金田大樹

記事の監修者

金田大樹

AXIA Marketing代表取締役

リサーチ会社を活用した経営判断を、日本企業の常識にしていくことがモットー。

鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅から大手調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。


アジアの成長市場を見据えて、今、日本企業がこぞって注目しているのが東南アジアの国々です。

特に10カ国からなるASEANは、多様な文化や消費者ニーズが存在し、ビジネスチャンスが豊富に広がっています。しかし、東南アジアは国内市場とは商習慣や法制度、消費者の嗜好が異なるため、十分な準備と綿密な市場調査が欠かせません。

海外展開には国内より多くの課題が伴いますが、反対に現地の文化や市場動向を深く理解し、それをビジネス戦略に活かすことで大きな成長が期待できます。それでは、アジア進出を成功させるためには、具体的にどのような市場調査が必要なのでしょうか?

この記事では、日本企業がASEANをはじめとした東南アジア市場で成功するための市場調査について詳しく解説します。ぜひ自社の状況と照らし合わせてみてください。

市場調査の前に知っておきたい東南アジアの代表的な国々とは?

東南アジアは、10カ国が加盟するASEANという地域協力体のもと、多彩な経済圏を形成しています。しかし、ASEANは国ごとに文化、政治、経済状況が大きく異なるため、企業が進出する際にはそれぞれの特色を踏まえたアプローチが必要です。

ここでは、ASEANのなかでも代表的な6カ国に絞り、国ごとの市場概要や特筆すべき特徴を解説していきます。

シンガポール

シンガポールは東南アジアの金融ハブとして高い評価を受けている国です。政治の安定性や透明なビジネス環境が強みで、多くの多国籍企業が戦略拠点を置いています。先進的なインフラや高速通信網、港湾施設などが整い、物流やIT分野の基盤も充実しているのも特徴です。

シンガポールの2025年のGDP成長率は1.5~2.5%と堅調な見込みで、「スマートネイション」政策によるAIやデジタル技術の推進が経済成長を支えています。シンガポールの市場規模は小さいものの、高所得層が多く高付加価値サービスやテクノロジー産業が成長しており、各企業間の競争は激しさを増しています。

また、シンガポールは英語が公用語で多民族社会であるため、国際的にビジネスがしやすい環境が整っているのも特徴です。これらの理由から、シンガポールは東南アジア進出に際して、高付加価値戦略や地域統括拠点として非常に重要な拠点となっています。

ベトナム

ベトナムは人口約1億人の若い労働力が豊富な国で、急速な経済成長が続いています。2025年のGDP成長率は約6~7%と高水準を維持し、製造業、とくに電子機器や衣料品を中心に外資企業の進出が活発です。労働コストが比較的低いため、製造拠点としての魅力が大きく、都市化やインフラ整備も進んでいます。一方で、行政の意思決定や法制度には独特の部分があり、リスクを減らすためには現地パートナーの協力が必要となるでしょう。

また、中間層の拡大で国内の消費市場も急成長しており、デジタル技術の普及によりECやモバイル決済が広がっています。ベトナム政府はデジタル経済やグリーン成長を重視し、インフラ投資を積極的に進めていることも成長を後押ししています。

製造業から高度付加価値産業へのシフトも進み、長期的な成長が期待される市場です。このため、ベトナム進出企業は複合的なリスク管理と現地の市場特性の理解を深め、戦略的に投資・展開を進めることが求められます。

タイ

タイは東南アジアの中でも経済が成熟している中進国で、自動車産業や観光業が経済の柱となっています。2025年の実質GDP成長率は約2~3%の緩やかな回復が見込まれており、特に都市部では消費者の購買力が高く、多様なサービス業も発展しています。伝統文化を重視し、ビジネスにおいても礼儀や階層的なコミュニケーションが重要で、現地事情に即した対応が求められます。

また、デジタル経済の成長が著しく、キャッシュレス決済やEC市場の拡大も進行中です。一方で、政治的な不透明さや家計債務の高さ、製造業の停滞など構造的な課題も抱えています。投資環境としては、デジタル分野や電気・電子産業が活況で、日本企業も自動車や電子部品での進出が活発です。

市場調査では、現地のビジネス慣習や消費者の多様な価値観、またオフラインでの実地調査が特に重要とされており、深掘りした理解をもとに戦略を立てることが成功のポイントとなります。

マレーシア

マレーシアは多民族国家であり、マレー系、華人系、インド系など多彩な文化背景を持つ消費者が共存しています。この多文化社会は市場に独特の多様性を生み、消費者の嗜好や購買行動に国際的かつ多様な傾向が見られます。

