【完全版】海外の”売れる”販売代理店の探し方!契約時に注意するポイントも徹底調査
「うちの製品、海外に販売したいけど、英語もできないし、どうやって開拓すればいいだろう?」
「海外の展示会に参加したけど、どう売り込めばいいかわからなかった。」
せっかく海外で売れそうな製品を作っても、売り方がわからなかったりしませんか?
あきらめてはいけません。ポイントをつかめば、海外に販路を見出すことは十分可能です。
一番重要なことは、自社の作った製品を適切に販売できる、海外代理店の探し方を理解することです。
この記事では、販売店の種類や注意点、困った時の販売店の見つけ方を紹介します。記事を読むことで海外代理店の探し方がわかり、あなたの会社も海外市場に進出できるでしょう。
海外の販売代理店とは?
海外販売代理店とは、海外において製品を販売する際、製造以外の様々な顧客との仲介を請け負う会社のことをいいます。
業務範囲は販促から販売、契約の締結、その後の顧客サポートやトラブル対応といったアフターフォローなど様々です。
メーカーが自社製品を海外に向けて販売するには、現地の販売網に精通していなければハードルが高いでしょう。
そこで、販促や契約締結を現地の販売店に請け負うことで、メーカーは安心して自社の作る製品に集中して業務をおこなうことができ、海外への販路拡大を効率よく達成できます。
一言で販売店といっても、エージェント、セールスレップ、ディストリビューターと種類があります。
それぞれ販売に関する役割、責任の範囲が異なり、海外代理店の探し方にも影響しますので、以下に紹介していきましょう。
エージェント
エージェントとは日本語訳のとおり「代理店」のことで、メーカーと契約し、手数料を払うことで、その製品・サービスを求められた市場に販売する責務を負います。
販売を代行するのみならず、その後の納品、売上げ回収、カスタマーサポートなど、エージェントによって様々なサービスを請け負います。
エージェントは、現地顧客への販促や売買契約の仲介はするものの、そこで得られる損益や責任はメーカーのものとなります。
そのため、支払いが滞り、商品の販売代金が回収できないといったトラブルが発生した場合、損害は売り手であるメーカーが負担することになりますので注意しましょう。
セールスレップ
セールスレップとは、エージェントと同様に販売の仲介をし、売り上げが生じた際に成功報酬を受け取る仲介業者です。
エージェントと同様に製品の在庫は持たず、販売によって得た収益をメーカーから手数料をいただく仕組みです。
違いとしては、セールスレップは新規販路の開拓や販路拡大が主な役割であることです。
販売代行活動の全てを担うエージェントとは、受け持つ範囲が異なってくるといえるでしょう。
セールスレップは単純に販促の代行をするだけでなく、メーカーに販売戦略やマーケティングなど、新規販路の開拓のために様々な助言することがあります。
そのためセールスレップはマーケティングのノウハウを活かし、メーカーとともに事業拡大を担う役目があるといえます。
ディストリビューター
ディストリビューターとは、メーカーから製品を購入し、現地顧客へ再販する仲介業者です。
エージェント、セールスレップと異なり、販売価格や現地顧客の対象はディストリビューターが判断して販売します。
ディストリビューターが製品をメーカーから買い切るため、メーカーはその時点で販売代金を回収することができ、製品が売れないリスクを回避できます。
一方で、メーカーで販売価格が決められないため、ディストリビューターがメーカーから買い取ったよりはるかに高い金額で販売していたとしても、メーカー側が注文をつけられない可能性があります。
販路や販売方法について、メーカーに情報が入ってこないこともあり、販売地域でのメーカーの影響力が限定的になる可能性もあるでしょう。
そのような点を考慮しても、ディストリビューターは直接メーカー製品を買い切るため、実際に売り上げが出るかわからないセールスレップより確実な収入が見込めます。
海外代理店の探し方として、まずはディストリビューターと交渉することをおすすめします。
海外販売代理店のメリットとデメリット
海外へ販路を見つける上で重要なパートナーである海外販売代理店ですが、そのメリット、デメリットをあらかじめ知っておきたいですよね。
メリットとデメリットともに知っておけば、海外代理店の探し方を理解する手助けになるし、よりよい販売店を判断する基準になります。
以下それぞれメリット、デメリットを紹介しましょう。
メリット
- ビジネスの効率化
販売店に販促業務全般を任せることにより、メーカーは自社製品開発や製造に注力できます。
