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海外調査の事例あり

アメリカ進出のメリットとデメリットとは?海外進出する際の市場調査の方法も解説!

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アメリカは世界有数の経済大国であり、アメリカでビジネスに成功するとその市場の規模も大きくなっていくでしょう。

日本はアメリカとの交流も深く、多数の企業がアメリカへ進出しています。

しかし、アメリカへ進出したからといって、必ずしも成功するとは限りません。

本記事では、アメリカへ進出を検討されている企業様が、ぜひ知っておきたい情報をまとめています。

アメリカへ進出することによるメリットやデメリットをはじめ市場調査の方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

アメリカ進出のための基礎知識

これからアメリカへ進出を考えている企業は、まずアメリカの市場の基礎知識を理解しておきましょう。

ここで紹介するアメリカ進出のための基礎知識は、以下の3点です。

  • アメリカは世界1位のGDP・購買力
  • 日本企業では製造業が多く進出
  • アメリカに進出する日本企業の最新進出動向

アメリカへの理解を深めておくことで、アメリカ進出のビジョンをより明確にできるでしょう。

アメリカは世界1位のGDP・購買力 

アメリカは世界規模の土地と人口により経済活動が盛んな国で、長年GDPの1位を維持してきました。

そのうち、GDPにおける個人消費の割合が7割を占めているといわれています。

アメリカはさまざまな分野において市場の規模を広げており、新型コロナウイルスが流行するまでは、外食や旅行業界などが消費の割合を大きく占めていました。

コロナ禍により全体的な市場の水準は、いったん落ち込んだものの、いまだにGDP1位を維持し続けています。

市場の規模の大きさから、今後も企業の経済活動に期待できるでしょう。

日本企業では製造業が多く進出

経済大国であるアメリカに対し、日本の企業から多く進出している業界は製造業です。

製造業の中でも、自動車関係の業種が大多数で、約6,700社進出しているうちの3分の1以上占めています。

製造業のほかにも、卸業種やソフトウェアやAI開発に関するサービス業が、市場を拡大しているようです。

アメリカに進出する日本企業の最新進出動向

2022年におけるアメリカへ日本から進出している企業数は、8,673拠点です。

アメリカに進出する日本企業の最新進出動向は、以下のようになっています。

<進出先の国>

順位
1位アメリカ
2位中国
3位ベトナム
4位シンガポール
5位フィリピン

<アメリカへの業種別割合>

順位
1位卸売・小売業
2位製造業
3位サービス業
4位IT・通信業
5位飲食業

アメリカへの進出の件数は伸びており、円安の影響を受けていることも考えられます。

業種別にみても、諸外国への進出と比較してもその割合に違いはほとんどありませんでした。

【参考文献:海外進出日系企業拠点数調査

アメリカ進出のメリット

アメリカは世界上位の経済大国で、日本から進出することによるメリットはたくさんあります。

  • 今後も成長の余地が大きい国
  • 小規模ビジネスのサポートが広い
  • 比較的簡単な会社設立

進出することによるメリットを上手く活用し、企業の発展につなげられるようにしましょう。

メリット1.今後も成長の余地が大きい国

アメリカのGDPは長年1位を維持しており、経済活動は今後も成長していくといわれています。

このことを証明するデータとして挙げられるのが、アメリカの購買力平価GDPが2位(2020年)という点です。

購買力平価とは、国家間で違う通貨を使用する際、通貨の価値を比較する方法です。

購買力平価が高ければ高いほど、その国の生活水準が高い傾向にあります。

ケインズ経済学によると、「購買力が伴わない人口増加は、経済成長に結びつかない」と説いています。

つまり、購買力平価が2位のアメリカは、経済成長の余地が大きいということです。

メリット2.小規模ビジネスのサポートが広い

アメリカでは日本とは違い、実力主義で評価される社会となっています。

そのため、小規模ビジネスや年齢が若いなど、一見成功の確率が低そうなものでも、実力があると判断されれば、サポートを得られやすい点が特徴です。

起業におけるビジネスプランが良ければ、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などから投資を受けやすくなります。