2025年の実質GDP成長率は約4.4%で、堅調な内需を背景にサービス業や製造業がバランスよく発展しています。特に電子機器の製造やIT分野が著しい成長を遂げており、マイクロソフトなどの大手テクノロジー企業の投資も活発です。

英語が広く通じるため外国企業にとって親和性が高く、多文化対応や高付加価値戦略が進出の鍵となります。生活水準やインフラも整い、中間層の購買力が高いことから、高品質商品やサービスの展開が有望とされています。

一方で、政治の腐敗問題や経済格差、優秀な人材の流出といった課題も存在し、こうしたリスクも市場調査で慎重に把握する必要があります。マレーシアは多文化共生を活かした多様なビジネス機会と安定的な経済基盤を持つ、東南アジアの重要拠点です。

インドネシア

インドネシアは人口約2億7000万人を擁し、東南アジア最大の市場として注目されています。若年層が多く、消費力が年々高まっているため、国内外の企業にとって有望な成長市場です。経済成長率も安定しており、2025年には約5%の成長が見込まれています。都市部を中心に中間層が拡大し、高品質な製品やサービスへの需要が増えています。

一方で、地方と都市の経済格差やインフラの未整備、複雑な法制度などの課題も残っています。特に行政手続きや物流環境には改善の余地があり、これらを理解した上での戦略構築が重要です。

また、デジタル経済の発展が著しく、EC市場は急成長しています。インターネットユーザー数は約2億人に上り、モバイル決済やSNS利用も広がっているため、デジタルマーケティングの活用が不可欠です。インドネシア政府は持続可能な成長を目指し、デジタル分野やグリーン投資に注力しています。こうした環境を踏まえ、現地の実情に即した柔軟な市場調査と事業展開が成功の鍵となるでしょう。

フィリピン

フィリピンは英語を公用語とし、若年層が多い人口構成から豊富な労働力を持っています。フィリピンではサービス業が急速に発展しており、特にBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)産業は世界的にも重要な拠点となっています。また、IT・通信分野や小売業も都市部を中心に拡大しています。

2025年のGDP成長率は約5.5%で、安定した内需主導の経済成長が続いており、個人消費の堅調さが経済の大きな支えとなっています。この個人消費は、国外で働くフィリピン人労働者からの送金が支えています。

フィリピンの経済は内需主導で、民間消費や政府支出が成長を牽引しているため、消費者市場の拡大に非常に期待できます。ただし、インフラ整備にはまだ課題が残り、地方と都市部の経済格差も存在します。文化面では家族を重視する価値観が強く、消費者の購買動機や嗜好を理解するためには現地の社会背景を踏まえた戦略が必要です。

また、英語が広く通じる一方で、現地の言語や慣習、宗教的な配慮も重要であり、繊細なローカライズが求められます。進出を検討する企業は、法規制や投資環境も含めた多面的な調査を行うことをおすすめします。

東南アジア市場調査の重要性を解説!

東南アジアは経済成長が著しく、ビジネスチャンスが豊富な一方、文化や政治、社会環境が複雑に絡み合う地域です。そのため、現地事情を正確に理解するための市場調査は事業成功の基盤となります。

綿密な調査によって、市場動向や消費者のニーズ、競合環境を深く把握すれば、リスクを低減しつつ成長機会を最大化させられるでしょう。

ここでは、東南アジアにおける市場調査の重要性について、詳しく解説していきます。

東南アジアの概要

東南アジアは、10カ国が加盟するASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とした地域です。政治体制や経済の発展段階は国ごとに大きく異なり、文化、宗教、言語の多様性も非常に豊かです。そのため、各市場の特徴は大きく分かれ、統一した戦略では対応が難しくなっています

人口増加と中間層の拡大に伴い、消費市場は今後も大きな成長が見込まれます。しかし、インフラ整備の進捗度や法制度の成熟、行政の透明性といった課題は国によって異なり、一国一国を慎重に分析した上で個別対応することが重要です。

2025年の東南アジア全体の実質GDP成長率は約4.2%と予測されており、グローバル経済の影響を受けながらも持続的な成長を目指しています。ASEANは「包摂性」と「持続可能性」を掲げ、デジタル経済やイノベーションの促進に注力しており、これが今後の経済活性化を支える要因となっています。

地域統合の進展や自由貿易の拡大、インフラ連結の強化により経済連携が深まっていますが、一方で開発格差の是正も引き続き重要な課題です。こうした多様な環境の中で、各国の実情を詳しく理解し柔軟かつ戦略的に市場調査を行うことが、東南アジア市場で成功する秘訣と言えるでしょう。