これにより、メーカーはビジネスを効率的に運用が可能です。 - 現地法規制への対応
海外ならではの法規制や慣習、マナーにそった販売促進がやりやすくなります。
メーカー単体ではそのような法規制まで理解して販促をおこなうのは困難であるため、販売店の力は大きく、現地顧客との信頼性が築きやすいです。 - 該当地域での独自ネットワークの活用
海外の新規市場にたいし、効率的な販促が可能となります。
海外販売代理店は、該当地域の市場に精通しており、現地顧客や卸売業者との独自ネットワークがあるためです。 - 現地言語や文化的障壁の解消
メーカーは海外該当地域の言語や文化的背景を十分に理解していないケースが考えられるため、直接販路を拡大するには課題があります。
海外販売代理店に請け負うことで、このような問題を解決し、円滑なビジネスを展開することができます。 - 在庫リスクの低減
特にディストリビューターに製品を買い取ってもらう場合、メーカーはその時点で製品の所有権を相手に移転させています。
ディストリビューターに在庫に関するリスクを一任することで、メーカーの在庫リスクが軽減できるようになります。
デメリット
- 製品のアピール不足
販売店の扱う商品数が多い場合、他メーカー製品との競合の可能性があります。
販売店による、メーカー製品の効果的な販促がおこなわれないことも考えられるでしょう。 - 利益分配の問題、コストの増加
販売店との商談の際、商品価格設定がメーカー側の意向どおりにならないこともあります。
販売店が十分に販促をおこなわないにも関わらず、代理店側の利益率が高くなる場合も考えられるでしょう。 - 品質管理
販売店を通して販売される製品の品質管理について、メーカーが十分に把握できない可能性があります。
製品の不具合、品質低下が生じた際の原因特定ができない、特定できたとしても解決に時間がかかるなどで、現地顧客のメーカーに対する信用、ブランドイメージの低下も考えられるでしょう。 - 言語や文化の壁、情報共有の遅れ
メーカーと海外販売代理店で言語や文化の違いにより、コミュニケーションがうまくいかないこともあります。
双方に誤解が生じ、うまく情報共有ができない、共有に時間がかかるなどの問題も考えられるでしょう。
海外代理店の探し方6選
海外代理店の探し方として、どんな点を意識すればいいでしょうか。
海外には多くの販売店がありますが、自社の販路を拡大できるような販売店を見つけるのであれば、いくつか条件があったほうが探しやすいですよね。
ここでは、海外代理店の探し方6選を紹介します。
全てに合致する必要はありませんが、より合致点が多い販売店は、自社にとってよい販売店といえるでしょう。
海外代理店の求める基準を作る
具体的な理想像や基準の設定しましょう。
「会社の規模はどのくらいか」「競合製品はどのくらい扱っているか」「経営者の販売に対する意欲はどれだけあるか」など、具体的に検討するとよいです。
基準を設定することで、販売店の表面的な印象や、商談時の雰囲気に流されず、有利な契約を締結できるでしょう。
自社とマッチする既存顧客がいるか
販売店がメーカーとマッチする既存顧客がいるか確認しましょう。
どのような海外販売代理店と契約するにしても、メーカーにとって狙いたい顧客を販売代理店が抱えていないのであれば、メーカーはなかなか顧客までたどりつくことが出来ず、契約の意味がなくなってしまいます。
自社が求める顧客像を明確にしたうえで、その顧客を販売代理店があらかじめ保有しているかをよく確認してください。
定期セミナーを行っているか
求める海外販売代理店が、セミナーを定期的に行っているかを確認しましょう。
展示会は特定の業界のイベントに出展することで、その業界に関係する人、興味がある人を呼び込みますが、イベントがないと出展できないため、ある意味受け身の側面があるといえるでしょう。
セミナーは特定の課題やトピックに対して、販売店自ら参加者を募り、情報発信して知見を深める集まりであり、販売店の主体性が求められます。
販売店自らがセミナーを行うことで、代理店自らの集客力や課題解決能力を見極める機会になります。
一度もセミナーを開催したことのない販売店には一度セミナーを開催することを提案し、その時の反応や集客をみて判断することもよいでしょう。
海外代理店が自社製品に興味を示しているか
海外販売代理店がメーカー製品にどの程度興味を示しているかも見極めましょう。
メーカー製品を販売してもらえそうであれば、販売店にとってどのような利益があるのか考えます。
売れる保証もない製品を販売店が扱うということは、そこに販促にかける労力以上の利益があると考えられるでしょう。
