【業種別】日本から海外に進出した企業の成功事例を分析!日本企業が海外に進出すべき理由は?

インバウンド需要が高まり、「これなら海外でもやっていけるかもしれない」と海外進出を考えている企業は多いのではないでしょうか。しかし、自社の事業が国内でうまくいったからといって海外でも同じようにうまくいくとは限りません。日本とは文化圏・事業環境が異なり、価値観、判断基準、国民性、ルールなどが大きく違います。
また、インフラや物流、材料、人材など事業環境も日本とは異なります。例えば、お寿司屋さんが安易に海外出店しても、生魚文化がなかったり、新鮮な魚介類を調達できなかったりする可能性があります。
ユニクロやソニーなど大企業でさえ海外進出で失敗経験があります。本記事では、そうした難しい環境の中でも成功している中小企業の事例を業種別にご紹介し、海外進出に成功するためのポイントをまとめました。ぜひ自社の海外展開の参考にしてください。
以下が、本記事で紹介している記事の概要となっております。
- 業種別で日本から海外進出した企業事例
- 企業が日本から海外に進出すべき理由
- 企業が海外進出する際におすすめの国
- 日本が海外に進出した企業の成功に共通する3つのポイント
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【小売業】日本から海外に進出した企業の成功事例

日本の建設技術は高いため、まずは「自社の技術をいかに海外に認知してもらうか?」を考えましょう。
また、日本もそうですが、建設業は特に人のつながりで仕事を受注したりすることが多いため、現地のコネクションをいかに作れるか、が重要になってきます。
ここでは実際の成功を見ていきましょう。
〈小売業で日本から海外に進出した企業3選〉
- 株式会社花善
- 有限会社ヴァンテック
- ちらし屋ドットコム
株式会社花善
株式会社花善は1899年(明治32年)の創業以来、弁当の製造販売を行ってきた秋田県大館市の老舗企業です。
昔ながらの製法で、甘辛く炊き込んだ「花善鶏めし弁当」はさまざまな駅弁コンテストで上位入賞するほどの人気を誇ります。
そんな花善は、2020年11月からフランスのパリにあるリヨン駅で駅弁ショップをオープンしました。「鶏めし弁当」を含む6種類の弁当の販売を開始したところ、フランス国民から支持され、海外進出に成功しています。
当初社内に海外赴任ができる人材がいなかった花善が海外進出に成功した理由は、次の3点だと考えられます。
・社長の想いの深さと強さ
・事前の現地リサーチや競合調査を行った点
・専門家に現地の規制や労務など、現地ならではのノウハウを指導してもらった点
花善は駅弁で有名な企業です。自身の強みである「駅弁」を活かすために鉄道網がきちんと整備されている国、地域をリサーチした点や、現地の弁当屋さんに何度もヒアリングを実施した点が成功した大きな要因の1つと言えます。
また、同時に花善の社長の「秋田・大館の子どもや若者のために、地方でも海外進出できることを示したい」という強い想いがあったからこそ、海外進出に成功し、安定した業績を上げることができているのだと考えられます。
有限会社ヴァンテック
有限会社ヴァンテックは、滋賀県栗東市にある企業です。
主に、遠心分離機や排水処理装置の開発など、環境に優しい触媒を用いた製品開発など、環境事業を行っている企業です。また、他にも環境事業の他にも、人材育成事業、釣具代理店事業、78mm食器事業など、多角的なビジネスを展開してます。
そんな同社は2018年にベトナム・ホーチミン市に現地法人を設立し、釣具販売店「タックルベリー」のフランチャイズを開業。
釣具販売事業に加えて、環境人材育成事業も行い、二つの軸で成果を上げることができ、ベトナムにおける事業基盤の確立に成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは次の通りです。
・現地での入念な市場調査とテスト販売
・文化的親和性の高い国を選択し、現地の実情に合わせた事業展開を実施した点
・ジェトロなどの専門機関からの豊富なサポートと専門家によるアドバイスを受けた点
特に成功の要因として挙げられるのは、ジェトロや専門家によるサポート・アドバイスの活用です。
ジェトロのサポートや専門家のアドバイスを受けることで、ベトナムの法律・規制への適応、商習慣の理解、そして現地での事業立ち上げがスムーズに進行したと考えられます。
これにより、ヴァンテックはベトナムでの釣具販売と環境人材育成の双方で成果を上げることができ、東南アジアでの事業基盤を確立することに成功しています。
ちらし屋ドットコム
ちらし屋ドットコムは、岐阜県各務原市にある企業です。
元々Webサイト制作を行う企業でしたが、顧客からの「海外通販がうまくいかない」という声を受け、自社内にEC事業部を設立。
現在では世界13カ国への販売・輸出を手掛けるなど、海外進出に成功しています。ちらし屋ドットコムの特徴は岐阜県の地場産品である焼き物や刃物などを中心に、地域経済への貢献も視野に入れた事業展開を行なっていることです。
個々の国の規制や包丁の販売制限、VAT登録番号の取得など、国ごとに異なる課題に対応しながら事業を拡大しています。
そんなちらし屋ドットコムが短期間で海外進出に成功したポイントは次の通りです。
・岐阜県との連携によるECサイト販売事業の運営
・大手プラットフォームへの出品を通じた販売戦略
・物流や顧客対応の問題をAmazonのフルフィルメントサービス(FBA)を活用して解決した点