海外市場調査

海外市場調査とは、自社ブランドが海外進出を検討する際に、進出先の地域における市場や顧客について調査することです。

成功するためには、進出先の文化的背景や消費者行動を正確に理解する必要があります。

海外調査で特に重要なポイントは以下の3つです。

  • 地域性やその国の価値観を理解する
  • 顧客の年齢層やニーズを把握する
  • 海外展開している競合他社との比較をする

これらに加えて、その国や地域の消費者に喜ばれる商品やサービスを提供するための準備も不可欠です。

日本国内での市場調査と比較して、海外の調査は言語や文化の違いなどから難易度が高くなります。特に、東南アジアのように多様な市場では、単にデータを集めるだけでなく、文化や社会背景を踏まえた分析が求められます。信頼できる一次情報を収集し、現地での調査やデジタルデータを組み合わせて、深く掘り下げた情報を得るようにしましょう。

東南アジアでの市場調査のポイント

東南アジアでの市場調査では、地域の多様性を理解し、国ごとの文化や経済状態に合わせた調査設計が求められます。具体的には次の3点を中心に調査していきます。

  • 市場規模を予測し、売上規模を把握する
  • 自社ブランドの商品の売り出し方、商品開発の検討する
  • 自社ブランドの市場における成長率の調査をする


市場規模の予測を行うことで、将来期待できる売上高を見積もることができます。また、売上の予測に基づいて、商品の開発から販売までのプロセスを最適化できます。

さらに、対象地域の顧客ニーズを詳細に分析することで、各国の政治・経済・社会的環境を理解し、進出後の障壁を予測できます。さらに、現地の消費者が何を求め、どのような製品やサービスに興味を持っているかを把握できれば、自社製品やサービスの現地適合を進められるでしょう。

こうした調査結果は、現地パートナー選定や販売チャネル構築、マーケティング戦略の策定に活用され、事業成功率を大きく高めます。したがって、アジア進出の第一歩として市場調査は不可欠なプロセスであり、持続可能な成長の基盤を築くための戦略的投資と言えるのです。

東南アジア進出における市場調査の重要性とは?

東南アジア進出に際しては、現地マーケットの特性と変動要因を的確に把握することが重要です。市場調査なしに進むと、文化的ミスマッチや法規制の違いにより、思わぬトラブルや損失を招くリスクが高まります。
自社ブランドが東南アジア進出をする際には、

  • 日本の常識では考えないこと
  • 東南アジアの国ごとの違いを理解すること
  • 各国の現状を正確に把握すること

上記3つのポイントを意識しましょう。

ポイントを押さえておくことで、最適な市場調査をすることが可能になります。

日本の常識では考えない

国や地域によって、文化、習慣、価値観、食生活、宗教などは異なります。

日本で『当たり前』とされていることも、他の国では異なることが多くあります。

このため、価値観は人や国によって異なることを理解し、各分野において市場調査を行うことが重要です。

東南アジアの国ごとの違いを理解する

東南アジアは2025年時点で約7億人もの人がいる大きな市場です。しかし、それぞれの国ごとに様々な違いがあります。
具体的な違いとしては、次の点が挙げられます。

  • 言語
  • コミュニケーションの取り方
  • 人との繋がり方
  • 食文化
  • 時間感覚

そのため、日本での常識が、そのまま対象国で通用するわけではありません。
これらの違いをしっかり理解しないと、正確で効果的な市場調査を行うことが難しくなります。

各国の現状を正確に把握する

各国の現状を把握する際に、次のような視点が重要です。

  • 人口問題はどうか?
  • 気候変動、自然災害はどうか?
  • グローバル化への取り組みはどうか?

これらの様々な側面からデータを収集することで、各国が直面している課題や改善の余地をより正確に把握することができます。

各国の問題を把握したら、それらを整理し、優先順位をつけて順番に解決していくことが重要です。

現状を正確に把握することで、適切な市場調査を進めるための基礎を築くと同時に、その国の消費者ニーズや市場の特性も理解できるようになります。

暗黙の了解を把握する

暗黙の了解とは、口に出して明言しなくても、当事者同士で自然に理解されている事柄を指します。
東南アジア圏における暗黙の了解の例としては、次のようなものがあります。

  • 宗教上の理由で食べられない食材がある
  • 一部地域でのゴミの分別の習慣
  • マナーやエチケットの違い(例: 挨拶やビジネスマナー)

これらは、特に誰かに教わることは少ないものの、その国の習慣や『常識』として広く受け入れられています。

こうした『当たり前』を理解することで、その国の文化や習慣をより深く知ることができ、それがビジネスを成功させるための重要なポイントになります。

日本企業の東南アジア進出が加速している理由を解説!

