韓国進出に欠かせない市場調査とは？成功事例や注意事項も徹底解説

現在の日韓関係では、両国の企業が技術協力の関係を深めており、観光業と文化交流も盛んになりつつあります。

今も昔も韓国は日本にとって重要なビジネスパートナーであることに変わりはありません。今後も密接な関係が続く韓国での市場調査はどのように進めると良いのでしょうか。

本記事では韓国の基本情報に加えて、市場進出のヒントになる情報を網羅しています。
韓国進出のための市場調査を検討している、海外事業部や新規事業部の担当者さまは、ぜひ記事内容をご確認ください。

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韓国の基本情報と経済や人口動態について

韓国の基礎データの概略を一覧表にまとめてみました。

面積	約10万平方キロメートル
人口	約5,156 万人
宗教	仏教（約762万人）プロテスタント（約968万人）カトリック（約389万人）等
主要産業	電気・電子機器、自動車、鉄鋼、石油化学、造船
主要貿易品目	輸出：集積回路、自動車、石油製品、自動車部品・附属品、フラットパネルディスプレイモジュール 輸入：集積回路、石油製品、半導体部品・附属品、自動車、電話機器
主要貿易相手国	輸出：中国、米国、ベトナム、日本、香港 輸入：中国、米国、日本、オーストラリア、ベトナム

続いて、韓国の経済や人口について、詳細を解説します。

経済

2024年の韓国経済は緩やかに成長しています。2024年1月に韓国銀行が発表したデータによると、年間を通じてのGDPは前年比で1.4%増加しました。
比較的低い成長率に止まった要因は、主に民間消費の停滞、情報技術部門の需要減退、継続する高金利と物価上昇の影響が考えられます。

韓国銀行は2023年の後半から見られる輸出の回復が、景気回復に繋がると予想しています。韓国銀行の2024年の実質GDP成長率予測は2％台前半です。
韓国政府も、2024年の実質GDP成長率は2.2％と予測しています。
しかし、国際経済の不確実性と貿易環境の変動に直面している現在、これらの目標が達成されるとは言い切れません。
特に世界経済の動向や国際市場における競争激化は、韓国の輸出目標に大きな影響を与えるでしょう。

人口

韓国の2023年の出生率は0.72となり、2022年の0.78を下回り8年連続で過去最低を更新しました。
少子化が懸念される日本の出生率1.20（2023年）を大きく下回っています。2023年に生まれた子供数は23万人で、2022年よりも19,200人減少しました。
出生数と死亡数の差で表される「自然増減」は12万2700人減となり、4年連続で人口が減少しています。

2015年以降出生率が低下し続けている理由は、1980年代の一人っ子政策や2012年以降の韓国の景気後退が挙げられます。
韓国政府が実施してきた産児制限政策は、1980年代からそれまでの「二人産んで育てよう」から「一人だけ産んでよく育てよう」に変わりました。
一人っこ政策の影響下にあった女性たちが2015年から出産のタイミングを迎えており、産む女の人の少なさが現在の少子化加速の要因の一つとなっています。

その他、2012年以降の経済成長率2%前後という未知の低成長が続いたことも要因の一つです。
若者の失業率や非正規労働者の割合の増加に繋がり、少なからず出生率にマイナスの影響を与えていると見られています。

韓国の主な産業と輸出入

韓国経済の根幹をなす産業と輸出入について、詳細を説明します。

産業

韓国の基本的な産業は、電気・電子機器、自動車、鉄鋼、石油化学、造船です。
国際市場で高いシェアを誇る電気・電子機器産業は、テレビや家庭用電化製品、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの分野でトップシェアを獲得しており、品質の高さと先進的な技術が世界中で評価されています。

また、世界2位を誇る韓国の半導体産業は、メモリ半導体の分野で世界シェアの6割を占めています。PCやモバイルの需要が増えるに連れて半導体は韓国の基幹産業であり続けるでしょう。