・商品選択や戦略をECごとの特性に合わせた対応
特に、大手プラットフォームへの出品を通じた販売戦略と、Amazonのフルフィルメントサービス(FBA)の活用が大きな成功の要因と言えるでしょう。手数料はかかりますが、結果として、物流と顧客対応の問題が解決し、スタッフの負担が軽減し、詐欺などのリスクからも事業を守ることにつながったのだそうです。
【水産業】日本から海外に進出した企業の成功事例

水産業の場合、生魚を食べることが当たり前の日本と、海外の魚介類の取り扱い方、捉え方が全く異なります。
生魚を食べる文化がそもそもなかったり、タコのように食べない魚介類がいたり、国によってさまざまです。そのため、現地のニーズに合っているかどうか、リサーチとテスト販売を重ねていくことが重要です。
実際に成功事例を見てみると、展示会への出店で反応を見たり、現地のニーズに合わせた商品開発を行ったりしています。
〈水産業で日本から海外に進出した企業2選〉
- 株式会社シーライフ
- 株式会社ケンスイ
株式会社シーライフ
株式会社シーライフは島根県浜田市にある、水産物の干物や缶詰を製造・販売する企業です。「のどぐろ味醂干し」をはじめとする高級干物や、伝統的なみりん干しなど、幅広いラインナップの水産加工品を販売しているのが特徴です。
そんな同社は、2018年から香港に、2019年には台湾に進出。健康志向の高い消費者をターゲットにした無添加商品の開発・販売で事業を展開しています。
特に台湾では、春節に合わせたフェアを成功させるなど、現地でのブランド認知と販売拡大で成果を上げています。
同社が海外進出に成功したポイントは次の通りです。
・専門家との密接な連携により海外市場への理解を深めた点
・地元自治体からの全面的な支援
・現地消費者の食文化に合わせた商品開発
特に、専門家や自治体との連携による支援体制の構築ができたことが海外進出に成功した大きな要因だと考えられます。
実際に、同社は、海外での商談会参加やフェア開催を積極的に実施し、現地の消費者ニーズに合った商品開発とPR活動を行うことができました。
また、台湾におけるフェアの成功は、現地の健康志向の高い消費者へのアプローチ方法を見出し、定期的な商流を確保する基盤を築く上での大きな成果につながったと言います。
このような活動ができたのも、専門家や自治体などと協力体制を築けたからこそです。
株式会社ケンスイ
株式会社ケンスイは、広島県廿日市市にある、水産物冷凍加工事業の企業です。
高濃度塩水冷凍技術を用いた冷凍牡蠣の生産で注目を集めており、同社の「健牡蠣」は、冷凍であるにも関わらず、解凍後も生の牡蠣に近い食感と風味を楽しむことができると、高い評価を受けています。
そんな同社は、2018年に香港、インドネシア、台湾への海外進出を実現。海外での機械展示会での試食会をきっかけに、「この牡蠣が欲しい」という声を受け、急速冷凍牡蠣の海外輸出に成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・ジェトロや地元商工会議所などの支援機関との連携
・海外の展示会での評判を踏まえた市場対応
・輸入業者やバイヤーとの密接なコミュニケーション
高濃度塩水冷凍技術の革新性はもちろんのことですが、それを海外にいかに認知させ販売していくのかというきっかけづくりや、販路開拓のためのリサーチや現地輸入業者やバイヤーとのコミュニケーションなど地道な取り組みを積み重ねたことが成功した大きな要因と言えます。
製造業における成功事例

工業の場合は、「現地の抱える課題を自社の技術で解決できないか?」という観点で進出先を選んでいくことが重要です。
そうすることで、現地の自治体などとも連携しやすくなり、事業展開がしやすくなります。
必ずしも最新の技術が現地で喜ばれるとは限りません。
最新の技術があっても、それを使いこなせる知識や人材、修理するための部品、メンテナンス費用などが揃っていなければ、役立ちません。
このように、自社の技術を現地の人が使いやすい状態でいかに提供できるのか、という適合開発も工業で海外進出に成功するポイントの1つと言えます。
〈製造業で日本から海外に進出した企業11選〉
- 株式会社大同工業所
- 株式会社愛研化工機
- 小川工業株式会社
- コアックス株式会社
- 有限会社瑞穂
- 株式会社TTNコーポレーション
- サンエイ工業株式会社
- 笛木醤油株式会社
- 有限会社サンマモルワイナリー
- 株式会社落合酒造場
- 株式会社コモ
株式会社大同工業所
株式会社大同工業所は、大阪府大阪市にある、血液保管機器の製造販売を行う企業です。特に血液関連製品の分野においては、病院や血液センターからの高い評価と信頼を得ており、同社の製品は国内外の医療現場で広く使用されています。
同社は、アセアン諸国の医療技術の向上と血液事業の整備ニーズの高まりを背景に、2009年からインドネシア、マレーシア、タイでの販売を開始。2018年にはさらにベトナム、ミャンマーへと展開を広げ、ベトナムではハノイとホーチミンで販売店契約を締結することに成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・アセアン諸国の医療ニーズの高まりにうまく適用した点
・ジェトロをはじめとする専門機関や専門家による連携・支援
・現地の商習慣に合わせた柔軟な対応
・現地医療関係者とのネットワーク構築