※ベンチャーキャピタル…成長の見込みがある企業に対して、投資を行う会社のこと

※エンジェル投資家…成長の見込みがある企業に対して、投資を行う個人投資家のこと

メリット3.比較的簡単な会社設立 

アメリカでは、比較的簡単に会社が設立できるというメリットがあります。

アメリカへ進出する際、さまざまな設立の手段で起業することが可能です。

実際、貿易ビザや投資家ビザの取得を用いて、現地で会社の設立を行っている外国人が多数存在します。

また、アメリカでは多くの州において最低資本金の規定がないため、初期投資にかかる費用を抑えることにもつながるでしょう。

アメリカ進出のデメリット

アメリカ進出を目指す際のデメリットは、以下の通りです。

  • 州ごとに法制度や規制が異なる
  • ネットインフラの脆弱さ
  • 賃金上昇や人手不足など雇用面の課題

アメリカ進出を目指す際、日本との違いに気を付けなければなりません。

デメリットを把握しておくと、デメリットに備えた運営を継続できるようになるため、しっかりと理解しておきましょう。

デメリット1.州ごとに法制度や規制が異なる

アメリカでは連邦国家であるため、州ごとに法制度や規制が異なる点に注意しましょう。

アメリカは、日本の都道府県のように州ごとに分けられていますが、その規模は日本の比ではありません。

そのため、州ごとに法制度や規制が異なっています。

アメリカ進出を考える際は、州ごとの特徴を把握し、州をまたいでビジネスをする機会があれば、法制度の確認を忘れないようにしましょう。

デメリット2.ネットインフラの脆弱さ

アメリカは、意外にもネットインフラが脆弱であるというデメリットがあります。

この点は、アメリカ全土においていえることではなく、地域の格差が大きく出ているためです。

なぜなら、アメリカの国土が広すぎるあまり、インフラの整備が行き届いていないことが原因となっているからです。

日本のネット通信速度はアメリカよりも速いのは、ネットインフラが整備されているためであります。

アメリカ進出を検討している際は、地域による通信速度の違いも頭に入れておいたほうがいいでしょう。

デメリット3.賃金上昇や人手不足など雇用面の課題

アメリカへ進出する際、日本よりも賃金上昇や人手不足など、雇用面の課題にも注意しなければなりません。

アメリカは、人材確保のため従業員の給与を多く支払う傾向にあります。

そうしなければ、良い人材はさらに条件の良い企業へと引き抜かれてしまうからです。

つまり、良い人材の確保のためには、十分な給与を支払えるだけの収益を確保する必要があります。

また、アメリカでは日本と比べて訴訟の件数が多く、多額の賠償金を請求されるリスクにも備えておかなければなりません。

このデメリットは、日本とアメリカの間にある文化の大きな違いといえるでしょう。

【参考文献:2023年度 海外進出日系企業実態調査(北米編)(2023年12月)