自動車製造関連や鉄鋼、石油化学も去ることながら、昨今では新興産業としてEVやESS向けの二次電池も注目されています。エネルギー転換の波に乗って急速に需要を伸ばしており、将来韓国経済に新たな勢いをもたらしてくれる可能性があります。

輸出

韓国は世界的に見ても重要な製品を輸出する国として知られています。主要な輸出品目は、エレクトロニクス、半導体、自動車、化学製品、船舶などです。
輸出の収支が韓国経済に与える影響はとても大きいです。
韓国の主要な輸出先を一覧表にまとめました。

輸出相手国（地域）	詳細
中国	最大の輸出市場。電子部品や化学製品を中心に多くの製品が輸出されている
アメリカ	自動車やエレクトロニクスが主な輸出品目
ベトナム	ベトナムの韓国企業の工場への輸出が多い
EU	自動車や機械類が主な輸出品

最近では、米中貿易摩擦が韓国の輸出へ影響を与えています。半導体は中国とアメリカ双方へ輸出を依存しているため、対応が難しいところです。
また、コロナウイルスの影響によるサプライチェーンの混乱を教訓に、韓国でも供給体制の再構築を進めています。
サプライチェーンの再構成は今後の輸出にも少なからず影響を及ぼすでしょう。

輸入

韓国は資源の乏しい国です。多くの原材料やエネルギー資源を輸入に依存しなければ国民の生活が成り立ちません。
製造業や輸出産業を支えるために、様々な製品を世界中から輸入しています。
主な輸入品目を一覧表にまとめてみました。

輸入品目	詳細
原油および石油製品	石油のほとんどを輸入に依存しているため、韓国最大の輸入品目となっている
半導体および電子部品	特に半導体の素材や部品は重要な輸入品目となっている
機械および設備	工業機械や製造装置、建設機械なども多く輸入されている
天然ガス	石油だけに頼らないエネルギー供給を実現するために液化天然ガスの輸入も多い
農産物および食品	米や小麦、とうもろこしなどの農産物や加工食品も多くは輸入に頼っている

主な輸入相手国を一覧表にまとめてみました。

輸入相手国（地域）	詳細
中国	最大の輸入相手国。電子部品や機械類、化学製品などを輸入している
アメリカ	機械や航空機、農産物などが主な輸入品目
日本	機械類、電子部品、化学製品など
中東諸国	サウジアラビアやアラブ首長国連邦から原油を輸入している

直近では、原油や天然ガスの価格変動が韓国経済へ大きなダメージを与えています。エネルギー資源の高騰は韓国でも深刻な問題です。
輸出と同様に米中間の貿易摩擦は、最大の輸入相手国である中国との関係にも影響しています。特に電子部品や機械類の輸入については、良いポジションを取る必要があります。

輸入に頼らざるを得ない韓国は、多くの国と自由貿易協定を結んでおり、関税制限による輸入コストの低減に注力している点も特徴の一つです。

韓国へ進出した日本企業の状況

韓国へ進出した日本企業の概況を紹介します。
内容についてはジェトロの「2022年度版 海外進出日系企業実態調査|韓国編」を参考としております。

・進出している日本企業のあらまし
・アジア・オセアニア地域では黒字割合トップクラス
・人件費の上昇に課題を抱えている

進出している日本企業のあらまし

韓国へ進出している日系企業の内訳は44.7%が製造業、55.3%が非製造業となっています。
そのうち、大企業は6割、中小企業は4割程度です。
北東アジア、ASEANの中で見ると、韓国へ進出している日系企業は、大企業67社、中小企業18社と、13の国や地域の中でも10番目と低くなっています。
なお、日系企業が最も進出している国は中国、ついでベトナムです。

アジア・オセアニア地域では黒字割合トップクラス

韓国に進出している日系企業が、2022年の営業見込み利益を黒字と回答した割合は85.5%です。アジア・オセアニア地域の中では2位のオーストラリアを4%ほど引き離しています。