技術力の高さはもちろんのこと、特に現地医療関係者との強固なネットワーク構築を築けたことが海外進出で成功できた大きな要因と言えます。
現地での事業展開に際しては、ジェトロの専門家支援を受けつつ、現地の血液センターや医療関係者と密接に連携することで、現地の医療現場のニーズに合致する形での製品展開が可能となりました。
また、ジェトロからの紹介でベトナム国立血液学研究所とのつながりを持つなど、アセアン諸国での販売における基盤固めができた点も、海外展開の成功に大きく貢献していると言えます。
株式会社愛研化工機
株式会社愛研化工機は、愛媛県松山市にある、水処理技術開発の企業です。その技術力は、国内外から高く評価されています。
同社は2014年にベトナムに事務所を設立、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のFS事業に採択されるなど、現地のニーズに合わせた提案と事業展開を行なっています。また、その後インドネシア、中国へと事業を拡大。中国四川省での技術ライセンス契約を結ぶなど、積極的な事業展開を進めています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・ジェトロを含む公的機関の支援の積極的な活用
・現地のニーズに合わせた技術やサービスの提供
・専門家との連携
中でも、公的支援の積極的な活用が同社の海外進出成功のポイントと言えます。
ジェトロの支援を受けて現地の提携先候補企業を紹介されたことや、技術ライセンス契約を結ぶことができたこと、さらには中国での知財問題への迅速な対応などが、同社の海外での信用を得るきっかけとなり、さらなる事業拡大の基盤を固めることができたのです。
小川工業株式会社
小川工業株式会社は、和歌山県橋本市にある、高精度金属部品製造・販売を手掛ける企業です。「ファインプレス工法」と呼ばれる独自のプレス技術により、精密な金属部品を生産しており、その技術力は国内外で高く評価されています。
2012年には中国広東省に、2018年にはメキシコ・グアナファト州に工場を建設し、グローバルに事業を展開。一定量の受注を獲得しています。また、労務管理や税制、会計処理など、現地での経営上の課題にも対応しながら、事業を拡大し、海外進出に成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・グローバルな視点で自動車業界のトレンドと顧客ニーズの正確な把握した点
・レンタル工場の活用による迅速な工場稼働
・ジェトロなどの公的機関からの専門家アドバイスの積極的な活用
・労務管理や税制などの現地環境への適応
・情報収集と事前準備の徹底
特に、自動車メーカーやTier1メーカーのメキシコ進出ラッシュを見極め、メキシコでの工場設立を決断したことや、リスクヘッジとしてレンタル工場を選択し、迅速な工場稼働を実現したことが、同社の海外進出の成功の大きな要因と言えます。
コアックス株式会社
コアックス株式会社は、神奈川県横浜市青葉区にある計測、通信、レーダー、制御等の機器用同軸系線路と、それに必要な接続コネクターの開発・製造を手掛ける企業です。
ある研究者間のネットワークを通じて海外からの注目を集めた同社は、現在、アメリカやカナダ、オーストラリアを含む30カ国以上で事業を展開しており、世界各地に顧客を獲得。海外進出に成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・研究者間のネットワークを通じて海外に認知された点
・海外学術会議での研究成果発表と展示会出展などによる販路開拓
特に同社の海外進出に成功した最も大きな要因は、学術会議でのコミュニティ構築と展示会への積極的な出展による販路開拓です。
これにより、同社は研究者間の強固なネットワークを構築。国境を越えた製品の認知度向上と市場拡大を実現しています。
有限会社瑞穂
有限会社瑞穂は、広島県中部安芸郡熊野町にある筆製造メーカーです。創業から30年以上にわたり伝統的な熊野筆の技法を用いた筆作りをしており、市場から高い評価を受けています。特に化粧筆は欧米のメイクアップアーティストに愛用されています。
同社は2007年に自社ブランドの確立と販売強化を目指して海外進出を決断しました。香港美容展示会への出展や欧州市場への販路開拓、外国語のHP開設などにより、ブランド力の強化と知名度の拡大を図った結果、欧州からの問い合わせが増加。海外進出に成功しました。
同社が海外進出に成功したポイントは次の通りです。
・ジェトロや中小機構などの公的機関からの相談支援や補助金採択を活用した点。
・展示会出展対応と輸出体制の整備による、ブランド力の強化と知名度の拡大。
・直接販売のノウハウ獲得による顧客ニーズへの迅速な対応。
特に公的機関の支援を活用し、専門家からのアドバイスに基づいて展示会出展対応と輸出体制を整備したことが成功の大きな要因と言えます。実際にこの戦略をとったことにより、瑞穂は自社ブランドの海外での確立に成功し、国内外から高い評価を受けるに至りました。
株式会社TTNコーポレーション
株式会社TTNコーポレーションは、兵庫県伊丹市にある、創業80年を超える老舗畳店です。同社は畳の製造販売を行いながら、畳文化の普及と保存にも力を入れています。畳業界初の24時間営業を実現したことで知られ、顧客ニーズに応える柔軟なサービス提供で業績を伸ばしてきました。しかし、日本国内の畳市場が縮小する中、海外市場への進出を模索。畳文化を世界に広める取り組みを開始しました。