販売店が考える利益が、今後のメーカーのブランド力向上や収益促進につながるのか、商談の中で把握していくとよいです。
たとえ製品を販売することになっても、販売店が積極的に販売しないのであれば、その後のメーカー側の利益損失となるため注意が必要になります。
自社製品と補完関係にあるか
契約したい海外販売代理店で、自社製品とその他の製品に何かしら補完関係があるかも確認しましょう。
補完とは、一方の製品が他の製品の機能を補完することで、相互に価値が生まれたり、あらたな効用が期待される関係のことです。
具体的な製品でいうと、ソフトとハード(DVDソフトとDVD再生機)などが考えられます。
補完関係が考えられる商品を代理店が品揃えしていれば、現地で収益を得られる可能性が高いです。
語学が堪能であるか
メーカー側にとっては現地の言語が話せる社員がいるか、あるいは海外販売代理店側で日本語が十分に使える社員がいるのかも判断材料の一つです。
メーカーと販売店で意思疎通が難しいと、製品に対する認識齟齬ができ、商談、契約締結に支障が出てしまいます。
言語や文化の違いを把握しながら、スムーズなコミュケーションができる販売代理店を選ぶことで、円滑なビジネスを達成できるでしょう。
販売店を探す際は、相手が日本語が堪能な社員を抱えていることが望ましいですが、難しい場合はメーカー、販売店ともに国際語(英語)を使って意思疎通ができるかどうかも判断材料になります。
海外代理店と契約を結ぶ際の注意点
希望の販売店が決まり、商談がすすめば契約締結となりますが、その際いくつか注意点があります。
- 販売店に製品を買い取ってもらい、販売店に再販させるか(ディストリビューター)、代理店に販売代行してもらい、売り上げの一部を手数料として支払うか(エージェント、セールスレップ)
- もし販売店が買い取る場合、製品の在庫管理はどちらが受け持つか。
販売店による製品の一括管理は可能か。 - 地域における販売独占権(一定の制約のもと、契約した地域での販売を独占できる権利)を、メーカーは与えるのか否か。
- 代理店はどのようなサービスができるのか(製品の受け入れや管理、流通、会計業務、顧客情報の共有、売掛金の回収、カスタマーサービスはどちらが担当するか)。
- 不祥事、トラブルがあった際の双方の責任分担(製品に対する苦情、損害賠償が発生した場合の対処方法など)。
- 契約期間はいつまでか。
個々の課題について、商談の中で整理して交渉を進めてください。
とりわけ契約締結前に契約書を精読し、内容に不備があった際は臆することなく主張し、双方の納得いく契約締結を進めましょう。
海外代理店を探すときに困った時の手段
どんな販売店を選べばいいかわかっても、海外代理店の探し方を知らないと、途方にくれますよね。
ここでは、海外代理店の探し方に困った時に相談にのれるような組織、手段を紹介します。
JETROを中心に、いくつか相談できる窓口があります。
自社の製品について、詳細に説明できる準備が整っていれば、よい手助けとなりますので、ぜひ参考にしてください。
JETRO(日本貿易振興機構)
海外代理店の探し方に困ったとき、まず相談できる窓口としておすすめなのがJETRO(日本貿易振興機構)でしょう。
JETRO(日本貿易振興機構)とは、日本の貿易拡大を目的に様々な支援を行っている独立行政法人です。
海外貿易に利するような、様々な情報に精通しており、ウェブサイト上でも「国・地域別情報」「海外ビジネス情報」など、詳細な情報を知ることができます。
「国・地域別情報」では、各国の関税度や輸出入手続きといった、輸出入に関する制度から、投資促進機関、外資に関する規制、奨励といった、日本からの進出に関する制度など、細かい情報が載っているため、一度活用するのも良いでしょう。
また、JETROは海外に複数の事務所を持ち、現地の事務所とオンライン面談を通じて、海外のビジネス事情を日本企業に広く提供、相談にのることができます。
他にもJETRO主催のセミナー・講演会を定期的に開いているほか、貿易投資相談や、海外市場に勝てる企業の育成などに取り組んでおります。
海外の販売店とつながる手段についても、相談にのってみましょう。
実際に相談に行く際は、輸出したいと思っている自社製品を用意し、進出先の候補国をあらかじめ決めておくと、適切なアドバイスを受けられるでしょう。
日本人会
日本人とは、海外で日本人が集まるコミュニティのことをいいます。
日本人が海外で暮らすために困ることがないよう、情報提供などのサポートをするとともに、日本人同士の交流を深める機会となっています。
日本人会によってはビジネス面でのサポートもおこなっており、その中で日本企業の現地進出を助けるような人脈があるかもしれません。
