世界のサイバーセキュリティの市場規模は拡大中!最新動向&市場調査方法を解説
近年世界のサイバーセキュリティの市場規模は拡大していると言われています。
とは言っても、サイバーセキュリティ業界への進出を考えているあなたは「具体的な数値や根拠が知りたい」「市場調査はどんな方法がある?」と気になっているのではないでしょうか。
まずはサイバーセキュリティ市場の定義や最新動向を知るところから始めましょう。
この記事では
- サイバーセキュリティ市場の定義
- 世界のサイバーセキュリティ市場の最新動向
- サイバーセキュリティの市場調査方法
について解説します。
サイバーセキュリティ業界への進出を考えているあなたは必見です。
ぜひ最後までご覧ください。
サイバーセキュリティ市場とは?
サイバーセキュリティの需要は年々高まっています。
というのも、現在はネット社会でありサイバー攻撃を受けると大損害を受けかねません。
また、業界としての信頼も失うこととなります。
そのため、サイバーセキュリティ市場はどの業界からも重宝される存在にあるのです。
では、具体的にサイバーセキュリティ市場とは何か解説していきますね。
サイバーセキュリティ市場の定義とは
サイバーセキュリティ市場とはネットワークや、モバイルデバイスをサイバー攻撃から保護する役割を持つ市場のことです。
もしも自分の企業がサイバー攻撃を受けたことを想像してみてください。
賠償金を支払うなどの損害や社会からの信頼を失うことに繋がりますよね。
後述しますが、サイバー攻撃による被害は増加傾向にあります。
今やサイバー攻撃は国をあげて問題視されるほどの重要な問題となっているのです。
世界のサイバーセキュリティ市場は拡大中?2024最新動向
サイバーセキュリティ市場の需要について理解したところで、世界のサイバーセキュリティ市場の最新動向について解説します。
世界のサイバーキュリティ市場規模は拡大しているのか、実態が気になりますよね。
具体的な数値とともに解説していきます。
ぜひ参考にしてください。
世界のサイバーセキュリティ市場は25兆円超!
2023年の世界のサイバーセキュリティ市場は25兆円を超えていました。
以下は2018年〜2022年の世界のサイバーセキュリティ市場規模の売上推移です。
2023年の売り上げは1,722億4000万米ドルとされており、前述した通り日本円にするとおよそ25兆円超えです。
今後も需要が高まるであろうサイバーセキュリティ業界。
2024年は28兆円超えが予想されています。
2032年の世界のサイバーセキュリティの市場規模予想は82兆円超!
2032年には世界のサイバーセキュリティの市場規模は82兆円を超えるのではないかと予測されています。
世界のサイバーセキュリティ市場の売り上げは2032年までに5,627億2000万米ドルまで成長すると言われており、日本円にするとおよそ82兆円。
日本のサイバーセキュリティ市場規模でも2023年には2,600億円と推定されています。
そのため、日本だけでも2027年には1兆円に達すると言われているのです。
世界のサイバーセキュリティ市場規模が拡大している理由
売り上げの増加を見て「なぜこれだけ世界のサイバーセキュリティ市場規模が拡大しているのか?」と思う人もいるのではないでしょうか。
世界のサイバーセキュリティ市場の売り上げから、市場規模が拡大していることが目に見えてわかりますよね。
世界のサイバーセキュリティの市場規模が拡大している理由は以下のとおりです。
- AIの台頭
- サイバー攻撃の増加
- 大手AI企業がM&Aを行っている
それでは1つずつ見ていきましょう。
AIの台頭
世界のサイバーセキュリティ市場規模が拡大している理由の1つとしてAIの台頭が考えられます。
近年AIの発達は著しく、良くも悪くもサイバーセキュリティ業界に大きな影響をもたらしています。
サイバー攻撃の際、利用されてしまうのが生成AIです。
AIを用いることで高度なサイバー攻撃を生み出し、ときには攻撃を自動化してしまうのです。
このことからサイバーセキュリティの必要性が高まり、市場規模が拡大しているのです。
サイバー攻撃の増加
サイバー攻撃が増加していることも世界のサイバーセキュリティ市場規模が拡大している理由の1つです。
上記のように、年々サイバー攻撃は増加している傾向にあります。
2022年の被害数は2015年と比較すると約8.3倍にも上る数となっています。
また、2022年のサイバー攻撃数は17秒に1回は攻撃関連通信が行われていることになるのです。
大手AI企業がM&Aを行っている
大手AI企業がM&Aを行っていることも世界のサイバーセキュリティ市場が拡大している理由の1つです。
M&Aとは合併と買収を指しますが、会社または経営権の取得を意味する場合もあります。
大手企業は自社のグループの中にサイバーセキュリティ会社を設置する取り組みを行っているところもあり、その手段としてM&Aによってサイバーセキュリティ企業を買収するケースがあるとされています。
2021年のサイバーセキュリティ業界におけるM&Aは286件あり、取引額は約9兆円となっていました。
また、サイバーセキュリティ企業における約1,100億円を超えるM&Aは14件あり、サイバーセキュリティ分野のM&Aは活発に行われています。
サイバー攻撃の例と改善例
近年のサイバー攻撃はよりクオリティが増しており、2018年と比較すると約3倍のサイバー攻撃の件数が見受けられ、被害額は年々増加しています。
さらに、被害は国内外問わず世界中のさまざまな業界で発生しており、日本でも政府の情報まで流出した過去があります。
ここではサイバー攻撃を受けたグローバル企業と、サイバーセキュリティによる改善例をご紹介します。
サイバー攻撃を受けた企業例1
まず一つ目のサイバー攻撃の例は有名電子機器メーカー会社の被害です。
このサイバー攻撃は2020年に海外展開する大手電子機器メーカー会社を狙って行われました。