「海外に畳文化を広める」という想いから、欧米を中心に展示会への出展を重ね、畳のデザインやブランド名を改良。海外の顧客に合わせた商品開発を進め、海外販売の拡大に成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは次の通りです。
・継続的な海外展示会への出展によるブランド認知度の向上
・海外市場のニーズを理解し、製品のデザインや品質を改良した点
「THE TATAMIFACTORY SINCE 1934」へのブランド名変更によるイメージ向上。
・商社出身の人材を海外事業部にヘッドハンティングし、専門知識を活用。
特に、海外市場のニーズに合わせて、製品のデザインや品質を改良したことが成功の大きな要因です。結果として畳の魅力を海外の顧客に伝えることになり、受注につながっています。
サンエイ工業株式会社
サンエイ工業株式会社は、北海道斜里郡斜里にある、農業機械の製造販売及び研究開発を手掛ける企業です。畑作業用の農業機械メーカーとして国内外から高い評価を受けています。
サンエイ工業の特徴は、小型農業機械市場における潜在的なニーズを捉え、それに応える製品開発に成功している点にあります。
2009年のドイツ「Agritechnica 2009」への出展の際に、小型の農業機械へのニーズをいち早く見抜き、「小型農業機械」という独自のポジショニングで海外進出を行い成功を収めています。特に、「世界一小さなジャガイモ収穫機」は、同社のことを世界に知らしめた代表的な製品と言えるでしょう。
現在は継続的な製品の海外輸出を目指し、新興国への販路拡大を狙い、欧州をはじめ、韓国やインド、ブラジルなど、幅広い国と地域への展開を進めています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・市場ニーズをいち早く見抜いた点
・連続して海外展示会に出展し、海外市場でのブランド認知度を高めた点
・海外ビジネス経験を持つスタッフの配置と、海外部門の独立
・欧州連合(EU)加盟国の基準を満たすCEマークの取得
・ジェトロなどの外部機関の支援を活用
中でも、小型農業機械へのニーズをいち早く見抜き、市場に合わせた製品開発と改良を行ったことが成功の大きな要因と言えるでしょう。この独自のポジショニング戦略により、同社は、大型機械中心の欧州市場で競合せずに、独自の市場を確立しています。
笛木醤油株式会社
笛木醤油株式会社は、埼玉県比企郡川島町にある、創業230年を超える老舗醤油蔵です。伝統的な杉桶仕込みの手法を守りつつ、丸大豆・小麦、食塩のみを原料にした化学調味料を使用しない醤油と醤油加工品の製造・販売を行っています。
2017年に国内市場の縮小と食生活の洋風化による危機感からジェトロの支援を受けながら、海外展開の準備を開始。
結果として、各国のバイヤーから高評価を受け、2018年に香港、台湾、オーストラリア、フランス、米国、カナダ、マレーシアなど7カ国に商品の輸出が実現しました。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・海外ビジネス経験を持つスタッフの配置
・伝統的製法と原材料へのこだわり
・ジェトロや新輸出大国コンソーシアム専門家の支援を受けた積極的な海外展示会参加
・海外市場に合った製品の開発と差別化戦略
同社の特徴である伝統的な杉桶仕込みと長期発酵熟成による高品質な醤油の独自性を訴求した点です。この独自性はほとんどのメーカーがステンレスタンクを用いている中での強力な差別化ポイントとなり、実際に海外展示会でも高い評価を得ることができました。
この訴求により、同社は海外でのブランド認知度を高め、輸出拡大に成功しています。
有限会社サンマモルワイナリー
有限会社サンマモルワイナリーは、青森県むつ市にあるワイナリーです。「下北ワイン」として知られ、日本ワインコンクールでの金賞受賞など、国内外で高く評価されています。
また、台湾への輸出や米国ハワイ州に現地法人を設立するなど、積極的に海外展開も進めています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・地元産品を活用したユニークな商品開発
・青森県からの推薦によるジェトロとの連携
・海外市場でのニーズ把握と積極的な展示会参加
・現地法人の設立による市場への直接アプローチ
中でも、地元産品を活用したユニークな商品開発と現地法人を立て、海外市場に直接アプローチしたことが成功の大きな要因となりました。
特に、青森県産のりんごを使用したアップルワインは、台湾市場で大いに注目され、認知度を拡大。また、ジェトロとの連携を通じて得た知識と、地元産品の特性を生かした商品開発をもって、国際市場で存在感のある存在へと成長しています。
株式会社落合酒造場
株式会社落合酒造場は、宮崎県宮崎市にある伝統的な単式蒸留焼酎の製造・販売を手がける企業です。従業員数は8人と小規模ながら、その製品は米国、オーストラリアなど8カ国に販売され、高い評価を得ています。
2016年より本格的に海外市場への展開を検討し始め、米国市場を進出候補地として設定。しかし、市場調査を進める中で、焼酎のアルコール度数や飲用文化の違いなど、多くの課題に直面しました。これらの課題を解決するために、米国市場のニーズに合わせた新商品を開発し、2018年には「利平GINGER」を米国市場向けに完成させ、初輸出に成功したのです。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・マーケットインの視点からの商品開発