日本企業が東南アジア諸国に進出しているのには、人口増加による経済成長率の増加のほか、その国ごとの特徴に合わせた様々な理由があります。

ここでは、日本企業がなぜ東南アジア諸国に続々と進出しているのか、その理由について解説していきます。

高い経済成長率

経済成長率は一定期間内で国の経済規模がどれだけ変化したかを示す指標です。成長率が高いと景気が良くなり、物価が上昇する傾向があります。

2025年のASEAN主要6カ国の実質GDP成長率は、全体で4.2%と予測されており、特にフィリピンが5.6%、ベトナムが5.2%、インドネシアは5.0%と高い成長を維持しています。マレーシアは4.1%、タイは1.8%、シンガポールは1.6%とそれぞれやや控えめですが、依然として安定した成長を示しています。

東南アジア諸国では今後も人口増加や労働人口の増加が期待されており、日本企業にとって引き続き魅力的な進出先となることが予想されます。

ベトナム進出が急増している理由

ベトナムの統計局は、2024年の第2四半期(4月から6月)の経済成長率が前年同時期と比べて6.93%増えたと発表しました。
これは、前の3ヶ月(1月から3月)の成長率5.87%よりも高くなっています。

この高い経済成長率により、ベトナムは世界的に注目されています。
その理由の一つは、他のASEAN諸国と比べて人件費が低く、豊富な労働力を確保できる点です。
さらに、政治的にも安定しており、近年15年間にわたって安定した成長を続けています。

これらの要因から、多くの国際企業がベトナムへ進出し、その結果、さらなる経済成長が促進されています。

投資先としてのシンガポールの魅力

投資とは、将来的に利益を得ることを期待して、資本を投入することです。投資を行う際には、自分の資本に見合った商品やサービスを選ぶことが重要です。

シンガポールは、政治と経済が安定したビジネス環境が整っている国です。観光地としての人気も高く、国際金融センターとしての地位も確立しています。
また、シンガポール政府は企業に対して支援を行い、ビジネスの発展を促進する政策を実施しているため、投資先としての魅力が高まっています。

安定した政治と経済、優れた労働力、そして競争力のある税制を備えているシンガポールは、投資を考える際に非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

進む外資規制緩和

外資規制緩和とは、外国人や外国企業による投資に対する制限を緩和し、より自由な参入を促すことを指します。近年、特に東南アジア諸国では外資規制の見直しや緩和が進んでいます

タイでは2025年4月に外国人事業法の改正方針が閣議で承認され、規制緩和によってスタートアップ企業の振興や産業競争力の強化が目指されています。フィリピンも公益事業分野の外資規制を緩和し、投資環境の改善に注力しています。また、ベトナムではデジタル経済分野に対する規制が強化される一方で、イノベーション促進のための優遇措置を導入し、技術力を持つ企業には新たなビジネス機会が生まれています。

こうしたASEAN諸国の動きにより、新たな分野での需要拡大や競争の促進、生産性向上が期待され、域内の経済活性化につながっています。こうした外資規制緩和の流れは、日本企業にとっても進出拡大の大きなチャンスとなっています

東南アジアへ進出する理由をさらに知りたい方はこちら
日本が東南アジアに進出した理由とは?進出のメリットと成功させる5つのポイントを解説

東南アジアへの進出メリット・デメリットを解説

東南アジア諸国、特にASEANへの進出を考える企業が多い中、メリット・デメリットが気になるという方も多いでしょう。そこで、ここではベトナム、タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシアの5カ国における企業進出のメリットとデメリットを解説します。

海外進出を成功させるためには、それぞれの国の事情を理解しておくことが重要です。文化や宗教、金銭に対する価値観が国ごとに異なることを念頭に置きながら、以下の解説をお読みください。

ベトナム進出

日本企業がベトナムに進出する理由には、『ASEAN加盟国の中で比較的安価な人件費で労働が可能』であることや、『優秀な人材が揃っている』ことが挙げられます。

ベトナムは、外資を積極的に呼び込むための環境が整備されており、進出のチャンスが多く存在しています。

一方で、ビジネスに関する政策や戦略が十分に実行されていないという問題も存在します。このため、具体的な計画や方針を持たないと、進出が難しくなる可能性があります。

ベトナムに進出する前には、現地の情勢や市場をしっかりと確認することが重要です。

企業のベトナム進出が気になる方は、以下をご覧ください。
ベトナムの市場調査で押さえるべきポイントを徹底解説!