赤字と答えた企業3.6%まで考慮すると、韓国におけるビジネスの黒字割合が断然トップです。

黒字と答えた企業のうち、5割は今後1年〜2年以内の事業拡大を計画しています。韓国の事業成長性と潜在力の高さに魅力を感じている企業が多いようです。

人件費の上昇に課題を抱えている

コ ロ ナ ウ イ ル スの落ち着きと同時に、人材教育の強化と現地従業員の増加を検討している企業は約半数になるものの、賃金の上昇が経営を圧迫していると答えた企業は、8割にも上ります。
世界的なインフレによって、人件費の圧迫はしばらくの間続くとみられています。

韓国の消費者動向

韓国国民の消費に関する動向や情報を紹介します。

・人口動態と消費行動
・収入と支出の傾向
・消費者の嗜好とライフスタイル

人口動態と消費行動

韓国の少子高齢化は日本よりも深刻です。労働力の減少や社会保障負担の増加は、今後より深刻な社会課題として顕在化するでしょう。

数少ない若年層は、オンラインショッピングやモバイル決済を積極的に利用し、ファッションやモバイル等への支出が主な消費行動です。中高年層は健康関連商品や旅行への関心が高まり、全体的に品質やブランドを重視する消費傾向が見られます。

今後、企業は人口減少と高齢化を念頭に置いて、ターゲット市場の変化に対応した商品やサービスの提供が求められるでしょう。

収入と支出の傾向

韓国では、少子高齢化だけでなく格差社会も深刻です。都市部と地方の間では所得水準に大きな差があり、大企業と中小企業の所得格差も顕著です。
安定した収入を求める若者の公務員、大企業志向はより高まっています。

消費者の支出は住居、教育、食費、交通に多く割かれています。格差社会を見据えた教育費への支出は大きく、子供の教育に力を入れる家庭が多いです。
また、スマートフォンや家電製品などのテクノロジー製品にも高い関心があり、購買意欲の高さも特徴的です。その他、健康や美容関連の支出も増加しています。

消費者の嗜好とライフスタイル

韓国の若者はトレンドに敏感で、ファッションや美容に対する関心が高いです。K-POPや韓流ドラマの影響もあり、エンターテインメントの消費が盛んです。また、食に対するこだわりも強く、新しい食体験を求める傾向があります。

都市部では、若者を中心にカフェ文化が発展しており、国民にとって友人や同僚と過ごす時間はとても大切です。
健康志向が強まり、フィットネスやヨガなどの運動習慣も増えています。デジタルデバイスの普及により、オンラインショッピングやデジタルコンテンツの消費はますます盛んです。
全体的に見ると、韓国国民は流行に敏感でありつつも健康とライフバランスを重視した生活を送っています。

韓国主要産業の分析

韓国経済を支える下記の主要産業について、詳細を説明します。

・化粧品・美容産業
・ファッション産業
・自動車産業
・エレクトロニクス産業

化粧品・美容産業

韓国の化粧品と美容産業は、世界的に高い評価を受けています。特にスキンケア製品やメイクアップアイテムは革新的と言われており、品質とデザインにおいてユーザから好評を得ています。韓国のビューティートレンドは世界規模での人気です。
韓国の化粧品の特徴は天然成分にあります。肌に優しい商品が多いです。製品の価格帯も幅広く、多くのユーザーにリーチしてます。

韓国の美容産業はK-POPや韓流ドラマと連動し、アイドルや俳優の影響をうまく利用してトレンドを生み出しています。また、オンラインとオフラインを組み合わせた販売戦略により、国内外での市場拡大も順調です。

ファッション産業

韓国のファッション産業は、独自のスタイルとトレンドを世界に発信しており、特に若者文化の影響力が大きいです。K-POPや韓流ドラマの人気が、ファッションのトレンドを牽引しています。

大きな特徴の一つとして、洗練されたデザインとリーズナブルな価格が挙げられます。ストリートファッションから高級ブランド品まで、そのラインナップは多彩です。アクセサリーやコスメと組み合わせたトータルコーディネートも人気ジャンルの一つです。

また、オンラインショッピングの発展により、国内外での購買が容易になり、韓国ブランドはアジアを中心に人気を拡大しています。また、SNSを活用したマーケティング戦略により、トレンドが広まる早さは加速する一方です。