・目を引くボトルデザインとラベルのないユニークなパッケージング
・バイヤー層を絞り込んだ戦略的なマーケティング
・ジェトロなどの外部支援機関との連携
これらの中でも最も成功に貢献した要因は、マーケットインの視点からの現地のニーズに合わせた商品開発やマーケティングを行ってきた点にあります。特に、アルコール度数の引き上げやボトルデザインの工夫など、米国市場特有のニーズに応える形での商品開発が、米国内での「利平GINGER」の成功に直結したと言えるでしょう。
また、直接バーテンダーやバイヤーに積極的にアピールし、取り扱いを希望するバイヤーを増やすことができた点も大きな成功要因の1つです。
株式会社コモ
株式会社コモは、愛知県小牧市にあるパンの製造・販売・卸を行なう企業です。特にイタリア原産のパネトーネ種乳酸菌を用いた独自の製法で作られるロングライフパンの製造で有名です。
同社は、2016年に香港で開催された「FOOD EXPO 2016」における展示で、大きな反響を受けたことをきっかけに香港への輸出を決断。その後、ジェトロのサポートを得ながら、シンガポールやニュージーランドへの輸出も開始するなど、海外進出に成功しています。
同社が海外進出に成功したポイントは以下のとおりです。
・イタリアの製法を用いた独自の商品開発
・ジェトロなどの外部支援機関との連携
・世界の健康志向や食の安全性に対する需要の把握
・国内での生産にこだわり、品質の維持
・目標市場における周到な市場調査と現地ニーズの理解
中でも独自の商品開発と外部支援機関との連携が、同社の海外進出の成功の大きな要因となりました。
【農業】日本から海外に進出した企業の成功事例

農業の場合、現地で畑を持つのか、そうでないのかによって異なります。どちらかと言えば日本国内で育てたものを海外に輸出する、という方が主流です。
農業の場合は、基本的に現地にも同じような農産物が販売されているので、「現地の人がどのようなものを食べているのか?」をリサーチすることや、実際に展示会などに出品して現地人や現地のバイヤーの反響を確かめるなど、テスト販売が有効です。
〈農業で日本から海外に進出した企業1選〉
- 杉本商店
杉本商店
杉本商店は宮崎県高千穂にあるしいたけ専門問屋です。
宮崎県高千穂町の深い森林で栽培される国内最高品質の「乾しいたけ」を、国内外に販売しています。
伝統的な原木栽培により生産された同社の「乾しいたけ」は、その品質の高さが世界20カ国以上の市場で認められています。
同社が海外進出したのは2018年のことです。米国とEU向けの越境ECでの販売成功を背景に、高品質・高価格でも一定の需要があることを確信し、海外進出を決断。現在は海外の売り上げが全体の10%を占めるなど、成功を収めています。
同社の海外進出における成功のポイントは以下の通りです。
・海外の展示会や商談会へ積極的に出展し、直接市場と触れ合う機会を増やした点
・生産の背景や地域社会への貢献を前面に出したストーリーテリング
・ビーガン市場への訴求を通じて、肉の代替としての乾しいたけの魅力を伝えた点
・商品の「見せ方」に工夫を凝らし、生産背景や利用方法を視覚的に訴求した点
・海外での「チーム」づくりを通じて、各国での協力体制を構築した点
中でも、生産の背景や地域社会への貢献を前面に押し出したストーリーテリングにより、SDGsやエシカルな商品に対する関心が高い海外バイヤーや消費者の心を捉えた点が、成功に大きくつながった要因だと考えられます。
【建設業】日本から海外に進出した企業の成功事例

日本の建設技術は高いため、まずは「自社の技術をいかに海外に認知してもらうか?」を考えましょう。
また、日本もそうですが、建設業は特に人のつながりで仕事を受注したりすることが多いため、現地のコネクションをいかに作れるか、が重要になってきます。
〈建設業で日本から海外に進出した企業1選〉
- 日東建設株式会社
日東建設株式会社
日東建設株式会社は、北海道雄武町にある建設会社です。
同社の主力商品は、コンクリートの非破壊検査装置であり、これによりコンクリートの強度や劣化状態を正確に評価することができます。
同社は、公共事業の減少による国内市場の縮小をきっかけに海外進出を検討。
海外からの要望に応える形で、米国、台湾、韓国、シンガポール、ナイジェリアなどあらゆる国と地域で事業を展開しています。
同社の海外進出の成功ポイントは以下の通りです。
・英語版ウェブサイトの立ち上げとSEO対策による海外マーケットへの進出
・ジェトロなど、支援機関との連携による販売店開拓と市場調査
・社内でのグローバル人材の育成と組織的な海外ビジネス体制の構築
中でも、自社の高い技術力を海外市場に紹介するための英語版ウェブサイトを効果的に運用できたことと、ジェトロの支援を通じた海外販売店との商談が成功の大きな要因と考えられます。これにより、日東建設は国内外からの高い評価を受け、海外での販売網を拡大することに成功しました。
【その他業種】日本から海外に進出した企業の成功事例

他にも色々な業種において海外進出に成功する企業に共通する特徴があります。
それらを参考に、今一度自社商品・サービスの見直し、現地リサーチやテスト販売の実施、現地コネクションの構築について考えてみましょう。
〈日本から海外に進出に成功した企業3選〉
- 株式会社勝浦ホテル三日月
- 重光産業株式会社
- 株式会社ダダ
株式会社勝浦ホテル三日月
