化するとともに、大量売上が見込める「独身の日」に向けた大量販売戦略を採っています。

また、資生堂は、スキンケアやメイクアップなどの各領域について、それぞれの最先端を行く地域から市場調査や情報収集を行っています。例えば、スキンケアであれば日本、メイクアップであればアメリカ、フレグランスであればヨーロッパなど、世界最先端の知見を取り入れて自社戦略に活用しています。

これらの取り組みの結果、2022年には、中国での売上が日本の売上を上回るとともに、アメリカやヨーロッパでもそれぞれ売上1000億円を超えるなど、海外での売上が収益に大きく貢献しています。

【キッコーマン】日本の醤油の魅力を世界中に浸透させることに成功

【キッコーマン】日本の醤油の魅力を世界中に浸透させることに成功
引用:キッコーマン公式サイト

醤油メーカーとして日本で第一線を行くキッコーマンは、海外にも事業を展開し、自社の醤油を広めることに成功しています。海外での本格的な事業展開を始めてから50年以上が経過し、今では世界100カ国以上でキッコーマンの醤油が親しまれています。

キッコーマンは、現地の食材や料理と醤油の相性をうまくアピールすることで、海外の人にも醤油の魅力を伝え、現地の食文化に浸透させることに努めました。現地の工場では、できるだけ現地社員を登用するなど、地域密着型の経営を心掛けることで、地元の理解を得ながら販売を拡大していくことに成功しています。

また、日本食文化の魅力を伝えることと、醤油の魅力を伝えることは両立するという考えのもと、日本食材を中心とする東洋食品の卸売事業にも力を入れています。米、みそ、のりなど多種多様な食材を世界中に広めています。

【メルカリ】フリマアプリでいち早く海外展開し市場をハック

【メルカリ】フリマアプリでいち早く海外展開し市場をハック
引用:メルカリ公式サイト

オンライン上でフリーマーケットを運営するメルカリは、世界的なEC市場規模の拡大を受けて、2019年から、越境販売を開始しています。メルカリへの海外アクセス数が急増していたことも、海外ニーズを察知する手掛かりとなりました。

その後コロナ禍での巣ごもり需要の増加も追い風となり、順調に会員数を増やし、現在では、70以上の越境EC事業者と連携し、約120の国と地域の人々に利用されています。

2024年8月には、越境取引を通じて台湾への進出を果たしました。これにより、台湾在住の人でもメルカリに会員登録をして日本で出品された商品を購入できるようになりました。「美露可利」という繁体字名も新たに設定し、現地でのブランド強化施策を進めています。

台湾は、伝統的に親日の国家であり、日本の商品が受け入れられやすい市場であることから、多くの利用者を確保できると期待されています。一定期間内に会員登録した方に、ギフトカードをプレゼントするというキャンペーンも行うなどの取り組みも功を奏して、多くのユーザーを獲得することに成功しました。

メルカリが成功した背景には、フリマアプリという新しいビジネスをいち早く海外に広め、競合を抑えることができたことや、国や地域に応じて製品ラインナップをローカライズしたことなどが挙げられます。

【ニコン】半導体関連製品で海外売上高比率8割を達成

【ニコン】半導体関連製品で海外売上高比率8割を達成
引用:ニコン公式サイト

カメラのメーカーとして日本のトップを走るニコンは、海外でも知名度が高く、海外売上比率は8割を達成しています。米国、ヨーロッパ、中国などの主要各国・地域に満遍なく製品を展開しており、グローバル企業として存在感を増しています。

ニコンは、アメリカ、ドイツ、中国、韓国、台湾、シンガポール、マレーシアに現地法人を設立しており、半導体装置の保守サービスの提供や中古機の販売を行っています。

スマートフォンの普及等によりカメラ市場が縮小している中、近年ますます需要が高まっている半導体関連のサービスを中心に海外で事業展開を行うことで、売り上げの拡大を目指していく狙いがあると考えられます。

【ヤマハ】グローバル楽器市場でシェアNo.1を獲得

【ヤマハ】グローバル楽器市場でシェアNo.1を獲得
引用:ヤマハ公式サイト

楽器の製造販売を手掛けるヤマハは、海外においても楽器の販売を行っています。北米、中南米、アジア、ヨーロッパ、アフリカなど世界中の国や地域に拠点を有しています。

2024年3月期には、海外での売上比率が75%に達するなど大きな収益を上げることに成功しました。今では、グローバル総合楽器市場でのシェアはNo.1を誇っており、特に電子ピアノやキーボード等の電子楽器において、世界の半分程のシェアを獲得しています。