アメリカに進出して法人設立するための4つの方法と手続き

アメリカに進出するのであれば、まず法人を設立する必要があり、以下に紹介する4つの方法を参考にしてください。

  • 駐在員事務所
  • 日本企業の米国支店
  • 現地法人
  • GEO

1.駐在員事務所

駐在員事務所は、日本の企業がアメリカへ進出する際、現地の情報収集などを行うための事務所です。

日本国内の社員を派遣し、現地の調査をすることで、進出できるかどうかを判断する際に使われます。

駐在員事務所の設置は、あくまでも現地の情報収集が目的であるため、営利目的の活動は認められていません。

営利目的の活動が認められていない代わりに、決算・税務申告をしなくてもいいようになっています。

駐在員事務所は、現地の調査目的であるため、設置や撤退がほかの方法よりもしやすい点がメリットです。

2.日本企業の米国支店

日本の企業をアメリカへ支店を設置する方法も一つの方法としてあげられます。

アメリカへ支店を設置する際は、同一法人の扱いとなるため、社内規定をそのまま使用できるメリットがあります。

そのため、アメリカ進出した際の事務的な手間の省略が可能です。

また、同一法人であるということは、アメリカ支店での赤字を本社の利益で補うこともできます。

アメリカ支店での利益は、日本の税率が適用され、日本の税率が高い場合は税負担が大きくなるというデメリットもあるので注意しましょう。

3.現地法人

現地法人は、日本にある企業から独立して設立する会社です。

法人が日本の企業と別物扱いとなるため、アメリカの税率が適用されることになります。

現地法人のメリットは、税制や賃金の水準を進出先に合わせられるという点です。

そのため、進出先の条件によっては人件費などのコストを抑えられるようになります。

現地法人のデメリットは、日本の企業から独立して設立するため、必要な手続きの手間が多くなってしまう点です。

現地法人を設立する際は、日本とは事務処理などが別物の意識で臨むと、国家間の違いによる心理的な負担を減らせるでしょう。

4.GEO

GEOとは、「Global Employment Outsourcing」の略称で、進出先で雇用のアウトソーシングを行う方法です。

GEOのメリットは、現地でのノウハウを持った従業員を雇うことで、設立後の開始時期を早くできる点にあります。

また、GEOを活用することで、人的や金銭的コストを抑えられるようにもなります。

GEOのデメリットは、進出先で従業員を雇うため、社内の従業員の経験として残りにくい点です。

そのため、アメリカでの活動をどのように展開していくのかを検討してから、GEOを導入するといいでしょう。

アメリカで法人設立するために必要な手続き

アメリカで法人を設立するためには、以下のような手続きが必要になります。

  1. どのような形態で進出するのかを決める
  2. 株主などの会社期間を決める
  3. どの州で会社を設立するのかを決める
  4. 会社の名前を決める
  5. 定款を登録する
  6. 連邦法人識別番号を取得する
  7. 設立する州以外の事業遂行州への登録
  8. 会社設立書類を整備
  9. コーポレートキットを用意する
  10. 銀行口座の開設
  11. 州雇用者を登録する
  12. ビジネスライセンスを取得する
  13. アメリカ商務省へのBE-13を提出する

ライセンスの取得などは審査に時間がかかるため、事業を開始するまでに3~4カ月ほどは期間を設けておきましょう。

アメリカ進出成功のポイント

アメリカで事業が成功すれば、現在よりも確実に市場を広げることができます。

アメリカへ進出する際の成功のポイントは、以下の5点です。

  • アメリカ人とのビジネスコミュニケーションのコツ
  • マーケティング手法の違いと共通点
  • 在米日系企業向けの販売戦略
  • 現地向けにローカライズして販売
  • 成果を見るまでに3年は必要