自動車産業

韓国の自動車は世界中で活躍しています。中でも現代自動車と起亜自動車の活躍は目覚ましいものがあります。高品質でデザイン性に優れた車は、世界中の憧れの的です。

韓国製の自動車が好評を得ている理由は、技術革新と安全性能のレベルの高さにあります。電気自動車やハイブリッド車の開発にも注力しており、環境に配慮した車を生産し続けています。

最近では、自動運転技術やコネクテッドカーの分野でも研究開発を進めており、未来のモビリティ産業での競争力は高まる一方です。

エレクトロニクス産業

韓国のエレクトロニクス産業では、特にサムスン電子とLGエレクトロニクスの活躍が目立ちます。2つの企業はスマートフォンや、テレビ、家電製品などを製造・販売する会社です。

革新的な技術開発とデザインを強みとしており、特にディスプレイ技術や半導体の分野では、常に世界をリードするほどの先進性を持っています。多機能性や利便性は世界のユーザーが評価するところです。

エレクトロニクス産業は、韓国経済の中核をなしており、輸出の大部分を占めています。
世界市場でもシェアを拡大し続けており、技術革新と新製品の開発を通じて、持続的な成長を目指しています。

競合分析について

韓国市場進出の際の競合分析について、詳細を説明します。

・主な競合企業の分析
・市場シェアと競争の優位性
・SWOT分析

主な競合企業の分析

韓国市場は多様な産業において競争が激しく、国内外の企業が熾烈な競争を繰り広げています。特にエレクトロニクス、自動車、化粧品などの分野で多くの競合が存在します。

エレクトロニクスの分野で高いシェアを誇るのは、サムスン電子とLGです。その他、アップルや中国のXiaomiなどの海外企業もしのぎを削っています。技術革新とブランド力が明暗を分けるポイントです。

自動車分野では、現代自動車と起亜自動車が国内シェアを持つ一方で、トヨタやフォルクスワーゲンなどの海外メーカーも市場に参入しています。品質と価格のバランスが競争力の根源となっています。

化粧品分野では、国内ブランドが強い一方で、ロレアルやエスティローダーなどのグローバルブランドも見逃せません。韓国の独自の美容トレンドを取り入れた製品が求められています。

市場シェアと競争の優位性

韓国市場は、多様な産業が競争を繰り広げるダイナミックな環境です。

特に電子機器、化粧品、自動車産業などでの市場シェアは韓国市場進出を考える時に、非常に重要なポイントとなります。

サムスンやLGといった大手企業は、革新と技術力でグローバルな競争優位性を保っています。

化粧品産業では、K-Beautyの人気により国内外でのシェアを拡大中です。

これらの企業は品質、デザイン、マーケティング戦略において優位性を持ち、国内市場だけでなく国際市場でも強い影響力を持っています。
直接の競合にならないとしても、大企業が生み出すトレンドは抑えておかなければいけません。

SWOT分析

SWOT分析は、組織やプロジェクトの戦略立案に使われるフレームワークです。以下、4つの要素から構成されています。
韓国市場進出を考える際には、大いに役立つでしょう。

1. Strengths（強み）: 内部の強みを特定し、競争優位性を築く要素を評価します。例えば、ブランド力や技術力です。
2. Weaknesses（弱み）: 内部の弱点を明確にし、改善が必要な領域を特定します。資源不足や市場知識の欠如などが該当します。
3. Opportunities（機会）: 外部環境の変化によって生じるビジネスチャンスを識別します。市場の成長や新技術の導入などがあります。
4. Threats（脅威）: 外部からのリスクや障害を評価します。競合他社の動向や規制の変更が含まれます。