株式会社勝浦ホテル三日月は、千葉県を中心に大型ホテルを展開する企業です。
50年以上にわたり国内で実績を重ねてきた同社は、2019年にベトナムに進出。約13ヘクタールの土地を開発する大規模プロジェクトを進行中です。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・創業者の遺志を継ぎ、強い情熱を持って挑んだ点
・ジェトロをはじめとする支援機関との協力による計画的な進出
・ダナン市の協力により、地域に根差した事業展開を図った点
中でも、創業者の遺志を受け継ぎ、経営陣が一丸となって事業を進めた点が成功の要因と言えるでしょう。一枚岩になれたからこそ、困難な交渉などの中でも諦めずにプロジェクトを進め、ベトナムでの大型投資を実現できたと言えます。
重光産業株式会社
重光産業株式会社は、熊本県内では知らない人はいないほどの有名ラーメンチェーン「味千ラーメン」を運営する企業です。約100店舗を日本国内に展開しています。
現在、海外には700店舗以上あり、そのうち約500店舗は中国国内にあります。中国で一番成功している日本のラーメンチェーンと言っても良いでしょう。
中国ファーストフード企業トップ50で4位にランクインするなど、中国国内における展開規模と影響力の大きさは世界的なファーストフード企業に匹敵するほどです。
同社は1994年に初の海外店舗を香港にオープンしましたが、現地オーナーの要望により本来の「味千ラーメン」の味を変更したことにより、失敗。
その失敗経験から、本来の「味千ラーメン」の味で戦うことの重要性を学び、信頼できるパートナーとの出会いもあり、再び海外進出して成功。その後次々と店舗を拡大し、事業として大成功を収めています。
同社が海外進出に成功したポイントは次の通りです。
・現地で信頼できるパートナーとの出会い、協力関係を築けた点
・味を妥協せず、現地化することなく提供した点
飲食店の海外進出の場合、現地の好みや要望に合わせて味を調整したり、メニューを刷新したりすることも多いですが、「味千ラーメン」の場合、現地の市場と消費者の好みを理解しつつも、日本の基準を維持。本来の「味千ラーメン」の味を守り提供しつづけています。
本来の味を変えなかった点、それを尊重してくれるパートナーと組むことができた点が、海外展開における成功の最も重要な要因と言えます。
株式会社ダダ
株式会社ダダは、国内に4店舗の美容室と8店舗のエクステンション専門店を運営する企業です。
1994年に竹村仁志社長が大阪に1号店を開店し、その後、アジア市場への進出。2006年に上海に1号店を、2009年には2号店をオープンするなど地道に事業を拡大していきました。現在は社長自らが上海に常駐し、「中国市場でイニシアチブを握る」という目標に向けて事業展開を続けています。
社長自らが上海に常駐し、日本式のサービスレベルを維持しながら、現地の需要に合った価格設定でサービスを提供し。ダダの成功は、トップの現地常駐、徹底したリサーチと現地スタッフへの教育、そして中国市場における日本式美容サービスの受け入れられやすい価格設定によるものです。
同社が海外進出に成功したポイントは以下の通りです。
・社長自らがリサーチを行い、市場のニーズを正確に把握した点
・社長自らが現地に常駐し、直接経営に関わっている点
・日本式のサービスレベルを現地スタッフに徹底
・現地の文化や法律に適応し、柔軟な経営戦略を展開した点
中でも社長自らが、率先して中国市場のリサーチとビジネス展開を行い、日本式のサービスレベルを現地で実現させたことが成功の大きな要因と言えます。これにより、同社は上海市場において、日本人だけでなく中国人顧客からも高い評価を受けるサービスを提供することができました。
企業が日本から海外に進出すべき理由

ここからは、企業が日本から海外に進出すべき理由について紹介します。企業の経営者の中には、「日本の市場は飽和状態にあるためなかなか成長できない」「今までとは異なる顧客層を増やしたい」と考える方がいることでしょう。その選択肢のひとつとして考えられるのが、海外進出です。今回紹介する理由は、次の7つになります。
- 日本の内需の縮小
- 外資系企業の日本進出
- アジア市場の拡大
- コストカットの実現
- 節税効果
- IT化とインフラの発達
- ブランドイメージの向上
日本の内需の縮小
日本は、超高齢化社会に突入することや、人口が減少していくことにより、内需が縮小すると考えられています。そのような環境であっても事業を拡大している企業はありますが、ほとんどの企業は売上もしくは利益が減少しています。
さらに、日本のGDPは1995年から横ばいが続いており、成長していません。また、2020年頃にコロナウイルス感染症の流行による影響で、消費は冷え込みました。そのため、日本の内需が拡大することは考えにくく、頭打ちに近い状態であると言えるでしょう。日本市場でビジネスを展開することに限界を感じ、海外へ進出する企業が増えているのです。
外資系企業の日本進出
昨今では、日本へ進出する外資系企業が増加しています。さまざまな外資系企業が、海外での生産と輸入によるコスト削減に成功しており、低い単価で製品を販売しています。価格競争に勝てず、苦しい状況の日本企業がほとんどです。
その状況を逆手に取り、日本だけでなく海外で販売しようと海外進出を目指す企業が増えています。今まで、海外進出することで低いコストで生産できるという考えでした。しかし、現在では現地の需要拡大を見込んで海外進出をする企業が増えています。日本の高い技術力を活かせる場所が、海外にはまだまだたくさんあると言えるでしょう。