上記のポイントを意識しながら、アメリカへの進出を検討してみてください。

アメリカ人とのビジネスコミュニケーションのコツ

アメリカ人とのビジネスコミュニケーションにおいて、以下の2点に注意しましょう。

  • ビジネスマンは忙しい
  • 感情表現は大きくする

アメリカのビジネスマンは、大量のタスクを抱えながら秘書やアシスタントを雇わないことがほとんどです。

そのため、メールを送るにしても見やすさを意識し、読んでもらえる内容にする必要があります。

また、感情表現を大きくすることで、相手に対して興味があるということを伝えやすくなります。

取引の場において、淡々と作業を進めるだけの企業と、感情表現を大きくしながら作業を進める企業とでは、成功率は大きく違ってくるでしょう。

マーケティング手法の違いと共通点

日本とアメリカとで、マーケティングの手法に大きな違いはありません。

したがって、マーケティングのノウハウがあれば、アメリカへ進出してもそのまま活用できます。

共通点があるとすれば、「市場のニーズを的確に把握すること」「仕事相手の信頼をいかに得られるか?」はビジネスにおいては欠かせない要素です。

国境を越えても、ビジネスにおいて信頼関係は重要です。

相手が何を求めているのかを意識して、信頼を積み重ねていけるかが、アメリカ進出してから成功するポイントとなります。

在米日系企業向けの販売戦略

在米日系企業に対して販売戦略を取っていくのも一つの手です。

相手が日本人であるため、言語の壁がなくなり、仕事がスムーズに進められます。

仕事する国は変わりますが、同じ日本人相手ではビジネスにおける習慣も理解しやすいのもメリットです。

しかし、アメリカでの日系企業の数自体が少ないため、事業を拡大していくという点に関してはあまり期待できないデメリットもあります。

現地向けにローカライズして販売

現地向けにローカライズして販売するのも、アメリカ進出してから成功するポイントとなります。

製品の質が高く日本で人気が出たからといって、アメリカでも同じように人気が出るとは限りません。

もちろん製品の良さもありますが、「日本人受けが良かったから人気が出た」という点も考慮すると、アメリカではアメリカ人受けが良いものを調べる必要があります。

そのため、現地でインタビューやユーザーテストを行うことで、アメリカの市場の傾向を早めに掴むことが成功のカギとなるでしょう。

成果を見るまでに3年は必要

アメリカで成果を見るまでには、3年は必要であると考えておきましょう。

日本の企業がアメリカへ進出する際、企業を設立するまでに期間がかかり、現地のニーズを把握するための調査にも時間を取る必要があります。

アメリカへ進出したばかりでは、コネクションがほとんどない状態から始まるため、事業を拡大するにはかなりの時間がかかるでしょう。

また、企業を設立するとなると、初期費用もかかってくるため、事業が成功するまでの資金を確保しておかなければなりません。

アメリカ進出に成功した日本企業の事例

アメリカ進出に成功した日本企業の事例を、以下の2社から紹介します。

  • くら寿司株式会社
  • 川崎重工業株式会社

それぞれ、飲食業と製造業で成功しているため、ぜひ参考にしてください。

くら寿司株式会社

くら寿司は、8州の合計29店舗がアメリカで展開されています。

くら寿司がアメリカで成功した点は、回転ずしのシステムが斬新なサービス内容として、アメリカ人に受けたことが特徴です。

提供するメニューは、アメリカで考案されたものを取り入れるという、ローカライズの要素を取り入れています。

回転ずしのシステムとアメリカ人向けのメニューが相乗効果を発揮し、くら寿司はアメリカで成功していったのです。

川崎重工業株式会社

川崎重工業株式会社は、日本において鉄道や造船から精密機器など、幅広く事業を展開しています。

そのうち、アメリカで成功を収めているのが鉄道分野です。

日本から提供されている車両は、アメリカの主要な都市で運転され、なかでもニューヨークとは長い付き合いになります。

1985年から車両を納品し続け、2010年ごろには累計2,000両以上の車両が納品されています。

この長期的な事業を成功させた要因は、ニューヨーク市地下鉄と川崎重工業との間に信頼関係が築けていたことと、早い段階で現地法人を立ち上げていたことです。

アメリカ進出でも日本でのビジネスと根幹は同じ

アメリカ進出を検討するにあたって、文化や法制度の違いを頭に入れておかなければ、痛い目に合うことは間違いありません。

成功するには、多額の初期投資や言語の壁にもぶつかることもあるでしょう。

しかし、ビジネスにおいて相手を思いやる気持ちは、国は違えど大切な要素です。

そのためには、アメリカの特性をいかに早く理解し、ビジネスに落とし込めるかが重要となってきます。

アメリカに海外進出するならAXIA Marketing

アクシアマーケティングの事例紹介ケース1

AXIA Marketingでは、アメリカへ進出を検討されている企業に対して、的確なアドバイスのもと成功できるようにサポートしていきます。

さまざまな分野に関する専門の知識を持った従業員が多数在籍しており、幅広く対応が可能です。

サービスの詳細についてはこちらをご覧ください。

アメリカ進出を検討しているが、まだ自信がないという企業様は、ご気軽にAXIA Marketingまでご相談ください。

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<参考文献>
アメリカ進出のメリット・デメリットとは – X-HUB TOKYO
アメリカ進出のメリット・デメリット|日本企業の進出動向 – Digima~出島~
米国進出4パターン解説 〜メリット・デメリット比較〜 – Emily.
世界のインターネット普及率と回線速度ランキング – Digima~出島~
アメリカ進出をする場合の、具体的手続きについて – 相談サポート
アメリカで会社設立をお考えの方へ – ヤッパン号
アメリカ進出を計画する日本企業が最初に考えるべきこと – SAIRU
海外進出に成功した企業の紹介と進出時のポイントを解説【アメリカ編】 – セカイノビジネス
参考になる日本企業の海外ビジネス成功事例【欧米編】 – セカイコネクト

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