タイ進出

日本企業がタイに進出する理由には、『タイがアジアにおける投資の中心地であること』や『税制の優遇措置があること』などがあります。
また、現地での調達が容易であることも重要な要因です。これらの要素により、コスト削減や商品の安定供給が可能になります。
一方で、タイでは人口減少や少子高齢化が問題視されています。

人口の変動が大きいと、ビジネスチャンスを失うリスクもあるため、タイ進出を計画する際には、現地の情勢を十分に確認することが重要です。

企業のタイ進出が気になる方は、以下をご覧ください。
【タイの市場調査】進出前に知るべきタイ経済や消費者ニーズ・日系企業の成功事例を徹底解説

インドネシア進出

日本企業がインドネシアに進出する理由には、『人口が多く市場規模が拡大していること』や『石油や天然資源が豊富であること』が挙げられます。
また、観光業やサービス業において今後も多くの企業が参入することが期待されています。

一方で、インドネシアでは法規制やコンプライアンスの意識が低いという問題があります。

これらの文化的な違いは、海外進出において重要な課題となります。

インドネシア進出を計画する際には、こうした文化の違いにも十分に注意を払うことが重要です。

企業のインドネシア進出が気になる方は、以下をご覧ください。
インドネシア市場調査ガイドと最新トレンド・産業動向・進出時の注意点を徹底解説!

シンガポール進出

日本企業がシンガポールに進出する理由は、『ビジネス環境が整備されている』『富裕層向けの生活拠点・消費市場が整っている』という点が挙げられます。

高い経済力を誇り、税制優遇も用意されていることも大きな魅力です。

ただし、豊かな国であるために就労ビザの取得が難しい点や、生活にかかるコストが高くなることが課題となります。

その結果、人件費も高くなることが問題です。

シンガポール進出の際には、金銭面での課題や事業成功の可能性をしっかりと把握することが重要です。

企業のシンガポール進出が気になる方は、以下をご覧ください。
シンガポール進出支援を成功させるポイントとは?フィージビリティスタディの重要性やM&Aについても解説

マレーシア進出

日本企業がマレーシアに進出する理由として、『世界有数の親日国家であること』と『若年層の人口が増加していることにより外資企業の誘致が期待できる』点が挙げられます。

また、日本と比べて安価なコストで企業活動ができたり、法人税の優遇措置が多いことも大きなメリットです。

しかし、日本とマレーシアでは宗教や文化の違いが大きいことに留意する必要があります。

さらに、政策による移民の影響もあり、その理解を深めることが重要です。

マレーシア進出の際には、宗教や政策への理解に加えて、イスラム教の重要な文化行事である『ラマダン』を学ぶことで、よりスムーズに進められるでしょう。

企業のマレーシア進出が気になる方は、以下をご覧ください。
【完全版】マレーシア市場調査の方法とは?市場の魅力・進出のポイントを徹底解説

東南アジアの市場調査ならAXIA Marketingへ!

この記事では、近年注目がより高まっている東南アジア市場へ進出を検討する企業に向けて、国ごとの経済状況や市場特性、文化的な違いの理解が重要であることを解説しました。東南アジア諸国はそれぞれ独自に複雑で多様な文化を形成しており、思想や市場環境も異なります。そのため、競争力のある戦略策定には綿密な市場調査が欠かせません

AXIA Marketingは、日本企業の海外展開を支える市場調査のプロフェッショナルとして、各社の経営戦略に必要な情報を、緻密なデータとデスクの上だけでは分からない「現地の生の声」を丁寧に拾い上げることで提供しております。

東南アジアという多様かつ成長著しい市場において、現地の文化や商習慣を深く理解し、目的に合わせた最適な調査設計から実施まで一貫してサポートしています。ぜひこの機会にAXIA Marketingをご検討ください。

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参考文献
東南アジア(ASEAN)における日本企業の進出ーその実態と理由とは-FUKAGAWA
アジア進出を成功させるために市場調査が重要なわけとは-株式会社 未来トレンド研究機構
東南アジア進出のメリット・デメリットは?ASEAN各国の特徴をまとめてご紹介-HELP YOU
第2四半期のGDP成長率は前年同期比6.93%、製造業が牽引(ベトナム)- ジェトロ
ASEAN進出への道はシンガポールから!?投資先としてのシンガポールの魅力とは-日本M&Aマガジン
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