アジア市場の拡大
中国やインド、東南アジアを中心に、2030年には全世界の成長の約60%をアジア市場が占めると予想されています。また、世界の中流階級の約34億人がアジアに住む人であることから、世界経済を牽引していくことになるでしょう。そこで、アジア圏へ進出することが効果的であると考えられます。
今後、アジアの人口は増加し、技術や教育がますます発展していくことも予想されます。需要はどんどん高まっていくため、アジア市場への進出は注目を集めているのです。
コストカットの実現
事業を展開していく上では、人件費や原料費などのコストを視野に入れる必要があります。海外の人件費や原料費は、日本でかかる費用と比較すると低い国や地域が多い傾向です。そのため、海外で事業を展開した方が、利益を増やしやすい可能性があります。
企業の販売までの経路がしっかりしているのであれば、発展途上国などに進出することで、大幅なコストカットの実現が可能です。コストを少しでも減らして利益を増やしたいと考えている場合は、生産の拠点を海外へ移すと良いでしょう。
節税効果
日本だけではなく、海外でも税金は発生します。しかし、中国や東南アジアなどでは、経済特区という制度を設けており、税の優遇措置を実施しています。
国によって税の仕組みは異なっていますが、新興国は企業誘致に積極的な場合が多いです。そのため、税の優遇措置などの恩恵を受けやすく、節税効果が高いと言えるでしょう。
IT化とインフラの発達
昨今では、技術革新によってIT化が進み、非常に便利な世の中になりました。IT化によって、今まで行っていた作業の時間が短縮したり、ペーパーレス化が進んだり、キャッシュレス決済が浸透したりするなど、ビジネス上でも便利なことが増えています。
また、インフラの発達が進んでいることにより、国内外のサプライチェーンを確実に確保することが可能になりました。このようにIT化とインフラが発達したことにより、海外進出することは比較的容易になりました。企業は、海外の情報を調査・分析することが可能になり、経営に活かすことが可能なのです。
ブランドイメージの向上
近年では、企業のグローバル化が進んでいます。そのため、海外に拠点を持っているだけで、企業のブランドイメージが向上する可能性があります。
さらに、海外へ進出したことによって得る経験や知識などは、企業のビジネスのノウハウを構築することに役立つでしょう。日本企業は、海外から内向的に見られがちですので、海外進出に挑戦する姿は、企業の価値を高めるポイントになる可能性があります。
企業が日本から海外に進出する際におすすめの国

日本から海外に進出する場合、どの国に進出するのかを選ぶことは重要です。ここからは、日本から海外に進出する際におすすめの国を4つ紹介します。紹介する国は、以下の通りです。
- 中国
- 韓国
- インド
- タイ
それぞれ、詳しく解説します。
中国
日本から海外に進出する場合の進出先として、最も多い国が中国です。中国に進出するメリットのひとつは、なんといっても人口の多さです。中国は世界第1位の人口を誇っており、13億人を超えています。また、GDPは世界第2位で、市場規模は日本とは比べられないほど大きいと言えます。
また、労働力も日本と比較すると安価で手にいれることが可能で、生産コストがかからないことも魅力のひとつです。そのため、現地で生産の拠点を作りたいと考えている企業におすすめです。市場を拡大することと生産コストを削減することの2つを実現できるため、日本企業が多く進出を考えています。
韓国
日本と韓国の貿易は盛んで、2018年の貿易総額は9兆3,430億円です。現在も、中国やアメリカに続く貿易相手国と言えるでしょう。韓国とは、同じ分野でお互いが得意なものを貿易する「水平貿易」を行っていることも特徴のひとつです。
特に、製造業の分野では、重要なパートナーとも言えるような関係性を築いていくことが可能です。
インド
インドは、世界第2位の人口を誇る国で、非常に大きい市場です。現在は約13億人ですが、2030年には約15億人、2050年には約17億人に達すると言われています。人口が減少することによって市場が縮小することが予想される日本の企業にとって、おすすめの進出先のひとつです。
若年層の労働力も多く、世界有数のIT大国としても知られています。そのため、IT関連の事業でも優秀な人材を確保することが可能でしょう。また、事業にかかってくる人件費も、日本国内と比較すると8割ほど削減できると言われています。
タイ
タイは、輸出へ対する依存度が高く、GDPの変化が大きい国です。そのため、景気に左右されやすいというリスクがありますが、さまざまな施策が取られており経済発展に注力しているという魅力があります。
日本企業にとっては、ITやデジタル関連の事業をタイで行うことによって現地にいる人材を教育することができたら、タイの経済発展に貢献することが可能でしょう。経済発展に貢献できれば、将来有望な進出先となるはずです。
日本から海外に進出した企業の成功に共通する3つのポイント

実は、海外に進出した企業の成功事例には、次の3つの共通点があります。
- マーケットイン
- 現地のリサーチ
- 現地のコネクション
つまり、どんな業種・業態であっても最低限この3つを押さえておく必要がある、とも言えます。一つずつどのようなポイントを押さえていけば良いのか、詳しく見ていきましょう。
マーケットイン