近年では、インドや東南アジアなど、経済成長の著しい新興国において、家計に余裕がある家庭も増えていることに鑑み、今後は、これらの地域での販売を強化していくとのことです。すでにインドでは工場を新設し、生産稼働を開始しています。

また、現地での販売会社設立や、現地サプライヤーとの関係構築も進めており、新興国においても、安定して生産販売できる体制を構築しつつあります。

【シマノ】スポーツ自転車用部品で世界シェア獲得

【シマノ】スポーツ自転車用部品で世界シェア獲得
引用:シマノ公式サイト

自転車用部品や釣具の製造を手掛けるシマノは、スポーツ自転車用部品で世界シェアを誇っています。世界中に約50の拠点を構え、海外での売上比率は90%に達するなど、海外での活躍が目覚ましく、海外で働く人材の採用にも力を入れています。

地道な現地調査を経て、自転車用部品のニーズや市場規模を把握し、1965年に、アメリカで現地法人を設立したのが海外進出の先駆けでした。徹底した調査により流行を予測し、いち早く参入したことで、世界シェアを獲得するに至りました。

シマノは、「チームシマノ」という概念を掲げ、世界中の全従業員が、品質方針や環境方針に関する共通理解のもとに行動することを目指しています。

【オプテックス】自動ドアセンサーで世界シェアNo.1

【オプテックス】自動ドアセンサーで世界シェアNo.1
引用:オプテックス公式サイト

オプテックスは、防犯用センサーや自動ドアセンサーなどのセンサーを製造する滋賀県のメーカーです。海外にもグループ会社を28社保有し、95の拠点から全世界に製品やサービスを提供しています。

オプテックスは、複数の製品において世界No.1のシェアを獲得することに成功しています。日本の高度なセンサー技術は世界的にも高い評価を受けています。オプテックスは、いち早くその可能性に気づいて海外に本格参入をしたことで、圧倒的な地位を築くことに成功しました。

2023年度の売上高では、海外の割合が半分を超えるなど、順調に売上を拡大しています。中小企業でも、ニッチな分野における卓越した技術力をうまく広めることができれば、海外で成功するチャンスを十分に得られることが分かる事例です。

【レーザーテック】半導体欠陥検査装置でシェア100%達成

半導体関連装置やレーザー顕微鏡などの製造を手掛けるレーザーテックは、海外売上比率80%以上を誇るグローバル企業に成長しています。サムスンやTSMCなどの国際的な一流メーカーに検査・計測装置を提供しています。

アメリカ、中国、台湾、韓国、シンガポールに現地法人を有するほか、台湾やシンガポールでは代理店と契約しています。特に、マスク欠陥検査装置と呼ばれる半導体関連装置で100%のシェアを誇るなど、ニッチな分野での地位確立に成功しています。

レーザーテックは、進化が激しく競合が常に入れ替わる半導体市場を細かく観察し、付け入る隙を狙っていました。そんな中、わずかな欠陥も見逃せない精密さが求められる半導体製造現場のニーズをとらえ、微細な欠陥を感知できる高精度な検査装置の開発に至りました。この精度の高さが世界中の半導体メーカーから評価され、市場シェア100%を達成したと考えられます。

【ケーエムエフ】ジェトロの支援のもと、インドネシアで成功

【ケーエムエフ】ジェトロの支援のもと、インドネシアで成功
引用:ケーエムエフ公式サイト

建築・土木向けコンクリート製品用の鋼製型枠で国内No. 1のシェアを誇るケーエムエフは、インドネシアに販売会社と製造会社を設立し、現地での製造を開始しています。

ケーエムエフは、もともと国内においてインドネシアの技能実習生を受け入れていました。実習生の働きぶりに感心する中で、インドネシア現地にも働く場を作りたいという思いから、進出を決めたとのことです。

進出に当たっては、ジェトロの支援を受け、市場調査を行いました。調査により、インドネシアにおいて同業のメーカーがほとんどないことが分かったり、中国やタイから輸入した質の低い鋼製型枠を修理する機会を発見するなど、大きなビジネスチャンスを捉えることに成功しました。