サイバー攻撃の種類は「サプライチェーン攻撃」というもので、組織や機関等の繋がりを使い、重要情報までたどり着く手法です。
狙われた企業は内閣府を含む10以上の政府機関や電力・通信会社等の主要インフラ企業の情報を保持しており、それらがサイバー攻撃によって流出しました。
侵入経路は、中国にある子会社の機密情報を扱う端末にアクセスし、そこから他の情報までもがリークしてしまいました。
サイバー攻撃を受けた企業例2
二つ目の企業例は大手カメラ販売店を狙った攻撃です。
こちらの攻撃手法は「パスワードリスト攻撃」という名で、ネットサイトのIDとパスワードを不正に入手し、そこから企業のサイトに侵入する攻撃手段です。
当企業のECサイトが不正アクセスに遭い、顧客アカウントへ侵入し、ポイントを不正利用される等の被害が起き、流出件数は約40万件にも及びました。
サイバーセキュリティによる改善例1
サイバーセキュリティによって防がれた被害例の一つ目は、製造業を営む会社です。
当社のソフトウェアコンポーネントの脆弱性管理を自動化し、工数削減と人間による見落としを削減しました。
今までソフトウェアコンポーネントの管理を人間の手で行っていたが、それらを自動化することにより工数を約7割減らし、更に、人間が見落としてしまうような部分もカバーすることができています。
サイバーセキュリティによる改善例2
続いての改善例は病院のネットワークセキュリティの強化です。
以前にランサムウェア攻撃を受けており、院内ネットワークを強化する必要がありました。
実際の措置は、VPN装置のアクセスの際にクライアント証明書を必須にすることで最大限に強固なセキュリティ体制を敷きました。
その結果、サイバー攻撃は受けておらず他の事業者とも安心して連携を保つことができていています。
サイバーセキュリティの市場調査方法を解説
「サイバーセキュリティの市場調査の方法は?」
サイバーセキュリティ市場へ進出するにあたって市場調査を行いたい場合、最適な調査方法はあるのか気になりますよね。
具体的な調査方法は2つあります。
- PEST分析
- STP分析
それでは1つずつ見ていきましょう。
PEST分析
市場調査の方法の1つがPEST分析です。
PEST分析とは企業が外部環境を分析するためのフレームワークのこと。
主に4つの要素から構成されており政治、経済、社会、技術の要因から分析していきます。
要素 | 影響因子 |
政治:Politics | 政権交代、法改正、為替相場 |
経済:Economy | 経済成長率、物価の動向売上、利益 |
社会:Society | 世論、流行、価値観健康、教育、人口動態 |
技術:Technology | 新技術、特許イノベーション |
手順を以下にまとめました。
- 情報取集する
- 4つの要素に分類する(上記の4つ)
- 事実と解釈に分類する
- 機会と脅威に分類する:機会はビジネスチャンス、脅威はリスク
- 短期と長期に分類する:影響を受ける期間
- 事前戦略に落とし込み実行する:PDCAサイクルを回し実行と検証をくりかえす
PDCAサイクルとは Plan(計画)Do(実行)Check(測定・評価)Action(対策・改善)のこと。
PEST分析を行うことで外部環境の変化に基づいて戦略が立てられます。
そのため、リスクを最小限に抑え、機会を最大限に活用することができるのです。
STP分析
調査方法の1つとしてSTP分析があげられます。
STP分析とは市場を細分化してターゲットを決定し、位置づけ・違いを明確にする方法のことです。
また、STPはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字をとっています。
- Segmentation(セグメンテーション):市場を細分化し、顧客を明らかにする
- Targeting(ターゲティング):狙うべきターゲットの決定
- Positioning(ポジショニング):市場における有利なポジションを見つける
具体的な調査方法の手順を以下にまとめました。
- 目的を明確にする
- 市場を細分化する(セグメンテーション)
- 目標とする市場を定める(ターゲティング)
- 市場での位置関係を把握する(ポジショニング)
- マーケティング策略を決める
S→T→Pの手順で進めることが望ましいですが、必ずしも手順を踏まなければいけないわけではありません。
分析手順にはこだわらず、顧客目線を見失わないことが重要になります。
世界のサイバーセキュリティの市場のFAQ
サイバーセキュリティ業界へ進出するにあたって市場の実態が気になるところもあるでしょう。
特にメリットを得るための情報は把握しておきたいですよね。
ここであなたが世界のサイバーセキュリティ市場において、気になっているであろう内容をFAQ形式で紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
世界のサイバーセキュリティの市場の成長率は?
世界全体のセキュリティ市場規模予測は、2024年が前年比11.5%増の約35兆7600億円であり、2022~2027年はCAGRが11.7%と予測しています。
サイバー攻撃が盛んな国はどこ?
攻撃件数の上位は1位アメリカ、2位日本、3位フランス、イギリス、カナダです。
世界のサイバーセキュリティ市場の売上高は?
世界のサイバーセキュリティ市場の売上高は、2023 年約24兆8650億円( 1,722 億 4000 万米ドル)と推定されています。
市場調査をして世界のサイバーセキュリティ市場へ進出しよう!
近年、AIの発達やネットの普及によりサイバーセキュリティ市場の需要は増加しています。
ネット社会となったことで、非常に便利な生活が送れている反面、サイバー攻撃による被害が後を絶ちません。
市場調査を適切な方法で行うことで、世界のサイバーセキュリティ市場へ進出し、サイバー攻撃から企業を守りましょう。
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