SWOT分析によって現状を把握し、戦略的な意思決定をサポートします。

韓国の規制と法的環境

韓国へ進出する際に気をつけたい規制や法律について、詳細を説明します。

・ビジネス運営に関する法律
・税制
・労働規制
・貿易政策

ビジネス運営に関する法律

韓国市場への進出に際して、ビジネスに関係する法律は重要です。

まず、外国企業は韓国の法律に基づき会社設立登録を行う必要があります。税制では法人税や付加価値税（VAT）が適用され、税務コンプライアンスの順守が求められます。
その他、労働時間、最低賃金、労働者の権利に関する厳格な規定が定められており、雇用契約の遵守が不可欠です。
特定の業種にはライセンス取得や規制遵守が求められることがあります。

韓国市場で成功するためには、まず韓国国内の法律を理解し、適切な対応をとる必要があります。

税制

韓国でのビジネスに関連する主な税制は、法人税と付加価値税（VAT）、関税です。

法人税は日本と同じく累進課税制度で、税率は11%から25.2%です。様々な控除・税額軽減措置が設けられています。

付加価値税（VAT）は日本で言うところの消費税にあたります。標準税率は10%です。輸出品には免税が適用されるケースもあります。

関税は個人の輸入品に対して適用され、製品の種類によって税率はまちまちです。

労働規制

韓国の労働規制は労働者の権利保護に重点を置いています。労働基準法にて定められた労働時間の上限は週52時間です。

超過勤務には追加賃金が支払われます。情勢に合わせた最低賃金の見直しも頻繁です。解雇には正当な理由が必要で、事前に通知しなければなりません。

また、雇用形態にかかわらず、社会保険への加入が義務付けられており、労働者の福祉が守られています。企業はこれらの規制を遵守し、労働環境の整備に努めることが求められます。

貿易政策

輸出主導型経済を支えるための貿易政策は韓国にとってとても重要です。
韓国政府は自由貿易協定（FTA）の締結を積極的に推進し、多くの国とFTAを結んで貿易の障壁を低くしています。
韓国製品の競争力の高さは、国際市場でのアクセスの良さと言っても過言ではありません。

また、自由貿易を推進する一方で、関税制度や非関税障壁の管理を通じて、国内産業の保護と成長を図っています。
オープンな市場と一定の制限により、韓国はグローバルな貿易環境で有利な立場を築いています。

韓国進出のためのマーケティング戦略

韓国進出におけるマーケティング戦略の基本について、概要を説明します。

・市場参入戦略
・ブランド戦略
・広告とプロモーション
・デジタルマーケティング

市場参入戦略

韓国市場参入のための戦略には、現地ニーズの徹底的な理解と適応が重要です。

まず、消費者の嗜好や文化的背景を考慮した商品・サービスのローカライズが鍵となります。

現地パートナーとの提携や合弁事業を通じて、ネットワークを活用し市場へのアクセスを強化する活動も重要です。デジタルマーケティングやSNSを駆使したブランディング戦略も効果的に機能します。

韓国特有の規制や法律に従うことは前提条件となり、適切な法務・税務対応が求められます。これらの要素を組み合わせて、持続可能な成長を目指すことが成功の鍵です。

ブランド戦略

韓国市場参入のためのブランディング戦略は、現地の文化とトレンドを深く理解し、共感を得ることから始まります。

まず、韓国の消費者が重視する品質やデザインにフォーカスし、製品の差別化を図ります。K-カルチャーやK-ビューティーなどの流行を活用し、ブランドストーリーを構築することも大切です。
SNSやインフルエンサーを活用したプロモーションは、ブランド認知を高める効果があります。

現地のニーズに応じたコンテンツ提供と、顧客とのエンゲージメントの強化はより良いブランディング効果をもたらすでしょう。
ローカライズしたアプローチで、ブランドの信頼性と魅力を高めることが成功の鍵となります。

広告とプロモーション

広告とプロモーション戦略は、デジタルメディアの活用がポイントです。

SNSやインフルエンサーを通じて、ターゲット層にリーチし、認知度を高めます。特に、若年層をターゲットにする場合、InstagramやTikTokなどのプラットフォームは大いに活躍してくれるでしょう。

K-POPや韓国ドラマとのタイアップやコラボレーションを通じて、ブランドの親和性を高めることも有効です。

韓国の文化やトレンドに沿ったキャンペーンを展開し、現地の消費者との共感を築くことで、持続的なブランドロイヤルティを確立することができます。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティングをうまく機能させるには、現地のデジタルトレンドを活用することが重要です。