現地工場では、日本で技術を磨いたもと技能実習生も雇用されており、品質の高さが現地から高い評価を得ています。今後も、雇用枠の拡大やインドネシア技能実習生との交流拡大などにより、インドネシアでのビジネスの拡充を目指していくとのことです。

【太陽刷子】ベトナム中心にオーラルケア製品を生産・販売

太陽刷子は、歯ブラシや歯間ブラシなどのオーラルケア製品を生産・販売しているメーカーです。ベトナムなどの東南アジアを含む世界中に自社製品を販売しています。

2013年にはベトナムのホーチミン近郊に現地法人を設立し、現地でOEM生産を開始しました。日本と同じ設備や検査基準をそのままトレースし、徹底した品質管理によって日本の高品質製品を忠実に再現することにこだわっています。

ベトナム工場では、自社ブランド「SunPearl」やドラえもんのデザインを使った子供用歯ブラシなどを生産し、ベトナム国内だけでなく日本市場向けにも販売しています。

【サイバール】ニーズ調査を踏まえて米国Amazon販売で成功

タオル製品や生活雑貨のEC販売を行うサイバールは、2023年にアメリカのAmazonを通じた自社ブランドのEC販売を開始しました。

EC販売に特化しているサイバールでは、特にAmazonを通じた売上が大きな割合を占めています。国内のAmazon販売で培った販促などの知見やノウハウをアメリカのAmazon経由販売でも活用できると考え、参入に至りました。

サイバールは、出品前に、アメリカのAmazonで商品検索を行い、ヒット数などから市場規模を推定するなど、ニーズ調査を入念に行いました。また、競合の商品を調べることで自社のポジショニングを検討し、自社の強みを取り入れつつ海外顧客にも受け入れられるデザイン企画や価格設定を行いました。

これらの入念な市場調査と創意工夫により、アメリカAmazonでの販売拡大と高評価の獲得に成功したのです。

【Brave group】VTuberを世界に広める

【Brave group】VTuberを世界に広める
引用:Brave group公式サイト

Brave groupは、VTuber事業やメタバース事業などを展開しているスタートアップで、海外にも積極的に進出しています。

2023年にはアメリカのサンフランシスコに現地法人を設立し、英語圏に特化したVTuberプロジェクトを立ち上げ、2名のVTuberをデビューさせました。その後、イギリス、タイ、中国にも次々と現地法人を設立し、海外でのVTuber事業を拡大しています。

また、英語圏、中華圏、ヨーロッパを対象にグローバルオーディションを開催し、約20名の海外VTuberをプロデュースするなど、拡大するVTuber領域で大きな存在感を示しています。

2024年には、東京ニュービジネス協議会が主催する、革新的な海外事業を展開している企業を表彰するグローバル大賞において、特別賞を受賞しました。日本の二次元コンテンツの魅力を世界に発信し、成功していることが高く評価されています。

グローバルマーケティングに成功するための3つのポイント

グローバルマーケティングに成功するための3つのポイント

グローバルマーケティングを成功させるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。その中でも、グローバルマーケティングに成功した企業に共通するポイントとして、以下の3つが挙げられます。

【グローバルマーケティングで成功するために重要なポイント】

  • マーケティングリサーチをしっかりと行う
  • 現地の生活・文化に合わせてローカライズする
  • マーケティングに関する現地法規制を確認する

マーケティングリサーチをしっかりと行う

グローバルマーケティングに取り組む前提として、事前にしっかりとマーケティングリサーチを行っておくことが重要です。主なリサーチ項目としては、人口・市場規模・トレンドなどの基本情報に加え、現地消費者のニーズ、生活習慣、文化、消費活動などが挙げられます。

企業がグローバルマーケティングに失敗するよくあるパターンとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 販売した製品がその国の人々の生活や文化に合わず、ほとんど売れなかった
  • 販売形態や宣伝のためのチャネルを誤り、広告費用を無駄に投下してしまった

これらの失敗は、事前に入念なマーケティングリサーチを行うことで回避することができ、その意味でもマーケティングリサーチは非常に重要です。

マーケティングリサーチの初期段階では、外務省やJETROなどの公的機関が発行する資料や、書籍・インターネット・SNSなどの公開情報の収集から開始することから始めましょう。