ビジネスのみが主体のコミュニティではないので、大きな期待はできませんが、海外への販路拡大の一つの手段として、関係をもつことは良いでしょう。
ネット検索
ネット検索で販売代理店を探す手段もあります。
例えば「KOMPASS」は、世界中の企業情報データベースをオンライン検索できるB2Bマッチングサイトです。
企業情報データベースとは、業者の事業内容、連絡先など掲載された名簿のようなもので、企業の概略を確認できます。
B2Bとは「Business to Business」の略で、BtoBともいい、企業間同士で行わるオンライン上のプラットフォームのこといいます。
ある程度現地の情報に精通していれば、製品の販売に役立つでしょう。
ビジネスマッチングサイト(B2B)
KOMPASSの他にも、世界最大級のB2BマッチングサイトであるAlibaba.comや、アメリカのRangeMeなど世界には様々なB2Bマッチングサイトが存在します。
これらB2Bは、様々な法人、メーカー同士がオンライン上で直接つながることできます。
それにより、世界中の企業が容易に、様々なサービスを見つけることができ、また通常より低コストで営業活動が可能になります。
海外の販売店を経由せず、直接現地顧客に売り込みたい場合は、B2Bマッチングサイトを検討してみましょう。
在日大使館
該当する現地の在日大使館から、販売店を紹介してもらう方法があります。
業務範囲は各々の大使館によって異なるでしょうが、大抵の大使館には、国同士の経済交流を目的とした商務部が置かれています。
うまくこちらの事情を説明するば、現地の販売店を紹介してもらえるでしょう。
JETROなどの法人に訪ねるのと同様に、あらかじめ自社製品に関する情報や海外進出にたいする具体的な考えなどを考えておくとよいです。
展示会への出展・視察
海外の展示会に出展、あるいは視察する手段もあります。
出展する場合、自分で直接展示会に出展することもできますが、無計画に出展するだけでは、実際販売店と巡り合う可能性は低いです。
より効率的に出展するのであればJETROに連絡し、JETROのブース内で出展してみましょう。
JETROとの相談の中で、ちょうどいい候補の販売店をあらかじめ紹介してもらい、展示会の場で商談まで進められたら理想的です。
自社製品などを用意しておき、具体的な説明ができるようにしておくとよいです。
銀行・取引先・商社からの紹介
銀行や商社のもつ販売店の人脈を活用するのも一つの選択肢です。
特に、融資につながれば積極的に銀行は人脈を紹介してくれるでしょう。
難点として、もし紹介してもらった販売代理店との間にトラブルがあった場合、紹介してもらった銀行、商社との関係もあり、手を引くことが難しいというリスクがあります。
しかし、すでに取引きの実績がある金融機関に相談することは、信頼できる販売店と出会える可能性も高いでしょう。
調査会社に依頼
調査会社に海外販売代理店のリストを提供してもらうこともできます。
オンライン上でメーカーが直接リストを検索するのと違い、ある程度信頼のおける販売代理店の目星をつけることが可能でしょう。
最終的に、直接販売代理店をコンタクトをとるのはメーカー自身となります。
海外代理店の探し方を理解することが、販路拡大の第一歩
いかがだったでしょうか。
今回は海外に販路を見出す際に鍵となる、海外販売代理店の種類や気をつける点、困った時紹介してくれる窓口などを紹介しました。
一言で販売店といっても、エージェント、セールスレップ、ディストリビューターといくつかの種類があります。
さらに、実際に販売店と商談する際にも、意識しておくべき点があることがわかったでしょう。
これから販売店を見つける際には、自社製品の情報や特徴をよく整理し、商談の際も相手に伝えたい点をまとめておいてください。
海外代理店の探し方を理解すれば、必ず自社にあう販売店を見つけることができます。
今回の記事を確認し、ぜひ海外への販路拡大に挑戦してみてください。
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参考文献
・JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ)
・シンガポール日本人会
・Alibaba.com
・海外の売れる代理店・販売店を探す方法【中小企業向け】ー Glocal Solutions Japan
・海外進出のパートナー”良い販売代理店”の探し方とは?!ー8click
・海外市場での販売代理店の選び方。契約のポイントを解説ー貿易ドットコム