まず、KakaoやNaverなどのプラットフォームを利用し、SEOやコンテンツマーケティングを行います。
SNSでは、InstagramやTikTokを活用してビジュアルコンテンツの発信を効果的に実践しましょう。
インフルエンサーとのコラボレーションは、ターゲット層への認知度向上に寄与します。

また、韓国特有のモバイル決済やショッピングアプリを通じて、消費者の購買体験を向上させることも大切です。

日本企業の韓国進出の事例

韓国進出を成功させた2社の事例を紹介します。

株式会社ダイオーズ

ダイオーズは1969年に創業した歴史のある企業です。
1977年には新たなマーケットとしてオフィスサービス事業へ参入し、日本で最初にオフィス向けのコーヒーサービス事業をスタートします。
ウォーターサービス、リサイクルトナー、クリーンケアサービス、カバーオールなどにも事業領域を拡大し、現在では国内屈指のトータルオフィスサービス企業として発展を遂げました。

米国進出に成功したダイオーズは、次の注目マーケットをアジアに定めました。
アジア進出には、地元会社との連携が重要と考えたダイオーズは、2000年に合弁により台湾ダイオーズを設立、2004年には上海ダイオーズを設立します。
2005年にはダイオーズ韓国を設立するタイミングで日本貿易振興機構ジェトロの「韓国投資・ビジネスミッション」に参加。またとない知遇を得て、韓国進出を成功させました。
その後もインドやベトナムへの進出を進め、アジアでのオフィスサービスにおいて存在感を示しています。

サイバーステップ株式会社

サイバーステップは、自社で開発したオンラインゲームの運営サービスおよびライセンス事業を国内外で展開する会社です。
サイバーステップが開発するゲームは、インタラクティブ性とリアルタイム性にこだわった高い技術とゲーム性を強みとして、一定のユーザーに愛され続けています。

韓国進出を果たしたのは、2001年に開発した3D格闘ゲーム「GetAmped（ゲットアンプド）」によるブランディングでした。
当時からオンラインゲームが盛んだった韓国で本物をリリースすると、アジア圏進出の足掛かりになるという目論見の元、「GetAmped（ゲットアンプド）」はヒットします。
韓国ではじめに火がついた後は、アジア圏を中心に順調にライセンスを拡大することができました。

まとめ

韓国では現在、深刻な少子化が進んでいます。世界の流行の最先端を行く韓国ですが、韓国内のビジネスでは、ターゲット層の選定に気を付ける必要があります。
少ない若者層をターゲットにして売り上げを確保する場合、価格設定やブランディングが特に重要です。
エレクトロニクス分野でも世界を牽引する韓国が生み出すトレンドは、世界のトレンドの指針となる可能性も多いにあります。

また、韓国進出でお悩みのご担当者さまはお気軽にお問い合わせください。韓国市場調査の実績が豊富な弊社が、貴社事業に適した伴走支援をさせていただきます。

参考文献

・韓国 | アジア – 国・地域別に見る – ジェトロ
・2021年度海外進出日系企業実態調査韓国編
・コリアインサイト　人口構造の変化による消費パターンの変容 | ゼロから学べるアイザワ投資大学
・最先端ライフスタイルショップで韓国のトレンドが丸わかり！（FRaU） | FRaU
・主要韓国企業の現在地と展望（韓国） | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ
・大韓民国基礎データ｜外務省
・韓国における市場調査 | SISインターナショナルリサーチ
・韓国における商標を対象にした企業動向調査
・韓国の法律と表示 | 一般財団法人カケンテストセンター
・外資に関する規制 | 韓国 – アジア – 国・地域別に見る – ジェトロ
・韓国進出【決定版】｜利用実績20,000社の「Digima〜出島〜」
・BtoB領域における韓国市場参入のあり方 | MarketOne
・ジェトロ活用事例 – 韓国へ進出 – ジェトロ