その後、本格的にグローバルマーケティングを進める場合には、非公開情報も含めた調査や客観的な視点からの分析が必要となるため、専門のリサーチ会社・コンサルティング会社に委託することをおすすめします。

特に、現地消費者のニーズを正確に把握するためには、実際に現地を視察して人々にインタビューするなど、足を使った調査が不可欠です。現地に行くことが難しい場合でも、現地出身の人から話を聞くなど、その国で長年暮らしてきた人の意見を取り入れることが重要となります。

現地の生活・文化に合わせてローカライズする

進出先の市場で消費者の心を掴むためには、製品やサービス、ブランドのメッセージを現地の文化や生活スタイルに合わせてローカライズすることが重要です。どんなに質の高い商品を提供しても、現地の人々の生活スタイルや好みに合わなければ、市場で受け入れられません。

特に、以下のような観点について考慮することが重要です。

  • 提供しようとする製品は、現地の文化や慣習、ライフスタイルに合っているか
  • 現地の宗教上の規律やタブーに違反しないか

例えば、イスラム教やヒンドゥー教では、豚肉や牛肉など、一部の食材を口にすることが制限されています。そのため、食品メーカーや飲食店は、そのような宗教上の規律に配慮した製品開発が求められます。

また、広告やパッケージのキャッチコピーにも注意が必要です。日本では何ら問題のない表現であっても、現地の人が不快に感じたり、タブーに触れてしまう可能性が否定できません。そのため、作成したキャッチコピーは、現地のスタッフに事前確認してもらい、問題がないことを確かめてから市場に投入するようにしましょう。

マーケティングに関する現地法規制を確認する

進出する国や地域の法規制を確認し、遵守することは、トラブルを未然に防ぎ、ブランドの信頼性を保つために欠かせません。

特に広告表現、製品の安全基準、税制、消費者保護法など、国や地域ごとに異なる様々な規制を詳細に理解する必要があります。これを怠ると、罰金や訴訟リスク、最悪の場合は撤退を余儀なくされる可能性があります。

例えば、食品や飲料業界では、ラベル表示における成分や栄養情報の記載義務が国によって異なります。また、消費者保護のために特定の宣伝/販売方法が制限されていたり、独自の安全基準が定められている場合もあります。

このような現地の法規制を、自分たちだけで網羅的に把握するのは困難です。そのため、マーケティングに当たっては、事前に進出先の法規制に詳しい弁護士や専門家に相談するようにしましょう。また、問題なくマーケティング活動を開始した後も、定期的に法規制をチェックし、法改正などがないか確認することが重要です。

グローバルマーケティング支援ならAXIA Marketing

AXIA Marketingでは、企業のグローバルマーケティング活動を全面的にサポートし、国際市場での成功に向けて伴走させていただいております。

世界各国の市場・地域に精通した当社の専門チームが、効果的なグローバルマーケティング戦略策定を支援いたします。

複雑な市場・顧客や競合の調査、現地市場でのポジショニング、マーケティング戦略の施策提案など、多岐にわたるサービスを提供しております。

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参考文献

世界に広がるファミリーマート 世界で20,000店を達成! – ファミリーマート

ファミリーマートオリジナルアパレルブランド 「コンビニエンスウェア」が海外初進出! – ファミリーマート

CUP NOODLES グローバルブランド戦略について – 日清食品

「カップヌードル」ブランドが、発売50年目に世界累計販売500億食を達成 – 日清食品

アサヒビール公式サイト

資生堂公式サイト

キッコーマン公式サイト

メルカリ、越境取引を通じて台湾へ進出 – メルカリ

メルカリが海外進出を成功させた3つの秘策 – 日経ビジネス電子版

国内・海外拠点 – ニコン

ファクトシート – ヤマハ

巣ごもり需要で拡大。楽器業界の海外進出事例!ヤマハ – PROVE

シマノ公式サイト

オプテックス公式サイト

レーザーテック公式サイト

ジェトロ活用事例 – 株式会社ケーエムエフ – JETRO

ベトナム⼯場のご紹介 – 太陽刷子

ジェトロ活用事例 サイバール株式会社 – JETRO

Brave group、新たにタイと中国に現地法人を設立、2023年の海外拠点新設数は4カ国・5拠点に – Brave group

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