海外進出を成功させるためには、プロダクトアウト(自社の方針で商品・サービスを開発)ではなく、マーケットイン(市場が必要とする商品・サービスを開発)のスタンスで事業計画を立てて行く必要があります。
なぜなら、海外は文化圏が全く異なるためです。実際に後述した企業の成功事例を見ると、どの企業も「現地のニーズを満たしている」という点が共通しています。
「現地のニーズ」を満たすために、独自の技術や製品を海外に販売する場合であっても、現地のニーズに合うように製品・サービスを改良したり、サービス提供の方法を調整する必要があるということです。
たとえば、飲食店であれば、現地の食文化に合わせて新メニューを考案したり、味を調節する、などです。
中には中国で成功している「味千ラーメン」のように、日本での味がそのまま受け入れられる場合もありますが、基本的にはマーケットインの姿勢でいかなければ、現地の人に受け入れてもらいにくくなってしまいます。
現地の市場調査(リサーチ)
文化が違えば価値観も異なります。そのため、海外進出前には進出候補の地域のリサーチが重要です。実際に、後述した成功事例にも「現地のリサーチ」は共通しています。
主に次の5つについてリサーチしていくことが必要不可欠です。
・自社商品・サービスが受け入れられやすい国・地域
・現地の文化や各業種における独自のルール
・現地における自社商品・サービスの競合の有無
・現地の法律、規制
・現地の事業環境(気候、仕入れ、物流、店舗)
海外進出に成功している企業は、こういったリサーチを数年以上行ったり、現地の展示会に出典したり、ジェトロや調査会社、専門家からのアドバイスを参考にしたりしながら、現地のリサーチを入念に行っています。
現地のコネクション
日本もそうですが、海外でもビジネスは人間関係によって成り立っています。そのため、現地で事業をスムーズに展開していくためには、現地で人を繋いでくれたり、さまざまなビジネスコネクションを作り出してくれる現地パートナーの存在が必要不可欠です。
後述する成功事例にも「現地パートナー」の存在は共通しています。
いくら事前のリサーチをしっかりしていたとしても、現地に数十年住んでいる方には到底及びません。そういった現地人にしか分からない感覚をサポートしてくれるのが現地パートナーの存在です。
現地パートナーと良好な信頼関係が築ければ、海外進出の成功率もあがります。
日本から海外に進出した企業の共通点はコネクションとリサーチ!

ここまで、日本から海外に進出した企業の成功事例と、成功したポイントをいくつかご紹介しました。
成功事例を見てみると、やはり日本と海外の文化の違いをいかにリサーチの実施やコネクションの構築で埋められるのか、が成功するためには重要な観点だと考えられます。
今はネットで調べればその国や地域の情報がある程度手に入りますが、それだけでは不十分なケースがほとんどです。
実際に専門家によるアドバイスや公的機関からの支援を受けて、なおかつしっかりと自社でも現地に行ったり、調査会社などを利用したリサーチを行って初めて成功を掴んでいる企業がほとんどです。
AXIA Marketingでは、企業の海外進出におけるマーケットリサーチをトータルサポートしております。
弊社の特徴としては、調査・分析とコンサルティングに特化しており、マーケティング戦略立案の支援まで行っていることが挙げられます。
さまざまな国・業界に精通したリサーチャーが在籍しており、数々の業界の有識者とも提携をしているため、「海外市場でもこの業界ならでは」の深い情報にアクセスができます。
また、数多くの企業・専門家と提携を結んでいる弊社が、貴社に適切なパートナーをご提案させていただきます。
海外進出を検討している方はぜひお気軽にご連絡いただけますと幸いです。
サービスの詳細については、こちらをご覧ください。
1時間の無料オンライン相談も承っております
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参考文献
・ジェトロ活用事例 -ジェトロ
・日本企業のグローバル展開成功事例13選| 海外進出企業名の一覧も紹介 – BeeCruise株式会社
・海外進出の成功事例!成功する日本企業に共通するポイントを解説 -セカイノビジネス Presented byオシエテ
・海外進出に成功した日本の中小企業!10の事例と成功要因を徹底解説-WaGAZINE
・海外で人気の日本のBENTO文化!駅弁もこの流れに続くか -海外事業のプロフェショナル集団~プルーヴ株式会社
・日本企業のグローバル進出成功のポイント – 貿易ドットコム
・実際にあった日本企業の海外ビジネス成功事例集5選【欧州編】-セカイコネクトSTUDIO
・焼酎の未来の扉を開けるため、海外に挑む。|宮崎・落合酒造場を訪ねる – クラフトスピリッツを再発見するWEBマガジン
・宮崎の「干し椎茸」が米アマゾンで人気爆発、ドバイ富裕層にも -Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
・100年企業を目指す、ホテル三日月グループの新たな海外展開!ベトナム・ダナン市に複合リゾートが完成-リゾLAB(リゾラボ)/観光ビジネスのミライにヒント
・海外店舗数日本一、熊本から世界への挑戦を続ける重光産業株式会社の重光副社長 -COCO COLOR KUMAMOTO(ココクマ) | 熊本で働こう!暮らそう!
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